歌の世界の【奏者】光の戦士   作:シャイニングピッグEX

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初っ端から絶望なのよね

でもそれが案外好きになってる自分がいる


天まで届け

奏者達がノイズと戦っていた頃、別の巨大なノイズ達がリディアン学園を襲っていた。

 

 戦車も銃も通用することはなく、己が無力な事を知らされるように次々と命が奪われていく。

 

 そしてその頃、学校に一人残った未来は生徒達の避難を手伝っていた。

 

 「落ち着いて!シェルターに避難してください!」

 

 何十人もの生徒達が未来の指示に従い、身体をこわばらせながらもゆっくりと進んでいった。

 

 「ヒナ!」

 

 「皆!」

 

 未来を呼んだのは、いつも一緒にいる三人だった。無事に逃げてこれたらしく、傷はなかった。

 

 「どうなってるの?学校壊されるなんてアニメじゃないんだからさ〜」

 

 「皆も早く避難を」

 

 「小日向さんも一緒に…」

 

 「先に行ってて。私、他に人がいないか見てくる!」

 

 「ヒナ!」

 

 「君達!」

 

 未来が駆け出して言ったのと同時に、一人の自衛隊員が三人の元に駆けつけた。

 

 「急いでシェルターに向かってください!校舎内にもノイズが―――」

 

 その瞬間、天井からノイズの触手が天井を突き破り、自衛隊員の背中を突き刺そうとした。

 

 「はぁっ!」

 

 自衛隊員の後ろから昴達四人がウルトラ念力を使い、ノイズの動きを止め、大我は自衛隊員を間一髪で助け出した。

 

 「早く逃げるぞ!」

 

 「ありがとうございます!さあ、急ぎましょう!」

 

 「は、はい!」

 

 四人も念力を維持しながら距離を取り、十分離れたところで念力を解除して一斉に駆け出し、それと同時に廊下の天井が崩れてノイズが降り立った。

 

  

 「誰かー!残ってる人はいませんかー?」

 

 未来は残ってる生徒がいないか、走りながら探し回っていた。

 

 すると、地響きが鳴り、外の方を見るとノイズ達が校舎の破壊活動を続けていた。

 

 きっとまだ人を探してるに違いない。まるで子供が玩具箱を漁るように、校舎に引っ付いて隅々まで探しているのだろう。

 

 「学校が…響の帰ってくるところが…」

 

 すると、三体の小型ノイズが窓を突き破り、壁に張り付くや否や未来の方を向いた。

 

 「ひっ…!」

 

 「はぁっ!!」

 

 ノイズが飛び出してきた瞬間、大我達が割って入り、四人の力を合わせたバリアを張ってノイズを押しのけた。

 

 「危なかったな嬢ちゃん」

 

 「えっ!?風舞さん達!」

 

 「とにかく説明は後だ。今は走るぞ!」

 

そう言ってタイタスは未来を抱き抱え、四人は人智を超えた速さでエレベーターに駆け込み、急いで下の階へ下がった。

 

 少しだけノイズの腕が入り込んで来たが、エレベーターが下がるにつれて引っ込んでいき、完全に見えなくなったところで五人は安堵の息を漏らした。

 

 「…ふぅ〜、助かった…」

 

 大我は力が抜けたように窓際にもたれかかった。

 

 「正直今までで一番怖かったぜ…旦那が嬢ちゃんを抱き抱えてくれなかったら今頃どうなってたか…」

 

 「とにかく、全員無事で何よりだったぜ…」

 

 ふう、と一息ついて昴は落ち着きを取り戻し、弦十郎に電話を入れた。

 

 

 

 「リディアンの破壊は依然として拡大中。だけど、未来達のおかげで被害は最小限に抑えられてるぜ。それで、これから未来もシェルターに送り届ける」

 

 『分かった、気をつけろよ』

 

 「それよりも…」

 

 昴はもう一度胸を撫で下ろし、自分を落ち着かせるようにして口を開いた。

 

 「カ・ディンギルの正体が分かったぜ」

 

 『何だと!?』

 

 傍にいた大我達も目を丸くしながら昴の方を向いた。

 

 「物証はないが…カ・ディンギルってのはつまり…!」

 

 すると、エレベーターのガラスにヒビが入り、弦十郎の通信機からは未来の悲鳴とエレベーターが壊れる音だけが聞こえていた。

 

 「どうした!」

 

 そして、通信機から砂嵐の様な音がなって通話が切れた。

 

 

 

 「ぐっ…!」

 

 「こうも早く悟られるとは…何がきっかけだ?」

 

 エレベーターの中には以前クリスが纏っていた鎧に似たものを纏った金髪の了子――いや、フィーネが昴の首を締めながら壁に押し付けていた。

 

 「やめろ!昴を離せ!」

 

 「フン…はぁっ!」

 

 フィーネは手をかざし、大我達三人も念力のようなもので壁に押し付けた。

 

 「ぐうう…!」

 

 「さて、聞かせてもらおうか」

 

 フィーネはもう一度昴の方を向き直った。

 

 「塔なんて目立つものを誰にも見られないように建造するには地下に伸ばすしかないからな…そんなもんが行われてるとしたらここ特異災害対策機動部二課…今俺たちが乗ってるこのエレベーターのシャフト…全くと言っていいほど盲点だったぜ…そしてそれが出来たのが…」

 

 「漏洩した情報を逆手に、上手くいなせたと思っていたのだが…」

 

 エレベーターが地下に到着し、四人は解放され、昴はいち早くエレベーターから脱出し、念力を放つもフィーネの動きは止められなかった。

 

 「ネフシュタンの鎧か…!」

 

 「いくらパワーダウンしてるからって言ってもこんなに強いもんなのかよ!?」

 

 フィーネは昴に触手を伸ばし、昴二巻き付けて締め上げ始めた。

 

 「がああああああっ!」

 

 「昴さん!」

 

 「未来…!早く逃げろ…!大我…未来を…」

 

 「未来、今の俺たちじゃどうにも―――」

 

 大我達も倒れ込んでいながらも未来に逃げるように言った。

 

 しかし、未来はフィーネの後ろから渾身のタックルを仕掛けた。

 

 しかし、フィーネの身体は少し動いただけでダメージを受けた様子はなく、フィーネは未来の方に振り向き、昴の身体を放り投げ、未来の顎を人差し指と親指で掴んだ。

 

 「麗しいなぁ、お前達を利用してきた者を守ろうと言うのか?」

 

 「利用…?」

 

 怯えながら未来は聞いた。

 

 「何故二課本部がリディアンの地下にあるのか…聖遺物に関する歌や音楽のデータをお前達被験者から集めていたのだ。その点、風鳴翼と言う偶像は生徒を集めるのによく役立ったよ」

 

 そう言ってフィーネは高笑いしながら司令室に向かおうとした。

 

 「…嘘をついても、本当のことが言えなくても、誰かの命を守るために、自分の命を危険に晒している人がいます!私は…そんな人を…そんな人達を信じてる!」

 

 フィーネはその言葉に苛立ち、舌打ちして未来の頬を平手で打ち、胸ぐらを掴んでもう一度未来の頬を打って胸ぐらから手を離し、未来は力なく倒れ込んだ。

 

 「未来!」

 

 「まるで興が冷める!」

 

 そう言ってフィーネは扉の方に向かい、通信機を取り出した時だった。

 

 その通信機が念力によって破壊され、後ろを向くと大我が一人、平手をかざして立っていた。

 

 「デュランダルの元に行かせるか!」

 

 「やめろ大我!今の俺達がかなう相手じゃねえ!」

 

 「俺は昴みたいに何も気付けなかった…!だから…だから!俺はやれることをやるんだ!」

 

 そう言って大我は父であるタロウと同じように構えた。

 

 「…」

 

 フィーネがため息を静かに吐きながら触手を構えた時だった。

 

 「待ちな。了子」

 

 「?」

 

 すると、天井が割れ、その土砂崩れと一緒に弦十郎が降り立った。

 

 「私をまだその名で呼ぶか…」

 

 「女に手をあげるのは気が引けるが…部下に手を出すなら、お前をぶっ倒す!」

 

 そう言いながら弦十郎は立ち上がり、ファイティングポーズを取った。

 

 「司令…!」

 

 タイタスと風舞の二人もなんとか立ち上がり、昴の身体を肩で支えて大我に近寄りながら弦十郎の方を見た。

 

 「調査部だって無能じゃあない。米国政府の丁寧な道案内でお前の行動にはとっくに気がついていた。後はいぶり出すため、あえてお前の策に乗り、シンフォギア奏者を全員動かして見せたのさ」

 

 「淀に淀をぶつけたか…食えない男だ…だが、この私を止められるとでも――」

 

 「おうとも!一汗かいた後で、話を聞かせてもらおうか!」

 

 そう言って弦十郎は地面を蹴って飛び出し、フィーネはそれに触手を伸ばすも弦十郎はそれをかわし、天井のダクトを掴んでフィーネの方に飛び込んだ。

 

 「はぁぁっ!」

 

 地面にも穴が開くようなパンチをフィーネは避けようとしたが、鎧の一部に当たり、ヒビが入った。

 

 「何!?」

 

 フィーネは距離を取って弦十郎の方を向きながら鎧のヒビを直し、触手を握る手をわなわなと震わせた。

 

 「肉を裂いてくれる!」

 

 フィーネは二本の触手をムチの様に伸ばし、弦十郎はそれを両手で受け止め、フィーネの身体を引っ張った。

 

 「!!」

 

 そして、とてつもない一撃をフィーネの腹部に喰らわせた。

 

 その衝撃でフィーネの身体は吹っ飛び、やがて地面に叩きつけられ、弦十郎は後ろに飛んだフィーネの方を向いた。

 

 「完全聖遺物を退ける…どういう事だ!」

 

 「知らないでか!飯食って映画見て寝る!男の鍛錬はそいつで充分よ!」

 

 「なれば人の身である限りは!」

 

 そう言ってフィーネはノイズを呼び出そうとした。

 

 「そうはさせるか!」

 

 弦十郎は地面を強く踏んで瓦礫を舞い上がらせ、床の欠片を蹴ってフィーネの杖を弾いた。

 

 杖は天井に刺さり、悔しそうな顔をしているフィーネに弦十郎は間合いを詰めるように飛び込んだ。

 

 「ノイズさえ出てこないのなら!」

 

 弦十郎が次の一撃を喰らわそうとした時だった。

 

 「弦十郎くん!」

 

 了子の声に一瞬弦十郎の動きが止まり、フィーネはその隙をついて弦十郎の身体に触手を突き刺し、そこから鮮血が飛び出した。 

 

 「司令!」

 

 「…!」

 

 未来の悲鳴と共に、地面に横たわった弦十郎の口と背中から大量の血が溢れ出した。

 

 「抗うも、覆せないのが運命なのだ…」

 

 フィーネは弦十郎の服から血の付いた通信機を抜き取り、触手で杖を回収した。

 

 「殺しはしない。お前達にその様な救済など施すものか」

 

 そしてついに、フィーネに最深部への侵入を許してしまった。

 

 「司令!司令!」

 

 大我達は弦十郎に駆け寄った。

 

 

 

 フィーネはデュランダルがある部屋でキーボードを操作し始めた。

 

 「目覚めよ、天を突く魔塔。彼方から此方へ現れ出よ」

 

 その言葉に呼応するかのようにデュランダルもオーラを放ち始めた。

 

 

 

 

 司令室では、響達四人がノイズを殲滅している映像がそれぞれのモニターに映っていた。

 

 司令室のドアが開き、大我と未来が弦十郎を支えながら入って来た。

 

 「…司令!」

 

 「応急処置を頼む!」

 

 女性職員は司令をベンチに寝かせ、腹部に包帯を巻いた。

 

 そして、大我は司令室のPCを操作し始めた。

 

 「本部内に侵入者だ!狙いはデュランダル、敵の正体は櫻井了子…!」

 

 「…!」

 

 「そんな…!」

 

 「未来、響達に回線を繋いだ。早く知らせてあげてくれ」

 

 未来は頷き、口を開いた。

 

 「響!学校が…リディアンがノイズに襲われてるの!」

 

 そういった途端照明が切れた。

 

 「何だ!?」

 

 「本部内からのハッキングです!」

 

 「こちらからの操作を受け付けません!」

 

 やがて、そのモニターは砂嵐に染まった。

 

 「こんなこと、了子さんしか…」

 

 中央の巨大なモニターにも何も見えなくなってしまった。

 

 「響…」

 

 

 しばらくして、弦十郎が目を覚ました。

 

 「司令!」

 

 「…状況は…」

 

 「…本部機能のほとんどが制御を受け付けません…地上及び地下施設内も様子不明です」

 

 「…そうか…」

 

 

 

 月が赤く染まる夜の中、奏者達四人はほぼ壊れかけの校舎の前にたどり着いた。

 

 「…」

 

 「未来…」

 

 「昴さん…皆…」

 

 「未来ー!皆ー!」

 

 響は学校に向かって呼びかけてみたが返事は無く、膝から倒れ込んだ。

 

 「…!」

 

 「リディアンが…!櫻井女史!」

 

 校舎の上には、血が付いたシャツを着た了子が立っていた。

 

 「フィーネ!お前の仕業か!」

 

 それを聞くと了子は、いや、フィーネは高笑いし始めた。

 

 「そうなのか…!その笑いが答えなのか櫻井女史!」

 

 「アイツこそ、アタシが決着をつけなきゃいけないクソッタレ!フィーネだ!」

 

 「あの野郎が…!」

 

 了子はメガネを取り、髪を縛っていたリボンを解いて青いオーラを放ち、フィーネへと変わった。

 

 「嘘…」

 

 「この野郎よくも…!よくも皆を!」

 

 

 

 「防衛大臣の殺害手引きと、デュランダルの強権の強奪…そして、本部にカモフラージュされて建造されたカ・ディンギル…俺達は全て櫻井了子の手のひらの上で踊らされていたのか…」

 

 昴達と未来、弦十郎、職員二人の計八人は懐中電灯をつけて暗い廊下の中を歩いていた。

 

 「イチイバルの紛失も入れて、疑わしい暗躍は山ほどありそうだな…」

 

 「それでも、同じし時間を過ごしてきたんだ…その全てが嘘だったとは俺には…」

 

 それを聞いて大我はなんとも言えない笑みを零した。

 

 「甘いのは分かっている…性分だ…」

 

 

 

 「嘘ですよね…そんなの嘘ですよね!だって了子さん、私を守ってくれました!」

 

 響が不安そうな笑みを浮かべながらフィーネに語りかける。

 

 「あれはデュランダルを守っただけの事…希少な完全状態の聖遺物だからね」

 

 「嘘ですよ〜。了子さんがフィーネと言うのなら、じゃあ、本当の了子さんは?」

 

 「櫻井了子の肉体は、先立って食い尽くされた…いや、意識は九年ほど前に死んだと言っていい。超先史文明期の巫女、フィーネは己が意識を刻印し、自身の血を引くものがアウフバヘン覇権に接触した際、その身にフィーネとしての記憶、能力が再起動する仕組みを施していた。九年前、風鳴翼が偶然引き起こした天羽々斬の覚醒は、同時に実験に立ち会った櫻井了子の内に眠る意識を目覚めさせた。その目覚めし意識こそが、私なのだ」

 

 「あなたが、了子さんを塗りつぶして…」

 

 「まるで、過去から蘇る亡霊…!」

 

 「フッフッフ、フィーネとして覚醒したのは私一人ではない。歴史に記される偉人、英雄、世界中に散った私達は、パラダイムシフトと呼ばれる技術の大きな転換期にいつも立ち会ってきた」

 

 「…そうか、シンフォギアシステムも…!」

 

 「その様な玩具、為政者からコストを噴出する必需品にすぎない」

 

 「…お前の小さな戯れに、奏は命を散らせたのか!」

 

 「アタシを拾ったり、アメリカの連中とつるんでいたのも!そいつが理由かよ!」

 

 「そう!全てはカ・ディンギルのため!」

 

 すると、地震が起こり始めた。

 

 「なんだ!?」

 

 

 

 シェルター内でも当然その被害は出ており、響と未来の友達も机の下に身を潜めていた。

 

 「このままじゃあたし達も死んじゃうよ…もうやだよぉ…!」

 

 極限の恐怖の中では誰も耐えられるはずがなく、弱音だって吐いてしまう。

 

 やがて、二課の建物はカ・ディンギルへと姿を変え始めた。

 

 「あ…ああ…」

 

 地下からとてつもない高さの塔、カ・ディンギルがせり上がり、文字通り天を突く様に立っていた。

 

 「これこそが、地より出立し、天にも届く一撃を放つ、荷電粒子砲…カ・ディンギル!」

 

 フィーネは恍惚な表情を浮かべて言った。

 

 「カ・ディンギル…!こいつでバラバラになった世界が一つになると!?」

 

 「ああ。今宵の月を穿つ事によってな」

 

 「月を!?」

 

 「穿つと言ったのか!?」

 

 「何でさ!」

 

 「…私はただ、あのお方と並びたかった…その為に、あのお方へ届く塔、シーアルの野に建てようとした…だがあのお方は、人の身が神に至る事を赦しはしなかった…あのお方の怒りを買い、雷霆に塔が砕かれたばかりか、人類は交わす言葉まで砕かれる…果てしなき罰…バラルの呪詛を掛けられてしまったのだ…!月が何故古来より永遠の象徴と伝えられてきたか…それは!月こそがバラルの呪詛の源だからだ!人類の相互理解を妨げるこの呪いを!月を破壊することで取ってくれる!そして再び、世界を一つに束ねる!」

 

 そう言ってフィーネが拳を握ると、塔にエネルギーが充填され始めた。

 

 「呪いを解く…?それは、お前が世界を支配するって事なのか!?安い!安さが爆発し過ぎてる!」

 

 

 「永世を生きる私が余人に歩みを止められる事などありえない」

 

 四人はフィーネとカ・ディンギルを止めるため、シンフォギアを纏い、零はゾフィー、タロウ、メビウスの力を纏った。

 

[魔弓・イチイバル Vo.雪音クリス]

 

 「最大火力じゃオラァァァ!!!」

 

 クリスがボウガンで矢を放ち、フィーネがかわして着地したところに零はバーチカルギロチンを放ち、それも避けた先に響達が飛び込んでいた。

 

 

 

 そして、未来達も友達と無事に合流した。

 

 「小日向さん!」

 

 「良かった!皆良かった…!」

 

 大我はノートパソコンをコンセントに繋ぎ、パソコンは無事に起動出来た。

 

 「良かった!まだこっちの電力は生きてる!」

 

 「俺と旦那は他を調べてくる!」

 

 「任せたぜ!」

 

 「ヒナ、この人達は…?」

 

 「あのね…」

 

 「我らは特異災害対策機動部…一連の事態の収束に当たっている」

 

 椅子に座った弦十郎が簡単に説明した。

 

 「それって、政府の…」

 

 「モニター再接続完了!こっちから操作出来そうだ!」

 

 そのモニターには、響達が映っていた。

 

 「…!響!」

 

 「え?」

 

 友達は未来の方を見て目を丸くした。

 

 「それに、あの時のクリスも…」

 

 「…これが…」

 

 「了子さん…?」

 

 「どうなってんの…?こんなのまるで、アニメじゃない…!」

 

 「ヒナは、ビッキーの事知ってたの?」

 

 「…」

 

 「前に、ヒナとビッキーが喧嘩したのって…そっか、これに関係する事なのね」

 

 「ごめん…」

 

 

 クリスは[ MEGA DEATH PARTY]を使用してミサイルを放つも全て触手で薙ぎ払われ、クリスは三人の方を向いて頷き、三人もそれに頷いて、煙の中から響と翼が飛び出し、響がフィーネに接近戦を仕掛けた。

 

 響の攻撃は避けられてしまうが、響は翼にバトンを渡すように飛び上がり、そして翼はフィーネに急接近して斬りかかり、フィーネもそれに応戦するようにムチで受け止めた。

 

 翼の剣がムチに絡め取られて宙に投げ出されてしまったもののすぐさま身体の上下を入れ替えてコマの様に回りながらフィーネの攻撃を捌き、フィーネが翼に気を取られている隙に響が強烈な一撃を喰らわせて吹き飛ばした。

 

 「!!」

 

 「おめぇはこっちだ!」

 

 クリスは巨大な二本のミサイルを発射し、フィーネはそれを避けるように飛び上がるも、一本のミサイルは追尾を始め、やがてフィーネはそれを斬り裂き、空中で爆発させた。

 

 「もう一発は!」

 

 「よそ見するんじゃねえ!受けてみろ!全身全霊!フルチャージストリウム!光ゥゥゥ線ッ!!!!」

 

 零はカラータイマーを高速で点滅させ、シンフォギアから煙を上げながらも両腕にエネルギーを限界まで貯め、腕をT字に組んでストリウム光線を放った。

 

 「ぐうううう…!」

 

 「はああああああ…!!!」

 

 フィーネはその光線を受け止め、零とフィーネの根性比べになるかと思われたが、フィーネはその光線を横に受け流し、塔に当てたものの、塔はビクともしなかった。

 

 「ここ…まで…か」

 

 零のシンフォギアのカラータイマーはついに光を失い、無色のシンフォギアに戻り、やがて零は力尽きてその場に倒れた。

 

 「零さん!」

 

 「おのれ!!」

 

 もう一発のミサイルにはクリスが乗り込んでいた。

 

 「クリスちゃん!?」

 

 「何のつもりだ!」

 

 「足掻いたところで所詮は玩具!カ・ディンギルの発射を止めることなど…!」

 

 すると、クリスは歌を歌い始めた。命を掛けて全てを終わらすために。

 

 「あの歌…まさか!」

 

 「絶唱…!?」

 

 クリスはカ・ディンギルの行く手を阻むように宇宙へと飛び立ち、自分の全てのエネルギーを集め、荷電粒子砲が撃たれるのと同時にクリスも同様にエネルギーを集めてカ・ディンギルの光線と自分の光線をぶつけた。

 

 「一点収束!押しとどめているだとォッ!?」

 

 しかし、ついにクリスにも限界が訪れた。

 

 クリスのギアにもヒビが入り、クリス自身の身体もほぼ崩壊し、クリスは荷電粒子砲に飲み込まれた。

 

 三人はその行方をただ見守っていた。

 

 「…し損ねた!?わずかに逸らされたと言うのか!?」

 

 クリスの身体は光の跡を紡ぎながら、流星のように儚く堕ちた。

 

 その命は美しく、そして儚く―――

 

 響の声にならない悲鳴が辺りに響き渡った。




今回はここまでです!

次回、果たしてどうなるのやら…

乞うご期待!
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