【完結】剣製の魔法少女戦記   作:炎の剣製

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後編になります。


第百八話      『最初のレリック回収任務(後編)』

ヴィータとシグナム、士郎は久しぶりの任務だなという話をしていた。

 

「あたしとシャマルは本局付きでシグナムと士郎、志貴はミッドの地上部隊。ザフィーラはもっぱらはやてかシャマルの護衛。

アインスは今もツルギの育児休暇に入っていてキャスターも手伝いをしているから二人の復帰はまだ先だしな。

ま、家に帰れば顔を合わせるしあんま関係ねーけどな」

「緊急任務がない限り休暇には皆揃うしな」

「そうだな。それがなにより幸いだ」

「しかし来年には引越しか、海鳴のじーちゃん、ばーちゃんともお別れだな…」

「住所が変わるだけで別れではなかろう。会いたいと思えばまた会える」

「ちょっと間が開いたら士郎とアインスはともかくもー変身魔法を使わねぇと会えねぇな。育たねぇから心配されるし…。年齢だけならじーちゃん達より年上なんだけどな」

「違いない」

 

そこにシャマルが話しかけてきた。

 

「あらーじゃぁ私がちゃんと調整して可愛く育った外見に変身させてあげるわよ」

「…いい。自分でやる」

「私達は当分は服装や髪型程度でごまかせるしな」

「ザフィーラはいいよな。犬だし」

「…狼だ」

「というより士郎、お前はもう本当に26か? 若すぎないか? シュバインオーグと違ってアヴァロンの老化遅延の性能はないのだろう?」

「ああ。しかし、そうかね? 別に若作りを実践しているわけではないのだが…」

 

そう、士郎は六年前から全然変わっていないのだ。

アインスは24でまだ若いがそれでも成長はしているというのに。

このまま進めば士郎はどんな若作りをしているのか将来各所から聞かれそうだ。

 

「…それにしても、ミッドへのお引越しは色々と不安が多いのよ。

士郎さんとアインス、志貴さんとアルクェイドさんは一緒の部屋でいいと思うけど将来を考えるとツルギ君の一人部屋も考えたほうがいいから何個か空き部屋も考えないといけないし。

なかなかいい物件が見つからないのよね」

「「そのへんはお前に任せた」」

 

シグナムとヴィータはシャマルに丸投げした。

酷い仕打ちである。

 

「私とアインス、ツルギ、キャスターは別の家にするか? 家を隣同士にすればそっちの負担は減ることだしすぐにそっちに遊びにいけるしな…」

「考えておきます…」

 

シャマルがそう言ってなんとか沈む気持ちを上昇させている時だった。

 

「むっ…?」

 

そこでザフィーラがなにかを察知した。

 

「ザフィーラ? どーした?」

「森が動いた…座標を伝える。シャマル、調べてくれ」

「うんっ!」

 

それですぐにシャーリーが分析して、

 

『こちら観測基地! 先ほどと同系統と思われる機械兵器を確認! 地上付近で低空飛行しながら北西に移動中。

高々度飛行能力があるかどうかは不明ですが護送隊の進行方向に向かっているようです!

狙いは……やはりロストロギアなのではないでしょうか?』

「そう考えるのが妥当だな。主はやてとテスタロッサ、なのはにシュバインオーグの四人が揃って機械兵器ごときに不覚を取ることは万にひとつもないだろうが…」

「運んでいるものがアレだものね…、こっちで叩きましょう!」

「ああ」

 

それでまだ険しい目つきをしているヴィータの背中をシグナムは叩き、

 

「観測基地! 守護騎士二名と士郎が出撃する。シグナムとヴィータ、士郎で迎え撃つ!」

「…あに勝手に決めてんだよ?」

「なんだ…? 将の決定に不服があるのか?」

「…ねーけど」

 

ヴィータは少し拗ねた感じだった。

 

「こっちは二人で大丈夫よ」

「危険あらば駆けつける」

 

シャマルとザフィーラは二人で大丈夫だという。

 

「守るべき者を守るのが騎士の務めだ。行くぞ、その務めを果たしにだ」

「しゃーねぇーなっ!」

「ククク…ヴィータも素直になればいいものを…」

「うるせーぞ! 士郎!」

「というわけです。主はやて。邪魔者は地上付近で我々が撃墜します………テスタロッサ、手出しは無用だぞ?」

『はい…わかっています。シグナム』

「なのは! おめーもだぞ!」

『はぁい! 片手はロストロギアで塞がってるしね』

「シホも手はいらんぞ?」

『分かっているわ、士郎』

『三人共おーきにな…気ぃつけて』

「はい」

「おう」

 

そこでフェイトからAMFについて話されるが、

 

「テスタロッサ。貴様、誰に物を言っている? おのが信ずる武器を手にあらゆる害悪を貫き敵を打ち砕くのがベルカの騎士だ」

「魔導師共みてーにゴチャゴチャやんねーでもストレートにブッ叩くだけでブチ抜けんだよ! リインもあたしの活躍をしっかりと見てろよ!」

『はいです、ヴィータちゃん!』

「出撃!」

「「おう!」」

 

それでシグナム、ヴィータ、士郎は空を駆けていった。

 

『機械兵器移動ルート変わらず!』

『あまり賢くはないようですね』

『特定の反応を追尾して攻撃範囲にいるものを攻撃するのみのようです。ですが対航空戦能力は未確認です。お気を付けて!』

 

その通信を三人は聞き流し程度に聞き、

 

未確認(アンノウン)なのはいつものことだ。問題ない」

「………」

 

それでヴィータはまたあの日を思い出す。

あいつらも未確認だったと。

それも同じくAMFを展開した憎い奴ら。

だからもう手加減はしない。

そう意気込む。

シグナムはシュランゲフォルムを展開し、ヴィータはグラーフアイゼンを力づくで振り回し、士郎はオーバーエッジフォルムで斬りかかる。

それによってあっという間に機械兵器達を屠っていく。

それを画面越しで見ていたクロノとエイミィは、

 

「シグナムとヴィータ、それに士郎さんはやっぱりすごいね。未確認だとしても歯牙にもかけない。

合流地点までもうすぐだしそろそろアースラも回収の準備をしておこうか。…ん? どしたの、クロノ君。難しい顔をして…」

「………ああ、この後のことを考えていた」

「あと?」

 

そしてなのは達はその映像を見ながら、

 

「はやて、特別捜査官としてはどう見るの? 今回のこと」

「んん? あのサイズでAMF発生兵器が多数存在してるゆーんは一番怖いなー。

今回この世界に出現してるんが全部であって欲しいけど…そうでないなら規模の大きな事件に発展する可能性もある。特に量産が可能だったりするとなー。

執務官と教導官、そして魔術師の三人はどないやろうか?」

「…私はあの未確認(アンノウン)がロストロギアを狙うように設定されているのが気になるかな?

猟犬がいるってことはその後ろに狩人がいるってことだもんね」

「…ロストロギアを狙う犯罪者か…」

「そう。技術者型の広域犯罪者が一番危険だから」

「私も同意見。技術者型は魔術師と似たような考えだから大々的に自身の力を誇示したいと思うやつもいるだろうし、なにか企みがあるかもしれない…」

 

同じようにクロノとエイミィもそんな会話をしていた。

 

「そういった事件になると管理局でも対応できる部隊はどれくらいあるか…?

人や人材が揃ったとして動き出せるまでどれくらいかかるのか、そんな状況を想像すると苦い顔になるさ」

「なるほど…指揮官の頭の痛いとこだね」

「はやてと、それにアリサも指揮官研修の最中だからな。一緒に頭を悩ませることになる」

『シグナムさん、ヴィータさん、士郎さん未確認撃破! 護送隊と合流です!』

 

画面の向こうではシグナム達とシホ達が合流する映像が映し出される。

 

「まぁ、今回の事件資料と残骸サンプルはそのテの準備の貴重な交渉材料でしょ。事件がどう転ぶのかわかんないのなんていつものことだし」

「それはそうなんだが…」

「なんとかなるよ。『P・T事件』も『闇の書事件』も『聖杯大戦事件』もその他の色々な事件もみんなでなんとかしてきてるんだもの。

今日はきっちり任務を済ませて予定通りに同窓会! 笑顔で迎えてあげようよ!」

「そうだな」

 

それでクロノは苦笑する。

 

 

………………

……………

…………

 

 

『こちら護送隊、全員無事に転送ポートに到着!』

「こちらアースラ。転送了解!

観測基地の二人もナビとサポートご苦労さま。そちらの任務は無事終了!」

『ありがとうございます』

『さて、転送処理開始! 食事の準備してあるからねー。最後まで気を抜かずに戻ってきて!』

「はぁい!」

 

それで全員はアースラに入るとレクリエーションルームに向かうのだった。

クロノとヴェロッサが話をしているがここでは割愛する。

そこではシホ達の各サーヴァント達とリンディ、アインスがツルギを連れて食事の準備をしていた。

 

「おおー! すごいですねぇ」

「肉がある!」

「こんなに用意されていたんですね」

「そりゃこれから大勢来ますからね、兄さん」

 

エイミィ達が驚く。

そこには何人前だ!? とツッコミがきそうなほどの料理の数々が置かれていたのだ。

当然調理したのはリンディとサーヴァント達。

最近はアルトリアも料理ができるようになってきたので参加したかったらしいがシホの警護で代わりにネロに任せた次第だ。

特にランサーの魚の塩焼きが絶品だろう。

 

「三分の一くらいはアコース君からの差し入れよ。任務を終えたエース達に…ですって」

「他は余達が準備をしたのだぞ! 喜べ! さぁ、喜べ!」

「ネロ、あんまり騒がないでください。ツルギ君が起きますから…」

「大丈夫だ。むしろ起こしても構わないぞ? この騒ぎの中でツルギは立派に成長していくのだからな」

 

ネロが騒ぎオリヴィエが宥めようとするがアインスの賛成がもらえてランサーがさっそく起こしにかかって両手で抱っこをしていた。

 

「ははは! もう二歳だもんな。早いもんだな。おい!」

「…うー、えい!」

 

バチッ!

 

「あいた!?」

 

思いっきり顔を叩かれていた。

 

「ははは! ランサーよ。嫌われたものだな!」

「うっせぇな、ネロ!」

「ツルギ君は今は準反抗期なんですもんね~」

「うい!」

 

ツルギがピースサインをキャスターにする。

 

「やんちゃなところがキャスターに似てしまったな」

「士郎も坊主の時はこれくらいだったのかねぇ~?」

 

ランサー達が士郎の子供時代を想像している間にエイミィがリンディに話しかける。

 

「艦長…じゃなかった。リンディさんもすみません」

「ふふ、いいのよ。私も艦を降りてからは平穏な内勤職員だもん。子供達のお世話をしてあげたいしね。っと…言ってるそばから」

「来たみたいですね」

「ただいま戻りました!」

 

ドアが開かれてシホ達が中に入ってきて一気に騒がしくなる部屋。

 

「おかえりー」

「おつかれー」

「フェイト♪」

 

まずリンディとエイミィ、アルフが話しかける。

 

「お姉様。さ、食事にしましょうか!」

「すごい量ね…。よくここまで作れましたね」

「この辺はアコース君からのものも多いわ」

「ロッサ、来てるんですか?」

「クロノ君と一緒に本局まで護送だって」

「それは残念。ヴェロッサに久しぶりに会う機会だったんですけど…」

「お疲れ様です、母さん」

「うん」

「ユーノ君三日ぶり!」

「うん、なのは」

「ロッサもクロノ君と一緒なら会いに行ってもお邪魔かなぁ?」

「あの二人は仲良しさんですものね」

 

やはりこの人数では騒がしいのはしょがない。

エイミィが通信を開き、

 

「アースラ本局直通転送ポイントに到着。クロノ君とアコース査察官転送室から無事出立!…というわけでみんなは安心して食事を楽しんでねー」

 

それで元気よく返事を返すなのは達。

それからというものそれぞれ任務終了のお疲れ会的な流れになりそれぞれ食事を始める。

そこでリインが聞きたいことがあるらしくなのはとシホ、フィアットの三人に質問をしていた。

 

「なのはさん達が所属している『戦技教導隊』ってよく考えたらリインは漠然としか知らないんですが、やっぱり教官さん達の部隊なんですか?」

「んー、一般イメージでの『教官』は教育隊の方かな…?」

 

なのはがそう一言。

フィアットが続いて、

 

「そうですね、なのはさん。私達戦技教導隊のお仕事は魔導師用の新型装備や戦闘技術をテストしたり…」

「そうね。他には最先端の戦闘技術を作り出したり研究したり…」

 

シホもそう続く。

 

「それから訓練部隊の仮想敵として演習の相手…想定される敵の能力やシュミレーションするからいろんな飛び方や戦い方をしますね」

「後は、預かった部隊相手に短期集中してでの技能訓練…これが一番教官っぽいかな。私はこれが好き」

 

なのははやっぱり訓練が好きだという。

 

「お姉様が担当する部隊は殆どの場合が隙なく緩み無く研鑽された兵士のような動きになりますよね。なんていいますか…スーパーマン…?」

「そうそう。シホちゃんの担当する部隊はほとんどが屈強な魔導師に育つんだよね。

おまけに短期実習でシホちゃん独自の中国拳法を会得する生徒が多いし…瞬動術とか浸透勁とか…。

それでランクが低い魔導師でも十分強くなるのがやっぱりすごいところかな?」

 

なのはの言うとおり。

シホの鍛えた魔導師は全員各所で鍛え上げられた技術を惜しみなく発揮している。

中には飛び抜けている人もいて魔法より体術を主に使用する者もいたりするから驚きだ。

一感想としては…『下手に魔法を使うより効果が十分でかいから良い!』というのも挙げられる。

絶招や浸透勁を犯罪者に叩き込む魔導師というのも面白い図である。

 

「やっぱりシホはこの職業が向いていたんだね」

「最初の弟子の私が言うんだから間違いないよ」

 

フェイトとなのはにそう褒められシホは顔を赤くしながらジュースを人飲みして、

 

「だ、だから昔から何度も言っているでしょ?

私は昔の経験談を教えているだけだって…。

それで魔導師達が強くなるならなるで私は一向に構わないわ」

「すごいですぅ…」

「それにまだ規模的に小数部隊の魔術師隊も魔術事件対策課で教えているんでしょ?」

「ええ。魔導と魔術は考え方が違うからお互いに違う点を検証しあうのもなかなか楽しいわ」

「ま、端的に言えば要はあれだ。戦時のエースが戦争のない時に就く仕事だ。技術を腐らせず有用に使うためにな」

 

ざっくばらんにシグナムがそうまとめた。

 

「うーん…シグナムさんのそれは、まぁそんな感じではあるんですが…。

でも、ウチの航空教導隊にもいろんな年齢や経歴の人がいるんですけどみんな飛ぶのが好きなんですよね」

 

なのはが語る。

 

「空を飛ぶのが好きで一緒に飛ぶ人や帰り着く地上が好きで、だから自分の技術や力で自分の好きな空と地上を守りたいって…そういう思いはみんな一緒なの」

「なのはがずっと憧れていた舞台だものね」

「夢はまだまだこれからだけどね! それにシホちゃんみたいにハキハキと教えられる教官になりたいしね」

「勉強になりました。ありがとうございます。なのはさん、シホさん、フィアットさん!」

「ええ」

「はい」

「どういたしまして」

 

そこでフェイトがユーノに話をする。

 

「なのはは本当に嬉しそうだけどユーノはやっぱり心配でしょ? あの事件のあと、私達は付きっきりだったし…」

「うん…。心配は心配だけどなのはが空を初めて飛んだ時からなんとなく思っていたんだ。なのはには他のどんな場所より青い空がよく似合うって…」

 

それでヴィータとフェイトはなにか感じたのか一緒になっていい顔になる。

 

「あ! そういえばフェイトちゃん! あの子達の新しい写真は持ってきてる? ヴィータちゃん達に見せてあげようよ」

「あの子達…?」

「ほら、あれよ。フェイトちゃんが仕事先で出会った子供達」

「お! エリオの話か!」

 

それでランサーが話に加わってきた。

 

「あいつは育つぜ。俺の感がそう言っている。いい戦士になるだろうぜ!」

「…エリオにはあんまり戦いはさせたくないけど将来はできるだけエリオの思う通りに進ませたいと思っているんだ。

それと話は戻って…執務官の仕事で地上とか別世界に行った時にね事件に巻き込まれちゃった人とか保護が必要な子供とか…。

保護や救助をした後、お手紙をくれたりすることがあるの。特に子供だとなついてくれたりして…」

「フェイトちゃん、子供に好かれるもんね」

 

それでエリオの姿が映し出されて、

 

「おー! エリオ、しばらく見ないうちに大きくなったなー!」

「あーこいつもその手の子供か。エリオ・モンディアル…6歳祝い?」

「うん。いろいろ事情があってちょっと前から私が保護者って事になってるの。法的後見人はうちの母さん」

「元気で優しいいい子だよ」

「ランとレンもエリオと同じところに通っているからエリオと仲良しなのよね」

「あー。シホちゃんが卒業後に一緒にミッドで暮らすっていう姉弟の事やね」

「ええ」

 

それでシホは二人の写真を見せる。

 

「ラン・ブルックランズ…現在9歳。

レン・ブルックランズ…現在8歳。

二人共第72管理世界アトラスで魔術事件に巻き込まれて親を無くしたのよ。それで私が保護することにした二人なの」

「シホがな…育てられるのか?」

 

士郎がそうシホに聞く。

 

「フェイトと同じくちょくちょく二人には会いに行っているから信頼はされているわ、士郎。

でもお姉ちゃんのランはいいとして弟のレンが泣き虫でね。よく会うたびに泣きついてくるわ…」

「将来は私の剣をどちらかに学ばせたいですから弱虫は治してもらわなければなりません」

「アルトリアも心配性よの」

「ネロ、あなたにもそのうちわかりますよ」

 

アルトリアは少し慈愛の表情をしていた。

 

「そうか。でも、魔術事件もそうやけど、フェイトちゃんが専門のロストロギアの私的利用とか違法研究の捜査とかだと子供が巻き込まれる事多いからな」

「…うん。悲しいことなんだけどね。特に強い魔力や先天資質のある子供は…」

「だからお前はそれを救って回っているのだろう」

「そーだよ」

 

シグナムとアルフがフェイトにそう答える。

 

「子供が自由に未来を見られない世界は大人も寂しいですからね」

「そう言う意味ではお前は執務官になれてよかったのだろうな。試験に二度も落ちた時はもう駄目かと思ったが…」

「あぅ………! シグナム! あなたはそうやって事あるごとに…写真見せてあげませんよ!」

「し、試験の時は私が色々と心配かけたりしましたから…」

 

なのはが萎縮してそう語る。

確かにあの時は色々と重なっていた時期だったとみんなは思う。

 

「その点はやてさんはすごいわよね」

「上級キャリア試験に一発合格!」

「ふぇ…私はそのタイミングとか色々と運が良かっただけですからー。希少技能(レアスキル)持ちの特例もありましたし」

「またまたぁ」

 

エイミィがはやてをからかう。

かっこうの餌なのだろう。

 

「すごい勉強してましたもんね」

「あの時から試験と聞くともう心配で心配で」

希少技能(レアスキル)保有者とかスタンドアロンで優秀な魔導師は結局便利アイテム扱いやからなー。適材が適所に配置されるとは限らへん」

「はやてとヴォルケンズの悩みどころだな」

「でも、はやてちゃんの目標通り部隊指揮官になれば…」

「そのための研修も受けてるじゃない」

「準備と計画はしてるんやけどなー。まだ当分は特別捜査官としていろんな部署を渡り鳥や」

「でも経験や経歴を積んだり人脈作りができるのは良いことですよね」

「まぁ確かに」

「陸上部隊は海や空と違って部隊ごとの縄張り意識みたいなんも強いしそのへん肌で感じてみるといい………ってクロノ君も教えてくれたしな。

まぁ、部隊指揮官はなったらなったで大変そーやしどこかで腰据えて落ち着けたらそれはそれで………ゆー感じやね。

アリサちゃんは技能を身につけたらそのまま魔術事件対策課を乗っ取るとかこないだ宣言していたしな」

「落ち着ける場所見つかるといいね」

「私も三人においつかななー」

 

それからGWの連休の話になってシホ、なのは、フェイト、はやての四人が行けるということになった。

アリシアにアリサ、すずかは用があり来れないということになったが仕方がない。

 

 

◆◇―――――――――◇◆

 

 

クロノとヴェロッサは本局の廊下を歩きながら、

 

「ところでクロノ君。君から見てどうだい? 君が見守ってきたエース達は」

「………シホになのはやはやて、フェイトの事か? 今更僕が語るまでもないよ。それぞれ優秀だよ」

「しかし四人ともまるで申し合わせたように技能と能力がバラけているね。

希少技能(レアスキル)と固有先力を持って支援特化型で指揮能力も持つ八神はやて特別捜査官。

法務と事件捜査担当。多様な魔法と高い戦闘力で単身でも動けるフェイト・T・ハラオウン執務官。

部隊メンバーを鍛え育てることができてこと戦闘となれば単身でも集団戦闘でもあらゆる戦況を打破してみせる勝利の鍵高町なのは二等空尉。

そして高町二等空尉と同じく鍛え育てることができる能力を持ち魔術という強大な力と本当の魔法を駆使し、魔術事件対策課で単身ですべてをひっくり返してしまう戦闘能力を誇るシホ・E・S・高町二等空尉。

四人が揃えば世界の一つや二つ軽々と救ってみせてくれそうだなってさ。かの「三提督」の現役時代みたいに」

「まぁ夢物語ではあるがな。部隊の魔導師は保持制限があるしそれぞれの目的や進路もある。

だがまぁそれでも正直夢は見たくなる。しがらみとやるせない出来事と手を伸ばしても届かない苦しみばかりの仕事の中でも、あの四人なら光だけを掴んでくれそうに思っている」

「クロノ君はやっぱり優しいお兄ちゃんだねぇ」

「なんだ、それは…?」

 

クロノとヴェロッサは笑いながら歩いて行った。

 

 

 




なにげに不遇なオーバーエッジ形態を今回使用しました。
ツルギはよくあるテンプレのごとく赤ちゃんの時から知識が豊富などというわけではありません。
一般の子供と大差はありません。
シホの育てた魔導師はかなり強いでしょう。

それではご意見・ご感想・誤字脱字報告をお待ちしております。

では。
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