【完結】剣製の魔法少女戦記   作:炎の剣製

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更新します。

原作ブレイクもしましたし、これからはどうなるか私もまだわかりません。

ですが頑張って書いていきます。

では、どうぞー。


第百五十一話  『一夜、明けて…』

 

 

 

 

 

…隻眼の魔術師とスカリエッティ一味の手によって、ランと、そして…なのは、オリヴィエを誘拐されてしまった。

地上本部の魔導師達とガジェットや骸骨人形(ゴーレム)との戦闘もあらかた終わりを見せ始めてきた。

それでシホは少しでもなのはの最後の足取りを辿ろうとするために、骸骨の仮面の集団に負わされた右腕の負傷を包帯で応急処置して動きを開始した。

スバル達には何度か止められたが、構わずにあちこちがガジェットや骸骨人形(ゴーレム)によって荒らされてしまった地上本部内を散策していた。

 

「…あれは…?」

 

シホはなのはの居場所を示す最後の頼みのシグナルが点灯していた位置までやってきて、あるものを発見した。

それは、

 

「レイジング、ハート…」

 

そこには待機状態に戻って放置されているレイジングハートの姿があった。

シホはそれを拾い、

 

「レイジングハート、私よ。分かる…?」

《はい、シホ…》

 

レイジングハートは返事だけを返してくれた。

しかし、その声は電子音とはいえあきらかに落ち込んでいることがわかるほど気落ちしていた。

 

「なにが、あったの。なのはとオリヴィエ陛下は、どうして拐われてしまったの?」

《はい…。状況は映像に残されていますので確認できます。しかし…》

「どうしたの…?」

 

レイジングハートはなにかを考え込むように無言になりしばらくして、

 

《マスターは何度も『お母さん…』と呟いていました》

「桃子お母さんの事を…?」

《はい。それに虚空に向かって何度か話しかける姿もあり、はっきり言いまして挙動不審の一言でした。マスターの様子は…》

「なのは…一体あなたに何が起きたというの?」

 

シホは表情を悲しみに歪めながらなのはの身を案じた。

 

《シホ…》

「なに、レイジングハート…?」

《私は、マスター無しでは動くことも叶わない己の身が恨めしいです。もし、仮に私にマスターと同じく自由に動かせる体があったのなら今頃は…》

 

そうしてレイジングハートは悔しがる。

シホはその様子を見て、レイジングハートを撫でながら、

 

(なのは…。あなたに何があったのかわからない。でも、きっと助け出すわ! 当然、ランも! 二人とも…私の家族なんだから!)

 

シホはそう硬く心に誓うのだった。

そして一夜は明けた。

 

 

 

◆◇―――――――――◇◆

 

 

 

Side ティアナ・ランスター

 

 

 

…あの襲撃から一夜、明けてあたし達は撤収して機動六課にまで戻って検分をしていた。

機動六課の隊舎は何度も攻撃を受けたのかあちらこちらに破片が転がっている。

そして一番目立つのが縦に切られている機動六課隊舎の姿だった。

あたしはその傷跡を見て、

 

「一直線に切られているわね…。それに切り口を中心に溶けている。まるで焼いているもので切られたような…」

 

あたしはその切り口を見て、思わずゾッとする。

この切り口は隊舎の反対側にまで貫通している。

もし、隊舎の中で直線上に人がいたらどうなっていたか…。

ついつい最悪の事態を考えてしまう。

でも、不幸中の幸いと言うのもどうかと思うけど、ほとんどの職員・隊員は余波の雷による感電だけで済んだとの事だ。

一閃の直線上にいた士郎さん達も余波で倒れたというだけだという。

だけど一番重傷を負ったというアルクェイドさんは酷いという。

なんでも腕を飛ばされたとか言うし。

でも、志貴さんが言うには切られた腕を拾って後になんとか“くっつけた”らしい。

だから特に心配はないらしい。

ここはさすが英霊ね…。あたし達の常識にある治療法を無視して腕をくっつけちゃうって言うんだから。

 

 

…ちなみに、他の英霊であるキャスターさんには「そんなことできると思いますかー!?」とキレられ、ライダーさんには「あれは特別です。一緒にしないでください」と拗ねられてしまった。

 

 

それで検分を継続していると、なーんかそわそわしている奴を一人見つけてしまった。

そいつはスバルである。

ギンガさんが軽度ではない傷を負ってしまって、今はエリオ、キャロ、レンの三人が病院まで見に行っている。

おそらく自分もお見舞いに行きたいらしい、というか行きたいに決まっている。

顔にありありと書いてあるのだから。

 

「こーら、スバル」

 

それで軽く頭を小突いてやる。

それでやっとあたしの存在に気づいたのか俯いていた顔をあげて、

 

「…あ、ティア」

「『…あ、ティア』じゃないわよ。行きたいんならさっさと要請をするなりなんなりして抜けていけばいいじゃない?」

「…うー、それはそうだけどー。あたしだけ特別扱いは嫌なんだよぉ。それにあたしはまだいいよ。ギン姉は傷を負ったけどすぐに退院できるくらいの怪我だったし…」

「背中の傷から機械の部分が少し見えていたからね」

「うん。でも、あれくらいならギン姉は多分大丈夫…。だけど、心配なのはやっぱり…」

 

それでスバルはとある方に顔を向ける。

あたしもそれに誘われて顔を向ける。

そこには片腕を負傷しながらも疲労を一切見せないで検分しているシホさんとそれを補助しているアルトリアさんとネロさんの姿があった。

 

「やっぱり、シホさんよね…」

「うん。もちろんレンもだけど…なのはさんとランはシホさんにとって家族同然だから。あたしは落ち込めないよ。シホさんの頑張っている姿を見ていたら」

「そうよね。報道は規制されていて一般には触れられていないけど、『エースオブエース、敵の手に堕ちる』っていう噂はもう管理局内には流れ始めているしね」

「シホさんとレンが一番辛いはずなんだよ。レンもあまりランの事には触れなかったけど、結構落ち込んでいたし…」

「そうね。なにより各地で現れた謎のフードの敵が気になるわよね」

「うん…」

 

まずアルトリアさんとネロさんが戦っていた謎の相手は、スカリエッティの映像が流れると同時に撤退したという。

同じくランサーさんが戦っていたという槍使いも同様に撤退した。

アルトリアさんとネロさんの息の合った姉妹コンビが敵一人に防戦一方だったという事実だけで衝撃ものだ。

ランサーさんもお互いにイーブンの戦いだったと話しているし。

そしてヴィータ副隊長を撃墜したという矢…おそらく弓使いが背後にいると考えられる。

機動六課待機戦力をたった一撃で落とした一閃を放ったやつも気になる。

あの骸骨の仮面の集団も気になるといえば気になる。

なんせたった一回の投擲でシホさんの腕を折ったのだから。

それが集団でいると思うとやはりゾッとする。

あの場であたし達をいとも簡単に殺すことはおそらく出来たのに撤退したのも気になる。

これはただの驕りで『お前達なんか本気を出せばいつでも軽く倒せる』という余裕なのかは、わからない。

 

「シホさんが言うにはあれらは隻眼の魔術師の仲間だと判断されているって…」

「そうね。戦闘機人だけで頭を悩ませているのに、こんなに謎の敵が現れるなんて。ほんと、どうなるのかしら?」

「そうだね」

 

それからあたし達は検分を続けているとシグナム副隊長がやってきた。

 

「スバル、ティアナ」

「お疲れ様です」

「あぁ。ところでシュバインオーグの様子はどうだ?」

 

そう聞かれたのでありのままを話すと、

 

「そうか。なのはにラン、オリヴィエ陛下の三人を誘拐されたから、取り乱していないか心配したが、杞憂だったようだな」

「ヴィータ副隊長はどうですか?」

「峠は越えたさ。今はリインがそばについて目を覚ますのを待っている」

「そうですか…」

 

ヴィータ副隊長も大丈夫だと聞き安心する。

 

「後は私が引き継ぐ。二人はギンガや士郎達を見に行ってやってくれ」

「「はい」」

 

それであたし達は病院まで向かうのだった。

 

 

 

◆◇―――――――――◇◆

 

 

 

Side レン・ブルックランズ

 

 

 

負傷したギンガさんにそのままついて行って一夜を明かした僕。

ギンガさんは朝になったら目を覚ましてくれた。

 

「…ここは」

「目を覚ましましたか。ギンガさん」

「レン君…無事だったのね」

「はい。ギンガさんのおかけです」

 

ギンガさんは上半身だけ体を起こして、

 

「でも、ランは捕まってしまったのよね…」

「はい…。でも、ラン姉さんは必ず取り返します」

「そうね。レン君、私も協力するわ。そしてスカリエッティを捕まえて戦闘機人も全員捕縛する」

「はい!」

「あ! ギンガさん!」

「よかった。目を覚ましたんですね!」

 

そこにエリオ君とキャロちゃんが病室に入ってきた。

 

「エリオ君、キャロ!」

 

ギンガさんも嬉しそうに頬を緩める。

 

「大丈夫ですか…?」

「えぇ。これくらいならすぐに治るわ」

「よかったです。なのはさんとランさんが攫われてしまって、ヴィータ副隊長まで撃墜されたと聞いて、心配になっちゃったんです」

 

キャロちゃんは顔を少し俯かせながらそう語る。

確かにヴィータ副隊長も心配だ。

ギンガさんもそれを聞いて驚きの表情をする。

 

「なのはさんまで…」

「はい。機動六課もダメージを受けてボロボロです。でも、まだ終わっていません。取られたものは必ず取り返します!」

「「「レン(君)(さん)…」」」

 

僕がそう宣言するけど三人ともなぜか驚きの表情をしている。

どうしたんだろう…?

 

「なんか、レンさん。強気になりましたね」

 

エリオ君が代表してそう言ってくる。

でも、

 

「そんなことないよ。僕は今でも弱いままだし…。でもギンガさんの言葉で勇気がわいてくるんです。

ラン姉さんも必ず取り返す、だからくよくよなんてしていられないんだ」

 

拳を強く握りしめて僕はそう言う。

 

「その意気だよ! レン!」

 

そこに病室の外で聞いていたのかスバルさんとティアナさんが中に入ってきた。

 

「そうそう。機動六課はレリック捜査からスカリエッティ一味の追跡になったから頑張りましょう」

『はい!』

 

それでしばらく部屋の中は賑やかだった。

 

 

 

◆◇―――――――――◇◆

 

 

 

それを他の病室で聞いていた士郎達は、

 

「ふむ。レンも成長しているな」

「そうだな、士郎」

 

士郎とアインスがそう話し合っていた。

 

「しかし、あの攻撃で死傷者が出なかったのは奇跡だな。

あれはアルトリアのエクスカリバークラスのものだったからな」

「ああ、全員感電だけですんで後遺症が残ったものは一人もいなかったからな。

…ところで士郎。ツルギの事なんだが」

「わかっている。謎の力が目覚めたのだろう?」

「あぁ。そのおかげでヴィヴィオも攫われずにすんだ。ツルギはよくやってくれた。でも、なにかあの力は不気味なものだった」

 

赤黒い魔力の放出。

黄色に染まる髪。

魔力が様々な形をとり攻撃をした。

これだけで、ツルギの秘められた力の暴走と考えられているが、検査結果はなにもわからなかった。

不思議でならないのは確かである。

士郎達が心配がるのも頷けるというものだ。

 

「まぁ、今はまだ見守ろう。ツルギになにも異常がなかったのだから悪しき力ではないだろうしな」

「士郎がそう言うなら、私もそうする」

 

そうして士郎達はシャマルやザフィーラ、ヴァイスなどの様子を見に行くのだった。

 

 

 

◆◇―――――――――◇◆

 

 

 

Side シホ・E・S・高町

 

 

 

私達隊長陣…と言ってもなのはとヴィータのスターズ二人はいない状況だけど、ナカジマ三佐がいる陸士108部隊の隊舎にやってきていた。

ナカジマ三佐の話はカリムやクロノ、復帰した隊員達も一緒になって聞いていた。

内容は戦闘機人から始まり、ギンガとスバル、そしてナカジマ三佐の奥さん…クイント・ナカジマさんの事について。

話の内容としてはスバルとギンガは昔に戦闘機人の違法ラボでクイントさんが発見・保護したという事。

 

「…俺とクイントとの間には子供ができなくてな。そんな時に二人がやってきてな。クイントが育てるって言い出してな」

「そうなんですか」

「ああ。俺も賛成だった。だから二人を戦闘機人としてではなく普通の人間として育てることにしたんだ。

メンテや検査、研究なんかもあったが二人は普通に育ってくれたよ。今のあの二人を見ればわかるだろう?

人間となんら変わらない生活を送っているからな」

「そうですね」

「だが、クイントが死んだのはすぐだった。特秘任務中の事故とかで死んじまって、死亡した原因や真相もいまだに闇の中…。

クイントはなにか見ちゃいけないもんを見ちまったんだと思う。俺の予想だがな」

 

そう言ってナカジマ三佐は顔を伏せる。

 

「俺も死ぬ覚悟で事件の真相に迫ればよかったんだがな…。クイントとの約束でな。ギンガとスバルを立派に育て上げるってな…。

だが、俺は諦めきれなかった。だからこつこつと地道に調べてきた。いつか告発する機会もあると思っていたからな」

 

そしてお茶を一気に飲んで、

 

「そんな時だった。八神が自分の事件に戦闘機人が絡んでくるかもしれないと予想して、俺んとこに話を持ち込んできたわけだ。あのチビだぬきがだよ」

 

ナカジマ三佐はそう言って笑う。

それにつられて私達も笑みをこぼす。

 

「ま、クイントやギンガ、スバルについてはこんなところだ。連中は二人を捕らえようとしていたらしいが、無事でなによりだ。

…まぁ、そちらさんは被害をかなり食ったらしいがな。

こちらも戦闘機人を一人捕らえたが、記憶を完全に消去されちまってスカリエッティの手がかりはありゃしねぇ。

だから、シホのお嬢よ。いつか必ず成果は出て事件は解決する。そして必ず家族を取り返せよ。ギンガとスバルの二人を精一杯使っていいからよ」

「…はい。ありがとうございます。ナカジマ三佐」

 

そう言われて私も心が少し落ち着いた。

 

 

 

◆◇―――――――――◇◆

 

 

 

Side トレディ

 

 

 

今、私の後ろを目の光が消えているランさんが着いてきている。

今になって思う。

本当に、これでよかったのでしょうか。

クアットロ姉様の言うようにしてよかったのでしょうか、と。

でも、もう引き返すことはできないんです。

こうしてランさんを捕らえて洗脳したからには最後までレンさんを私のものに…。

そこにドクターから通信が入り、

 

『やぁ、トレディ』

「………ドクター」

『君が機動六課の隊員、あのシホ・E・S・高町の家族であるラン・ブルックランズを捕らえて洗脳したと聞いて話をしたくなったのだよ』

「………そうですか。それで、私はどうすればよいでしょうか?」

『できればその子は私に預けてもらえないだろうか? 見事、調整して洗脳を完璧にしてやろう』

「………それは、拒否します」

『ほう…? 私の命令を拒絶するのかい? トレディ』

「………そういうわけではありません。………ただ、ランさんの事は私に任せてもらいたいのです」

『そうなのかい? 一人で制御するのに苦労はしないかい?』

「………大丈夫です。複数ある思考回路を一つ、活用すれば問題はありません」

『そうかい。ならば任せるよ。ただ、覚えておきたまえ。その子と、そして高町なのははシホ・E・S・高町と話をするための交渉材料だということを』

「………はい。手綱は握っておきますので任せてください」

『頼むよ』

 

それでドクターとの通信は途切れる。

………やってしまいました。

ドクターの命令に逆らってしまった。

でも、私はこれ以上はレンさんに見限られたくない。

だからこれ以上のランさんの調整はしないでおく。

失敗のリスクは高い。

でも、やってみせる。

そして知るんです。人を愛するという気持ちを…。

たとえ、間違った手段だとしても。私には他に選択肢はないのですから。

そうして道を歩いていると、前方にルーテシアお嬢様がある女性の入った培養液を見ていました。

 

「………ルーテシアお嬢様」

「トレディ…?」

「………どうされたのですか? その女性は確か、ルーテシアお嬢様のお母様でしたよね」

「うん…。らしいよ」

「………らしい、ですか」

「覚えていないから…」

 

…そうなのですか。

 

「適合するレリックコアさえ見つければ、目を覚ます。ドクターにそう聞いた。11番が見つかればこの人は目を覚ます。

そして私のお母さんになってくれれば、私に心が生まれるとも言っていた。だから、探すんだ…」

「………そうですか」

 

ルーテシアお嬢様も手段がこれしかないから、それでも足掻いているのですね。

見つかるのを。

私と似ていますね。

他に手段がないというところは。

ぜひ、協力してあげたいです。

 

 

 

◆◇―――――――――◇◆

 

 

 

Side 八神はやて

 

 

戦闘機人にスカリエッティとレジアス中将は共闘していると踏んでオーリス三佐に聞いてみた。

だが、オーリス三佐とのお話はなにも掴むことはできなかった。

でも、絶対何か隠していると踏んでいる。

絶対令状で聞き出してみせる。

そして私はロッサに会いに向かっていた。

ちゃんと頼んでおいた申請が通ったかの確認に。

 

「来たか。はやて」

「ロッサ。ごめん、待たせたか?」

「いや、大丈夫だよ。しかし…さすがのはやてでもやっぱり元気がないかい?」

「うん…」

 

正直に言えば泣きたい。

なのはちゃんまで敵の手に落ちてしまってただでさえ落ち込んでいるのだから。

でも、それは顔に出さないでおく。

でも、ロッサはそれに気づいているらしく、

 

「…高町一尉は、残念だったね。でもまだ希望は残っているから落ち込むのはよしておいた方がいいよ。はやて」

「励ましてくれてありがとな。ロッサ。確かになのはちゃんやランを攫われたのは大失態や。部隊員達にも怪我人が大勢出てしもうたしな。

せやけど持ってかれたものは取り返す。そして今度はちゃんと守りきる!」

 

私がそう奮起しているとロッサが突然頭を撫でてきよる。

もう…もう子供じゃないんよ?

 

「やる気はあるからよかった。これで泣き寝入りしていたらはやてじゃないからね」

「当然や。まだ機動六課も私達も終わってへん。だから夜天の主として、機動六課部隊長として気張らなあかん。

それで、ロッサ? 例のものは?」

「ちゃんと済ませてあるよ」

 

それでそのあるものの前までやってくる。

そこには整備されている“アースラ”の姿があった。

 

「…しかし、本気なのかい? はやてやクロノ君の許可を取ったとは言えもう年季が入っているアースラをまた使うなんて…」

「わかってる。アースラはもう休ませてやらないけないということは。

でも、最後の大仕事を務めさせてやりたいんよ。

機動六課隊舎が落ちた今、移動できる本部は絶対必要やからね。

まぁ、ついでに言えば隊員達の住居がない身やからな」

「そうか。勝利を祈っているよ」

「うん!」

 

それで窓越しにアースラを見ながら、

 

(アースラ…最後の大舞台や。気張ってやってこう!)

 

絶対この事件を解決するという決意をするのだった。

 

 

 

◆◇―――――――――◇◆

 

 

 

Side シホ・E・S・高町

 

 

 

108部隊の隊舎から帰ってきて、士郎達のところに寄ってきたら、ヴィヴィオとツルギ君の姿が見えないことに気がかりを覚えて、私とフェイトは病院内を探していた。

そしてあらかた探して、あと残りは屋上だと思い登ってみた。

するとやっぱり二人は屋上にいた。

何か話しているようだ。

それで私とフェイトは耳を澄まして聞いてみる。

 

「…なのはママ、帰ってくるって約束、したんだ」

「うん…」

「でも、帰ってきてくれなかった…ヒック…」

「ヴィヴィオちゃん、泣かないで…」

「…なのはママの、嘘つきぃ…うわあああーーーーーん!!」

「ヴィヴィオちゃん、泣か、ないで…。う、うわあああん!!」

 

ヴィヴィオが泣き出してつられてツルギ君も泣き出してしまったようだ。

フェイトが思わず駆け出そうとしたけど、私は手を掴んで止めた。

 

「シホ、なんで…?」

「今は、二人だけにしてあげましょう。だから、我慢して。

だけど、戻ってきたら二人をちゃんと元気つけてやりましょう」

「うん………、シホ。シホはなのはとランが攫われて、その、辛い…?」

「辛くない、わけないじゃない…。家族なのよ? でも、泣いていられない。必ず助けるって意気込んでいた方がいいわ。

だから、フェイト。必ずこの事件を解決して、なのは達を助けましょう!」

「うん、シホ! 必ず…!」

 

フェイトと士気を高める私だった。

 

 

 




原作とは逆の展開である、ヴィヴィオに「ママの嘘つき」というセリフを言わしたいがためにここまで頑張ってきました。

それでは、ご意見・ご感想・誤字脱字報告をお待ちしております。

では。
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