【完結】剣製の魔法少女戦記   作:炎の剣製

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更新します。

最初はキンクリした後から始まります。

それではどうぞー。



第百五十四話  『決戦への誓い』

 

 

 

 

Side シホ・E・S・高町

 

 

 

「―――それやから、これからの方針は…」

 

はやてのこれからの行動方針内容が話されていっている中、私は少し、というか、かなりぼーっとしていた。

なのはとオリヴィエ陛下、ラン…私の家族と言ってもいい人達が拐われてしまっているこんな状況だから集中しないといけない。

なのに、雑念が何度も頭に浮かび上がりなかなか集中できないという悪循環…。

二日前の夜にあった出来事を思い出すとすぐに顔が赤くなってしまうというものだ。

 

「シホ…? シホ…?」

 

そこにフェイトが苦笑いを顔に浮かべながら私に小声で話しかけてきた。

冷や汗も垂らしているようでなぜか不安感を誘う。

 

「………ん? なに、フェイト?」

 

それで私も小声で対応する。

 

「…なにをそんなに考え込んでいるかわからないけど、はやてがすごい形相で睨んでいるよ…?」

「あっ…」

「…………」

 

見ればはやてがいい笑みを…具体的に言えば怒り出す一歩手前の笑みをその顔に出していた。

 

「だからな? シホちゃん…」

「は、はい!」

 

つい姿勢を正して立ち上がり敬礼をしてしまった。

はやてのその笑みには条件反射で逆らってはいけないという気がするからだ。

 

「これからの私達機動六課の重要な行動方針の説明をしている最中に、なんで気持ちが上の空なんや…? ん?」

「そ、それは…」

「それともなにか思い出しとるんか…? たとえば、二日前の夜のこととかな~」

「ッ!」

 

はやてはニヒヒッと、悪い笑みをしてそう言ってくる。

………痛いところを突いてくる。

見れば近くで座って聞いていたフィアとすずかが二人して、頬に両手を添えて「いやん♪」という感じにしていて頬を赤く染めている。

二人とも少しは隠す努力をしてください…! お願いだから!

 

「…え? 二日前になにかあったんですか、シホさん?」

 

私がすずかとフィアの二人にそう念じている一方で、なにがあったのかまったく知らないレンが純粋な眼差しで私の方に顔を向けてくる。

いや、レン。今はその汚れていない無垢な表情は私の心に堪えるからやめて…。

 

「シホさん、なにがあったのかな、ティア…?」

「…あたしはなんとなく予想できるけど、だけど言わないでおくわ。子供も数名いるわけだし…」

「「…?」」

 

生ぬるい表情を浮かべているティアナがスバルにそう言葉を返していた。

エリオとキャロはすでにハテナ顔である。

 

「フェイトさん、私もなんとなくですがわかりました。ついにシホさん達は………なんですね?」

「うん。そうみたいだね。やったね、すずか、フィアット」

「うん!」

「はいです!」

 

前日に病院から退院してきてアースラに移動してきたギンガはわかったらしい。

やっぱりスバルとは違ってギンガは優秀ねぇ。今はその優秀さが憎らしい…。

フェイトもフェイトで二人に「頑張ったね」とばかりの表情で言葉を贈っていた。

 

「…堕ちたな、シュバインオーグ。ふっ…」

「おい、シグナム。それはどーいう意味だ…?」

「言葉通りだ、ヴィータ」

 

シグナムがニヒルに笑い、ヴィータは思考がお子様(酷ッ!)なので分かっていないようである。

 

「奏者は余とは、してくれなかったのだ…」

「はぁ…大丈夫ですよ、ネロ。そのうちまた機会はいくらでもありますから」

「…うむ、そうだな。ならば暇ができたら奏者を誘うとしよう!」

「ふぅ………疲れますね」

 

ネロが落ち込んでいる中、アルトリアがため息をつきながらネロを宥めている。

それでネロは気持ち復帰したようだ。

そしてアルトリアから深くため息をついた後、私に念話を送ってきて《シホ、どうしてネロも呼ばなかったのですか…?》という追求の意味もかねたセリフが聞こえてくる。

いや、なんていうか、あれはあの場の二人の勢いに負けたからです、はい。

 

「ククク…シホの嬢ちゃんもやっぱり、中身はあれだなぁ~」

「やりましたね、スズカ」

 

ランサーは見透かしたように目をつぶりながら笑みを浮かべていて、ライダーはすずかの勇気を賞賛していた。

それぞれが各自で言いたい放題であるこの状況。

もう、穴があったら入りたい気持ちに駆られる。

どうしてこんなにみんなに知られているのかというと、やはり二日目に遡る。

それで私は回想をする。

 

 

 

◆◇―――――――――◇◆

 

 

 

―――二日前。

 

 

 

…どうしようか。

昨日のすずかとフィアの大胆発言から始まり、あれよあれよという間に事が進んでしまった。

イリヤも積極的に表に出てきて『擬似男○器製造法』を二人に嬉々として教えている始末であった。

そして昨夜は……………なんというのでしょうか。

私としても、すずかとフィアとしても激しい夜を過ごした記憶が脳裏に鮮明に残っている。

決戦前にパスを強固なものにしておこうという提案だったんだけど、早まったかなぁ…、と思うことしばしば。

そう何回も私が考えているのは、現実からの逃避であっても、そうしていたい。

なぜかって…?

それは翌朝…つまり現在の朝からなのだが、

 

「ふふふ…。シホちゃん、大好きだよ」

「お姉様、大好きですよ」

 

そう、すずかとフィアの二人がベッドの上でシーツを体に巻いているだけの状態で私の両腕を自分の腕を回してがっちり組んで占領している事態になっている。

この二人の態度が私の部屋の中だっていうのが幸いなのかどうかは、わからない…。

 

「お姉様の…とても逞しかったです! あぁ…思い出しただけで頬が緩みますぅ」

「シホちゃんってやっぱり元・男の子だったんだよね。昨夜はすごかったよ…?」

「う~…」

 

両サイドからそう甘い声で話しかけられて私は顔がゆでダコのごとく顔が赤くなっているのだろうね?

 

「やっぱり、恥ずかしいわね…」

「恥ずかしがることなんてないよー」

「そうです。お姉様はもとは男性なのですからむしろ正常なのです」

 

そう言って二人はさらに抱きついてきて離してくれない。

そんな事をしている時だった。

部屋の外から、

 

『シホちゃん、ちょっとええか? 話があるんやけど…』

 

この声は…!?

 

「は、はやて!?」

 

外からはやての声が聞こえてきた。

やばい。こんな現状を見られたら色々な意味でやばい!

 

『どないしたん…? なんか妙に焦りのこもった声やね?』

「な、なんでもないわよ? そ、それよりどうしたの、はやて?」

 

なんとか落ち着いて対応してはやてが中に入ってこないようにする。

今のうちに。

 

《すずか、フィア。なんでもいいから服を着て! 時間を稼ぐから…!》

《は、はいです!》

《わ、わかったよ!》

 

しっかりとパスが繋がったことによって行使可能になった魔術のラインによる思念通話を試みる。

幸い私はもう服は着終わった後だったからなんとでも言い訳できよう。

すずかとフィアの二人も事態はしっかりと分かっているらしく服を着ようと試みているけど、

 

『なんかわからんけど、ちょっと見てもらいたい案件だから、中に入るで…?』

「ちょっ!? まっ!!」

 

私が直様に静止の声を掛けようとするがするが時すでに遅く、扉は無情にも「プシュー」と開かれてしまった。

そしてはやては私の部屋の中の光景をその目に映したのだろう。

私はなんとか制服の姿だが、すずかとフィアはまだ下着だけのあられのない姿であった。言い訳不可能の状況である。

それで一瞬、はやては目を見開いて呆けた表情をする。

そして私達全員の時が止まる。

止まった時間の中だけで時計の針の音だけが「カチッ、カチッ」と時間の進みを正確に刻んでいる。

 

「…………」

「…………」

 

どれくらい時間が経っただろうか?

数時間…? 数分…? 数秒…?

実際はそんなに時間は経過していないはずなのに、それくらい経過したような気分にさらされる。

そして、時は動き出す。

 

「…ふふふ。クスクス笑ってゴーゴー♪」

 

と、どこかで聞いたことがあるような意味不明な言葉を発しながら、はやては鼻血を垂らしてその場で気絶してしまった。

 

「…な、なんとかやり過ごせた?」

「そ、そうですね」

「うん…」

 

私達が後でごまかしてどうにかなるだろうとホッとしている時だった。

 

「あ、主!? どうされたのですか!?」

 

どこからかはやてのピンチに駆けつけたシグナムが現れた。

気絶しているはやてを直様介抱しているシグナムは、フッ…とこちらを見て、

 

「…シュバインオーグ。主に刺激的な光景を見せるな」

「あ、すみません…」

 

つい敬語で謝ってしまった。

というかシグナムは冷静ね…。

はやてを抱えてその場を後にしようとしているが、去り際に、

 

「…しかし、やはり狼だったのだな」

 

と、言い残して今度こそシグナムは去っていった。

私はそれで猛省しないといけないという気分にさせられたのだった。

 

 

 

◆◇―――――――――◇◆

 

 

 

それで私達の関係が進んだことを知っているのは数名だが存在しているという事であった。

 

「…反省していますから、これ以上この話をほじくらないで」

「ま、ええわ。それじゃ私達のこれからの方針内容を言ってみ? それが言えたら許したる」

「ええ。

『私達は機動六課の方針は変わらずレリックの追跡、その過程にジェイル・スカリエッティ一味と隻眼の魔術師一派がいるだけ。

そして誘拐されたなのは、オリヴィエ陛下、ランの追跡、保護をする』でいいのかしら…?」

「概ねオッケイや。だからみんな、気張っていこうな!」

「「「「「はい!」」」」」

 

はやての言葉に私達が大きく返事を返す。

だけど、そこでフェイトが口を開いて、

 

「でも、はやても色々と無茶はしたんでしょ? 大丈夫…?」

「そこらへんは抜かりなく大丈夫や。後見人の人達の黙認や協力はちゃんと固めてあるよ。安心してな。

それに、ここで動けなきゃ最強戦力の塊と言わしめる機動六課の名が廃るというもんや。

なのは隊長を除く隊長、副隊長陣、及びサーヴァント達はもういつでも動ける状態や。

だからみんな、いつでも動けるように待機しといてな」

「わかったわ」

「それと…」

 

そこではやてはフォワード陣&ギンガのみんなに視線を向けて、

 

「フォワード陣のみんなのデバイスはそろそろ最終調整は仕上がっている頃やと思うんだけど、そこらへんはどうや? すずかちゃん?」

「うん、はやてちゃん」

 

そこですずかが立ち上がり、各デバイスのデータをみんなに見えるように映し出す。

 

「マリーさんとシャーリーさんと一緒に色々と魔改ぞ…ゴホンッ!」

 

すずかがそこで一旦、咳き込む。

言いかけていたけどほとんど聞こえていたので意味は為さないけど。

 

「改修作業の状況はまず、スバルのマッハキャリバーとギンガのブリッツキャリバー。

二機ともアウトフレームの装甲強化、魔力消費が1.4倍、本体重量が2.5倍になったよ。

だから今まで以上に激しい動きをして全力機動を行っても耐えられる力を手に入れたよ」

 

それを聞いてスバルとギンガの反応は、

 

「「すごい…!」」

 

二人してその変化に驚いているようだった。

 

「どうかな…? やれそう?」

 

すずかが不安そうにそう二人に問いかける。

それに対して二人は笑顔を浮かべて、

 

「これくらいなら上等です!」

「はい! ブリッツキャリバーが強くなるのは私も嬉しいです。だから魔力消費なんて気にしません!」

「うん。よかった。それじゃ次はティアナのクロスミラージュ」

「はい!」

 

ティアナが力強く声を上げる。

 

「クロスミラージュだけど、まずキャリバーズと同じくアウトフレームの強化によって、ティアナの現状での限界以上の出力と魔力消費軽減の二点が実現したよ。

そして各モード全般にわたって精密度が増してティアナの思い通りに弾丸を放てるようにしたよ。

そして特徴的なのはモード3。これはティアナの腕次第だけど、なのはちゃんのレイジングハートのバスターモードかエクシードモード並の出力を出せるように調整したよ」

「そ、そこまで、ですか…?」

「うん。ここもやっぱり魔力消費軽減が手伝ってくれるから省エネでティアナに優しい設計だよ」

「ありがとうございます!」

「うん。それじゃ次はエリオ君のストラーダ」

「お願いします!」

 

エリオがそれで立ち上がる。

 

「ストラーダだけど、より電撃を通しやすいようにお馴染むフレーム強化を施して、エリオ君の希望で追加した“ある技”を放つ瞬間だけ電撃放出量を3倍から4倍の威力を出せるようにしたよ」

「僕の希望を聞いてくれたんですね、すずかさん」

「うん。でも、戦闘時に使える回数は魔力消費も関係して一回が限度だからよく見極めて使ってね?」

「わかりました!」

「エリオ、その一回限りの一撃…精度を上げるために時間の限りできるだけ俺の槍術を教え込むからな?」

「お願いします、ランサーさん!」

 

なにやらエリオとランサーの間でなにか必殺技でも開発したらしい。

どんな内容かは私も聞いていないけど、それを使う機会はなるべくない事を祈りたい。

そして、案の定だがフェイトが心配そうな眼差しでエリオを見ている。

過保護なのはいいけど、あまり縛らないでね?

 

「そしてキャロちゃんのケリュケイオン、なんだけど…」

「どうしたんですか…? なにか問題でもあったんですか?」

「ううん…特に問題はないの。だけど他の子達に比べたらあまり変化は見られないかなって…。

ブースト能力と龍魂召喚と龍騎召喚の全部をうまく使いこなせるように調整して強化したから強力になっているはずだよ、キャロちゃん」

「十分です。私はフルバックですからそれだけでも十分です!」

 

キャロは両手を胸の前に持ってきてギュッと拳を握り「大丈夫」とアピールする。

 

「ならよかった。そして最後にレン君のアウルヴァンディル」

「どうなりました…? アウルは復活しましたか?」

「うん。まずトレディって子の最大の一撃であるクラッシャーバイトで砕かれた時の威力を計算したの。

それでフレーム強化をして二倍くらいの強度を実現させたよ。だからもうそう簡単に砕かれることはないと思う。

後、リフレクションだけじゃなくてシールドアブソープも追加したの。

だからこれでさらにサードモードが有効利用できるようになったよ。

やっぱり戦闘始めは防御が主体になっているのは変わらないからそこらへんは心の片隅に置いておいてね」

「わかりました。アウル…頑張ろう!」

《はい、マスター》

 

画面越しに映し出されたアウルヴァンディルと息を合わせて頑張ろうと誓うレンの姿を見て、

 

(成長したわね、レン。心も強くなった…もう、安心かな?)

 

私はそう思った。

 

「よし。みんなのデバイスは大丈夫そうやね。なら捜査開始は本日中を予定してる。出動命令を待っててな。ほんなら解散や」

 

はやての声でみんなはそれぞれ会議室を出て行く。

だけど、そこにすずかが声を上げる。

 

「シホちゃん!」

「どうしたの、すずか?」

「うん…デバイス関連の報告でまだ伝えていないことがあるの。例のカートリッジなんだけど…」

「完成、したのね…?」

「うん…。でも、やっぱりこれは最後の最後まで使わないでね? これは体にどんな悪影響を与えるかわからないから…」

 

すずかはとても不安そうにそう告げてくる。

私は、一回目をつぶり、そして開き、

 

「…大丈夫よ、すずか。私の切り札なんだからそう簡単に切ったりはしないわ。でも、やっぱり無茶しちゃうと思うからそこだけは今のうちに謝っておくわ」

「うん。なんてったって無茶が代名詞のシホちゃんだもんね。だから私が言えることはこれだけ…。無事に帰ってきてね?」

「ええ。なのはとオリヴィエ陛下、ランとともに全員無事に帰ってくるわ。約束する…」

 

私の本心からの言葉にすずかはやっと安心の表情になった。

 

 

 

◆◇―――――――――◇◆

 

 

 

それから私は士郎のところへと向かった。

そこにはヴィヴィオが一緒にいるからだ。

あれからヴィヴィオは少し落ち込んでいたけど、ツルギ君が励ましたおかげでどうにか落ち着いている。

そしてレイジングハートも一緒にいてもらっている。

私は部屋に寄って、

 

「ヴィヴィオ、いる…?」

「シホお姉ちゃん…?」

《シホ…》

 

そこではなにかヴィヴィオがレイジングハートに話し込んでいるようだった。

 

「シホお姉ちゃん、お願いがあるの…」

《シホ、お願いがあります》

「二人してどうしたの?」

 

ヴィヴィオはどうにも決心のこもった瞳で私を見てくる。

 

「レイジングハートに、私のありったけのなのはママに対する言葉を録ってもらったの」

《だから、私をシホと一緒にマスター救出に連れて行ってください》

「そう…」

 

ヴィヴィオもあれから色々と考えて、なのはに贈る言葉を考えたのね。

その気持ちを汲んであげるために、

 

「わかったわ。ヴィヴィオ、なのはママは必ず救出して帰ってくるからね。みんな無事でね」

「お願いします、シホお姉ちゃん…なのはママを…」

 

それでヴィヴィオは涙を流しながら私に抱きついてくる。

それであやしながら、

 

「…レイジングハート。行くわよ。私達でなのはの救出に!」

《はい! マスターに私とヴィヴィオの言葉を贈るために…》

 

それで私はレイジングハートをポケットにしまい、

 

「行ってくるわね、ヴィヴィオ」

「うん!」

 

そんな時だった。

ちょうどいいのかわからないけど緊急アラームの音が鳴り響いたのは…。

さぁ、始めよう…。私達の反撃を。

 

 

 




シホ達の桃色描写がありましたがえちぃ描写は書いていませんのであしからず。
デバイス達も強化完了で準備万端。
シホも謎に満ちたカートリッジを受け取り大丈夫。
後は決戦を駆け抜けるのみです。

それではご意見・ご感想・誤字脱字報告をお待ちしております。

では。
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