【完結】剣製の魔法少女戦記   作:炎の剣製

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漫画版で一コマだけ語られた戦技披露会を今回描いてみました。
それと災華様の以前からのリクエストでシホと士郎が戦ったらどっちが勝つか?というのを描いてみました。
ですが今回はその戦いの一例ですので戦う数を増やせばそれだけ勝敗は分かれてくると私は思います。
そして終わりの方に鉄龍王様からいただいたキャラを出しました。
それではどうぞー。


第百十一話    『戦技披露会』

Side 高町なのは

 

 

中学生を卒業した私達は本格的に管理局の仕事に勤めるようになった。

それで住んでいるところも、今はまだ寮生活だけどまぁなんとかやれています。

でもシホちゃんはどんな裏技を使ったのかわからないけどもうマイホームを手に入れてしまいました。

ツルギ君を鍛えるためにはやてちゃん達家族の家の近くに住まいを決めたらしい。

シホちゃんが言うには家を購入できたのもひとえにネロさんのおかげだというんだよね。

保有スキル:黄金律が効果を発揮してかなりのお金を荒稼ぎしたという話。

でもその分芸術にかける情熱を解放しているので出費も激しいという感じ。

やっぱりネロさん、うちでは我慢していたんだね…。

それでかねてからの予定だったランちゃんとレン君を家族に迎え入れたという。

そしてついでにいえばすずかちゃんも隣に家を構えていたりする。やっぱりさすがだね。

 

 

閑話休題

 

 

そんな、ミッドチルダへのお引っ越しのゴタゴタもすべて済んで落ち着いてきたある日、管理局の集会みたいな?

本局に普段こない人や高官の人達が集められる。

本日は“戦技披露会”なのである。

戦技披露会とは普段戦っても模擬戦がせいぜいであるが、それを大勢の人に見てもらい色々と参考にして意見などももらいたいという意味合いもこめられている。

後、能力向上もあったりする。

今回色々な人の戦いが見れるので私としても楽しみである。

でも当然私も戦う相手は決まっていてシグナムさんだったりする。

どこまでてきるかわからないけど頑張ってみようと思う。

それに肉体とリンカーコアに相当の負担を強いるエクセリオンモード…。

その代わりとして調整されて誕生したエクシードモード。

これがあればなんとかなる。

それにちょっとした裏技もあるしね。

これを聞いたシホちゃんからは、やっぱり無茶してるじゃない…?という辛口のコメントをもらっちゃったけどね。

 

「なのはー!」

「フェイトちゃん!」

 

前からフェイトちゃんが走ってきた。

 

「なのは。なのはの大戦相手はシグナムだって話だけど…無茶しないでね?」

「うん。できるだけ無理はしないように頑張ってみるね、フェイトちゃん」

 

そこにシホちゃん達も歩いてきて、

 

「なのは。具合はどう?」

「うん。コンディションはばっちしだよ」

「そうかぁ。でも相手はうちのシグナムやからなのはちゃん、無茶しそうやね?」

「うんうん。そうだね、はやて」

 

はやてちゃんとアリシアちゃんがそう話している。

うぅー…やっぱり私、信頼されていないのかな…?

表情で読み取られてしまったようでアリサちゃんが、

 

「なのはは無茶が定番だからね。誰かがストッパーにならなきゃどこまでも際限なく無茶しちゃうものね」

「そうだね、アリサちゃん」

「アリサちゃんにすずかちゃんもひどい…」

「ま、しょうがないわよ。なのははせっかくエクセリオンモードを封印したのに、あんな無茶なモードを搭載しちゃったからね」

 

やっぱりそれが原因かな。

でも、

 

「それを言ったらシホちゃんも私以上に無茶なモードが搭載されているよね?

下手したら戦艦を軽く落とせるよね…」

「まぁ、ラストフォームだからね。

でもそれはエクスカリバーフォルムと同様に上の人の承認がないかぎりは結局は使えない代物だし…」

 

シホちゃんのラストフォーム…。

話だけ聞いてるけど実際とんでもない性能なんだよね。

私のとっておきが小さく見えるほどに…。

 

「ま、無茶はしちゃうだろうけど頑張ってきなさい。なのは」

「うん! それとシホちゃんも戦うんだよね? 確か、士郎さんと…」

「えぇ。ま、ここで白黒つけるのも一興かも知れないわね」

 

そう言ってシホちゃんは楽しそうに笑う。

うん。よかった。やっぱり腕試しみたいな大会だからシホちゃん達も楽しんでいるみたいだね。

そこにアナウンスが聞こえてきて、

 

『…―――まもなく戦技披露会が開催されます。出場されます魔導師の方々は選手控え室に向かってください』

「よしっ!」

 

それで私は再度、気合を入れ直す。

 

「なのは、頑張って…!」

「シグナムにも出番見せてな?」

「ま、頑張りなさい」

「頑張ってね」

「シホちゃんも頑張って!」

 

みんなに応援されながらも私とシホちゃんは控え室に向かうのだった。

そして控え室に到着するとそこにはすでに甲冑を身にまとったシグナムさんと士郎さんの姿があった。

 

「来たか、なのは。それにシュバインオーグ」

「うん、シグナムさん」

「ええ、シグナム」

「今回は奇しくもなのは嬢とシグナム。そして私とシホというカードだ。

このメンツでは模擬戦でさんざん競い合っているだろうが、今回は大きな大会だ。負けてやれんからな、シホ?」

「こちらこそ。存分に力を発揮させてもらうわよ? 士郎」

「ふっ…」

「ふふ…」

 

そう言ってシホちゃんと士郎さんはお互いに笑みを浮かべ合う。

二人共とても楽しそうだ。

いつも二人はお互いに息の合ったコンビネーションを見せるけどいざ戦いとなると、そこでも同じような戦いになるからどちらが勝つか分からないんだよね。

 

「なのは、少しいいか?」

「はい。なんでしょうか。シグナムさん?」

「我が主も見ている手前、格好の悪い姿を見せるわけにもいかない。

よってこの戦い、私が勝たせてもらうぞ?」

 

そう言ってシグナムさんは触れれば切れるような鋭い視線を私に向けてきた。

いい感じにシグナムさんも闘志を燃やしているようである。

だから私も、

 

「私も負けません。みんなの応援があるならそれに応えるまでです」

「そうか。ならお互いに存分に技の限りを出し尽くすとしようか」

「はい! いくよ? レイジングハート」

《Stand by Ready.》

「セットアップ!」

 

私もバリアジャケットをまとってレイジングハートを握り待機席に向かう。

それから一回戦、二回戦と色々な魔導師の戦いは繰り広げられていき、私達は試合の度にこんな戦いをする人もいるんだ…と感嘆の声を出していた。

そしてやっと私とシグナムさんとの戦闘がこれから始まる。

戦闘場所は崩れかけのビルだけが立ち並ぶどこかの戦場風景。

そこで私とシグナムさんはお互いにデバイスを構えながら、

 

『さて、次の戦いは武装隊所属、シグナム三等空尉 VS 航空戦技教導隊所属、高町なのは二等空尉となります』

 

アナウンスが聞こえてくるがもう気にしている暇はないだろう。

もう空気はシグナムさんの意思に答えて緊張状態でビリビリとしている。

 

「それでは、いくぞ。なのは」

「はい。シグナムさんの期待するような戦いを見せます!」

「いい度胸だ。ならばついてこい」

「はい!」

 

『おっと、なにやらすでに二人の戦いは始まっているようですね。では時間もありますので始めさせていただきます。

地形条件は『地上・崩れかけたビル立ち並ぶオフィス街』。

制限時間は25分。この限られた時間の中でお互いの魔導を競い合ってもらいます!』

 

そして始まりのカウントが取られ始める。

 

『3…2…1! 始め!!』

 

「いくぞ!」

 

まずシグナムさんが私に向かって突撃をかましてくる。

やっぱり突撃力にはヴィータちゃんの次に早いシグナムさん。

でも…!

 

「アクセルシューター…!」

 

瞬時に二桁以上のアクセルシューターを形成しシグナムさんに放つ。

それらはすべて弾幕となりシグナムさんの行く手を阻む。

 

「その程度…ぬるいぞ!」

 

レヴァンティンに炎を宿らせて次々とアクセルシューターを切り裂いていくシグナムさん。

でもその切り裂いている時間があればそれでチャージは十分!

 

「レイジングハート!」

《ディバインバスター。セット》

「ディバイーン…バスター!」

「ちぃッ! パンツァーガイスト!」

 

シグナムさんはシールドを展開するが、

 

「くっ!?」

 

防ぎきれずに直撃する。

そして爆発音が響いてくる。

でも、これくらいで沈むとは私は思っていない。

そして思ったとおり一瞬で私の背後に出現するシグナムさん。

 

「紫電…一閃!」

「シールド!」

 

炎をまとったレヴァンティンと私のシールドが衝突する。

それだけでけたたましい音が鳴り響く。

だけどまだやられない…!

 

「バインド!」

 

衝突している間は両手で剣を振り下ろしているために両手が使えない。

ならばここは攻め時だ。

すぐさまにバインドがシグナムさんを捕らえようと迫る、が…。

 

「それは予測済みだ!」

 

シュンッ!

 

「!?」

 

一瞬でシグナムさんの姿が掻き消えた。

これは魔力の気配がしない! もしかして虚空瞬動!

 

「存外にこの移動法は役立ってくれるな。教えてくれたシュバインオーグに感謝、というところか…?」

「あはは…そうですね。私は使えないから残念です」

「話もなんだ。いくぞ? 飛竜一閃!!」

 

咆哮のような音が聞こえた瞬間、衝撃波が私に迫ってくる。

 

「砲撃なら私の専売特許です! ディバイン…!」

 

私が構えをしたその時だった。

急に悪寒に襲われて咄嗟に背後に向かって手を伸ばしシールドを作る。

そこにはすでに肉薄しているシグナムさんの姿が…!

でもシールドも展開が遅かったのか私はそのまま力づくで吹き飛ばされてビルに背中から衝突する。

 

「かっ…は…」

 

一瞬息が止まってしまい、なんとかたまった空気を吐き出すが今のはちょっとやばかった。

 

「私の売りはスピード戦だ。チャージの時間など与えんぞ…? なのは」

 

そう言ってシグナムさんは笑みを浮かべる。

 

「…そうですか。なら、私も本気を出します! エクシード、ドライブ…!」

 

そして私のバリアジャケットとレイジングハートも姿を変えてエクセリオンモードに近い形に変わる。

 

「いきます! 私がただ砲撃だけの魔導師だと思わないでくださいね!?」

 

レイジングハートから桃色の翼が展開する。

やっぱりちょっと無茶しちゃうけど負けたくない。

 

「A・C・Sスタンバイ!」

 

槍状に展開したレイジングハートを構えて私は突撃姿勢に入る。

 

「こいっ! なのは!」

「いきます! チャージ…! そしてドライブ!!」

 

そして私は高速でシグナムさんに突撃をかましに行く。

シグナムさんもレヴァンティンから炎を出して突撃してくる。

そして衝突…!

それによって先ほどよりもすさまじい衝突音が鳴り響いてギリギリと摩擦音が聞こえてくる。

ここは押し込む…!

 

「くぅっ!?」

 

やった…! シグナムさんの防御を抜いた!

ここが…チャンス!

 

「決まって…! エクセリオン・バスター!!」

 

魔力砲を放ち超近距離での直撃を受けたシグナムさんはそのままビルに激突する。

 

「カフッ…まだ、まだだ! まだ私を倒しきるには早いぞ、なのは!」

「わかっています! いきます!」

 

そしてまた私とシグナムさんの激突は続く。

砲撃魔導師である私が近距離戦を行うのはなんか変だけどそれも戦術の一つ…!

杖と剣が何度も交差してその度に壊れてもおかしくないような音が聞こえてくる。

服もあちらこちらが破けていき傷を刻む。

…レイジングハート、まだいけるよね?

そして何度目かの衝突を弾いて私は掌を眼前に掲げて、

 

「ストライク・スマッシャー!」

 

フェイトちゃんのサンダー・スマッシャーの純粋魔力版砲撃を放ち囮に使う。

そして、

 

「ブラスター1! リリース!! ブラスタービット展開!」

 

私は奥の手であるブラスターを開放する。

それによっていくつも出現するブラスタービット。

それをシグナムさんに向かって放ち多方面からのバインド攻撃を敢行する。

 

「くっ…! こしゃくな!」

「無駄です! そのビットはいろいろな方面から仕掛けていきますから包囲されれば逃げ場はありません!」

「おのれ…! ぬあっ!?」

 

そしてやっと幾重にもビットから放たれたバインドで拘束されるシグナムさん。

 

「今度こそ決めます! 星よ集え!」

 

レイジングハートと拘束に使っていない残りの二つのビットに魔力を溜めていく。

そして、

 

「これが私の全力全開! スターライト・ブレイカー!!」

 

極太の桃色の閃光が放たれてそれはシグナムさんを今度こそ飲み込む。

それによって地面を貫いてこの戦場ブロック外の外のエリアにまで魔力砲が貫通してしまった。

いけない…。やりすぎたかな?

 

『ええっと…報告します。今の砲撃によって隣の複数のエリアにまで貫通してしまいシステムが結構ダウンしてしまいました…』

 

そんな、報告が聞こえてくる。

やばいかも…! また始末書を書かなきゃいけないかもしれない。

そんな後の事を考えてゾッとする。

でも、まだ戦闘は終わっていないことに気づき構える。

そして遠くからなにやら赤い物体が私に向かって飛翔してくる。

あれは…もしかしてシュツルムファルケン?

なんとか回避して避けるけど避けた場所にさらにもう一本矢が飛んでくる。

ッ!? あれはチャージ時間が必要なはずなのに…!

それによって私は直撃してしまい地に落ちる。

 

「油断大敵だぞ、なのは。まだ、私は終わってはいない…!」

 

そう言ってシグナムさんが少し足をガクガクさせながらも歩いてくる。

 

「お互いボロボロみたいですね…」

「ああ…。次が最後の一撃になるだろうな」

 

そして私とシグナムさんは同時に構えて最後の一撃を叩き込もうとするが、

 

『ピー!』

 

そこで試合終了の鳴り響く。

 

「えっ!?」

「なんだとッ!?」

『えー…まことに残念ですが規定時間を過ぎてしまいましたのでお二人の勝負は終了となります。よってこの戦いは…引き分けです!』

 

そんなぁ…。

せめてどちらかが勝つか負けるか白黒つけたかったのに。

それはシグナムさんも同じ気持ちだったようで。

 

「くっ…不完全燃焼だ。なのは、この決着はいずれ着けるぞ?」

「はーい…」

 

それで私とシグナムさんの戦いは終わりを告げるのだった。

 

 

◆◇―――――――――◇◆

 

 

Side シホ・E・S・高町

 

 

なのはとシグナムが少し残念そうな面持ちで控え室に戻ってくる。

 

「あ、なのは。それにシグナムもいい戦いだったわね。引き分けは残念だったけど…」

「そうだね…」

「ああ…」

「まぁ、今は消耗した体を休めておけ。それで観客席にでも戻って残りの戦いでも見ておけ」

 

士郎がそう二人に話す。

 

「そうするとしよう…士郎」

「なんだ…?」

「シュバインオーグを倒せ。お前が八神家の代表だ」

「任せておけ」

「シホちゃん、勝ってね! 応援しているから」

「任せなさい」

 

それで二人はそのまま控え室を後にしていく。

それからいくつか試合が行われた後、私と士郎の戦いの時がやってきて、

 

『続きまして次の試合は『赤き弓兵』の異名を誇る八神士郎三等空尉 VS 『魔弾の射手』の異名を誇るシホ・E・S・高町二等空尉の試合になります。

手元の資料によりますとこの二人はほとんど同じ戦いをするという話です。

デバイス、バリアジャケットともに似たものですからどんな試合を見せてくれるのか楽しみです』

 

アナウンスがそう解説している。

確かに私と士郎はほぼ同じ姿ではある。

経験もほぼ同一。

デバイスもアンリミテッド・エアとブレイドテミス…どちらも各フォルムはほぼ同じである。

違いがあるとすれば私にはアルトリアとのユニゾンによるエクスカリバーフォルムともう一つラストフォルムがあるくらいか。

そんな事を考えていると士郎が話しかけてきて、

 

「シホ。今回は勝たせてもらうぞ?」

「こちらこそ。そう何度も引き分けのままじゃカッコ悪いからね」

『それでは地形条件は『地上・森林地帯』。試合、開始します』

 

それで私はアンリミテッド・エア、ツヴィリングフォルムを構える。

 

『始め!』

 

始まったと同時に私と士郎はやっぱり考えが同じかのか同時に後方へと下がりお互いに森林に入っていって身を隠しながら移動を開始する。

士郎は志貴ほどじゃないけど空気と気配を同化させる術を持っている。私もだけどね。

だから時間いっぱい戦える。

そして移動を続け士郎の姿を1km先に見つける。

なので私はデバイスを弓形態に変化させてイリュージョン・アローを複数放つ。

だけど士郎も私の気配に気づいていたのか同じく弓形態で私のイリュージョン・アローをすべて射抜く。

 

「ッ! やるわね! なら時間制限もあることだし、仕掛ける!」

 

私はわざと空中に飛んで身を晒して士郎の位置を確認する。

士郎も接近戦になるだろう事を悟ったのか双剣フォルムで迫ってくる。

そして肉薄。

 

「せいッ!」

「ふッ!」

 

ガンッ!

 

士郎との剣が双方にぶつかり合う。

それからは何度も切り結び互いに体に傷を負っていく。

 

「「フォルム、フィーア!」」

《《Axed form.》》

 

私と士郎は同時に4thフォルムである斧剣形態に変化させる。

 

「ツッ! 考えは同じか! ならば後は力押しだ!」

「決めるわよ!」

「「ナインライブズ…ブレイドワークス!!」」

 

斧剣による九つの斬撃を同時に放つ。

それは衝突しあい相殺されるかと思われたけどやっぱり男性である士郎と女性である私では力が違うのか少しずつ私が押されてきている。

 

「くっ! だけど負けない!」

 

なんとか相殺で終わらせて私は反動で後ろへと下がり斧剣をそのままに私独自の風王の魔力変換資質による恩恵で得たアルトリアの技を放とうとする。

 

「ストライク…エア!!」

 

風の衝撃が士郎に襲いかかる。

 

「ぬぉおおおッ!!」

 

それによって士郎は全身に衝撃を喰らって大きく吹き飛び一本の木に激突して動きが止まる。

 

「くっ…ぬ…やはりその魔力変換資質は私にはないものだから相殺はできんか。だがそう簡単にはやられん!」

「なら次で沈める! フォルム、ツヴァイ!」

 

弓形態に変えて私は捻れた魔力矢を作り出す。

 

「これでもくらいなさい! カラド・ボルク!!」

「それはくらわん! アンサラー…!」

 

やばっ…!

アンサラーとか何つぶやいてんの!? この人間凶器二号!?

だけどもう私は魔法を放った後である。だからもう止めが効かない!

ならなんとか防いでみるとしよう。

 

「フラガラック!!」

「ロー・アイアス!!」

 

魔力ダメージには魔力バリアで防ぐ。これが鉄則。

でも宝具ではないとは言えフラガラックはやっぱり危険だ。

私のアイアスをどんどんと削っていく。

 

「くぅ…ッ…!」

 

私がなんとか防いでいる中、士郎が私に向かってフルンティングを構えている。

今度こそやばい…! 手が塞がっている今は迎撃できる状況じゃない。

 

「これでとどめだ! フルンティング!!」

「うわぁっ!?」

 

フルンティングの魔力ダメージが手を出せない私に直撃してしまった。

それで私は地面へと墜落してしまい、体を動かそうとするが、

 

『クリティカルヒットです! シュバインオーグ選手のマジックポイントもエンプティで勝者、八神士郎選手!』

 

そんなアナウンスの声が聞こえてくる。

 

「今回は、私の負けか…これで128戦40勝40敗48引き分け、か。せっかく勝ち越していたのになぁ…」

「今回は勝たせてもらったぞ、シホ」

 

士郎が私に近づいてきてそう言う。

 

「ええ。今回は私の負けね。でも、次は負けないわよ?」

「ああ」

 

それで私と士郎は控え室に戻っていった。

だけど戻る途中でとある二人の人物達と出会う。

その人は士郎より高い背で金髪のツンツン頭、目の色は灰色の容姿であった。

そしてもう一人はオレンジ色の髪に黒いバイザーをつけている少し怪しい人物。

 

「戻ってきたか、シュバインオーグ二等空尉に八神三等空尉」

「あなたは…?」

「私は“ジグルド・ブリュンヒルデ”提督だ」

「あぁ。あなたが噂のあの“管理局の正義の象徴”とまで言われているジグルド提督ですか」

「ああ、そうだ。今回の戦い、見させてもらった。それでさっそく折行って相談だが君達には将来私の隊に入ってもらいたいと思っているのだ」

「あなたの組織に…?」

「また、どうして…?」

「私は将来この管理局の未来を思ってとある変革をしようと考えている。それには同志が欲しいところなのだ」

 

それで私と士郎を誘ってきているのか。

 

「…そうですか。でも残念ですが私は所属が教導隊ですし、それに将来はとある部隊に誘われていますので今はあなたの部隊には行くことができません。すみません」

「私もシホと同意見です」

「そうか。それは残念だ…。ま、気が変わったら声をかけてくれたまえ」

「「わかりました」」

 

ところで少し気になってはいるが、

 

「ところで、先程から無言の彼は一体…?」

「ああ、紹介していなかったね。彼の名は“タスラム”。

名前は仮の名ではあるが、私の右腕であり良きパートナーである」

「………」

 

タスラムさんはそれでも無口を通している。

何か秘密があるのだろうか。

その視線に気づいたのかジグルト提督は、

 

「あぁ…彼の無口は気にしないでいい。

私の前ぐらいでしかバイザーを外さないし喋りもしない少しシャイな青年なのだから」

「はぁ…」

「………」

 

タスラムさんはやっぱり無口を通している。

気になるけど本人達が気にしていないのなら他人の私達は口出しはできないわね。

それでジグルド提督は笑いながら「それでは」と私達から離れていきタスラムさんも無言でついていく。

 

「シホ、あの男…なにかをやりそうな目をしていたな?」

「ええ、なんとか平静を保てたけどなにか目に野心を感じたわ」

「それにタスラムという男も気になる。動きが精錬されていたからな。あれは単純に鍛えたからである動きであってほしいな…」

「そうね…」

 

少し不安を感じながらも私達はなのは達のところへと戻ったのだった。

戻るとさっそく、

 

「士郎、勝ったようだな。家族として誇らしいぞ」

「シホちゃんは、残念だったね…」

「シホちゃん、後で慰めてあげるからね…?」

「すずか、ちょっと大胆ね。さすが隣同士の家で暮らしているだけあるわね」

 

そんな事を話し合いながらも本日は戦技披露会はつつがなく終わっていったのだった。

 

 

 




なのはとシグナムは引き分け。
シホと士郎は今回は士郎の勝利となります。
そして最後らへんで出てきた二人組。
オリジナル話への伏線キャラです。
さて、バイザーの人は誰でしょう…?

それではご意見・ご感想・誤字脱字報告をお待ちしております。

では。
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