【完結】剣製の魔法少女戦記   作:炎の剣製

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今回はヴィヴィオが機動六課に来るお話と、聖王教会でのカリム達との会話を分けました。

よって少し短いです。


第百三十六話  『ヴィヴィオという少女』

 

 

 

 

Side 高町なのは

 

 

 

今私はシグナムさんにフェイトちゃんから借りたという車に乗せてもらい聖王医療院まで向かっている。

後ろの席には、

 

「でも、私まで乗せてもらっちゃってごめんね、シグナム」

「そうですね。ありがとうございます、シグナム」

 

シホちゃんとオリヴィエさんも乗っている。

 

「別に構わん。

車はテスタロッサからの借り物だ。

だから気にするな。

そして向こうにはシスター・シャッハがいらっしゃる。

私とシュバインオーグが仲介したほうがいいだろう」

「はい…」

 

シホちゃんもカリムさんと親友の仲だし話しやすそうだよね。

 

「しかし、検査が終わり、なにかしらの白黒がついたとしてあの子はどうなるのだろうな…?」

「ううん…当面は六課か教会で預かるしかないでしょうね。

受け入れ先を探すにしても長期の安全確認が取れてからでないといけませんから…」

 

シグナムさんの発言に私はそう答える。

 

「それにあの子はまだしっかりと確認は取れていないけど、オリヴィエ陛下と同じ右目が翠、左目が赤色の虹彩異色…。これは聖王家の血を引いているという証にほかならない。

だからこれだけでもう、あの子がどんな子だということかは分かりきっているからね」

「はい。おそらくあの子は私の…」

 

オリヴィエさんはそう言って顔を伏せる。

そこにシホちゃんが思案顔になって、

 

「シルビアさんが過去に私に言った王の再誕、というのはオリヴィエ陛下ではなくて、もしかしたらあの子の事なのかもしれないという訳かもね」

 

シホちゃんがそう話す。

王の再誕…。

だとしたらあの子はやっぱりオリヴィエさんのクローン体という事になるのかな…?

人造魔導師素体…。

どこからか入手したオリヴィエさんの遺伝子から生み出された悲しい宿命の子。

そう考えていると、通信が入ってきてモニターが開き、

 

『騎士シグナム、騎士シホ。聖王教会シャッハ・ヌエラです!』

「どうされましたか…?」

『すみません。こちらの不手際がありまして、検査の間にあの子が姿を消してしまいました…』

 

その報告を聞いてシグナムさんに急いで向かってもらうように車のギアを上げてもらった。

そして聖王医療院に到着して、すぐにシスター・シャッハが出てきて、

 

「申し訳ございません!」

 

すぐに謝ってきたのでやんわりと「大丈夫ですよ」と言葉を返して、

 

「状況はどうなっていますか…?」

「はい…。特別病棟とその周辺の封鎖と避難は済んでいます。

今のところ飛行や転移、侵入者の形跡反応はありません」

 

その報告に、

 

(それじゃまだこの医療院のどこかにいるってことでいいのかな?)

 

私はそう判断した。

 

「外には出られないはずですよね?」

「はい…」

「それじゃ手分けして探しましょうか。

いいわね? なのは隊長、シグナム副隊長、オリヴィエ陛下」

 

シホちゃんの言葉でみんなで探すことになった。

私は外でないのなら中庭にいると思い、オリヴィエさんと一緒に探していると草むらの中から私のあげたウサギの人形を持ったあの子が飛び出してきた。

 

「こんなところにいたんだね…」

「うっ…」

「心配したんだよ。さ、病室に戻ろう?」

「ええ、それがいいでしょう」

 

私とオリヴィエさんで近づくが、どこかで見ていたのかそれより早く私達の前にシスター・シャッハがバリアジャケットを纏ってちょうど中間地点にいきなり現れたように立っていた。

 

「お二人共お下がりください!」

 

シスター・シャッハがそう言ってデバイス・ヴィンデルシャフトを構えて睨むが、

 

「あ、あ、うあ…」

 

女の子はシスター・シャッハの剣幕に恐怖を感じてしまったのか地面にへたりこんでしまい、ひどく怯えてしまっていて涙を流していた。

それで私はシスター・シャッハに声をかけた。

 

「シスター・シャッハ。少しいいですか? 私に任せてください」

「あ、はぁ…」

 

気の抜けた声でシスター・シャッハは下がってくれた。

それで私は女の子に近寄ってウサギの人形を拾ってあげ、

 

「…ごめんね。ちょっと、びっくりしたよね? 大丈夫?」

「ぁ…」

 

女の子はなんとか落ち着いたようである。

 

「立てる?」

「うん…」

 

それで女の子は立ち上がった。

それと同時にシスター・シャッハにも念話を送り、

 

《緊急の危険はなさそうですね。ありがとうございます。シスター・シャッハ》

《はい》

 

それから私はお人形や女の子の服についたほこりをはらってあげて、笑みを浮かべながらゆっくりと話し出す。

 

「はじめまして。高町なのはって言います。お名前、言える…?」

「ヴィヴィオ…」

「ヴィヴィオか。

いいね、可愛い名前だね。

…ところでヴィヴィオはどこか行きたかったの?」

「ママ………いないの………」

 

それで私は少し驚く。

もしかしてあの病室で「ママはここにいるよ」と言った事が聞こえていたようで効果があったのかな?

 

「そっか。それは大変だね。それじゃ一緒に探そうか?」

「………うん」

「よし。いい子だ」

 

後ろを見ればシホちゃんやシグナムさんも現場に来ていたようで優しい笑みを浮かべている。

それからヴィヴィオと一緒になってお話をした。

 

 

 

◆◇―――――――――◇◆

 

 

 

Side フェイト・T・ハラオウン

 

 

 

「…臨時査察って、機動六課に…?」

 

はやてと今話をしているんだけど結構重要なことみたいだ。

 

「ううん…この間の市街地での戦闘が見られていたみたいで、地上本部にそう言う動きがあるみたいなんよ」

「地上本部の査察はかなり厳しいって話だよ…」

「うう…うちはただでさえツッコミどころ満載の部隊やしな。

隊長陣しかり、サーヴァント達しかり…」

「いま、配置やシフトの変更命令が出たりしたら結構致命的だよ…?」

「ううん…なんとか乗り切らなアカンな」

 

それではやてにある事を聞こうと思う。

前々からはやてが隠していた六課の設立の真の目的。

 

「ねぇ、はやて…?

これは査察対策にも関係してくるんだけど、六課設立の本当の理由、もう聞いてもいいかな?

知ってそうなシホもまだ教えてくれないし…」

「…そうやね。

まぁ、ええタイミングや。

今日これから聖王教会本部、カリムのところに報告に行くんや。クロノ君も来るよ」

「クロノも…?」

「なのはちゃんと一緒についてきてくれるかな?

そんときにまとめて話すから。私とシホちゃんが秘密にしてきたこと…。

サーヴァント達にも教えといたほうがええからダブルセイバー、ランサー、ファイターのみんなにも付いてきてもらったほうがええね。

それと緊急の事態に備えてアルクェイドと志貴の二人も六課に来させておいた方がいいと思うんよ」

「そんなにやばめな事なの…?」

「念のための保険や。

…まぁ、アルクェイドはミットチルダは地球じゃないから、少し補正がかかってそんなに本気は出せへんけど、それでも十分強いからな~」

 

そうだね。シホ曰く『本気を出せなくても私達をサーヴァント達も含めて余裕で完封できる』という話だし。

 

「そっか。それじゃ、なのはにシホは戻っているかな?」

 

画面を操作してなのは達に通信を繋げてみた。

すると突然泣き声が聞こえてきた。

何事だと思ったらあの保護された少女がなのは達とフォワードメンバーの中で大声で泣いていた。

いや、本当になんの事態…?

 

「あの…なんの騒ぎなの? なのは」

『あ、あの、フェイト隊長。実は…』

 

なのはがなにかを伝えようとしているけど代わりに女の子が、

 

「いっちゃやだー!!」

 

なにやら駄々をこねているようだ。

それで私達もなのは達のところへ向かってみた。

 

「あ、はやてにフェイト…」

「八神部隊長…」

「フェイトさん…」

 

みんなが困った顔で見てくる。

 

「エース・オブ・エースにも勝てへん相手はいるもんやね~」

 

はやてがのんきにそう言っている。

 

《フェイトちゃん、はやてちゃん。あの、助けて…》

 

なのはからの救援要請が念話で聞こえてくる。

それで私が助けようと思ったけど、そこにちょうどいい感じで士郎さんとキャスターがシホに呼ばれたのだろう、部屋にやってきた。

 

「シホから騒ぎがあると聞いたからやってきたが…なんだ。子供が泣いているのか」

「でしたら私の尻尾を使ってくださいな♪」

 

キャスターが尻尾をいじって女の子に向けると女の子は興味を示したのか尻尾をモフモフしだした。

 

「フカフカする…」

「ふふ♪ いつまでもいじっていていいんですよ」

「ごめんなさい、キャスターさん」

「いえいえ、構いません。うちのツルギ君もいつも尻尾をいじってきますから慣れたものです」

 

それで私も尻尾をいじっている女の子のウサギの人形を拾い、

 

「こんにちは」

「あう…?」

「ヴィヴィオ。こちらフェイトさん。なのはさんの大事なお友達だよ」

「ヴィヴィオ、どうしたの…?」

 

それからなのはの念話が聞こえてくる。

 

《病院から連れ帰ってきたんだけど、どうも離れてくれなくて…》

《懐かれちゃったのかな…?》

《それでフォワードのみんなに相手してもらおうと思ったんだけど…どうもまだ怖いらしくて》

《《《《《《すみません…》》》》》》

 

みんなが謝ってくる。

うん、それじゃしょうがないね。

 

《それじゃ任せて》

《お願い》

 

それでヴィヴィオに話しかける。

 

「ヴィヴィオはなのはさん達と一緒にいたいの?」

「うん…」

「でも、なのはさん、大事な御用でお出かけしないといけないの。

でもヴィヴィオがわがまま言ったら困っちゃうよ。この子も」

 

お人形を操ってそういう仕草をさせる。

 

「ううっ…」

「ヴィヴィオはなのはさんを困らせたいわけじゃないんだよね?…ね?

だからそのお仕事が終わるまで待っていようか」

「うん…」

 

うん。言うことを聞いてくれた。

それでウサギの人形を返してあげた。

そこに士郎さんが声を出して、

 

「ならば、なのは嬢が帰ってくるまで私達がヴィヴィオの面倒を見ているとしよう。

子供の扱いはツルギで慣れているからな」

「お願いしていいですか、士郎さん?」

「ああ。それとヴィヴィオをこのままここで暮らさせるのなら遊び相手も必要だろう。

アインスに連絡して家でお留守番をさせてしまっているツルギを連れてくるように言っておこう」

「いいんですか?」

「ああ。まだツルギは学校に通っていないから一緒に育てるならちょうど六課はいい環境だろうと思っているのでな。

歳もヴィヴィオと同じくらいみたいだしな」

「やったね、ヴィヴィオ。すぐにお友達ができるよ」

「お友達…?」

「うん」

 

まだ分からないという顔になるけどそこはしょうがないだろう。

ツルギ君、ヴィヴィオといいお友達になってくれたらいいな。

 

 

 

 

 

それからヴィヴィオは士郎さんに任せて私達はヘリで聖王教会に向かう事になった。

ヘリの中では急遽呼び出したランサーにダブルセイバー、ファイターも揃いぶみである。

 

「しっかし、士郎もすっかり主夫だな。慣れたもんだぜ」

「そうですね。シロウの成長は私としましても嬉しい限りです」

「親になって成長したということだな」

「ヴィヴィオも安心そうにしていましたから任せて大丈夫でしょう」

 

ランサー、アルトリアさん、ネロさん、オリヴィエさんの順にそう話している。

 

「それより、ごめんね。騒がせちゃって…」

「ええよ。いいもん見せてもらったし」

「そうね、はやて」

 

はやてとシホがしきりに頷いている。

確かになのはにしては珍しい光景だったからね。

それでなのはも「にゃはは…」と苦笑いを浮かべている。

 

「しっかし、あの子はどないしようかな? なんなら教会に預けておくのもいいけど…」

「平気だよ。帰ったらもう少し話して様子を見るよ。

それに士郎さんの言ってくれた件もヴィヴィオにはいい影響を与えると思うし…」

「そやろな。ツルギ君、かわええもんな。私の大事な弟分や!」

 

はやてが嬉しそうにそう話す。

朱銀髪でシホに似ているからどうしてもシホの子供に見えてしまうのが何とも言えないけど…。

はやてもはやてで、将来のお婿さん候補にツルギ君を上げているくらいだし。

まぁ、はやてや私達は今は十九歳。そしてツルギ君は六歳。

一回りも二回りも歳が離れているけどはやて的にはオッケイらしい。

そんな話をしながらも聖王教会にヘリは向かっていった。

 

 

 




アルクェイドは星から力を受け取っていますから、地球ではないミッドチルダでは地球から離れているので力をあまり受け取れていないので本編でもはやてが語っていますが補正がかかって弱体化しているという独自設定です。
それでも並のサーヴァントよりは強いですがね。
それにテラ・フォーミングすれば結局は能力を全開で発揮できますし。

ツルギはタマモの尻尾がお気に入りです。

そして次回、聖王教会です。

それではご意見・ご感想・誤字脱字報告をお待ちしています。

では。
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