……少年誌やヤング~とかの青年誌レベルのエロ描写ならセーフかな? Bまでなら……
セイバーまじ低火力・゜・(ノД`)・゜・ キャス狐の魔力上げ チャージ 攻撃スキル のコンボが懐かしい
「ねぇ、幽霊になるのってどんな感じなのかにゃ?」
それは異界で行われた宴会の席の中、黒歌が脈絡なしにした質問だった。彼女からすれば特に気にしないでした質問なのだろうが、それを聞いた者達は黙り込む。普段陽気なありす達や狂っているクドラクでさえ箸を止めて俯いていた。
「……あれ? 私地雷踏んだ?」
流石に拙かったかと感じたのか黒歌の耳は垂れ下がっている。そんな中一際沈んだ顔をしていたランスロットが口を開いた。
「……そうですね。守護霊などの一部を除き、霊となった者には五感がなく、ただ思考のみの状態です。例えるならば、暗く冷たい海の底に永遠に一人ぼっち、と言った所でしょうか? だからその海の底から掬い上げてくれた主には皆好意を持っているのですよ」
「ふ~ん」
「黒歌さんも死んだら主が救い上げて下さいますよ。……玉藻殿に魂を食われなければですが」
「縁起悪っ!?」
「さぁ! 玉藻、張り切っちゃいます!」
玉藻の手から無数の札が舞い散り周囲を囲む。そして無数の鳥居が出現したかと思うと鏡が光り出し光の柱となった。
出雲に神在り。審美確かに魂に息吹を。山河水天に天照す。是自在にして禊の証
名を玉藻鎮石神宝宇迦之鏡也!
……なんちゃって♪」
それを確認した一誠はダラリと腕を下げ体から力を抜く。そして感情のこもらない声で呪文を紡ぎ始めた。体からは黒く悍ましいオーラが溢れ出す。
『我、全てを滅ぼす破壊の化身なり』
『破滅を望み、希望を喰らう』
『我、全てを滅ぼす憎悪の化身となりて』
『汝を永久の絶望へと誘わん!』
『
其処に居たのは一匹の龍だった。いや、龍らしき存在だと言うべきだろう。その体は黒い靄に覆われ辛うじて龍らしき輪郭が確認できる。中心からはドライアイスから冷気が立ち上るように靄が溢れ続け、顔らしき場所に赤い光が二つ光っていた。
「な、なんだアレは!?」
その姿を見たヴァーリは何時もの戦闘欲求さえ忘れ立ち尽くす。その顔には本能的な恐怖が現れていた。戦闘狂の彼にとって未知数の相手というものは好奇心を刺激され戦ってみたいと思うもの。しかし今の一誠の姿を見た彼が感じたのは、今すぐ逃げ出したい、ただ其れだけだった。横を見ると美猴やアーサーも同じ表情をしている。ヴァーリの身は竦み思考が全て恐怖に塗り替えられ、
『ヴァーリ! 何をしている!? 今すぐ逃げろ! アレは拙すぎる!』
「!」
突如響いたアルビオンの声を聞いた途端に我に返った。彼は直様目的の相手を探す。しかし、目的の相手の傍には厄介な相手が二体居て、その二体を掻い潜り今の一誠の妨害を避けつつ目標を達成するのは不可能だろう。ヴァーリは仕方なく妥協の道を選び、
「アーサー! 美猴! 予定変更、奴を連れて行く!」
三人は既に戦える状態ではない為に後回しにされていた瀕死のスコルへと向かっていく。周りの者が気付いて近付こうとした瞬間には三人はスコルごと消え去った。
「畜生! これが目的だったのか!」
最初からヴァーリ達はフェンリルを狙っていた、という事に気付いたフリードはコールブラントの鋒を地面へと叩きつける。レイナーレも怒りから顔を顰めた。
「……バラキエル様、タンニーン様。彼らの参戦を許可したのは貴方方のトップです。テロリストに神殺しを明け渡す事となった責任、しっかりと追求させて頂きます」
既に神が居ない天界と違い神が居る他神話にとって神殺しの力は厄介な物。それを裏切り者のテロリストに奪われる切っ掛けとなったのは各勢力が出したヴァーリ達の参戦許可だ。レイナーレに横目で睨まれた彼らが居た堪れなさそうな表情をしたその時、ロキの腕に黒い茨が絡みついた。
『……苦痛の棘』
「ぎゃぁぁぁぁぁっ!!」
一誠の体から伸びた茨の様な物体は意志を持つかのように動いてロキを簡単に捕縛する。棘はロキの皮膚を引き裂き肉を穿つ。骨まで達した切っ先は激しく放電し、触れている場所は高熱で燃え出していた。棘で切り裂き電撃と高熱で焼く。ロキの体を途轍もない激痛が襲う中、フェンリル達の戦いも激化していた。
『オラァッ!!』
グレンデルによるトンファーの振り下ろしを軽々と避けたフェンリルはその体に爪痕を残す。着地の瞬間を狙ってポチが飛びかかるが身を捻って避けられ、後ろ足で蹴り飛ばされた。
「……やるで御座るな。しかし、まだこの体に慣れん。四足歩行での戦いがこれほど難しいとは」
『少し前まで二足歩行で戦ってたんだから仕方ねぇ。……こうなったら俺も奥の手使うぜ』
「……」
フェンリルは無言で目の前の敵をジッと睨む。確かにドラゴンは硬いし自分ソックリの奴は能力までほぼ同じだ。しかし傷つけられない程もなく、力はあっても使い方がまだまだだ。今フェンリルが気になっているのは目の前の敵より攫われた息子と追い詰められている父親の事。しかし、目の前の敵は倒せない敵ではないが易々と倒せる敵でもなく、背を見せれば殺られかねない。
両者とも硬直状態になると思われたその時、グレンデルが突進する。その手の甲には何時の間にか宝玉が出現していた。
『くたばれ犬っコロッ!』
振り抜かれた拳の威力は喰らえばフェンリルでもノーダメージではすまないであろう一撃。だが、避けるのは簡単な一撃だ。当然のように易々と避けたフェンリルはその腕に牙を突き立てる。鱗を砕き骨まで切っ先を届かせる。グレンデルの腕からは止めどなく血が流れるがフェンリルは顎の力を緩めずそのまま腕を食いちぎらんとし、そのまま浮遊感に襲われる。
なんとグレンデルが空いた手でフェンリルを掴み、腕に噛み付かれたままその体を持ち上げていた。そしてグレンデルの手に出現した宝玉から音声が鳴り響く。
『Divide!』
『ポチ、今だ!』
「承知した!」
グレンデルはフェンリルを勢いよく地面に叩きつけ、無防備な腹をポチの方向へと向ける。叩きつけた衝撃でグレンデルの腕の肉は大きく削がれるも覆い被さるように押さえつけ、ポチの牙がフェンリルの腹に突き刺さった。
『ギャウン!』
さすがのフェンリルも無防備な腹を噛み付かれては堪らない。しかも何時もより腹が柔らかくポチの牙は深々と刺さり内蔵を傷つける。グレンデル達はそのまま押さえつけてトドメを刺しに掛かるが纏めて弾き飛ばされた。
『うぉっ!?』
「……気を付けよ。追い詰められた獣は厄介でござる」
フェンリルは腹部から血を溢れ出し目は少し虚ろだ。しかし闘志は全く衰えず、反対に死の淵に達したからか決死の覚悟で道連れにしようとしていた。そして前足に力を込め、溢れ出す己の血で牙を濡らしながら唸り声を上げ、
『ねぇ、フェンリル。動いたらロキにトドメを刺すよ』
「!」
一誠の声で動きを止める。フェンリルが憎々しげに見つめる先では黒い刃に四肢を貫かれて地面に拘束されているロキの姿が有り、その上に乗っている一誠の前足が掴んでいるのは半透明のロキ。一誠は生きたままロキの魂を引きずり出そうとしていたのだ。
『ねぇ、知ってる? 魂をバラバラにされると途轍もない苦痛の中永遠に彷徨うんだ。もう一度言うよ? 動くな。父親を殺されたくないだろ? なら、そのままトドメを刺されろ。そうしたらこっちも考えようじゃないか』
「……」
フェンリルは苦々しそうな表情をするとグレンデル達に腹を見せる。好きにしろ、そう語っていた。
「これも生存競争。負けたほうが悪い。……恨むなよ」
『ま、大将を怒らせた自分を恨みな』
頭に振り下ろされたグレンデルのトンファーは頭蓋骨を砕き、ポチの牙は喉元を食い千切る。最強の魔獣であるフェンリルは完全に息絶え、その魂はグレンデル達に吸収されていった。
「フェンリル! お、おい! 奴は大人しくトドメを刺された。貴様も約束を……」
『うん! そうだね!』
フェンリルの死を見て必死に叫ぶロキに対し、一誠は明るい声を掛ける。ロキは命は助かったと安堵の息を漏らし、
『……。約束通りに考えたけどやっぱり殺すね♪ 一応考えたんだから嘘はついてないよ。だって、俺は考えるとは言ったけど、助けるとは言ってないからね』
そのまま魂を握り潰された……。
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