【完結】剣製の魔法少女戦記   作:炎の剣製

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今回は前話の『なのはのシホちゃん観察記録』シリーズの番外編的な立ち位置でアリシアがフェイトを観察します。
なんか中学生活の近況の話も含まれているかもしれません。



第百三話      『アリシアのフェイト観察記録』

 

 

Side アリシア・T・ハラオウン

 

 

なのはから聞いたなにげないシホの観察記録の内容。

それを踏まえて私も本日はフェイトを観察したいと思います。

といってもなのはの家じゃないんだけどフェイトも結構朝が早くてよくランサーに屋上で稽古をつけてもらっている光景が目立つ。

それで私も朝早く本日は起きることにしました。

それでマンションの屋上に向かってみるとやっぱりフェイトとランサーがバルディッシュとデバイス版ゲイボルクをぶつけ合っていました。

…さすがに宝具は使わない。ランサーのゲイボルクはただでさえ一つでも傷を受けたら治りにくいんだから使えないし。

それよりフェイトも中学生になってかなり成長した。まぁ私も同じくらい成長しているんだけどね。

それで前までは持って5分くらいのランサーとの本気ではなくともかなり力の入った打ち合いも最近は10分くらい保つようになった。

強くなってきているよねフェイトは。

 

「おし! マスター、早朝訓練はこれくらいにしとくか」

「う、うん…!」

 

ランサーもフェイトの限界を見極めて訓練を終了させた。

ランサーに限らずサーヴァント全員は普通に達人の集まりだから基本的に教え方は言葉より体で覚えさせるのが資本だから自然と経験と技量が身について上がってきているんだよね。

それで最近はシグナムとも五分五分の勝負ができるようになったとフェイトは嬉しそうに言っていた。

でも最上級の稽古なので文句や弱音を言ったら管理局で普通に訓練している魔導師の人達に失礼なのでフェイトは愚痴や文句は一切言わない。

真面目だよね、フェイトは。

 

「はぁ、はぁ…ありがとランサー」

「あぁ。また腕を上げたなマスター。…そうは思わねぇか、アリシアの嬢ちゃん?」

 

やっぱりランサーは私が見ているのに気付いていたみたいだね。さすがだね。

それで私は二人分のタオルを渡しにいく。

 

「ありがとう、アリシア」

「あんがとな」

 

そういって二人はかいていた汗を拭いていた。

…っていってもランサーはフェイトと比べたらほとんど汗は出してはいない。

やっぱり英霊の体力は異常だね。

それからリンディお母さん、クロノお兄ちゃん、フェイト、ランサー、アルフ、私の六人で朝食を取る。

その時でも私はフェイトを観察していたらふと目が合って、

 

「…? アリシア、なにか用? じっとこちらを見てきているけど…」

「な、なんでもないよフェイト?」

「そう…?」

 

危ない危ない…ばれるところだったね。

 

「ところでアリシア、今日はなにか用事はある…?」

「ううん、とくにはないよ。せいぜい魔術事件対策課に帰りにシホ達と一緒に少し顔を出す程度かな?」

「そっか。それじゃ今日は一日学校に行けるね」

「そうだね、フェイト!」

 

それじゃ今日は一日フェイトをじっくりと観察できるね。

 

「そんじゃ今日は海釣りにでもいってくるかね。どうだ、クロノの坊主は? 付き合うか? 俺の釣りのとっておきの穴場を教えてやるぜ?」

「いえ、お誘いは嬉しいんですが今日から少し長期任務で当分は帰ってこれそうにないんですよ。

釣り師魂としては是非とも参加したいんですがね…」

「そうか。艦長っつう職は大変だねぇ…」

 

ランサーがそうしみじみと呟く。

そこに代わりにアルフが声をあげて、

 

「それじゃ代わりにあたしが付き合うぞ! ランサー!」

「いいぜ?」

 

どうやらランサーとアルフの今日の一日は決まったらしい。

最近はフェイトの魔力を食わない形態を模索していたようだけど子供姿で落ち着いたようである。

ランサーと一緒に釣りをしているアルフの姿を想像したら、なんだろう…?

子連れ狼…? アルフが狼なだけに。

フェイトが保護責任者をしている“エリオ”ともアルフは子供の姿で会いに行っているしね。

フェイトと同じで色々と複雑な事情もあるけどエリオは可愛いよね♪

フェイトの可愛がる気持ちも分かるというものだ。

それとクロノお兄ちゃんもアースラの艦長職の仕事が忙しそうでなによりである。

第二次成長期で背もかなり伸びて男子平均を越えたと喜んでいたので伸び盛りだね。声も変声期で低くなって男らしくなったし。

それと仕事場ではエイミィと一緒に頑張るのだろう。

なにやら最近いい雰囲気になる事が多々あるので士郎さんとアインスさんに続いてゴールインは近い、かな…?

私とフェイトがたまにお姉ちゃんと呼ぶとまんざらでもない表情をエイミィは浮かべるしね。

このまま本当の義姉になってもらいたいものだね。

 

それから聖祥大附属中学校の制服に着替えてリンディお母さんに行ってきますと言って私とフェイトはマンションを出る。

それでいつもみんなで集まる合流地点に到着すると先になのはとシホの二人がいた。

 

「おはよう! なのは、シホ」

「おはよう。なのは、シホ」

「あら…今日は遅かったわね、二人とも。それとおはよう」

「おはよう。フェイトちゃん、アリシアちゃん」

 

四人で朝のあいさつを交わし残り三人が来るのを待つ。

その間に色々と話をする。

 

「そういえばなのは。最近は髪が伸びてきたね? ツインテールから変えたサイドポニー…似合ってるよ?」

「うん、ありがとうフェイトちゃん。だから変身時以外の通常時はツインテールは卒業しようかなって思っているんだ」

「いいと思うわよ?」

「それにシホちゃんも少しイメージチェンジしてもうでかい黒いリボンが定着してきたよね。最近は普通にリボンをしながらも髪を流しているもんね」

「えぇ、まぁやっぱり慣れね。いつまでも嫌々しているわけにはいかないから」

 

うん。シホの今の髪型はアルクェイドさんに聞いた話だと某猫の使い魔っぽいらしいしね。

前に志貴さんがシホの髪型を見て懐かしがっていたし。

そして少し髪型を変えただけで一気に可愛くなったもんね。

あ、髪といえば、

 

「そういえばアリサも髪をバッサリ切っちゃったよね? 切ってきた日は失恋でもしたかと色々と騒ぎが起こっていたからねぇ~…」

「うんうん。でもそれでアリサちゃん少しかっこよくなったよね」

 

そんな話をなのはと一緒になってしていると噂をすればって感じで、

 

「誰がかっこいいって…? なのは」

「アリサちゃん、髪を切ってからかっこよくなったもんな~」

「うん。アリサちゃん、かっこいいよ」

 

そこにアリサ、すずか、はやての三人が合流してきた。

いつも通りの仲良し七人組の集合である。

 

「…ん? もしかしたら…アリシアちゃん?」

「うん? なに、はやて?」

 

はやてが神妙そうな顔つきで話し掛けてくる。なんだろう…?

 

「もしかしてやけど今日はなにか面白いことやっとるんやないかな…? 私の勘がそう告げとるんやけど…」

 

さすがはやて…するどい!

それで小さい声で、

 

「(うん…なのはの話を聞いてみて私もしたくなっちゃって今日はフェイトを一日観察しているんだー)」

「(そうなんかぁ。それなら面白い光景を色々と見れると思うよ?)」

 

なにやらはやてが瞬時に色々と計画を練ったみたい。

これからが楽しみだね!

 

 

◆◇―――――――――◇◆

 

 

それから学校に到着するとクラスが違うのでそれぞれ別れる。

一年の時は全員一緒だったのに二年生になったら私達はそれぞれ別のクラスに分かれてしまったのだ。

でも運良く私とフェイトは一緒のクラスなので観察していられるよ。

でもなのはも一緒のクラスなので席替えの時にフェイトはすぐになのはと隣り合わせになってしまったのでお姉ちゃんとしては少し悲しいです。

ちなみに他のクラスではアリサとはやてが一緒のクラス。

シホとすずかが一緒のクラスである。

でもこういう時に男子とは校舎が別々になっているので女子同士で気軽に話せるからいいね。

この男女別々は一緒じゃない事に文句もいう生徒も多少いるけど学校行事では一緒になれるので限定された出会いを楽しみにしている女子も結構いる。

とにかく学校ではちょっかい出してくる男子がいない女子の花園なので別段シホとすずか、なのはとフェイトの異常な仲の良さは気にされていない。

というより小学校の時から知っている生徒もかなりいるので生暖かい目で黙認されていると言ってもいい。

 

 

閑話休題

 

 

っとと、学校でのちょっとしたうんちくはいいとしてフェイトの観察をしなきゃ!

それで見る。

授業中だというのになのはとフェイトは念話で会話をしているのかマルチタスクで授業を受けながらもあまりペンは走っていない。

しばらく見ているとなにやらなのはが涙目になっていてフェイトがそれを慰めている。

なにかもめ事かな…?

でも少し見てみるとどうやらなのはが授業の問題が分からなかったらしくフェイトが丁寧に説明している。

管理局に勤めているとどうしても仕事と学校の板挟みになってしまうので勉強が疎かになってしまうのもしょうがない事であるんだ。

それでも普通に両立できていて成績がトップクラスのシホとアリサだけが異常なのである。

それにすずかもそれなりに勉強ができている。

マリーさんにデバイス製作の教えを教授してもらっていて最近では簡易ながらも魔術式デバイスも作成できるようになったと言っていたから機械工学に関してはやっぱり才能なんだろう。

すずかは将来はシホの補佐を一番に目指しているというけど技術者としても十分やっていけるよね。

これだから才のあるもの達は…。

きっとシホがこの話を聞いたら謙虚そうに「私は勉学に関してはズルをしてるだけだから…」と言うだろう。

そしてすずかも柔らかい笑みを浮かべながら「こういうものは応用が大事なんだよ…?」と言うと思う。

最後にアリサにいたっては「できて当然よ!」と豪語するだろう。

すぐに想像できる。

よく三人とも性格が顕れているね。

最後にはやても八神大家族のみんなの手も借り受けて自在に自身の力として使いこなして色々と多方面に手を出しているので才覚を遺憾なく発揮しているね。

みんなやっぱりすごいよね。

私も負けていられないね…!

頑張ろう!と思っていた矢先の事だった。

 

「アリシアさん、ここの問題を解いてくれませんか…?」

 

いきなり先生に指されてしまい、聞いていなかった私は「わかりません…」と言うしかできなかったよ。悔しい…。

 

 

◆◇―――――――――◇◆

 

 

そしてお昼になってみんなで屋上に集まってそれぞれお弁当を出して食事をとっている時に、

 

「アリシア。今日はどうしたの? いつもなら普通に問題を解けているよね?」

 

フェイトの質問に苦笑いを浮かべる事しかできない自分がここにいる、と…。

 

「まぁまぁフェイトちゃん。アリシアちゃんだってミスする時だってあるもんや。だから多めに見てやったらどうや…?」

「ありがとー、はやて!」

「ええよ。それよりな? フェイトちゃん、ちょっとええか?」

「なに? はやて?」

「うん。ここで提案なんやけどフェイトちゃんって今好きな人っておるか?」

 

はやてがなにやら爆弾な質問をフェイトに投げ掛けた。

それでフェイトはあわててすぐに顔を赤くする。

おー…これも意外な一面って奴だね。

 

「い、いないよ!?」

 

フェイトはすぐに否定するけど、はやてはもう自分のペースにフェイトを引き込んでいる。やっぱりやり手だね…!

 

「そうか? ランサーさんとかえぇと思うんやけどフェイトちゃん的にはどう思っとるん?」

「どうって…ランサーはランサーだよ。私のパートナーでシホに続く戦闘や魔術のお師匠様。

最近はルーンの魔術も教えてくれるし仲はいいと思うよ…?」

「うーん…そか。ランサーさんにはまだそこまでの感情は起きてないっていう事やな?」

 

そうみたいだね。やっぱりランサー不憫だね…。

 

「そ、そういうはやてはいないの!? そういう人は?」

 

フェイトがせめてもの反撃とばかりにはやてにそう聞くが、はやては余裕の笑みを浮かべて、

 

「私か? そうやねぇ、将来株としてツルギ君を狙っているっていうのはダメか…?」

「それは反則だよ! それにそうなるとはやてはショタコンになっちゃうよ!?」

「おおいに結構や! それにもしかしたら運命の相手が見つかるかもしれないっていう夢も持っとるしな~」

 

フェイトの反論ものらりくらりと避け続けるはやて。

そのたくみな言葉の手腕。行動力。

そこに痺れる、憧れるぅ!

…失礼、変な電波を受信したみたいだよ。

そしてそれを見学していた他の面々はというと、

 

「さすがはやてね。その言葉巧みな話術はなかなかのものよ」

「そうね、シホ」

「シホちゃん、私はシホちゃんの事が好きだからね?」

「え、えぇ。すずか…」

「にゃはは。すずかちゃんは相変わらずだね…」

 

なにやら話に便乗したのかすずかがまたシホに告白している。

シホも否定しないところを見るともう両想いなのかな…? 後でこっそりシホに聞いてみよう。

そしてフェイトの観察に戻るとかなりはやてにやりこまれてしまっていてもはや反論もできず涙目のフェイトの姿があった。

…うん。お姉ちゃんとして言わせてもらうね?

フェイト、可愛い!

私の妹は可愛いです!と声を大にして叫びたい。

…と、また思考が暴走していたみたいだね。自重しなくちゃ。

そしてはやてはとどめの言葉を言い放つ。

 

「それじゃフェイトちゃん、なのはちゃんは好きなん…?」

「…う、あ…そ、それはなのはは好きだけど…それは友達として…友達と、して…? あれ? 私、どうしちゃったんだろう? なのは! 私は、私はね…!?」

「う、うん…言ってみてフェイトちゃん…!」

「私はー…あぅ…ダメ! 恥ずかしくて無理!!」

 

フェイトはそれで逃げるように弁当を片付けて足早にその場を離れていってしまった。

なのはが「フェイトちゃーん!?」と叫ぶがもう聞こえていないだろう。

 

「…はやて? 少しやり過ぎたんじゃない?」

 

シホがそう話す。

うん。確かにやり過ぎたかもね。フェイトの本音が聞けそうだったので残念な気持ちはあるけどね。

それでお昼休みは終了し、なのはと二人で教室に戻ってみるとフェイトは机に顔を預けて突っ伏していてなにやら燃え尽きているようだった。

こんなフェイトも見るのは初めてだね。観察観察っと…。

こんな時になのはと隣り合わせの席っていうのはダメージが大きいよね。

午後の授業もフェイトはなのはの顔を直視できずにずっと顔を赤くしていた。

いや、やっぱりフェイトは可愛いにゃ~。

それで一日は終了していき帰りのこと、魔術事件対策課にシホ、アリサ、すずか、私の四人で寄っていった後、私は真っすぐに家に帰りました。

そして夕食時にリンディお母さんに今日はどうだった?と聞かれてフェイトはなにかを思い出したのかまた顔を赤くしているのでした。

これは私ことアリシア・T・ハラオウンが妹のフェイトを一日観察して色々なフェイトの姿を見ることができた楽しい一日でした。まる。

 

 

 




アリシアSideは初めて書いたかもしれない…。
そしてシホの現状の髪型はイリヤとレンが合わさったような感じと思って頂ければいいと思います。
しかしどうも最近百合ばっか書いているような…。
この次の話もかなり際どい話の予定ですから。

それではご意見・ご感想・誤字脱字報告をお待ちしております。

では。
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