歌の世界の【奏者】光の戦士   作:シャイニングピッグEX

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名作回ですね。

多分これサブタイを変えるのは違う気がするのでこのままいきます。




繋いだ手だけが紡ぐもの

森の奥…一つの部隊がフィーネの館を狙っていた。

 

 そしてその頃、了子はそのフィーネの館で響のガングニールについて調べていた。

 

 先程の部隊が入口と窓を突き破って突入し、了子に向けて発砲を始めた。

 

 その銃弾が直撃し、了子は血を流してその場に倒れ、部隊のリーダーらしき男が了子へと近付いた。

 

 「(手前勝手が過ぎたな。聖遺物、そして異聖遺物に関する研究データは我々が活用させてもらおう)」

 

 「(掠める準備が出来たら、あとは用無しってわけね。徹底しているわ…)」

 

 男は了子の身体を蹴って回して脇腹に銃弾が当たっているのを確認し、ニヤリと笑った。

 

 了子は手から光を発し、苦しみながらも弾痕を治して身体を起こした。

 

 「(それも、わざと痕跡を残して立ち回る辺りが、品性下劣な米国政府らしい)」

 

 リーダーの男が銃を構えるも、了子はお構い無しに立ち上がった。

 

 「(ブラックアートの深淵を、覗いてすらもいない青二才のアンクルサムが―――)」

 

 「(―――撃てッ!)」

 

 部隊は了子に向けて銃弾を浴びせるように発砲した。

 

 

 

 「失礼しました〜」

 

 響と未来は職員室から出て、響は合唱部の歌を聴いていた。

 

 「〜♪」

 

 「なに?合唱部に触発されちゃった?」

 

 「んー、リディアンの校歌を聴いてると、まったりするって言うか、凄く落ち着くって言うか…皆がいるところって思うと安心する。自分の場所って気がするんだ。入学してまだ二ヶ月ちょっとなのにね〜」

 

 「でも、色々あった二ヶ月だよ」

 

 「うん。そだね〜」

 

 二人は廊下の窓から学園の日常風景を眺めていた。

 

 

 

 クリスがフィーネの館に駆けつけると、米国の部隊の男達が大広間に血まみれで倒れていた。

 

 「何が…どうなってやがんだ…」

 

 とてつもない出血量だ。これでは助かる見込みもないだろう。

 

 すると、後ろから物音が聞こえ、振り返ると昴が立っていた。

 

 「違う!アタシじゃない!」

 

 すると、昴と一緒に来ていたであろう調査部隊がクリスを通り過ぎて館の調査を始めた。

 

 そして、昴もクリスの前に立ち、頭に手を置いた。

 

 「誰もお前を疑っちゃいねえ。ずっと俺達のそばに居た、アイツの仕業だ」

 

 「え…?」

 

 昴の目はいつもに増して鋭く光っていた。

 

 「昴さん」

 

 調査部隊の一人が手紙を見つけ、昴に報告しようと手紙を引っ張った途端、館の一部が爆発し、昴は咄嗟にクリスを片手で引き寄せ、ウルトラ念力で瓦礫を浮かせ、何も無いところに置いた。

 

 調査部隊もなんとか怪我は無かったようである。

 

 「どうなってんだよこいつは…!」

 

 「念力が使えて助かったぜ…」

 

 「そういう事じゃねえよ!」

 

 クリスは昴の腕から脱出し、一歩後退った。

 

 「なんでギアを纏えないやつがアタシを守ってんだよ!」

 

 「ギアとか関係なしに、お前がちょっとばかり大人だからだよ」

 

 「大人…?…アタシは大人が嫌いだ!死んだパパとママも大嫌いだ!とんだ夢想家で臆病者!アタシはアイツらと違う!被災地で難民救済?歌で世界を救う?良い大人が夢なんか見てるんじゃねーよ!」

 

 「大人が夢を…か」

 

 「本当に戦争を無くしたいのなら、戦う意思と力を持つやつを片っ端からぶっ潰していけばいい!それが一番合理的で現実的だ!」

 

 「そいつがお前の流儀ってやつか?じゃあ聞くが、お前はそれで戦いを無くしたのか?」

 

 「…ッ!それは…」

 

 「良い大人は夢を見ない、って言ったよな。違うぜ。大人だから、夢を見るんだ。大人になったら背も伸びるし、自分の力も強くなっていく。手持ちのお金だって、ちったあ増える。子供の頃に見るだけだった夢が、大人になれば叶えるものに変わるんだ。夢を見る意味が大きくなっていくんだ。お前の親だって、ただ夢を見に行ったんじゃない。歌で世界を救うって夢を叶えるために戦場へ向かったんだ」

 

 「なんで…そんなこと…」

 

 「きっとお前に見せたかったんだ。夢は叶えられると言う現実をな」

 

 「…!」

 

 「お前は嫌いだって言ったが、お前の親父もおふくろも、お前のことを大切に思ってたぜ」

 

 そう言いながら昴はクリスに歩み寄った。

 

 「…!くっ…」

 

 いつしか、クリスの目には涙が溜まっていた。

 

 昴は何も言わず、クリスを抱きしめてやった。

 

 クリスは子供のように、声を上げて泣いた。

 

 

 そしてその後、昴達は乗ってきた車に乗って引き上げようとしていた。

 

 「やっぱりアタシは…」

 

 「一緒には来られないか…」

 

 クリスは黙って頷いた。

 

 「…クリス、お前はお前が思ってるほど一人なんかじゃない。例え進む道が一人で進む道だとしても、近いうちに俺達と一緒に進むだろう」

 

 「今まで戦ってきた者達が、一緒になれるというのか?世慣れた大人だ。そんな綺麗事言えるのかよ」

 

 「俺はこの目でそういう奴らを何度も見てきたし、俺もその一人だ。だから、断言出来る」

 

 そう言って昴はクリスに一つの端末を渡した。

 

 「通信機?」

 

 「ああ。確か…限度額以内だったら公共交通機関は使えて、自販機でも使える便利なものだぜ」

 

 そう言って昴は車のエンジンを吹かせた。

 

 「カ・ディンギル」

 

 「?」

 

 「フィーネが言ってたんだ。カ・ディンギルって。それが何なのかは分からないけど、それはもう完成してるって」

 

 「カ・ディンギル…?」

 

 「…」

 

 「これ以上後手には回らねぇ。先手を打たせてもらうぜ」

 

 そう言って昴達は基地に戻った。

 

 

 

 「昴君、どうだったかな?」

 

 基地には弦十郎と零達機動部二課の面々がおり、モニターには翼と響に通信が繋がっていた。

 

 「ああ。バッチリ収穫があったぜ。カ・ディンギルがあって、既に完成してるとかなんとか…了子さんは?」

 

 「カ・ディンギル…そうか…。了子くんの方は今日は出勤していない。連絡もつかないんだ」

 

 「そうか…」

 

 『了子さんならきっと大丈夫です!何が来たって、私を守ってくれたようにどかーんとやってくれます!』

 

 画面上の響が得意げな顔で言う。

 

 『いや、戦闘訓練もろくに受講していない櫻井女史に、その様な事…』

 

 『え?師匠とか了子さんとか、人間離れした特技を持ってるんじゃないんですか?昴さんや大我さんも出来るんだし』

 

 「普通の人間にはどうしたってあんな技は出来ねえよ!」

 

 風舞の真っ当なツッコミが飛ぶと同時に、新たに通信が入った。

 

 『やぁ〜っと繋がった〜。ごめんね、寝坊してたんだけど…通信機の調子が良くなくて…』

 

 弦十郎や零達、特に昴は強い疑惑の目を向けていた。

 

 「無事か、了子くん。そっちに何も問題は」

 

 『寝坊して、ゴミを出せなかったけど、何かあったの?』

 

 『良かった〜』

 

 「ならばいい。それより聞きたい事がある」

 

 『せっかちねぇ。何かしら?』

 

 「カ・ディンギル。この言葉が意味することは…」

 

 『カ・ディンギルとは、古代シュメールの言葉で高みの存在。転じて、天を仰ぐ塔のことを意味しているわね』

 

 「何者かがそんな塔を建造していたとして、なぜ俺達は見過ごして来たのか?」

 

 『確かに、そう言われちゃうと…』

 

 「だが、ようやく掴んだ敵の尻尾。このまま情報を集めれば勝利も同然。相手の隙にこちらの全力を叩き込むんだ。最終決戦、仕掛けるからには仕損じるな」

 

 『了解です!』

 

 そう言って二名の奏者の通信は切れた。

 

 『ちょっと野暮用を済ませてからそちらに向かうわ』

 

 そう言って了子からの通信も切れた。

 

 「カ・ディンギル…クリスは確かにそう言ったのか?」

 

 「ああ。しかし、そんなに巨大な建造物があれば俺達の目につくはずだ」

 

 「言われて見れば確かに不思議だよな。俺達の目でも見つけられねえってのは、一体どういう事だ?」

 

 「私達にも見えないように結果か何かを張っているのだろうか?」

 

 「結界?」

 

 「推測ではあるが、もしも敵が櫻井女史や風鳴司令の様に人間離れした力や技を持っているとしたら、結果を張ることも不可能ではないのかもしれない、と思ってな」

 

 「なるほど…タイタスの言うことにも一理ある。現に、何度も外に出ているにも関わらず、俺達はおろか零の目でさえも視認は出来ていない。何らかの細工は施してあると考えるのが妥当だろうぜ」

 

 「カ・ディンギル…了子さんの言葉についてもう一度深く考えてみよう」

 

 「ああ」

 

 機動部二課でもカ・ディンギルについて調べていると、突如アラートが鳴り、街に巨大な飛行タイプのノイズが五体も現れた。

 

 「今は後回しだ!先に人々を助けるぞ!」

 

 「ああ!」

 

 零達五人は外に向かって走り出した。

 

 「ウルトラ念力はなんとか使えた。だから、俺達でも役に立てるかもしれない」

 

 「…!分かった!」

 

 零はセブンとタロウのカードを持って外に飛び出し、シンフォギアを纏ってノイズの元に飛んで行った。

 

 

 

 

 「今は人を襲うと言うよりも、ただ移動していると。…はい、はい!」

 

 そう言って響は通信を切った。

 

 「響?」

 

 未来は心配そうな目で響を見つめた。

 

 「平気平気。私と翼さんと零さんで何とかするから。だから未来は学校に戻って」

 

 「リディアンに?」

 

 「いざとなったら、地下のシェルターを解放してこの辺の人達を避難させないといけない。未来にはそれを手伝って貰いたいんだ」

 

 「…うん…分かった」

 

 「ごめん、未来を巻き込んじゃって」

 

 「ううん、巻き込まれたなんて思っていないよ。私がリディアンに戻るのは、響がどんなに遠くに行ったとしてもちゃんと戻ってこられる様に、響の居場所、帰る場所を守ってあげる事でもあるんだから」

 

 「…私の、帰る場所」

 

 「そう。だから行って。私も響みたいに大切なものを守れるくらいに強くなるから」

 

 未来は笑いながらそう言った。

 

 響は未来に歩み寄って未来の手を取った。

 

 「小日向未来は、私にとっての陽だまりなの。未来のそばが一番暖かい所で、私が絶対に帰ってくるところ!これまでもそうだし、これからもそう!だから私は絶対に帰ってくる!」

 

 「…響…!」

 

 「一緒に流れ星見る約束、まだだしね!」

 

 「うん」

 

 「じゃあ行ってくる!」

 

 そう言って響は踵を返して走り出した。

 

 「あ…」

 

 その後ろ姿を未来は心配そうに見送った。

 

 

 

 

 零はシンフォギアを纏って空中を、翼はバイクで道路を、響は走ってノイズに向かって走っていた。

 

 すると、基地にいる弦十郎から通信が入った。

 

 『ノイズ侵攻経路に関する最新情報だ。第四十一区域で発生したノイズは、第三十三区域を経由しつつ、第二十八区域へ侵攻中。同様に第十八区域、第十七区域、第十六区域で発生したノイズも同様に――』

 

 『司令!』

 

 『各ノイズの侵攻先に、東京スカイタワーがあります!』

 

 「東京スカイタワー…!?」

 

 『カ・ディンギルが塔を意味するのであれば、スカイタワーはまさにその物じゃないでしょうか!』

 

 『…スカイタワーには、俺達二課が活動時に使用している映像か交信と言った電波情報を統括する機能が備わっている。東京スカイタワーに急行だ!』

 

 「スカイタワー…でも、ここからじゃ…」

 

 響が途方に暮れていると、上空から迎えのヘリがやってきた。

 

 『なんともならない事でも何とかするのが俺達の仕事だ!』

 

 響もヘリに乗って現地へ急いだ。

 

 スカイタワーの周辺には既に五体のノイズが塔を囲むように集結していた。

 

 そして、巨大なノイズはハッチの様な部分を開き、小型のノイズを大量にばら撒き始めた。

 

 地上にはもちろん、空中にもノイズ達が飛び回っていた。

 

 そして、響も空中で零と合流し、シンフォギアを纏った。

 

 [私ト云ウ 歌響キ ソノ先ニ Vo.立花響]

 

 響は落ちていく勢いそのままに拳で一体の巨大なノイズを貫通し、ノイズを砕いた。

 

 零も腕をX字に組んでネオ・ストリウム光線を撃ち、別の巨大なノイズを破壊した。

 

 翼も現場に駆けつけ、バイクから飛んでシンフォギアを纏いながら〔蒼ノ一閃〕を放って空中にいた小型のノイズ達を一掃した。

 

 「相手に頭上を取られる事が、こうも立ち回りにくいとは…!」

 

 「空中には零さんがいます!私達は地上で戦いましょう!」

 

 「分かった!零、聞こえているな!」

 

 『もちろん!ただ、こっちもいつまでエネルギーが持つか分からない』

 

 「承知した。地上は任せろ!」

 

 そして、零は更にエースのカードを翳し、エースの力を身に纏った。

 

 「これが限界か…ッ!」

 

 零は後ろについてきていたノイズ達をかわし、自分を後ろに下げたところで数枚のウルトラギロチンを投げ、近くにいたノイズ達を全て切り裂いた。

 

 すると、取り逃したノイズ達が響達に向かって飛んでいくのが見えた。

 

 「!しまった!」

 

 すると、響達の後方から無数の銃弾が飛び、ノイズ達が一掃された。

 

 飛び出してきた先を見ると、そこにはシンフォギアを纏ったクリスが立っていた。

 

 「チッ、こいつがピーチクパーチクやかましいから、ちょっと出張ってみただけ。それに勘違いするなよ。お前達の助っ人になったつもりはねえ!」

 

 『助っ人だ!少し遅くなっちまったがな』

 

 クリスの通信機から昴の声が聞こえ、それを聞いてクリスは顔を赤くし、響も満面の笑みを見せた。

 

 「助っ人…?」

 

 『第二の聖遺物、イチイバルのシンフォギアを纏う奏者、雪音クリスだ!』

 

 「クリスちゃーん!ありがとう!分かり合えるって信じてた!」

 

 言うが早いか、響はクリスに抱きついた。

 

 「このバカ!人の話を聞いてなかったのかよ!」

 

 「とにかく今は、連携してノイズを…」

 

 「勝手にやらせてもらう!邪魔はすんなよ!」

 

 そう言ってクリスはボウガンで多数のノイズ達を倒した。

 

 「空中のノイズは零とあの子に任せて、私達は地上のノイズを!」

 

 「は、はい!」

 

 〔魔弓・イチイバル Vo.雪音クリス〕

 

 零とクリスは空中のノイズを、響と翼は地上のノイズの相手をすることにした。

 

 零は三人のサポートに徹し、残りの三人がそれぞれの持ち場に全力を賭ける。シンプルな作戦だがノイズ相手には割と有効らしく、瞬く間にノイズの数は減って行った。

 

 クリスと翼は同時に後ずさり、お互いの背中をぶつけてしまった。

 

 「何しやがる!すっこんでな!」

 

 「あなたこそ、いい加減にして。一人で戦ってるつもり?」

 

 「私はいつだって一人だ。こちとら仲間と馴れ合ってるつもりはこれっぽっちもねぇ!」

 

 「!」

 

 「確かにアタシ達は争う理由なんてないのかもな。だからって、争わない理由もあるものかよ!こないだまでやり合ってたんだぞ…そんなに簡単に、人と人が…」

 

 すると、響がクリスの振り上げた拳をそっと包み込むように両手で握った。

 

 「出来るよ。誰とだって仲良くなれる」

 

 そう言って、響は左手で翼の手も取った。

 

 「あ…」

 

 「どうして私にはアームドギアがないんだろうってずっと考えてた。いつまでも半人前はやだなぁって。でも、今は思わない。何もこの手に握ってないから、二人とこうして手を握りあえる。仲良くなれるからね」

 

 そう言って響は優しく笑った。

 

 「立花…」

 

 そう言って翼も刀を置き、クリスに手を伸ばした。

 

 クリスも顔を赤くしてそっぽを向いた。

 

 そして、もう一度、翼の方を向いて手を出し、その手を翼が握った。

 

 それを見てクリスは慌てて手を離した。

 

 「このバカにあてられたのか!?」

 

 「そうだと思う。そして、貴方もきっと」

 

 「…冗談だろ」

 

 そういうクリスの顔も満更では無さそうだ。

 

 「…つ、繋ぐならあいつも一緒に繋いでやれよな…一人だけ仲間はずれってのは無いだろ…」

 

 クリスがそう言うと同時に近くに零が着地した。

 

 「ありがとう、クリス」

 

 「…」

 

 照れくさいのだろうか、クリスはそっぽを向きながら手を差し出し、翼も手を出して、零も二人もお互いに手を握った。

 

 すると、四人がいる場所に影が差し込み、手を離して上空を見ると、更に巨大なノイズが飛行していた。

 

 「親玉をやらないと、キリがない」

 

 「だったら、アタシに考えがある。アタシでなきゃ出来ない事だ。イチイバルの特性は、長射程高位置攻撃。光線やらなんやら出せるやつでも距離が長いと威力が落ちるらしいが、アタシのはそんなの関係ない。派手にぶっぱなしてやる!」

 

 「まさか、絶唱を…!」

 

 「バーカ。アタシの命は安物じゃねえ」

 

 「ならば、どうやって」

 

 「ギアの出力を引き上げつつも放出を抑える。行き場の無くなったエネルギーを臨界まで溜め込み、一気に解き放ってやる」

 

 「だがチャージ中は丸裸も同然。これだけの数を相手にする状況では、危険すぎる」

 

 「そうですね。だけど、私達がクリスちゃんを守れば良いだけの事!」

 

 「…!」

 

 そう言われてクリスはハッとした。アタシは一人なんかじゃなかった。

 

 〔繋いだ手だけが紡ぐもの Vo.雪音クリス〕

 

 そして、零、響、翼の三人は周りのノイズの処理に回った。

 

 (頼まれてもいない事を…アタシも引き下がれねえじゃねえか)

 

 クリスはニヤリと笑い、エネルギーチャージを始めた。

 

 (誰も、繋ぎ繋がる手を持っている。私の戦いは、誰かと手を繋ぐこと!)

 

 響はノイズを拳や脚で砕いていく。

 

 砕いて壊すも、束ねて使うも力。立花らしいアームドギアだ!)

 

 翼も剣でノイズを切り裂いていく。

 

 (この世界に来てよかった。この子達と関われてよかった。この子達は本当に優しい…!)

 

 零もパンチレーザーとエメリウム光線の合わせ技でノイズ達を倒していく。

 

 「「「今だ!」」」

 

 そして、エネルギーが溜まったクリスはそのエネルギーを巨大なミサイルとガトリングに変えて発射する〔MEGA DETH QUARTET〕を放ち、発射されたミサイルからさらに無数のミサイルが飛び立ち、辺りのノイズと全ての大型のノイズを仕留めた。

 

 「やった…のか?」

 

 「あったりめーだ!」

 

 ノイズだった炭はまるで紙吹雪の様に上空を舞い、戦いが終わったことを報せているかのようだった。

 

 「やったやったー!」

 

 そう言って響はクリスに抱きつき、翼と零も二人に合流した。

 

 「やめろバカ!何しやがるんだ!」

 

 そう言いながらクリスは響を無理やり引き剥がし、四人とも一斉に元の姿に戻った。

 

 「勝てたのはクリスちゃんのお陰だよー!」

 

 そう言って響はもう一度クリスに抱きついた。

 

 「だからやめろと言ってるだろうが!」

 

 そう言ってクリスももう一度響を引き剥がした。

 

 「いいか?お前達の仲間になった覚えはない!アタシはただ、フィーネと決着をつけて、やっと見つけた本当の夢を果たしたいだけだ!」

 

 「夢?クリスちゃんの?どんな夢ー!?聞かせて聞かせてー!」

 

 もう一度響はクリスに抱きつき、クリスももう一度響を引き剥がした。

 

 「うるさいバカ!お前本当のバカ!」

 

 すると、響の携帯が鳴り、電話に出た。

 

 「あ。はい」

 

 「響!?学校が…!リディアンがノイズに襲わ」

 

 それを最後に未来からの電話は途絶えた。

 

 「…!」

 

 響の携帯からは、虚しく通話終了のツーツーと言う音だけが鳴り響いていた。




今回はここまでです!

ぜひぜひ今回も面白かったら高評価と感想をよろしくお願いします!

私事ではありますが、こじっぷ!チャンネルにてYouTubeデビューしましたので、よければそちらも見ていただければと思います。

あとタイガくん達ウルトラ念力使うとこなかったね
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