【完結】剣製の魔法少女戦記   作:炎の剣製

103 / 207
今回は百話となりましたが特になにもありません。
ですが今回はダイジェスト形式で話を進めていきます。


第百話        『小学六年生の毎日、流れる季節』

 

 

Side シホ・E・S・高町

 

 

あの戦いから少し経ち私達はアヴェンジャー…ライゼルを召喚した魔術師を探そうという提案をしたが手がかりもなく今はただこの異様な静寂を不気味に思うのだった。

それと話は変わり士郎とアインスだがライゼルとの戦いを終えてからというもの、二人は前より距離が縮まったようで見てるこっちはなぜか恥ずかしくなってくる始末。

その証拠として学校ではやてに相談されて、

 

「なぁシホちゃん。最近な…士郎とアインスが仲が良すぎて困っとるんよ」

「そ、そうなの。はやて…」

「うん。それでキャスターも嫉妬をして家の中が少しギスギスしているんから私としては嬉しいのやら悲しいのやら…」

 

はやては後のこの悲劇を予想していなかったらしい。

実に哀れだ。

 

「シホちゃん、なんとかしてくれへん…?」

「…と、言われてももうライゼルとの戦いで士郎の心変わりは絶対にないでしょうからほとぼりがつくまでそっとしておいた方がいいと思うわよ?」

「シホの意見に賛成ー! もう二人は付き合ったんだからそのままにしておいた方がいいよ!」

「アリシアちゃんは士郎の事はもうええの…? 士郎の事、好きなんやろ…?」

「うん。でももう諦めもついたかな? それにもとより年が離れ過ぎているから叶わないものだしね…」

「アリシアも成長したんだね」

 

フェイトがホロリと涙を流していた。

 

「まぁそうやね。もう私は気にせんようにするわ!…それに…」

 

ん? なんだろう。はやてがこちらを見て笑みを浮かべる。

と、そこに、

 

「シホちゃん!」

「ッ!? なに、すずか?」

 

すずかが私にいきなり抱きついてきた。

 

「シホちゃんやすずかちゃん達を見ている方が楽しいしな~」

「私ね、アインスさんに負けていられないと思うの! だから私達も正式に…!」

「すずかちゃん、落ち着いて!」

「落ち着きなさい、すずか!」

 

少し暴走気味のすずかをなのはとアリサが止めに入る。

それで事なきを得たが、

 

「…すずか、まだ私達は歳は若いわ。だからまだ、ね? これからを頑張っていきましょう?」

「うん…これからだよね」

 

そう説得したけど聞いていた周りが少し騒ぎ出す。

だからどうした…? もう私はこの空気には慣れた。

 

「シホちゃんも正直になったんな」

「もう隠すのをやめたのよ。いちいち冷やかされたらたまらないしね」

「そうなんや…それより、ふむ?」

 

はやてが私の周りをなぜか回りだした。

 

「な、なに…? はやて?」

「今や! シホちゃん、隙ありや!」

 

そんな事を言い出してはやてが足に魔力を込めたと思った矢先に私の胸を鷲掴みにして何度も揉み始めた!?

 

「シホちゃんの胸、成長してきてるね?」

「な、ななな…!?」

「私の目測やとフェイトちゃんやすずかちゃんといい勝負やよ…?」

「はやて! またそんな大声で…!」

「はやてちゃん…!」

「なにをしてやがりますかー!!」

 

それで思いっきりはやてに技をかけて腕ひじきをする。

 

「ギブギブ! シホちゃん、ギブやぁ…!」

「いいえ、許さないわ! 乙女の胸を無断で鷲掴みにする子にはお仕置きが必要よね…?」

「…はやてちゃん? シホちゃんの胸を揉んでいいのは私だけなんだよ?」

「すずかもいきなりすごいセリフをぶっちゃけないでーーー!?」

「それはええからもう許してー!」

 

それでわいわいと皆でやっている私達は先生が来るまでそうしていた。

 

 

◆◇―――――――――◇◆

 

 

まだ春も抜けきらない季節。

 

 

「えー…では今日の家庭科の授業は前より計画していました調理実習のお菓子作りをしたいと思います」

 

先生のお言葉でシホ達はエプロンや三角頭巾などをして準備をする。

 

「シホちゃん! できたら俺に食わせてくれよ!」

「僕も僕も!」

「はいはい…できたら切り分けてあげるからちゃんと手伝うのよ?」

「おう!」

「任せておけ!」

 

それで男子達が元気になる。

 

「シホちゃんも人気者だね~」

「それを言ったらなのはも人気じゃない?」

 

シホ達(シホ、なのは、アリサ、すずか、フェイト、アリシア、はやて)のグループは人気だ。

シホとすずかの絡みも見られて顔を赤くする男子が色々いるし。

最近はなのはとフェイトもシホ達に負けず劣らずラブラブ感を出し始めたのでクラスではこの二組みのカップルは有名である。

そして友達の胸をよく揉むはやてが場をしっちゃかめっちゃかにするのも見られるので男子は羨望の眼差しをしている。

 

 

閑話休題

 

 

それからクラスで六班に分かれてお菓子作りが開始された。

まずシホの班はアップルパイ。

すずかとアリサの班はプリン。

なのはの班はマドレーヌ。

フェイト、アリシアの班はマフィン。

はやての班はスイートポテト。

残りの班がクッキー。

これらを作ることになった。

 

シホはまずリンゴの皮むきをしていき薄く一口大に切り込んでいく。

それを他の子が煮る役目になった。

パイ生地を作る子や溶き卵を作る子で分かれている。

シホは丁寧にみんなに作り方を教えていき仕上げていく。

 

すずかとアリサは料理が苦手なアリサが使う砂糖などの分量を測ったりしている。

そしてすずかは卵を割ったりカラメルソースを作ったりしている。

 

なのはは薄力粉やべーキングパウダーなどを合わせてふるっていきメレンゲ作り、卵黄、溶かしたバターなどを混ぜ合わせていく。

 

フェイトとアリシアはそれぞれ分担して薄力粉をふるっていき、マフィンの生地作りをしていた。

 

はやてはさつまいもを蒸した後、砂糖、生クリーム、バターなどを混ぜ合わせていく。

それでアルミのケースに移していきそれをオーブンで焼いていく。

 

それぞれの班でお菓子は順調に作られていった。

そして出来上がってみんなで試食会をしていく。

 

「あ、うちに持ち帰る分を取っておかなきゃね」

「そうだね、シホちゃん。お父さん喜ぶだろうね」

「シホちゃん! 食わせて!」

「俺も!」

「わかったわ。切り分けるから待っていなさい」

 

それでシホがアップルパイを切り分けて男子連中にやるとすぐに食いつき、

 

「うまい…!」

「さすがシホちゃんだー」

「次はフェイトとアリシアちゃんのを食いにいこうぜ!」

「おう!」

 

それで駆けていく男子たち。

 

「男子は元気ねぇ~」

「シホちゃん、私のプリン食べてみて?」

「わかったわ、すずか」

 

シホはすずかのプリンを一口食べて、

 

「うん。おいしいわ」

「よかったぁ…」

 

それから持ち帰る分とかも分けて全員で試食会と相成った。

全員は楽しそうにお菓子を頬張って楽しい調理実習となった。

ちなみに各家族達は作ったものを喜んで食べていた。

 

 

◆◇―――――――――◇◆

 

 

…夏の季節。

 

やってきました。プール開き。

それで唯一まだ25mも泳げないなのはが奮起していた。

 

「シホちゃん! 今年は泳ぎきれるように頑張るよ!」

「そう。頑張りなさい」

「うん!」

「ところでシホはもう女性の水着には慣れた…?」

 

アリサのそんなニヤッとした笑みでシホはピキッと固まる。

 

「な、なにをおっしゃるのかしら? アリサさん…?」

「めっちゃ動揺しとるな」

「去年も私の後ろに隠れてたもんね、シホちゃん。可愛かったよ」

「ううぅ~…だからこの季節は嫌なのよ。誰が好き好んで水着なんて着るかって言うのよ~」

「ま、諦めなさい。ようは慣れよ慣れ」

「ええ、分かっているわ…去年のような失態は犯さないわ」

 

そう、シホは去年のプールの時に男子連中にいっぱい見られてあまりの恥ずかしさでオーバーヒートしてしまい気絶してしまったのだ。

そして男子連中はそんな恥ずかしがってとてもしおらしいシホの姿を見たいがためにこの日を待ち望んでいたりする。

それに最近は出るところはちゃんと出てきて余計女性らしくなってきているので期待はかなり高い!…とは複数の男子の発言である。

 

「男子連中! こっちを見るんじゃないわよ!」

 

アリサの一喝で男子連中は「見てないよ!」と反発の声を上げるがやはりそこは男の性…つい見てしまうのは仕方がないというものだ。

結局シホはやはり慣れることができずにいつもの凛とした態度は成りを潜めて去年と同じくすずかの後ろに隠れていたりする。

そのシホの姿に男子連中は思わず全員顔を赤くする。

 

「やっぱり見てるじゃない!? シホはプールでは特に恥ずかしがり屋なんだからあんまり見るんじゃない!」

 

それで男子連中はわぁー!と散っていく。

 

「まったくもう…」

「シホちゃん、大丈夫…?」

「な、なんとか…」

「やっぱり心理的なものは大きいね」

「シホー、もっと気楽に行こうよ?」

「ええ、アリシア…」

 

それから一通り授業は進められていき、

 

「では今から自由時間にします。各自溺れないように気をつけてね?」

 

先生の一言でそれぞれ自由に泳ぎだす生徒達。

 

「シホ! 勝負しよう!」

 

フェイトがシホに勝負を挑む。

それにシホは、

 

(気が紛れるからちょうどいいかも…)

 

と思ってフェイトとの勝負を受けることにした。

 

「シホちゃんとフェイトの勝負だってよ!」

「見ものだね!」

 

生徒達が観戦ムードに入る。

そしてアリサが合図をする。

 

「それじゃ、いくわよ二人共! シホ対フェイト! 50mクロール対決!」

「うん!」

「ええ!」

「スタート!」

 

アリサの言葉を合図に二人は一斉に泳ぎだす。

シホは何度も息継ぎをしてフェイトを追い上げる。

 

(アルトリアとの勝負がこんなところで生きてくるなんてね!)

 

そう、シホは毎年アルトリアとプールで勝負をしているのだ。

その度に勝ったり負けたりしている。

それをフェイト達は当然見ていて是非勝負をしたいと闘志が燃え上がっているのだ。

そして25mを過ぎて折り返し地点に入り、そこからシホはさらにスピードを上げる。

 

(さらにシホのスピードが上がった! でも、負けない!)

 

フェイトは必死にシホに追いつこうとする。

シホもフェイトの追い上げに感心しながらも、

 

(勝負の世界は厳しいのよ? フェイト?)

 

一気に距離を離す。

そしてフェイトを突き放して一気に50mを泳ぎきる。

 

「勝者! シホ!」

『わー!』

 

それで騒ぎ出す一同。

 

「はぁ、はぁ…やっぱりシホには敵わないか…」

「そう簡単に負けてあげないわよ、フェイト」

「シホちゃん! フェイトちゃん! いい勝負だったよ!」

 

なのはもそう言って二人に走り寄ってくる。

 

「ありがと、なのは」

 

だがそこでなのはは足を滑らせた。

 

「あ…!?」

 

しかもちょうど悪い具合にシホの水着を両手でガッ!と掴む。

それによってシホの水着が一気にずり落ちた。

…まぁ、それで当然結果は、

 

『ぶっ!?』

「い、いやあああああーーー!?」

 

シホは叫びを上げてすぐにうずくまる。

すぐに女子達がシホを守るように囲いを作るがばっちり見てしまった男子生徒達は鼻血を出しているものが複数いた。

 

「な~の~は~!?」

「し、シホちゃん! ごめんなさい!!」

 

すぐにシホは水着を着直して涙目でなのはを睨む。

水着でも恥ずかしいのだ。ほとんど裸を見られたに等しいシホは怒りと羞恥の表情である。

本日はこれで終了となったがシホは羞恥心で授業後もずっと顔を赤くしているのだった。

 

「なのはちゃん、ちゃんと謝ったほうがええよ?」

「ううっ…そうだよね」

「今回はなのはのドジのせいだからねー」

「アリシアちゃん、ひどい…」

「今回は同情できないよ、なのは…」

「フェイトちゃ~ん…」

 

それでなのははシホに謝るのに苦労したという。

 

 

◆◇―――――――――◇◆

 

 

…秋、運動会の季節。

 

 

「なんか、運動会って卑怯な感じなのよね、私」

「なんで…?」

「いや、この体って平均でも身体強化をせずとも中学生くらいの馬力は出るから」

「あ、それは私も出るよ! なんだってこの体はサーヴァントの全力にも耐えられる体なんだから!」

 

えっへん! とアリシアはフェイトと同じく成長してきた胸を張る。

 

「そうだったわね。いまだに人形の体だっていうのが信じられないからね。しっかりと成長しているし…」

「うんうん…」

「でもシホには魔術は使わずとも本気を出してもらうわよ! なんせ小学生最後の運動会なんだから!」

「そうね。頑張りましょう」

『おー!』

 

最近普通に身体強化の魔術も会得しているアリサ達だがこんな場所で使うほど落ちぶれてはいない。

やるなら正々堂々! 自身の力だけでの勝負を挑むのだとやる気を出している。

そして競技は行われていき午前の部が終わりシホやフェイト、アリシア、すずか、アリサの活躍もあり今のところは一位をたたき出している。

 

「いやーやっとお昼だね」

「そうだね」

「お母さん達がシートを広げて待っているから早く行こうか」

「うん」

 

それでシホ達は観客の家族のスペースに立ち寄りみんなで食事をとっていた。

 

「奏者よ。大活躍だったな。余は誇らしいぞ!」

「あはは…ありがとネロ」

「マスターもアリシアもいい感じに盛り上がっていたぜ?」

「うん、ありがとうランサー」

「ありがとね、ランサー!」

「なのはは、抜かされてしまって残念でしたね…」

「うぅっ…オリヴィエさん、どんなに鍛えてもやっぱり基本の身体能力は低いの…」

「主、お弁当です」

「ありがとな、アインス」

「今日は重箱だ。みんな残さず食べてくれ」

「うん。ありがとう士郎さん」

「呵呵呵! 競え競え! されば己の力になる!」

「ライダーも楽しんでいってね」

「はい、スズカ」

「…ほう。士郎くんはやはりシホちゃんと一緒で料理が得意なんだな」

「ええ、士郎さん。私はシホと同等の腕だと自負しています。最近は桃子さんの教えもありシホには抜かされてきていますが…」

 

ダブル士郎が話し出して不思議な会話だとみんなは思っていた。

それにしても一気にこの家族が集まるとやはりレベルが高い。

子供達も入れてサーヴァント連中は言うまでもなく、ヴォルケンリッター、そして各家族、メイド達も美女揃い。

それで周りにいた他の家族達は、

 

(レベルが高い…!)

 

と一斉に思っていたりする。

 

「あ、なのはー!」

「ユーノ君!? 来れたの!」

「私もいますよ!」

「フィア! よく来たわね」

「はい。お姉様の活躍を見にわざわざ武装隊の休暇をとってやってきました。それに…」

「フィアットちゃん。久しぶりだね」

「そうですね、すずか」

 

すずかとフィアットの二人はお互いに笑顔で威嚇をしあっている。

 

「お姉様に気持ちを伝えたというのですから今のところはすずかが優勢だというのは認めます。ですが私は諦めませんからね…?」

「望むところだよ。フィアットちゃん!」

 

それで二人は拳をくっつけあう。

いつもの恒例の挨拶である。

それで見ていた全員は苦笑を浮かべていた。

でもシホは二人の気持ちは知っているので笑うに笑えなかった。

 

「ならばその勝負。余とアルトリア姉妹同盟も参加するとしよう。奏者は余にぞっこん(死語)だからな!」

「ネロさんも面白いことを言いますね。受けて立ちます!」

「はは! 望むところよ!」

 

それで白熱するシホの奪い合いの様子。

 

「…そういえば今日はアリサちゃんの親は来ていないんね?」

「ああ。あたしのパパは仕事が忙しいからね。だからって気にしていないから大丈夫よ? アサシンや鮫島も来ていることだしね」

「そっか」

 

それでアリサは少し重い空気を払おうとはやてのお弁当のおかずを取り、

 

「あ、アリサちゃん!? なんてことを…!」

「へっへーん! 油断しているからよ!」

「はやてから取るなんてやるなぁ…」

 

ヴィータは感心していた。

 

そしてそれから午後の部になり男女混合リレーと相成って、

メンバーはすずかに、フェイト、残りは男子の二人となった。

しかしその片方の男子が急遽前の競技の騎馬戦で足を挫いてしまったのでどうするかという話になり、

 

「シホちゃんは…結構競技に出ているからもうクタクタだよね」

「いや、大丈夫よ?」

「でも、休んでおいたほうがいいよ。最後の六年生クラス対抗綱引きが残っているんだから」

「それじゃあたしが出るわ!」

「アリサ! 大丈夫!?」

「平気よ。アンカーのすずかに棒を渡す位どうってことないわ!」

「それじゃ他に人もいないしアリサに決定!」

 

そして始まる男女混合リレー。

シホ達のクラスは男子が一人という不安があるが女子三人とも足が男子より早いのが売りであるので任せられる。

そして始まるリレー。

それによって最初の走者のフェイトが走り出す。

それはいとも簡単に全員を抜き去り最初は一位で次の男子に流す。

そして次の男子は一人に抜かされるも二位で通過。

そしてアリサに渡されてアリサは疾走する。

そしてなんとか一位に躍り出てすずかに棒を渡すとこまできたが勢い余ってすずかに棒を渡すと転倒してしまった。

 

「アリサちゃん!」

「あたしに構わず行きなさい! すずか!」

「うん…!」

 

そしてすずかは見事走りきり一位で勝利をとった。

でもすぐに転倒したアリサの下に走っていき、

 

「大丈夫!? アリサちゃん!」

「平気よ。ちょっと顔打っちゃったけど…」

「膝も擦りむいているじゃない! シャマルさーん!」

「はい! 任せてください!」

 

それでシャマルの応急処置は済まされていった。

その後は特に明記することもなく綱引きもシホ達のクラスが勝利し、小学生最後の運動会は優勝で幕を下ろしたのだった。

 

「優勝よ!」

「アリサ、怪我しているんだから騒がないの」

「いいじゃない。せっかく勝ったんだから!」

「お嬢様。旦那様からお電話です」

『よく頑張ったな。アリサ。聞いていたぞ。後でアリサの勇姿をカメラで見させてもらうからな』

「うん!」

 

それでアリサは笑顔を浮かべるのだった。

 

 

◆◇―――――――――◇◆

 

 

…冬、クリスマスの季節。

 

「もうすぐクリスマスやね」

「そしてそれが過ぎれば後はお正月だね」

「私達が友達になってもうあの事件の冬から三年も経つんやね。長いようで短かったわ」

「はやてちゃんも足ももうすっかり治って普通に歩けるようになったもんね」

「なのはが去年のこの季節に怪我をした事もあったけどこうしてまた普通にみんなで冬を楽しめるのは嬉しいことだわ」

「そうだね、シホちゃん」

「もうすぐ学校も冬休みで終わりだから学校の宿題も魔術のお勉強も一生懸命頑張れるね!」

「アリシアちゃんは勉強熱心だね」

「うん! だって楽しいもん!」

 

アリシアの笑顔にみんなは癒されている。

 

「あ、そうや。クリスマス会、今年はどうする? 去年はいろいろあってお流れだったやろ?」

「にゃはは…ご迷惑おかけしました」

「全員で集まれる場所がいいわね」

「それじゃ私のうちにするか? ヴィータも喜ぶやろうし!」

「ユーノ君やフィアちゃんも呼ぼうか!」

「そうね」

「そして今年の初詣は夜にいかない!?」

 

アリサの提案に全員は快く頷いた。

それからシホとなのはは家に帰ると士郎がなにやらせわしなく動いている光景を目にする。

 

「お父さん、どうしたの?」

「ああ、なのはにシホちゃん。なに、今年もクリスマスケーキの予約が殺到していてね。色々と忙しいんだよ」

「ああ、翠屋でですか…?」

「うん」

 

それでなのはとシホはこの話を出していいものかと迷う。

しかし士郎はすぐに二人の様子に気づき、

 

「どうしたんだい…? なにかその日に用があるのか?」

「う、うん…。その日にはやてちゃんのおウチでクリスマス会をするの」

「そうか。それじゃ楽しんできなさい」

「手伝わなくて大丈夫ですか…?」

 

シホがそう聞くが、

 

「その件に関しては問題ありませんよ。シホにナノハ」

「うむ。今回は余達が手伝うのだ。問題ない!」

「ですからなのは達は楽しんできてください」

 

三人の王様にそう言われて頼もしいと感じた二人は任せることにした。

そしてクリスマス当日。

はやての家では盛大にパーティーが開かれていた。

 

「士郎。手伝うぞ」

「あぁ、アインス。頼む」

「タマモも手伝いますよ、ご主人様(マスター)! それにアインスはお腹を大事にしてくださいな?」

「そうだな。ならキャスターはそっちの料理を頼む」

「はいです!」

 

士郎達が忙しなく動いている中で、

 

「えー…本日はこうして無事にクリスマスパーティーを開けて嬉しい限りです。別に長ったらしく話もなんですから楽しんでいってください! メリークリスマス!」

『メリークリスマス! わー!』

 

それで盛り上がる一同。

 

「あ、はやてちゃん。うちからクリスマスケーキを持ってきたよ!」

「ありがとな、なのはちゃん。やっぱり翠屋のケーキが一番やからな」

 

それからみんなで歌を歌ったりプレゼントを交換したり途中で乱入してきたアルクェイドとかとも騒いだりして一夜を明かした。

そして今年は最後にみんなで大晦日を一緒に過ごし夜に初詣にいき、全員で初日の出を見て新年を祝った。

 

そして二月。バレンタインデーでいっぱい小さいチョコを作ってクラスのみんなや家族などに配った。

そして…春、聖祥大附属小学校の卒業式。

 

「…もう、って感じがあるわね。私は…」

「それは私も…」

「私もだよ、フェイト」

「私もや」

 

小学校に途中編入のシホ、フェイト、アリシア、はやて四人はそう言葉を漏らしていた。

 

「ほらほら! 辛気臭いのはなしにしなさい!」

「アリサ…」

「アリサちゃん…」

「こうしてもう卒業だけど中学でもまた一緒になるんだからまだ大丈夫よ」

「そうだよー」

「そうだね」

「でも、先の見えた話だけど中学を卒業したらもう私達全員管理局に完全就職という流れになるのよね。高校には行かずに…」

「ま、その時はその時よ。自分でいくって決めた道なんだからそこを目指すだけよ」

「そうだね、アリサ!」

「ええ!」

「それより…もう答辞は覚えたの? 学年代表さん?」

「あたしを舐めないでよね、シホ。そんなの簡単に覚えたわ!」

「アリサすごい…」

「それじゃ応援、いるか? アリサちゃん?」

「それはやめて…。喋れなくなるから…」

「アリサちゃんのお父さんも来られるっていう話だから緊張するね」

「…うん、すずか。少しだけ」

 

それでシホ達は体育館に向かい、卒業生授与式が始められた。

そしてアリサは学年代表として答辞を読み、読み終わったら拍手が起きた。

そして無事卒業式も終わり、教室で、

 

「私…とっても感動したわ」

 

はやてがアリサの答辞を聞いて涙を流していた。

それを宥めていると寄せ書きなどの話がやってきて全員で回したりして最後を楽しんだ。

そして最後に教室を出ていき、学校の外に出ると家族達が待ってくれていて、

 

「…なのは、シホちゃん。卒業おめでとう」

「うん!」

「はい…」

「今日のこの良き日は皆で盛大に祝おうではないか!」

「そうですね、ネロ」

「なのは、卒業おめでとう」

「お姉様、おめでとうございます!」

 

「アリサ。格好良かったぞ」

「アリサよ。目立っておったぞ」

「ありがとう。パパ、アサシン!」

 

「フェイトー! アリシアー! 卒業おめでとう!」

「一段落しましたらプレシアさんのお墓にもいきましょうか。二人が立派に卒業したって報告に…」

「はい、母さん…」

「うん、お母さん。プレシアお母様に会いにいくんだ…」

「そいつはいいな。俺もついでに着いていくぜ」

 

「すずかお嬢様! おめ、おめでとうございます!」

「もうファリン。泣きすぎよ?」

「だって…!」

「それよりすずか。これからも頑張りなさいね?」

「そうですスズカ。これからです」

「うん、お姉ちゃん! ライダー!」

 

「主はやて、ご卒業おめでとうございます」

「ありがとう、みんな! 私、頑張ったよ!」

「はい。この数年、見させてもらいましたから…」

「はやてちゃん、おめでとう…!」

「はやて! おめでとう!」

 

その後、五家族全員で盛大に宴会を開いて騒いだそうだ。

 

 

 

…みんながみんな、祝福され小学校を卒業していった。

そしてまた一歩、大人になっていく。

 

 

 




シホが普通に自分を乙女と言い出しているのが変わってきているな…という表現の一つです。
そして結構苦手な部類の料理作りの描写を書きました。
夏は想像してみたらかなりやばい光景だと思います。
秋は定番の運動会イベント。
冬のクリスマスなどといった行事もこなしていき無事卒業もしました。
ちなみに読み終わってみてから気づいた人はいるかもしれませんけどなにか重要なセリフを言っている人がいます。
分からなかったらもう一度見直してみるのもいいかもしれませんね。

それではご意見・ご感想・誤字脱字報告をお待ちしております。

では。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。