霊感少年の幽雅な生活 (完)   作:ケツアゴ

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更新が途切れたのは言い訳しない! cccが面白かっただけだ! 通常エンドはサーヴァントエンドからサーヴァントの会話なしにしただけらしいので目指せ最低5週!

レベル高いままで俺tueeeeeも好きだ 一からレベル上げるのも好きだが強くてニューゲームはもっと好きだ

推奨レベル22のところに28で挑んだ私 セーブ&ロードの敵復活が嬉しい エクストラは端から端までのマラソンの繰り返しだったから…… しかも復活するのは最初の方の敵だから一往復しないといけなかったし……




あ、余談ですが原作追いついたら他の続き書きつつ赤髪か聖女の兄をリメイク予定

赤髪は大幅リメイクで魔王少女の息子にしてロボットとマッド以外は眷属変更

聖女兄は能力をフェイト限定にしようかと

どっちかはアイディアしだい


四十六話

人は心の何処かで自分は特別だと思っている。ニュースで陰惨な事件や事故を知っても自分にはこんな不幸は降りかからないと何処かで思い、例えば多くのものが呪いに掛かったとされる禁忌にも自分なら大丈夫だと思って触れる。自分なら何も失わないと思い込みながら。

 

 

 

この世に真に特別な存在など有りはしないのに……。

 

 

 

 

 

 

 

「……テロリスト連れてアポ無し訪問なんて……冥界からの冥府への宣戦布告と取って良いのかな?」

 

「お相手致しますよ? 塵すら残さず消し去りますが」

 

今からデートに向かおうとした時の突然の訪問に、一誠と玉藻は笑顔を浮かべながらも不機嫌さを醸し出す。いや、笑顔も威嚇の一種である為、あえて笑顔を浮かべているのかもしれない。二人から放たれる怒気に突然の来客者達は気不味そうにしていた。やって来たのはアザゼルにオーディン一行とソーナとリアス、そしてその眷属達とヴァーリ達だ。

 

「……兵藤君。行き成りの訪問申し訳ありません」

 

一誠達が戦う気を示した事に嬉しそうな顔をするヴァーリを無視しソーナが頭を下げる。オーディンというハーデスの友人も居るので一誠は仕方なく一同を家に招き入れた。流石にこの大人数では少々手狭にな、とアザゼルが思った時、彼らの全身をヌメリと撫でるような感覚が襲い、何時の間にか花に囲まれた庭園に移動していた。庭園には人数分の椅子とテーブルが用意されており、ありす達がお茶とケーキの用意をしている。

 

「ようこそ、ありすのお茶会へ!」

 

「今日は名前を取らないから安心して良いわ」

 

一誠と玉藻はすぐに席に着き、ありす達は二人の前にケーキと紅茶を並べる。アザゼル達も戸惑いながら席に着いた。

 

「なぁ、赤龍帝。この空間は何なんだ? 其処の二人が関係しているようだが……非常に興味深い」

 

「……君ってショタコンなだけじゃなくてロリコンでもあったの? 宿ってるのはロリショタ皇ホモペドン? あ、ヴラディ君は逃げたほうが良いよ。男の娘の君ならヴァーリの好みドストライクだろうから」

 

「ひぃぃぃぃぃぃぃっ!?」

 

ギャスパーは悲鳴を上げながら壁際まで逃げる。その際にしっかりとお尻を押さえており、明らかにヴァーリを警戒している。ランスロットもありす達を守るように間に入る中、ヴァーリは静かに机に突っ伏していた。

 

「……ヴァーリ? あ、舌噛んでる」

 

美猴が覗き込むとヴァーリは口元から血を流し目は白目を向いている。そうやらショックのあまりに自ら舌を噛み切ろうとしたようだ。アルビオンに対するホモ疑惑が自分にまで及び、最近では何者かの手によって自分が小児性愛者だという噂が駆け巡っている上、先ほどのロリコン疑惑の浮上。流石の彼も耐え切れなくなったのだろう。

 

「な、何か噛ませる物は!? アルジェントさん! 彼の治療を!」

 

たちまち場が騒然となりアーシアは慌てて治療を行い出す。その間、小猫は我関せずといった様子でケーキを貪り、黒歌はその世話を焼いていた。

 

「ほら、口元にクリーム付いてるにゃ」

 

「……有難うございます」

 

数十分後、ようやくヴァーリの精神が安定したのを確認したアザゼルが用件を話しだした。ロキが連れているフェンリルは全盛期の二天龍クラスなので戦力が欲しいが英雄派のテロによって人手が足らずヴァーリ達の協力の申し込みを渋々受け入れる事になった。でもそれだけでは不安なので冥府に戦力提供を依頼した所、一斉に自分達で交渉しろっとの返答が返ってきた。

 

「テロリストの手を借りるなんて落ちぶれたね。第一彼らって弱いじゃん」

 

「……俺は弱くないぞ、兵藤一誠。何ならこの間の続きをするかい?」

 

一誠の発言にヴァーリは不機嫌そうに反応する。この間の戦いは彼にとって不満だったようだ。二天龍同士の熱い戦いを期待していた彼からすれば一誠の戦い方は許せなかったのだろう。

 

「いや、この前は俺の完勝だよ? 俺は君と違って卑怯な事をせず正々堂々戦ったんだから。まぁ、君が俺の言葉に対し勝手に間違った解釈をしたけど」

 

「……良いだろう。この場で再戦と行こうじゃ……!?」

 

ついに我慢の限界を迎えたのかヴァーリが立ち上がり、アザゼル達が慌てて押さえ付けよつとした時、ヴァーリの後ろから伸びてきた白い手がヴァーリの顎を撫でる。何時の間にかハンコックが……ヴァーリの曾祖母であるリリスが立っていた。

 

「……オマエは」

 

「ふむ。ルシファーによく似ておるよなぁ。じゃが、少々熱くなりやすいと見た。どれ、暴れたいなら妾が相手をしてやろう」

 

「……良いだろう。奴を倒す前に曾祖母のオマエで予行練習だ。歴代最強の白龍皇の力を見せてやる!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……仕方ないね。爺さんからも条件付きで手を貸すようにメールがあったし、何人か派遣するよ」

 

一誠は嘆息すると指を鳴らす。すると一誠の背後にグレンデルとフリードが現れた。

 

「この二人と先日派遣したランスロットとポチを出すよ。それとあと数人程当日までに決めるから。本当なら実力的に俺と玉藻が行くべきなんだろうけど、俺は用事があるから少し遅れるし、玉藻は神の一種だからフェンリルの神殺しの牙が怖いしね。ま、用事が終わったら向かうよ。……本当ならシャドウがフェンリルと相性が良いんだけど今はちょっと訳が有って戦えないんだ」

 

「あぁ! 助かるぜ。んで、条件ってのは?」

 

「一つ目は人工神器の開発データの提供。二つ目はアロンダイトの情報を集める事。そして三つ目は……オーフィス打倒にサマエルを使用したいから他の勢力を説得して欲しい。この三つだよ」

 

二つ目の条件までは普通に頷いていたアザゼルであったが三つ目の条件に顔を引きつらせる。サマエルは龍に対する聖書の神の悪意によって呪われた堕天使兼ドラゴンで、余りにも危険な為にコキュートスの最新部で厳重封印する事が全勢力の合意で決まっていた。それを使用するというのだからアザゼルの反応は最もだろう。

 

「この前、オーフィスはサマエルの毒っていう言葉に反応したでしょ? もしかしたら有効かもしれないから使ってみようって話になったんだ」

 

「……俺だけでは判断できねぇ。本部に帰って話し合いをさせてくれ」

 

「仕方ないなぁ。爺さんには俺から話しとくよ」

 

漸く話が纏まりかけた頃、アーサーが話し掛けづらそうに近付いて来た。彼の視線は先程からフリードの手の中にあるコールブラントに注がれている。

 

「……あの。コールブラントを返して頂けませんか? アレって一応私の家の家宝兼国宝ですので……」

 

「なんでテロリストに強力な武器渡さなきゃいけないの? ペンドラゴン家にならお金と引き換えに渡すから頼んでみれば?」

 

一誠の言葉にアーサーはすごすごと引き下がっていく。もともと勝負に負けた際に奪われた物なので駄目元で頼んできたのだろう。そのまま大人しく、ハンコックの椅子にされているズタボロのヴァーリの元に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『グハハハハ! んじゃ、行ってくんぜ旦那!』

 

その後、フェンリルの弱点を探る為にロキの別の息子であるミドガルズオルムの思念体に会いに行く事となり、グレンデルが一誠の代わりに向かう。どうやら目的の龍を起こすのには他の龍の存在が必要なようだ。同行することなった元龍王のタンニーンはヴァーリやグレンデルに警戒しているが、当の二人はどこ吹く風といった様子だ。

 

「……大丈夫だろうか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あっ! そろそろ上映ですよ!」

 

グレンデル達がミドガルズオルムの元に向かっている頃、一誠と玉藻は漸くデートに向かっていた。先程までの話し合いで潰れた時間を取り戻すかの様に玉藻ははしゃいでいた。一誠は両手にポップコーンやら飲み物を持ってその後を追う。二人が席に座って直ぐに映画が始まった。

 

『i love you』

 

 

 

 

 

「はぅ~。やっぱ良いですねぇ♪」

 

玉藻は画面に憧れの視線を向ける。二人が見に来たのは洋画の恋愛物で愛し合う男女が試練を乗り越えながら結ばれるっという在り来りなものだ。それでも面白い人には面白いのかあちらこちらで観に来ていたカップルが手を重ね肩を抱き寄せ合っている。

 

 

「……玉藻」

 

「はい? なんですか、一誠さん……んっ」

 

そして一誠も玉藻の名を呼び、横を向いた瞬間に唇を重ねた後で恥ずかしそうに手を重ねた。エンディングのスタッフロールが流れる間、二人は顔を真っ赤にしながら座っている。この日は二人が初めて正体を隠さずにデートをした日であり、玉藻が一誠を初めて名前で呼んだ日であった。

 

 

 

 

 

 

「ねぇ、玉藻。今日は俺の事を名前で呼んでくれない? たまには主従関係無しで過ごしたいんだ」

 

「良いですよ。其れがご主人様のお望みなら私は従うまでです」

 

デートの日の朝、一誠から出された提案に玉藻は了承する。当初は名前で呼ぶくらい大した事ないと思っていた二人だったが、

 

「ご……い、一誠さん」

 

「……何?」

 

「……なんか照れくさいですね。ちょっとした事が新鮮に感じます」

 

このように妙な気恥ずかしさが二人を襲う。既に何度も肉体関係を持っているにも関わらず、その日のふたりは付き合いだして間もないカップルのようであった。二人が映画館の次に向かったのは一誠がレイナーレを殺して下僕にした公園。一誠は遊園地にでも行こうかと誘ったのだが、玉藻はそれを断った。

 

 

 

「はい、あ~ん♥」

 

「んっ。料理の腕上げたね。次はコロッケにしてくれる?」

 

玉藻が断った理由は今食べているお弁当である。近くの遊園地には持ち込んだお弁当を食べる場所がなく、丁度いい場所として今居る公園まで来たのだ。玉藻は甲斐甲斐しく一誠の世話を焼き、一誠の母親から教わって作ったオカズを一誠の口に運んでいく。彼女が幸せそうな顔で箸を進めていると、何を思ったか一誠はその箸を取る。そして、

 

「はい、あ~ん」

 

「あ、あ~ん……」

 

先ほど自分にして貰ったのと同じように箸で料理をつまむと玉藻の口元に持って行く。玉藻は顔を耳まで真っ赤にしながら口を開けた。

 

 

 

 

 

「ふぅ~、満腹満腹。玉藻、膝貸して」

 

「はい、喜んで♪」

 

食事後、一誠は玉藻の膝枕をして貰いながら微睡む。玉藻はその顔を愛おしそうに眺めていた。

 

 

 

 

「……私は既に玉藻の前でも子狐の玉藻でもない別の存在ですが、両方の記憶を持っています。ご主人様。私は玉藻の前が愛した方より貴方が好きです。子狐の玉藻の時よりも貴方が大好きです。私は貴方の事がずっとずっと大好きです!」

 

微睡む一誠にその呟きが聞こえているのか聞こえていないのかは分からないが、その口元は微かに緩んでいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『あ~。今なんか旦那と大将がイチャラブってる気がしたぜ』

 

その頃、ミドガルズオルムを呼び出している真っ最中だったグレンデルは急にそんな事を呟く。周りの者達は『大罪の暴龍』とまで呼ばれたグレンデルの言葉とは思えず目が点になっている。そんな中、ミドガルズオルムの声だけが響いた。

 

『あはははは! グレンデル、君変わったね。なんかドライグとホモビ……アルビオンの気配が混じってる気がするけど、何か変わった事あった?』

 

『あぁん? せいぜい手芸や格闘技の通信教育に嵌ったくらいだな。この前マユリの野郎に武器作って貰ったしよ、早く試したいぜ』

 

「……おい、気のせいか? 今グレンデルが手芸に嵌ってるって聞こえたんだが」

 

「……俺にもそう聞こえたよ。アルビオンはどうだい?」

 

『……俺はホモじゃない俺はホモじゃない俺はホモじゃない。ホモなのはヴァー……すまん、よく聞いてなかった』

 

その後、もうツッコミを入れるのも面倒くさくなったタンニーンは目的であるフェンリルの弱点を聞き出してさっさとその場から去っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして数日後、一誠が天照との会談を終え戦いの場に向かった時に目に入ってきたのは、

 

 

 

 

 

 

 

 

「ランスロットさん!」

 

砕けた剣を落とし、血まみれでロスヴァイセに抱き抱えられるランスロットの姿と大小合わせて四匹(・・)のフェンリル。そして小猫を庇い背中から胸を貫かれた黒歌の姿。

 

「にゃはは……。白音…怪我…無い…?」

 

「ね、姉さまぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

小猫の悲鳴が戦場に木霊した……。




意見 感想 誤字指摘お待ちしています


ヴァーリはもう駄目だ お仕舞いだぁ

セイバーがデレっデレ(笑) 今から四階層

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