暁と申します。これより、司令官様の指揮下に入ります 作:血濡れの人形
~鎮守府 暁の部屋~
今日はホワイトデー。バレンタインのお返しに、お菓子などが贈られる日。最後尾はこちら、と書かれた立札を持った響(一番最初に渡してきた)が外で立っているのが見える。そんな私の目の前には、その原因となっている列があります。
「あ、暁さん!これ、バレンタインのお返しです!」
「ありがとうございます。こちら、バレンタインのお返しです。おいしく食べてくれると嬉しいわ」
バレンタインの一件で、あまりにも食堂に密集しすぎると普通に食事をしに来た艦娘たちにも迷惑がかかるということで、交換が自室で行われるようになったのですが、なぜかはわからりませんが、みんなが一番に私の所に渡そうと私の部屋に押し寄せ、このような行列になってしまったのです。間宮さんや鳳翔さんたちは最初のほうに来たため、おそらく食堂はきちんと開かれていると思います。というか、一番最後の列に並んでいらっしゃるのは、司令官様ではないでしょうか?今日も確か執務があったはず・・・あ、大淀さんが引きずっていってしまったわ・・・。
「えぇっと、皆様、食事などは大丈夫ですか?もうそろそろお昼ですが・・・」
あまり大きな声ではなかったのですが、聞こえた範囲の艦娘からは大丈夫との返事が返ってきました。それならいいのですが、と思いながら、受け取り、渡してを繰り返していきます。最終的に全部の交換が終わったのは午後の二時、少し遅めの昼食にしようと部屋から出て、食堂に向かって歩いていく。
~鎮守府 食堂~
今日のお昼はきつねうどんと天丼。なんでも、新鮮なエビがいっぱいもらえたからとのことです。まだ少し寒さの残る中、暖かいおうどんが体を温めてくれます。のんびりと食べ進めていると、司令官様が食堂に入ってきました。
「あ、暁。あとで渡したいものがあるから、悪いが執務室に来てもらってもいいか?」
「わかりました」
じゃあお願いな~、とだけ言い残して、司令官様は食堂から出ていってしまいました。食堂に来ただけで、食事をしていかないことを疑問に思いながらも、とりあえず私の注文した料理を食べることに専念するのでした。
~鎮守府 執務室~
「司令官様。暁です」
ノックしてからそう声をかける。入ってどうぞ~という声に、失礼いたしますといって部屋に入っていきます。
「それで司令官様。渡したいものとはいったい?」
「あぁ、バレンタインのお返しなんだけどね。悩みに悩んで、結局こんなものしか用意できなくってさ」
そういいながら、司令官様は一つの箱を渡してきます。
「これは?」
「いやぁ、休日に、街のほうに見に行ってね。暁に似合いそうだったのを買ってきたんだよ」
開けるように促され、箱を開けると、そこには海に太陽の上っているような見た目のレリーフのついたネックレスが入っていた。
「いやぁ、あんまりセンスのいいものではないかもだけど、受け取ってくれると嬉しいな」
どこか自虐的にそういってくる司令官様に、
「ありがとうございます。大切にいたしますね」
そう、笑顔でこたえるのだった。
暁
本作主人公。午前十時に交換を初めて午後二時に終わった。提督からもらったネックレスは休日には常に身に着けるようになった。
響
窓から侵入して真っ先に暁にお返しを送ったとかなんとか。そのあとは侵入した窓から外に出て立札を持って列の整列を担当していた。
提督
あんなこと言いながら、実は特注で作ってもらったやつ。実は別なアクセサリーと書類を用意していたが、別のタイミングで渡そうということで執務室の引き出しの中にしまったとかなんとか