霊感少年の幽雅な生活 (完)   作:ケツアゴ

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なんか今日は進まないので明日で終わらせます

しかし、構想的に14巻が書く必要がなくなりました どうしよう?




七十四話

それは修学旅行の問まで遡る。アザゼル達を一蹴した曹操は部下である筈の影使いに口内を撃たれ、あっけなく死んだ。魏の覇王である曹操の子孫であり、最強の神滅具の所有者であり、『ぼくのごせんぞさまはすごんだよ同盟』のリーダーであった彼は自分かどうして殺されたのか分からないまま息絶えた。

 

「おい、早くしねぇと銃声を聞きつけた奴らが来るぜ」

 

影使いが倒れたかと思うと不細工な顔の火の玉……エクボが現れた。彼は先程まで自分が憑依していた男など興味がないとばかりに一瞥もせず虚空に話しかける。すると空間が歪み異形の存在が出てきた。

 

『アア、悪イネ。今食ベル』

 

全身をフードで包んだ異形の腕がウネウネと動き、鋭い歯を持つワームの様になる。曹操の死体はその腕に飲み込まれて行き、次の瞬間には異形は曹操となっていた。

 

「じゃ、俺は帰るから後は任したぜ、アーロニーロ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あはははは! 驚いたかい? 彼の名前はアーロニーロ。『暴食』を司る将さ!」

 

一誠が紹介するとアーロニーロは曹操の姿を解き、正体を現す。其処は透明なカプセルの頭部を持ち、中に液体と不気味な顔を持つボールが二個入っていた。

 

「上がアーロで下がニーロだよ」

 

 

 

『ハジメマシテ、ソシテ、サヨナラ! アト、アーロニーロハコンビ名ジャナイ!』

 

曹操、いやアーロニーロはゲオルクの体から槍を引き抜く。彼の体に空いた風穴から止めどなく血が溢れ出し、彼はうつ伏せに倒れた。しかし、何か条件を満たさないといけないのか空間が元に戻る様子はない。アザゼルはヴァーリを担ぐと一誠に近付いて来た。

 

「助かったぜ。んじゃ、帰る方法を、うぉっ!?」

 

アザゼルは頭部目掛けて放たれたトンファーの一撃を何とか避ける。何時の間にか彼らは一誠の手駒に囲まれていた。

 

「ちょっと! 何のマネよ!!」

 

「何の真似だって? 君がそれを言うかい? 裏切り者の無能姫さん。俺は君達を殺しに来たんだ。あ、ちなみに現ルシファーを含む各勢力のトップの了解は取ってるよ。オーフィスとヴァーリ達と組んで混乱を引き起こそうとしたテロリスト共を好きにしても良いってね」

 

一誠から投げ寄越された書類を見てアザゼルは騒然となる。書類には天使。堕天使以外の同盟勢力のトップのサインがされていたからだ。

 

「あ、そうそう。アーロニーロの見聞きした映像はモニターを通して各陣営のトップの皆さんが見てたから此処を切り抜けても無駄だよ。てか、逃げ出したらトップが裏切ったんだから堕天使に総攻撃をかける」

 

「一誠、我を殺す?」

 

一誠の言葉にアザゼル達が抵抗を封じられる中、オーフィスは一誠に近づくと首を傾げる。それに対し一誠は静かに微笑んだ。

 

 

 

 

 

「殺さないよ? 殺そうとして痛いしっぺ返しを食らうのは嫌だからね。……だから、封じる事にしたよ」

 

「?」

 

突如、オーフィスの体に鎖が巻きつく。それはフェンリルさえ捕らえれるグレイプニルの鎖だ。サマエルの力で力を大幅に削がれたオーフィスは鎖から逃れれず、その体を黒い球が包む。

 

「……その封印は特別性でね。次元の狭間を模した空間に対象を閉じ込める。ま、そこで我慢して大人しくしててよ」

 

一誠は笑顔で手を振り、黒球は次第に小さくなりやがて消え去った。その瞬間、一誠は緊張の糸が切れたのかその場に膝をついた。

 

「ふぅ! サマエルが効いて良かったね。メディアさん特性の術式で性能上げてたからドライグより二段下位だったかな? ホント効いてて良かった」

 

「ええ、そうですね。駄目だった場合はガチバトルする所でしたから。……さて、あとはゴミ掃除、の前に♪ なぜ貴方方の行動が筒抜けだったか種明かしです♥」

 

「なっ! 母様っ!?」

 

一誠の隣に現れたのは朱乃の守護霊をやっている母親の朱璃。彼女は悲しそうな顔で頭を下げた。

 

「驚いたかい? 君達が俺の情報をオーフィスに流していた事は彼女から聞いたんだ。ああ、彼女を責めないでね? ……幽霊が俺の言う事に逆らえるはずがないんだからさ。あはははははは!」

 

朱乃がその場にへたり込む中、一誠の笑い声が響く。すると、小猫が前に進み出た。

 

「……お願いします。何でも言う事を聞きますから、部長を、皆を殺さないでください」

 

小猫の悲痛な願い。しかし、彼女の前に現れた人物がその頬を引っぱたいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「巫山戯るんじゃないにゃ、白音! イッセーを裏切っておいて許して下さい? それに、貴女達の処分は全て一任されてるの。貴女は生かし、残りを殺してもお偉いさんは誰も文句は言わないわ」

 

「ッ!」

 

小猫を叩いたのは姉である黒歌。流石の彼女でも一誠の情報を渡していた事は許せない様だ。叩かれた小猫は泣きそうな顔で黒歌を見つめ、一誠は腕を組んでウンウンと頷いている。

 

 

 

 

 

そして、何やら外道な事を思いついたという笑みを浮かべた。

 

「ねぇ、玉藻。あれだけ言ってるし、殺すのは勘弁してあげようか? とりあえずルシファーに繋げて。あ、アイツ等の声は届かない様にね」

 

「……何か考えがおありですか? まぁ、良いでしょう。貴方様に従うまでです」

 

玉藻が鏡を投げると空中にモニターが現れ、サーゼクスの顔が映る。

 

「お兄様っ!」

 

「……だから聞こえないって。ねぇ、聞いてる? 白音ちゃんが冥府に大人しく来るのなら皆殺しは勘弁してあげる。ねぇ、君もそれなら良いでしょう? 君は彼らの命を助ける為に身を捧げるんだ。助けて貰った恩返しができて良かったね♪」

 

「あ……」

 

前から小猫は一誠に誘いに対し迷っていたが、リアス達への恩義と板挟みになり受け入れれずにいた。しかし、恩人である一誠への裏切り行為に罪悪感が募り。その言葉がトドメとなる。恩義を返すという口実は彼女の心を溶かすに十分な毒だったのだ

 

「姉…さま…」

 

「白音、おいで♪」

 

小猫は熱にうかされた様なフラつく足取りで黒歌に近寄り、強く抱きしめられる。それを見た一誠は満足そうな笑みを浮かべ、リアス達に視線を戻す。

 

「じゃあ、約束は守るよ。全員は殺さない」

 

その言葉にアザゼル達は安堵する。しかし次の瞬間、その顔は絶望に染まる事となった。

 

 

 

 

 

「ただし、アザゼルには死んで貰う。組織のトップなんだから仕方ないよね。代わりに他の堕天使には手を出さないよ」

 

 

 

 

 

 

「おい、イッセー! 頼む、助けてくれよ! 友達だろ!? ぎゃっ!?」

 

松田は恐怖に染まった顔で一誠に呼びかける。だが、その顔を玉藻の鏡が強く叩いた。

 

「……友達? ご主人様の情報を敵に漏らすゲスがですか? 巫山戯んなっ! テメェは私が殺してあげましょうか?」

 

松田は頭を押さえて蹲り、一誠はサーゼクスの方を向いて聞いた。

 

 

「さて、全員は殺さないと言ったけど、数名には死んで貰う。じゃないとお偉いさま方も納得しないだろうし……ねぇ、ルシファー。魔王として答えて。テロリストの残党が残っている中、悪魔や堕天使を癒せるアルジェントさんや堕天使幹部の娘である姫島先輩とウチの所属の白音ちゃんと仲の良いヴラディ君。後、ついでに木場君と松田? それとも、散々不祥事を働き、同盟を組んだ各勢力のトップから殺して欲しいと願われてる妹?

 

 

 

 

 

 

 

ねぇ、死んで欲しいのは? 選んだ方だけを殺す。残りは生かして返してあげるよ。殺して欲しい方を名指しにして、○○を殺してくれって言ってね?」

 

 

 

 

 

 

 

「……リアスを…殺してくれ…」

 

「お兄…様…」

 

 

 

 

 

サーゼクスが苦渋の選択をする中、『ぼくのごせんぞさまはすごいんだよ同盟』の本拠地に侵入する人影があった。

 

 

 

 

「さて、久々に戦うヨ……金色疋殺地蔵!」

 

彼の刀が光り輝き、金色をした赤子の様な顔を持つ巨大な芋虫が出現した

 




一誠SANはキレてます でも、小猫を心の底から冥府に引き入れる為に我慢。代わりにエグい選択を どっちを助けて欲しい ではなく、どっちを殺して欲しい しかも実質的に選択の余地なし

次回、マユリ&○○○○無双! あと変態シスコンと愉快犯爺も登場 実質的に12巻

あと、ランサーが死んでた!

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