【完結】剣製の魔法少女戦記   作:炎の剣製

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今回はキャロ視点からスタートします。


第百二十二話  『キャロの思い、そして任務終了』

 

 

 

Side キャロ・ル・ルシエ

 

 

 

私はヘリの中では不安一色だった。

自分はアルザスの竜召喚士だけどフリードと後、“もう一体”。

うまく操れるかも自信はない。

でも、私を救ってくれたフェイトさんの為にも頑張ろう、と私は今までエリオ君や他の皆さんに遅れないように、そして役に立てるように訓練も一生懸命頑張ってきた。

そして今回の任務が初めての実戦となる。

だからしっかりとできるか、失敗しないかと…。

ついそんな事を心の中で何度も思ってしまっていた。

でもそんな私の不安な感情をエリオ君は気づいてくれた。

そして優しい声を私にかけてくれて、

 

「…大丈夫だよ、キャロ。キャロは僕が必ず守るから」

「エリオ君…」

「だから、自分のできる限りの力を出し切っていこう!

今までのなのはさんやシホさんの訓練を思い出せばなんでもできるよ。きっと…!」

「うん!」

 

優しい子だな。私は本当は臆病な子なのに…。

話には聞いていたけどこの子もおそらく私と同じ境遇の子。

だから私の気持ちが分かるのかな?

それに同い年だし。

それから場面は進んでいき、

 

『こちら通信管制! ガジェット反応、空から…! 航空型。その数、100体以上!!』

 

それに私達はどよめく。

でもフェイトさんとシホさんもすぐにこちらへとバリアジャケットをまとって来てくれるという。

だからきっと大丈夫…。

 

「ヴァイス君。私も出るよ。フェイト隊長とシホ隊長の三人で空を抑える!」

「うっす。なのはさん、お願いします!」

 

それでハッチが開き、なのはさんはこちらへと向き、

 

「それじゃちょっと出てくるね。大丈夫。みんなでズバッとやっつけよう!」

「「「「「「はい!」」」」」」

「それと、キャロ」

「は、はい!」

 

なのはさんは私の頬を両手で優しく包みこんでくれて、

 

「大丈夫だよ。そんなに緊張しなくても…。

離れていても通信で繋がっている。

一人じゃないし…ピンチの時は助け合える。

キャロの魔法はみんなを守ってあげられる。

優しくて強い力なんだから。ね?」

 

なのはさんは私の不安を的確に見抜いてきてくれた。

やっぱり私達をちゃんと見てくれているんだ。

シホさんやフェイトさん達もきっと…。

そしてなのはさんはヘリから飛び出していき、バリアジャケットをまとって、

 

「スターズ1! 高町なのは、いきます!」

 

飛び出していった。

それからリインさんに任務の説明を受ける。

 

「任務は二つ。

ガジェットを逃走させずに全機破壊! そしてレリックを安全に確保する事!

ですからスターズ分隊は前方から、そしてライトニング、セイバーズ分隊は後方からガジェットを破壊しつつ車両前後からレリックへと向かうです」

 

レリックの居場所も聞き、

 

「スターズかライトニング、及びセイバーズ、早いほうが先にレリックを確保するですよ」

「「「「「「はい!」」」」」」

 

そしてリインさんも姿を制服からジャケット姿に変えて、

 

「私も現場に下りて管制を担当するですよ!」

 

リインさんも一緒になってついてきてくれる。だから私は頑張れると思う。

だから頑張ろう!

私の魔法は、力は…傷つけるだけじゃない。

皆さんの助けになれる力なんだって…!

 

 

 

◆◇―――――――――◇◆

 

 

 

Side シホ・E・S・高町

 

 

 

聖王教会から飛びだった私はアンリミテッド・エアの中に入っているアルトリアと私の背後に霊体化して着いてきているネロに話しかける。

 

《と、いうわけでアルトリアは現場に到着したらラン達の方に向かっていって》

《わかりました》

《奏者よ。余は出ては駄目なのか…?》

《情報は多分漏れていると思うけど敵にわざわざ私達の戦力を教えるわけにはいかないから今は待機していて。

それに承認要請が下りないと戦闘には自衛以外では極力サーヴァントは参加できないとかけったいな約束事があるから今は我慢していてね?》

《つまらないな…。これだから組織というものは堅苦しくてならないな…》

 

ネロはそれでぶつぶつと言い出し始めた。

私もできればネロには参加してもらいたいけど管理局の目があるからね。

まったく、せっかくの使い魔なのに参加不可とは管理局に一度異議を申し出たほうがいいかもしれない。

まぁ、危機に対する自己防衛による戦闘行動は大丈夫だというのだから、まぁいいだろう。

そんな事を考えながら私は現場へと到着する。

 

『こちらの空域は私達が食い止める!』

 

おっと、フェイトの通信の声が聞こえてきた。

ならもう近いか。

 

『二人ともおんなじ空は久しぶりだね』

「そうね、なのは」

『うん』

「さっさとフォワード陣に合流するためにこいつらを倒しつくそうか!」

『『うん!』』

 

それで私を追ってきたガジェットにまず双剣モードで切りかかる。

それによって飛行型のガジェットは容易く切り裂かれる。

よし、この程度のAMFならただの切る攻撃でも対処可能。

なら、一気に駆け抜ける!

 

「なのは、フェイト! でかい一撃で一気に仕留めるから私の射線上から退避して!」

『『わかった!』』

 

二人から了承をもらい、私はモードツヴァイの弓形態にして、

 

「受けなさい! カラド・ボルク!!」

 

宝具の方の偽・螺旋剣(カラド・ボルク)とは違い、魔法攻撃は威力は控えめだがこいつら程度には十分だ。

どんどんと射抜いていきその余波で巻き込まれたガジェットも巻き込まれて次々と爆発していく。

そして一番集まっている場所で、

 

「ブロークン!」

 

これもまた壊れた幻想(ブロークンファンタズム)の再現で、魔力の爆発を起こさせて盛大に巻き込んで爆散させる。

 

『シホのカラド・ボルクも宝具じゃないのにすごい威力だね』

『うん…。やっぱりそれだけシホちゃんの投影魔術が異常な威力なんだね』

 

二人からそんな感想が聞こえてくる。

 

「でも、魔法に触れてみてやっぱり威力不足がしてたまらないわ…」

『シホちゃんはやっぱり投影の方が合っているね。

でも、ちょっと威力の件に関しては嫉妬しちゃうかもしれない…』

 

なのはがそんなことを言い出す。

やっぱり私も少し宝具という甘えが出てきているのかもしれない。

心に甘えが出てたるんでいる証拠だ。気を引き締めないと…!

ここ数年、投影魔術は魔術訓練では使うけど戦闘ではめっきり使っていないからね。

緊急事態だったら躊躇わず使う気ではいるけど。

そんな事を思いながら次々と私達はガジェットを各個撃破していくのだった。

フォワード陣の皆が安心して初戦を乗り越えられるように、負担を少しでも減らせられるように。

 

 

 

◆◇―――――――――◇◆

 

 

 

一方、ヘリのほうでは、

 

「さぁて、新人ども。隊長さん達が空を抑えてくれている間に安全無事に降下ポイントにご到着だ! 準備はいいかい!?」

 

ヴァイスが豪快にフォワードメンバーに声をかける。

そしてまず、

 

「スターズ3、スバル・ナカジマ!」

「スターズ4、ティアナ・ランスター!」

「「いきます!」」

 

まず前方ポイントにスターズの二人が飛び出した。

 

「次! ライトニング! 行って来い!」

「「はい!」」

 

しかしそこでキャロが少し飛び出すのに戸惑っているが、エリオがそれにすぐに気づいて、

 

「一緒に降りようか」

「え…?」

 

エリオが手を差し出して二人は手を握り合い、

 

「うん!」

「頑張ってキャロをエスコートするんだよ。エリオ」

「頑張ってね、エリオ君」

「はい!」

 

二人は手を握り合いながら、

 

「ライトニング3、エリオ・モンディアル!」

「ライトニング4、キャロ・ル・ルシエとフリードリヒ!」

「キュフー!」

「「いきます!」」

 

そしてエリオとキャロも飛び出していった。

 

「最後だ! セイバーズの姉弟、気張っていけ!」

「レン、いくよ?」

「うん、ラン姉さん!」

「セイバーズ3、ラン・ブルックランズ!」

「セイバーズ4、レン・ブルックランズ!」

「「いくよ(いきます)!」」

 

そして六人は空中でバリアジャケットを纏い、それぞれ列車の上へと降り立った。

スターズ分隊のバリアジャケットはなのはに似た白い線が入っているもの。

ライトニング分隊のバリアジャケットはフェイトのマントに合わせた衣装。

セイバーズ分隊のバリアジャケットはシホの聖骸布に似た紅い衣装がそれぞれ入っていた。

 

「このジャケットって…」

 

そこにリインが後から降りてきて、

 

「みんなのバリアジャケットは各分隊の隊長さんのを参考にしているですよ? ちょっと癖はあるけど高性能です!」

 

各自がそれぞれ具合を確かめているとやはり反応してきたのかガジェットが飛び出してきた。

それでまずスバルが出てきた穴から中に進入して高機動で動き回りそれぞれガジェットを撃破していく。

 

「リボルバー…シュートッ!!」

 

リボルバーシュートを放ち突き進んでいく。

だが、勢いあまって外に飛び出してしまい大きく投げ出されてしまった。

 

「うわわわわッ!?」

 

慌てるスバルだが、マッハキャリバーがすぐに反応して、

 

《Wing road.》

 

スバルお得意のウィングロードをすぐに展開した。

そして無事列車の上に降り立ち、

 

「マッハキャリバー、お前ってかなりすごい? 加速とか…グリップとか…それにウィングロードまで…」

《私はあなたをより強く、より速く走らせるために作り出されましたから》

 

その言い方にスバルは少し納得がいかなかったらしく、

 

「うん…。でも、マッハキャリバーはAIとはいえ心があるんでしょ? だったらちょっと言い換えよう。

お前はあたしと一緒に走るために生まれてきたんだよ?」

《同じ意味に感じます》

「違うんだよ、色々と!」

《…考えておきます》

「うん!」

 

まだ初起動で悩む素振りを見せるのだからAIとしては優秀な方だろう。

それからスバルはまた中へと入ってガジェットを潰しにかかっていった。

そしてティアナの方はケーブルで繋がっていたガジェットを破壊したけど効果はないと悟るとリインに連絡を入れて、

 

「駄目です! ケーブルを切っても効果はありません!」

『そうですか。車両の停止は私が引き受けます。

ティアナはスバルと合流、各個ガジェットを撃破してください!』

「了解!」

 

それでティアナは銃を片方消して一本だけで進んでいき、

 

「それにしても、クロスミラージュ、あんたってかなり優秀ね。弾体生成までやってくれるしね」

《不要でしたか?》

「あんたみたいな子に頼りすぎるとあたし的にはよくないと思うんだけど…でも、実戦では助かるわ!」

《ありがとうございます》

 

ランは新しくなったバルムンクに魔力変換資質【氷結】を纏わせて切りかかる。

しかし、やはりAMFで阻まれ威力が足りず切り裂けない。

 

「でも!」

《魔術式、起動! 強化開始!》

 

バルムンクがランの魔術の強化を補助する。

そして魔術はAMFでは阻害されないので結果は、

 

「うわぁぁぁ!」

 

斬ッ!

 

魔力を一点集中させてガジェットを見事切り裂く。

 

「魔術まで起動してくれるなんてやっぱりすごいね。バルムンク!」

《それが私の役目ですから》

「うん、頼りにするよ!」

《了解です》

 

そしてランはレンの方を見てみると、

 

《Schild Zamber.》

「サークル…いや、シールドザンバー!!」

 

片方のアウルヴァンディルの二重構造の盾を展開して円状の魔力刃を発生させて何度も切り裂き、もう片方の盾も展開してそれを手に持ってまるで投げつけるように構えて、

 

「いって!」

《Kreis bumerang.》

 

アウルヴァンディルの発言通りにブーメランのように放ち、円状の魔力の刃が展開している盾は次々と標的のガジェットを切り裂いていく。

しかし残りのガジェットがレンに向けてビームを放ってくるが、ランは盾を構えて、

 

《Protection Powerd.》

 

すべてのビームを盾から展開したシールドで防ぐ。

 

「すごい防御力だね…」

《私はあなたの剣であり盾でもある。

あなたが望めば攻防どちらでも即座に対応させてもらいます。そして…》

 

またビームを受けるが、

 

《Reflexion.》

 

盾に当たったビームがすべて一度盾に吸収されて二倍の威力になって跳ね返され撃ってきたガジェットに当たり爆散した。

 

「すごい…!」

《防御と反射。これが私の一番の取り柄です。

私達は仲間を守る“盾”なのです。

一番の防御の要である私達で戦場を戦い抜きましょう》

「う、うん…。常に前線に出るのは怖いけど、でも頑張るよ。だから“アウル”も僕を助けてね?」

《私をアウルと呼ぶのですね》

「うん。駄目かな?」

《構いません》

 

そしてランとレンはそこにいるすべてのガジェットをそれぞれお得意の技、『斬氷閃』で切り裂き、

 

「やったね、レン!」

「さ、早く先行しているエリオ君達に合流しよう。ラン姉さん!」

「うん!」

 

そして先行しているエリオとキャロは、ガジェットの新型機に遭遇していた。

ストラーダで斬りかかるがAMFで魔力結合を解除されて離れていたキャロの方も魔法をキャンセルされてしまった。

そして防戦一方になりまだ体格的に幼いエリオには荷が重く、やられてしまいエリオは外に投げ出されてしまった。

そこにキャロがエリオを助けるために一緒に飛び降りた。

それを通信で見ていたロングアーチのアルトとルキノは、

 

「ライトニング4飛び降り!?」

「あの高度からのリカバリーなんて…!」

「いいや、あれでええ」

 

管制室に戻って指揮をとっていたはやてがそう言う。

 

「そうか!」

『そう、発生源から離れればAMFも弱くなる。使えるよ、フルパフォーマンスの魔法が!』

 

なのはがそう言う。

そして現場ではランとレンが二人が落ちていく光景を目にして、

 

「キャロ!」

「エリオ君!」

 

二人して叫ぶ。

でも、キャロは冷静に思う。

私に優しくしてくれたエリオの事。

そして仲間のみんなの事を守りたいという強い思いを抱き気絶しているエリオの腕を掴み、

 

「いくよ、フリード。私、ちゃんと制御するから! 竜魂召喚!」

 

それによってフリードは巨大化し、二人を乗せて空へと羽ばたく。

そしてガジェットのところまで戻り、キャロがガジェットにフリードの火炎攻撃『ブラスト・レイ』を放つがここでもAMFに阻まれる。

しかし意識が回復したエリオが、

 

「キャロ、僕があいつをやるよ!」

「うん!」

 

そこに霊体化していたランサーが実体化してフリードの上に現れた。

 

「その意気だぜ、エリオ!」

「ランサーさん!」

「俺は戦闘に参加はできねーが、俺が教えた槍の取り柄を思い出せ、エリオ!」

「槍は突く事が最大の攻撃…!」

「その通りだ。分かったなら行って来い! しっかりと見ててやるからよ!」

「はい!」

 

そしてキャロのツインブーストの力によってエリオは高速でガジェットに突撃をかまし、

 

「貫けーーーーーッ!!」

 

エリオはガジェットを見事貫通し大穴を開けてやり爆発した。

 

「へっ…やりゃできるじゃねーか。若き騎士様よ」

 

フリードの上で戦闘を見守っていたランサーがそう呟く。

そこに通信が入ってきて、

 

『車両内、及び上空のガジェット反応、すべてロスト!』

『スターズF、無事レリックを確保!』

 

ミッションコンプリートの報告を聞き、全員は喜びの声を上げた。

 

『それじゃちょうどええからスターズ、セイバーズの六人とリインはヘリで回収してもらってそのまま中央のラボまでレリックの護送をお願い。

そしてライトニングは現場待機で現地の局員に事後処理の引継ぎ。よろしくな』

 

それで一応警戒態勢だがそれぞれ動き出す一同。

でもシホは、

 

(やけに簡単すぎないかしら…?)

 

そんな事を思い、はやてに個人で通信をいれ、

 

「はやて部隊長…」

『どうしたんや、シホ隊長?』

「今回の任務、少し簡単すぎないかしら…?

それはフォワード陣の初任務としては上々だけど、ガジェットが数は多いくせにあまりにも弱すぎた」

『そうやね。それが気がかりだと私もおもっとる』

「これからも警戒は続けた方がいいわね。

きっとガジェットを通して今回の戦闘映像は敵に見られていると思うから」

『そやね』

 

 

 

◆◇―――――――――◇◆

 

 

 

そしてやはりシホの予想通り、その光景を映像で見ていた一人の男がいた。

 

「ふふふ…なかなか面白い光景が撮れたな」

『追撃の戦力を投入しますか? ドクター』

「いや、構わないよ。レリックもおしいが彼女達のデータが取れただけでも十分さ。ウーノ」

 

そしてシホ達の各映像が映され、

 

「実に興味深い人材が揃っているね。

特に生きて動いているプロジェクトFの残滓達を手に入れるチャンスだというのだからな。

そして戦闘には参加はしなかったが姿だけ現したサーヴァント・ランサーと名乗る青い髪の男。

まぁ、私が一番ほしいのは魔術という神秘を使うシホ・E・S・高町…なのだがな。

そしてさらに手に入れば強大な力になりうるだろう彼のお方を保有する彼女…実に欲しい」

 

そして男…ジェイル・スカリエッティは盛大に笑い声を上げるのだった。

だがそこにウーノが通信で、

 

『ドクター。またハッキングして映像を見ていた悪い子を発見しました』

「ほう…? その悪い黒猫(ブラックキャット)の姿を映したまえ」

 

スカリエッティがそうウーノに指示を出し、するとそこに黒髪のショートカットの少女が映し出された。

 

『うっ…ドクター』

 

少女は少し怯んだ表情を見せる。

だがスカリエッティは特に気にせずに一言、

 

「また君かね。そんなに映像を見たいのならウーノと一緒に見ればよいではないかね?」

『…ウーノ姉様は一緒に見させてくれません。

ですから仕方がなくハッキングをさせてもらっています…』

「君のそのハッキング能力も、ウーノやクアットロに負けじの腕前だからね。

期待はしているが、おいたが過ぎるとあとがきついよ…?」

『すみません、ドクター…』

「うん。素直でよろしい。…それで今回の映像を見てなにか気になることはあったかね?」

『…はい。あの緑色の髪の男の子。彼を見た途端になにか胸の奥がズキリと痛みました。

なにか故障をしたわけでもないのですが、少し怖いです…』

「ふむ、胸がね…? さすがの私にも分からないことだね。後で皆にも相談してみるといいだろう」

『はい、ドクター…』

「君にはこれからも期待しているよ。頑張りたまえ、“トレディ”」

『了解しました、ドクター…』

 

感情の乏しそうな『トレディ』と呼ばれた少女はそれで通信を切る。

だがスカリエッティとの通信を切った後、トレディは心の中で、この胸の高鳴りはなんなのでしょうか…?と考え自問自答をし始め、

 

(あの男の子と直接会ってみれば、この胸の痛みの意味はわかるのでしょうか…?)

 

トレディはそのうち、レンと会いたいと思い始めていたのだった。

 

 

 

◆◇―――――――――◇◆

 

 

 

そして場面は戻り、機動六課に全員が帰ってきて、食堂に主要な人物たちが集まり、

 

「さぁ、今日の任務を無事成功させてきた隊長陣、フォワード陣は疲れているだろう。

ささやかながら私とキャスターと食堂スタッフ全員で誠意を込めて料理を作らせてもらった。

だから残さず食べてくれ」

 

士郎の言葉で全員が「いただきます」と言ってそれぞれ食事にありつくのだった。

まずセイバーズのシホ達は、

 

「お姉様、私も現場に駆けつけたかったですよー」

「フィア。あなたは無限書庫の司書も兼任しているんだからそちらも頑張りなさいな」

「はいです…」

 

シホにそう言われて凹むフィアット。

 

「それよりランにレン、今日は頑張ったわね。誇りに思うわ」

「はい!」

「あ、ありがとうございます!」

「でも、この程度の任務はこれからも何度も起こる事になるんだから向上心は常に持ち続けるのよ?」

「「わかりました」」

「さ、それじゃもう食事にしましょうか」

 

それでシホ達は食事にありつくことにした。

それからスターズのスバル達は、

 

「うわっ! ティア、これ、すごくうまい!?」

「本当ね…これを本当に士郎さんが中心に作ったのかしら?」

「それはそうだよ。士郎さんは食堂のコック長だよ?」

「なのはさん」

「お疲れ様です」

「うん。なんだって士郎さんはイクメンだよ!

もう六歳になるツルギ君って言う子供もいるんだから」

「そ、そうだったんですか…」

 

スバル達は士郎に子供がいる件に関してびっくりしていた。

二人揃って「まだあんなに若いのになー…」と心の中で呟く。

しかし実際問題、士郎はもう三十過ぎである。

なので、いまだに二十代の若さを保ち続けているのは密かに機動六課女性陣スタッフの噂で「どうやったらあの若さを保っていられるのか…?」と話題に挙げられていることしばしばである。

実は士郎の若さは機動六課の七つの不思議の一つとして数えられていたりする。

これでもし高町夫婦やリンディを見たら一同揃って「若すぎる…」と思うことだろう。

 

「で、でもそれじゃキャスターさんは…?」

 

スバルはそんな話はまだ聞かないので純粋にキャスターとの仲を聞く。

 

「うーん…彼女は士郎さんのサーヴァントだから結局は愛人止まりかな…?」

「複雑な関係ですね…」

「そうだね」

 

それで三人に見られていた士郎は身震いをしていたという。

最後にライトニングに視点を当ててみると、

 

「キャロ。今日はフリードの制御、出来て良かったね」

「はい、フェイトさん! それでエリオ君を助けることもできました!」

「うん。だからキャロの力はちゃんと人を助けられるんだよ」

「はい!」

「エリオもキャロを勇気付けてあげてありがとね」

「いえ、そんな…当然ですよ」

「うん。えらいえらい」

 

フェイトはエリオとキャロの頭を撫でるのだった。

 

それから守護騎士達も遅れてやってきてミッションコンプリートパーティーはかなり続いたのだった。

 

 

 




サーヴァントは表立って戦えないし、シホも魔術をおおっぴらに使用できないという制約が設けられていますから管理局はやっぱり堅苦しいですね。
魔術事件対策課は普通に魔術を使用しているというのにねw

エリオは原作では貫いた後、切り裂いていましたがウチのエリオはランサー持込みの槍の心得を会得していますのでガジェットをそのまま貫通して風穴を開けてしまいました。

それではご意見・ご感想・誤字脱字報告をお待ちしております。

では。
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