【完結】剣製の魔法少女戦記   作:炎の剣製

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日常の裏の話。トレディメインのお話です。

トレディの心を少しばかり表現してみました。

今回はシホ達は一切登場しませんのでつまらないかもしれませんが読んでみてトレディの性格などが把握できたら作った私としましては嬉しいです。

ではどうぞー。


第百四十二話  『嵐の前の日常風景(裏)』

 

Side トレディ

 

 

 

………私は公開意見陳述会が四日前に迫った日にクアットロ姉様にとある相談をしていました。

 

「あら? どうしたの、トレディちゃん?」

「………はい、クアットロ姉様。少し、相談したいことがありまして…」

「珍しいわね。いつもモニターの前で睨めっこしていてハッキングやクラッキングをしているあなたから相談を受けるなんて~」

「………そこまででしょうか? トーレ姉様達や妹達とも訓練は欠かしていないと自負していますが」

「反論も珍しい…。あなた、前より人っぽくなってきたわね」

「………ありがとうございます」

 

それでクアットロ姉様は呆れた表情になり、

 

「別に褒めたわけじゃないのよ?」

「………そうですか」

 

(うーん…やっぱりいまいち感情が読み取れない子なのよねー)

 

クアットロ姉様はなにか思案しているようですが、要件を早く聞いてしまいましょう。

 

「………それで相談したいことなのですが」

「うんうん」

「………一人の男の子を私のモノにするにはどうしたらよいでしょうか?」

「へ…?」

 

それでクアットロ姉様は少し驚いた顔になりました。

なにに対して驚いたのかはわからないですけど、しばらくして、

 

「あら~? もしかして、トレディちゃんは好きな子でもできたのかしら?」

「………好きかどうかは、まだわかりません。

ですが彼のことを思ったり映像を見たりすると胸の動悸が早くなるのです」

 

それで私はレンさんの画像を展開します。

 

「あら…? この男の子は確か…」

「………はい。私達の敵である機動六課の前線メンバーの一人であるレン・ブルックランズ…レンさんです」

「あ、やっぱり~。って、ことは敵同士の恋なのね? 面白いわ!」

「………ですからまだ恋と判明しては、いえ、反論してもいいようにオモチャにされるのはわかっています。

ですからもう気にしません」

「残念ねぇ~」

「………それでレンさんの姉のランさんに聞いたのですが、恋というのは相手のことを自分のモノにしたいという想い、らしいです。

それで、そういうことに姉様達では多分ですが詳しそうなクアットロ姉様に相談をしてみることにしました」

「ふんふん…? なかなか面白そうな話題ね~?」

 

それでクアットロ姉様は面白い物でも見つけたような表情になり、

 

「それなら~…まずはトレディちゃんにそのレンって子がずっと意識するように誘導をしたほうがいいわね~?」

「………誘導、ですか?」

「そう。例えば、その子の姉のランって子を誘拐するのよ~!」

「………なぜ、そういう話になるのですか?

私はただ、レンさんを私のモノにしたいだけでして、ランさんを誘拐するのは目的と違うと思うのですが…」

「ふっふっふ、甘いわね、トレディちゃんも。

一度あなたの力でお姉ちゃんを倒して誘拐、さらにはその男の子の心に傷を負わせる。

そして次に戦う時は、そうね~…?

『姉を返して欲しくば私のモノになってください』とでも言えば、後はトレディちゃんの手腕次第よ!」

「………ですがきっと反論されます…」

「それなら、こうとも言えばいいのよ~。『さもなくばあなたの姉を殺します』ってね♪」

 

そう言ってクアットロ姉様は舌なめずりをしながら話を締めくくります。

そして部屋を去り際に『頑張ってね~』と言われましたけど、本当にこれが正しいのかわからないです。

ですが今のところ、私にはレンさんを私のモノにするプランをまったく思いつきません。

レンさんの心を傷つけてしまうと考えると、今までとは違った胸の痛みを感じるのはなぜでしょうか…?

…そうですね。

他の人にも相談をしてみましょうか。

 

 

 

それでまず向かったのは食堂で紅茶を飲んでいるチンク姉様にトーレ姉様に聞いてみることにしました。

だけど聞いた際に、

 

「はぁ…クアットロもロクなことを言わんな」

 

と、トーレ姉様は呆れていました。

 

「トレディ。私の次に作られたお前の心の成長は姉としては嬉しいぞ」

「………チンク姉様、ありがとうございます」

「だが、後悔だけはするなよ? その恋とやらは我ら戦闘機人からしてみれば未知の感情だからな」

「………はい、わかりました。用心します」

「うむ、ならばよいのだが…」

「失礼します。トーレ、チンク、トレディ」

「セッテか。どうしたんだ…?」

 

と、そこにセッテが部屋にやってきました。

トーレ姉様がそれに応えています。

ですが、私も皆には無表情とよく言われますが彼女も負けずの無表情の子だと思います。

 

「空戦シムのスペースを使用したく許可をいただきに参りました」

「空いているのなら好きに使えばいい。私たちにいちいち許可をとる必要はないのだからな」

「失礼しました。以後そのようにいたします」

 

そう言ってセッテは言葉の声色も変えずに機械的に謝罪をしてきました。

昔の私もこうだったのでしょうか…?と、思い出してみます。

ですが自分にあまり興味がない私にはそう言った細かな記憶は思い出せません。

過去から暇つぶしに毎日記録している端末を確認すればどうだったのかも確認できますが…。

ちなみにこれを付けている事をウーノお姉様にバレた時には『まるで自分の成長日記ね』と言われた事に関して少し感情が揺らいだのを覚えています。

『それが恥ずかしいという感情よ』と言われた時にも少し納得できました。

 

「それから動作と言動にはもう少し気を遣え。あまりにも“機械すぎる”ぞ?」

 

そう、トーレ姉様が言った瞬間、私も少し胸が痛んだ気がしました。

私は、確かに戦闘機人であり、人であって人ではありません。

だからこの胸の痛みもなにかのミスなのかもしれません。

だけど、セッテは特に気にした感じも見せずに、

 

「はい、すみませんトーレ…」

 

やはり機械的に頭を下げていました。

 

「ほかの妹たちは動作チェックを終えて機体洗浄でもしている頃だろう。

どうだ…? 親睦を深めてきたらどうだ?」

 

チンク姉様がそう言いますが、

 

「ありがとうございます。ですが空戦シムの実行を優先したく」

「…そうか。まぁ頑張れ」

「はい。では失礼します」

 

それでセッテは部屋を出て行きました。

 

「あれもまた少々変わった子だな」

「我々の開発コンセプトを思えば、あれが一番完成度が高いとも言える。

余分なものはなにもない、純粋たる戦機だ。

…だが、ただの機械では頭部に脳が詰まっている必要もない。

だから少しは考えることを覚えさせるさ」

「作戦決行まであと四日はあるものな」

 

私は思い切って聞いてみることにしました。

 

「………トーレ姉様」

「ん…?」

「………チンク姉様」

「どうした、トレディ…?」

「………私は、恋というものをしたという事は、兵器としては欠陥品なのでしょうか…?」

 

トーレ姉様のいう開発コンセプト。

それから逸脱したものは当然欠陥品として見なされてしまいます。

それで私は自分でも考えられないほどに胸の痛みを感じてしまいました。

だけどそこでチンク姉様が私より低くて足りない背でなんとか背中をさすってくれました。

 

「…安心しろ、トレディ。我々にも心はある。

だからそんな感情があっても誰も否定はしない。

お前のれっきとした気持ちなのだから大事にするんだ」

「そうだぞ。確かに私達は戦う兵器…戦闘機人だ。

だが完璧な兵器になれなどともドクターは一言も言っていない。

だからお前もその胸の痛みを抱えていけ」

「!………トーレ姉様、気づいていたのですか?」

「あぁ。お前は一見無表情だが、だがそれでも感情の波は常に変動している。

機械的ではない。

ただ、どう表現すればいいのかわからないのだろう?」

「………はい」

「これからお前ももっと成長していけば、考えや表情も豊かになっていくだろう。

その時まで我々がお互いに生きているのかはわからないがな」

 

そう言ってトーレ姉様は少し暗い笑いをする。

そうです…。

私達はこれから最大のテロ行為を起こすことになります。

それで、もしかしたら誰かが負けてしまうかもしれません、欠けてしまうかもしれません。

私はこの知識にある家族というものとは少し違いますが、それでも信頼できる姉妹達に誰も欠けてほしくありません。

 

「まぁ、難しい話はあとにしよう。

さて、トレディ。気晴らしに姉と一緒に洗浄にいかないか?」

「………はい。お供します、チンク姉様」

 

それで私とチンク姉様は温水洗浄施設に向かいました。

途中で妹のディードとも合流して洗浄施設に到着します。

そこにはすでに先客がいたようです。

なにやらノーヴェとウェンディが喧嘩をしているようですね。

 

「相変わらず騒がしいようだな」

「………そうですね、チンク姉様」

「チンク姉にトレディ姉…だってこのウェンディ(バカ)が…」

「おつかれーっス♪ チンク姉、トレディ姉」

 

ウェンディはまるで懲りていないような感じでした。

 

「妹を捕まえてバカなどと言うな。お前も姉なんだぞ?」

「うん…」

 

ノーヴェはチンク姉様に窘められているようです。

ですので私もウェンディに向かっていき、

 

「………ウェンディ、あまり姉妹達を怒らせることは推奨しません。不和が生まれたらいけませんから…」

「了解っス、トレディ姉。

ところでオットーは入らねーんスか~?」

 

…あまり叱っても効果はないようですね。

まいったことです。

ウェンディに話を振られたオットーも、

 

「僕は後で…集団洗浄は苦手です」

「そうなの…?」

「ちゃんと洗浄しないとばっちくなるぞー?」

 

ディエチとセインがそう言ってオットーの事を心配していましたが、そこにディードが話に割り込んできました。

 

「すみません姉様がた。オットーの機体(からだ)は私がちゃんと洗浄していますから」

「そーいやそーか」

 

ディードの物言いにセインも納得していました。

 

「一人ではきれいにしきれん部位もあるしな。協力しあわねばな」

 

そう言うチンク姉様はノーヴェにシャンプーハットをかぶせられていました。

…身長も相まって可愛らしいです、チンク姉様。

だけどそこでオットーの性別についての話になりました。

………そういえば私も知りませんね。

クアットロ姉様も教えてくれませんし…。

今度ハッキングして洗浄の光景を覗いてみましょうか…?

 

…ちなみにどちらかだったのかは私の心の内にとどめておきます。

 

それはともかくそれでやはり感情の変動が激しいノーヴェは恥ずかしがっていました。

私も、こういう感情が表に出せれば良いのですが、残念です…。

 

それはともかく今日という一日をまたデータに残すとしましょう。

成長日記…?

いえ、これは姉妹の観察記録です。

 

そういえば、あのドクターとよく密会をしている名も明かさない魔術師の人物ですが…。

彼はなにやら数枚のカードをいじっていましたがあれはなんなのでしょうか…?

それだけが私の脳裏に謎を残しています。

 

 

 




トレディはやはりイメージはシュテルです。

いまだ恋という感情を理解できていないのでこれからの成長に期待したいですね。

喋り方も機械的と落ち着いた感じの中間あたりでしょうか…?

それではご意見・ご感想・誤字脱字報告をお待ちしております。

では。
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