霊感少年の幽雅な生活 (完)   作:ケツアゴ

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セラフォルーって三大勢力の会談とかの時はまともな格好をするけどオーデンとかの他の勢力が来る時もコスプレしてるとか分別が有るのか無いのかわからないキャラ




フェイトゼロで呼ばれたのは輝くNEL騎士ではなくエネルだったら心綱でケリィの居場所察知して…てか先生の言うこと聞くわけがねぇ


六十五話

その日、ロスヴァイセの部屋は重苦しい空気に包まれていた。室内は掃除中の為に少々散らかっており、ベットの上のシーツはシワが寄っている上に色々な物で汚れている。その上、独特の異臭から部屋の主が何をしていたのか丸分かりになっていた。

 

「貴方がランスロットさんですね? ロセからの手紙やガウェインさんから話を聞いてよく知っていますよ。初めまして、ロセの祖母のゲンドゥルと申します」

 

「初めまして。本来ならば私の方からご挨拶に向かうべき所なのですが、わざわざ御足労頂き申し訳ございません」

 

深々と頭を下げるゲンドゥルに対し、ランスロットも深々と頭を下げる。彼の目の前にいる女性はロスヴァイセの祖母であるゲンドゥル。血が繋がっているだけあってロスヴァイセにソックリだ。二人が挨拶を交わし終えた頃、ロスヴァイセがお茶を持ってやって来た。

 

「お、お祖母ちゃん。来週来るんじゃなかったのけ?」

 

どうやら急な来訪に慌てている様だ。しかし無理もない話だ。部屋の様子からして少し前まで情事の真っ最中であったと判断でき、そんな状況で忙しい両親の代わりに自分を育ててくれた祖母がやって来たのだ。思わず方言にもなるだろう。

 

「……それについては私の落ち度ですね。あの手紙は本当なら先週に出す予定でしたが、つい慌てていて出し忘れ、中身を直さぬまま出してしまっていました。……それはそうと、このお茶は何ですか? 全く、いい年してお茶も満足に入れられないとは。家事もロクに出来ていないようですね」

 

ゲンドゥルがジロリと見つめた先にあるのはゴミ箱。中には半額シールのついたお惣菜の空パックが入っており、ロクに自炊をしていない事が伺える。ソウ、ロスヴァイセは料理がど下手だったのだ。

 

「ま、まぁ、落ち着いてください、ゲンドゥルさん」

 

「貴方は黙っていて下さい。むしろ恋人なら駄目な所は駄目と言って下さらないと困ります。この様な有様では結婚した後どうなる事やら……」

 

「……え? お、お祖母ちゃん? わたす達の交際に反対してないのけ?」

 

ロスヴァイセはハッキリ言ってランスロットとの交際には反対されるだろうと思っていた。王の妻を寝取り、友人の弟達を殺したという過去は消せないからである。呆けた顔をする孫娘に対し、ゲンドゥルは嘆かわしそうに溜息を吐く。

 

「……ええ、私は反対しませんよ。彼の過去は知っていますが貴女の手紙に書かれた彼の事やガウェインさん、そしてオーディン様から話を聞き、ランスロットさんなら任せても良いと思いました。……ランスロットさん、不束かな孫娘ですが此れからもどうぞ宜しくお願いしますね」

 

「……此方こそ宜しくお願いします。ロスヴァイセ殿は必ず私が幸せに致しますのでご安心ください」

 

ゲンドゥルとランスロットは互いに深々と頭を下げ合う。色々と取り越し苦労だったのかと安心するロスヴァイセであったが、ゲンドゥルは厳しい目付きのまま彼女に座るように促した。

 

「……さて、話は纏まりましたね。ロセ、貴女は彼と結婚する意思はあるのですね?」

 

「も、勿論ずらっ! 手紙でも書いたとおり、兵藤く……さんが正式に最上級死神の地位に就いて落ち着いたら結婚しようって話に……」

 

「そうですか。……なら、貴女には家事を一から叩き込まないといけませんね。これから毎週指導に来ますよ」

 

「へ? わ、わたすも仕事の都合があって休みの日はゆっくり休んだり、ランスロットさんとデートを……」

 

「ご安心なさい。平日の仕事が終わった頃に来ますので。……返事は?」

 

「は、はい!」

 

どうやら祖母に対して苦手意識があるらしくロスヴァイセは従うしかなかった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……てな事があったんだって」

 

ソーナとサイラオーグのゲーム当日、用意された観覧室に続く廊下を歩きながら一誠はロスヴァイセから聞かされた愚痴の内容を話す。それを聞いた三人は各々反応を返してきた。

 

「ま、別に良いんじゃないですか。てか、この前見せて貰ったあの人の料理……いや、料理と呼びたくないあの謎の物体。マジありえねーでしたよ」

 

試作品の味見を頼まれた玉藻はこみ上げてくる吐き気を堪えながら肩を竦める。その顔には少々青みが差していた。

 

「でも交際どころか結婚も既に了承済みとか羨ましいにゃ。私なんて挨拶するのに十年以上掛かったのに」

 

《いや、黒歌さんが出会ったのは幼稚園の頃でやんしょ? その頃に挨拶してたらショタコンの変態でやんすよ。あっ! あっしの所も祖父が挨拶がしたいって言ってたでやんすよ》

 

「あ~はいはい。じゃあ、次の日曜に挨拶に行こうか」

 

一誠が背中に張り付いているベンニーアの方を振り向いて返事をすると両側から抱き着いてきている二人が腕に込める力を強める。今一誠は左右から玉藻と黒歌が抱きつき、腕は彼女達の胸谷間に挟まれ、背中にはベンニーアが抱きついているという状況で歩いている。モゲて爆発しろという言葉を送りたくなる状況で観覧室にたどり着くと、他の者達は既にやって来ていた。

 

「グハハハハ! 面白い格好で来たじゃねぇか。まぁ、お前も飲め!」

 

「ガハハハ! 駆けつけ三杯だぞ、一誠」

 

一誠が通されたのはオリュンポスと冥府勢というギリシア神話体系の神々用の部屋。内装もギリシア風になっており、彼らが好む酒や料理が用意されている。そして一誠を出迎えたゼウスとポセイドンは既に酔っ払っていた。

 

「ちょっと、お二方! ご主人様はまだ未成年なんですから飲ませないでくださいませ!」

 

「玉藻の言う通りだよ、ゼウス。ってか、そろそろ試合開始なんだから大人しく座ってな。一誠はこっちに座ると良いよ。アホ二人に絡まれたくいないだろ?」

 

ヘラはゼウスとポセイドンをのした後、ヘラは自分の隣の席を指し示す。一誠が座ると玉藻はその隣に座り、黒歌とベンニーアも近くの席に座る。今はゲームの説明がされており、どうやら今回はフェニックスの涙の支給がないようだ。

 

「ま、妥当な所だろうね。テロで需要が高まっているんだからさ」

 

なお、テロ以外にも不足の原因がある。それはライザーがハーデスに不敬な態度をとった事に対する賠償として一定期間ごとにフェニックスの涙を渡すという約束が取り決められ、その一部はオリュンポスの方にも回っている。

 

その事を知っていながら発言した時のヘラの笑みは黒いものがあった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて、初戦から聖剣デュランダルの使い手と手合わせできるとは運が良い。互いに全力を尽くしましょうぞ。我が名はベルーガ・フルーカス。そして、此奴は我が愛馬アルトブルウなりっ!」

 

サイラオーグの騎士であるベルーガの隣に青白い炎に包まれた馬が現れる。この馬の名前は青ざめた馬(ペイル・ホース)。冥府の最下層コキュートスに住み、高位の死神の乗り物となっている馬だ。気性は荒く気に入らない相手なら主でさえ蹴り殺す程なのだがベルーガは飼い慣らしているのか難なくその背中に乗る。

 

「私達は人馬一体っ! この猛攻、防げるかっ!?」

 

彼の武器であるランスは馬上で使ってこそ真価を発揮する武器。そして神速を頬るアルトブルウの足によりその一撃は必殺と化していた。

 

「取ったっ!」

 

 

 

 

 

 

「ゼノヴィア、避けてっ!」

 

応援に来ていたイリナは観客席から叫ぶも歓声にかき消されてその声は届かない。そしてランスの鋒がゼノヴィアの心臓めがけて迫り、

 

 

 

「なっ!?」

 

 

その姿が消失する。代わりに彼女がいた場所の少し後方の地面が吹き飛んでいた。ベルーガは辺りを見渡し、地面に不審な影を発見して上を見る。するとデュランダルから莫大なオーラを放っているゼノヴィアの姿を発見した。

 

「今のを避けるとは見事っ! だが、これで終わりだっ!」

 

「それはどうかな?」

 

ベルーガの声と共にアルトブルウは嘶き空を翔る。再びランスの鋒がゼノヴィアに迫った時、彼女はデュランダルから放ったオーラを推進力にして再び攻撃を避けた。

 

「別にオーラを攻撃だけに使う事はないと会長に言われてね。漸くモノにしたよ。では、次はコッチの番だっ!」

 

空中で体制を整えたゼノヴィアは再びオーラを推進力にしてベルーガへと迫る。そして無理やり体を捻ると噴射中の聖剣のオーラでベルーガとアルトブルウを薙ぎ払った。

 

「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

「ぐっ、がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

悪魔や魔獣の弱点である聖剣のオーラをマトモに食らったベルーガ達は地面に叩きつけられ、やがてその体はリタイアの光に包まれ出す。しかし、彼は不安定な体勢で着地した為に体勢を整えられていないゼノヴィアに対し、ランスを投擲した。

 

「ただでは負けんっ!」

 

ランスは悪魔の力で投げられた事によって銃弾を超える速度でゼノヴィアに迫る。観客席の誰もがこの試合は引き分けに終わると思い、ベルーガは消えながらも笑みを浮かべる。

 

 

 

 

 

「……甘いな。会長はちゃんと計算済みだ」

 

しかし、ゼノヴィアの声と同時に空間が歪み、其処から吹き出したデュランダルのオーラがランスを打ち落とした。

 

 

 

 

「……会長に言われて特訓したのさ。普段デュランダルを仕舞っている空間にオーラを残し、好きな時に出し入れできないかってね」

 

「……見事なり」

 

ベルーガは賞賛の言葉と共に消えて行き、ゼノヴィアの勝利が確定した。

 

 

 

 

『サイラオーグ・バアル選手の『騎士』一名リタイア』

 

 

 

 

 

 

 

「……そんなっ!? あのゼノヴィアがテクニックを身に付けているですって!? 此れも主が死んだ事によるバランスの崩壊!?」

 

何度も任務を共にしたイリナは驚愕の声を上げる。どうやらゼノヴィアを修正不可のパワー馬鹿だと思っていたようだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やったぁ♪ ソーナちゃんが初戦を制した!」

 

魔王用の観覧室でセラフォルーは喜びながら飛び跳ねる。シスコンの彼女からすれば妹の眷属の勝利が嬉しかった様だ。しかし、同じ観覧室に居た女性はそれを咎める様な視線を送る。

 

「……セラフォルー。貴様は今、魔王としてこの場に居るのであろう? なら、今は私情を捨てよ」

 

「ご、ごめんなさい、リリス様」

 

本来の姿であるリリスの姿で観覧室に居たハンコックはセラフォルーに一喝した後、ワイングラスを傾ける。芳醇な匂いと味が彼女の口に中に広がる。そしてグラスが空になると見るや、メイド服ではなく正装をしたグレイフィアがワインを注いだ。彼女は先程まではメイド服を着ていたのだが、公式の場で私情を挟むな、とハンコックに一喝されて着替えていた。

 

「……さて、次はどうなるかのぅ」

 

ハンコックが見つめる先では画面に次の出場選手が映し出されていた。

 

ソーナ側はリーダーに『女王』である真羅椿姫。残りは『兵士』の一番である匙。そして二個目のダイスはハズレであった。

 

対するサイラオーグ側はリーダーに『戦車』。そして彼の所はダイスが二個とも当たりを引き、『僧侶』と『騎士』を引き当てた。

 

 

 

 

「……少々拙いですね。椿姫、コレを……」

 

控え室で次の試合に対して眉をひそめたソーナは椿姫に何やら渡す。その時の彼女の顔は自己嫌悪に満ちていた……。




この場で報告います 原作に追いついたら出るまで待って、その間は短編やラスボスや魔法使いの更新を頑張りつつ、赤髪と聖女の兄を少し合わせてリメイクしょうかと思います。合わせるといっても割合は9:1で眷属もロボとマッド以外は一新。キャラばかり先立って話に合わせるのを忘れてました


 もしかしたら未定の眷属一名をキャラ募集するかもしれません。その時はよろしくお願いします





あと、サーゼクスの息子じゃなく、別の魔王の息子にしようかと 展開や眷属の一部も思いついたし。オリヒロはメンドいから原作のをってか奴をそのまま単独ヒロに

リアスの眷属から一人引き抜いてプチ改造予定


意見 感想 誤字指摘お待ちしています


次回、ゲーム決着? 次次回は学園祭 ヒロイン達と各個にデートとクラスの出し物

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