【完結】剣製の魔法少女戦記   作:炎の剣製

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更新します。

今回は完全ネタ話です。思った以上に長かったので前編後編に分けました。

ではどうぞー。


第百七十話    『外伝18 戦慄の影響ゲェム(前編)』

 

 

 

 

十月の暦がもう少しで終わる今日この頃。

少し前に地球まで帰省してきて色々と報告やらパーティーやらをして帰ってきたシホ達。

なぜかシホは少し胸騒ぎのようなものを感じていた。

しかし、その胸騒ぎがなんのものかまでは分からず悶々とつっかえ棒のように胸に残るようなそんな感じ?

それでお昼時の食堂。

ほとんどのものが食堂に集まって食事をしている時間帯。

とある部隊長……まぁ、はやてがなのだが呟いた一言……。

 

「なんか最近スクランブル要請も緊急発進もないから少し暇やね~」

 

その一言が食堂に集まっていた各々のメンバーに聞こえていて、

 

『部隊長がそんな事を言ってもいいのだろうか……?』という思いに駆られたかどうかはわからないが、次第に皆も『確かにそうだねー』と思うようになっていた。

そして異変は起きた。

突如として食堂の扉が『バンッ!』と開かれる。

それで全員が何事かとそちらに振り向くが、そこには誰も立っていない。

はて……? 誰が開けたのだろうかと思う一同。

 

「誰が開けたんでしょうか……?」

 

リインが食事のミニトマトをフォークで器用に刺しながらそう呟く。

しかし、そこでシホの胸騒ぎが最大にまで達したことに誰が気づいただろうか?

 

「みんな! なんか危ない気が―――……!」

 

シホがそう席からいきり立ち、一同に危険を教えようとするが、それを遮るかのように食堂のはやての席、その隣で『ボンッ!』という小爆発のようなものが上がる。

 

「わっ!? なんや!?」

「大丈夫ですか、主はやて!?」

「はやてちゃん!?」

 

シグナムとシャマルがはやての心配を直様にする。

 

「あ、うん。大丈夫やよ? でも、なんやろ……?」

 

未だはやての周りには煙が立ち上っていて状況が確認できない。

しかし、煙がすべて晴れる前に、

 

 

「―――呼ばれて飛び出て、パンパカパーーーン!!」

 

 

なぜか、誰の声とも分からない愉快そうな叫びがはやての隣から聞こえてきた。

しかし、そこで近くで食事を摂っていた志貴とアルクェイドが二人して『んっ……?』と首を傾げる。

 

「なぁ~んか、どこかで聞いたことがあるような声ね……?」

「アルクェイドもか? 俺もごく身近で聞いたことがあるような声なんだよな……」

 

二人してなんだろうと考えているが、煙は完全にはらわれるとそこにははやての隣に一人の女性がいた。

その格好は、なんというか和服……おそらく割烹着だろうか?それにミニスカの要素が加わったようなきわどい姿。

その足から覗く絶対領域と脚線美が男心を擽るだろう。

そして手にはひまわりの飾りが施されているほうきが握られている。

さらには頭には耳が生えていて、尻尾まで生えている。

琥珀色の瞳がどこか可愛らしい。と、同時に厄介事を持ち込んできたような様子である。

どこかの魔術師の狐を彷彿とさせる出で立ちである。

当然、その誰かさん(もうキャスターでいいや……)もその登場を見ていたために、

 

「パ、パクリ!? パクリですよ、ご主人様(マスター)! あんの女はわたくしのアイデンティティをパクりましたよ!? しかも狐耳とか……ッ! ナメてんのか、おらァ!?」

「お、落ち着けキャスター……! いつも以上に壊れているぞ!?」

 

そんな少しはっちゃけた主人と従者の光景がカウンターの中で繰り広げられているが、今はあまり関係がなく、先程までうんうんとしていた志貴とアルクェイドも誰か分かったらしく目を見開いている。

そして他の面々も色々と驚いている中、女性はピースサインをしながらも、

 

「大変お待たせいたしましたぁ! 今日も元気なみんなのアイドル! 魔法少女マジカルアンバー! ここに推・参!!」

 

バーン! と決めポーズをしてそう語る女性、いや、マジカルアンバー……。

魔法少女という単語にシホが少しトラウマ的な表情を浮かべながらも、

 

「な、なんでよ……」

 

久しぶりに若かりし口癖を呟くのだった。

 

「というか琥珀さんだよな!?」

 

志貴がそう言ってマジカルアンバーに叫ぶ。

だが、マジカルアンバーははてな?という表情をして、

 

「……はて? 琥珀とは誰のことでしょうか?」

「え? 琥珀さんじゃない、のか……?」

「おそらく人違いでしょう。私はこの世界の人間ではありませんからー」

 

その一言に平行世界という概念を知っているシホ達やサーヴァント、事情を知っているなのは達は目を見開く。

どこかで『これも特異点世界の影響か……?』という場に合わない真面目なセリフが聞こえてきたが、そんな真面目空間など吹き飛ばすものだとマジカルアンバーがほうきをブンブンと振り回しながら、

 

「私はこことは別の平行世界からやってきましたー。私にかかれば平行世界などたやすく移動できますからいくらでもどこまでもいけますよ~」

 

それを聞いて思わずシホと士郎ががくりと膝と手を地面につく。

 

「そ、そんな……大師父でもあるまいし、そんな簡単に平行世界を行き来できるなんてぇ……私ですらまだまだ自由にいけないのに……ッ!」

 

シホの表情はかなり泣きが入っている。

士郎も泣きはしないが、落ち込みようは半端ないほどであった。

 

「なにかわかりませんが、傷つけたなら謝りますよ? 責任は負いませんが。あはー♪」

「琥珀さんだ……、琥珀さんがいる……」

「やっぱり性格は使用人そのものよねー……」

 

マジカルアンバーは愉快に笑う。

志貴とアルクェイドは少し呆れの表情をしていた。

だが、そこで今まであまりの事態に固まっていた他のメンバーも起動し始める。

 

「そ、それでマジカルアンバーでいいんか? ここ機動六課に何しに来たんや……?」

 

機動六課代表としてマジカルアンバーにそうはやてが話しかける。

だが、返ってきた答えは、

 

「何をおっしゃいますか? 貴女方が私を呼んだんじゃないですかー」

『は……?』

 

全員がその場で首を傾げる。

まったく身に覚えがないからだ。

だがマジカルアンバーは陽気に笑いながら、

 

「私は分かっているんですよー? ちゃんと『暇』という言葉を聞いてこの場にやってきたんですからー。あはー♪」

 

それで全員が思い至ったのかはやてに白い視線を送る。

 

「わ、私のせいやないやろ!? ま、まぁ暇だーって言ったのは確かやけど、それでもみんなも頷いていたやんか!」

 

はやての必死の言葉に全員は視線を逸らす。

みんな、結構な薄情者である……。

そんな機動六課事情はいいとしてマジカルアンバーは笑顔を浮かべながら、

 

「そんな皆さんに朗報ですよー。私がそんなみなさんの暇をつぶしに参りましたー!」

「へー……どんな事をしてくれるんだ?」

 

ランサーがそう言って『つまんなかったらただじゃおかねーぞ?』という視線を少し好戦的に投げかける。

 

「も、もう……ランサー、そんな睨むような態度をとっちゃダメだよ!」

 

フェイトがそう言ってランサーを嗜める。

 

「いいえー。構いませんよ。ですが、それにご期待できるように遊びを提供するのが私の使命ですから。お任せ下さい!」

 

そう言ってマジカルアンバーは着物のたもとをまさぐりだす。

そして取り出したのは、なぜかきのこのマークが描かれている白いツボ。

 

「……これは?」

「はい。これは『笑いのツボ』と言いましてぇ、ここから出てくる煙を吸うと笑いが止まらなくなる一品ですよ!」

「なんか、嫌だな。それ……」

 

ヴィータがそう判断する。

 

「なぁ、それってどこまで笑えるんだ……?」

「そうですねぇ……吸う量にもよりますが、幻覚が見えて悶え苦しむまで続けられますよー?」

「もうそれ麻薬じゃねーか!? 却下だ! 却下!!」

 

再度ヴィータがバンバン!とテーブルを叩き、笑いのツボを却下する。

 

「そうですかー? 笑えば幸せになれると思うんですけどねー……。仕方がありません。では次は……………」

 

そう言ってゴソゴソとまたまさぐるマジカルアンバー。

それを見ていたティアナはふと(あの中ってどれくらいものが入っているんだろう……?)というくらいには不思議な光景だったと後に言う。

 

「お次はこれですねー」

 

お次に取り出したのはなにやらボタンが一つ。分かりやすく『押すな』とまで書かれているではないか

そして、それを見てなのはが思わず身の危険を感じて体を震わせる。

 

「あ、あの。マジカルアンバーさん……そのボタンってもしかして押すとなにか爆発とかするんですか……?」

「あー、まぁ、爆発はしますね。そして副産物で周りにいた人全員の中身(魂)がランダムに入れ替わりますから結構取り返しがつかなくなりますねー」

 

笑顔でそんな事をのたまうがとんでもない。

そんなことをされたら本気で取り返しがつかなくなるではないかということでまた却下されるのであった。

 

「ぶー……みなさん、欲張りですねぇ。でしたらなにがいいんですか?」

 

頬を膨らませてぶー垂れるマジカルアンバー。

 

「それじゃ全員で遊べるものはなにかないのかしら……?」

 

シホがそういう提案をしてみる。

するとマジカルアンバーの表情がまるで空気を得た魚のように笑顔になり、またまさぐり出す。

そして取り出したるは四角いケースに入れられているボードゲーム。

 

「ジャジャジャーン! 今回取り出したるはボードゲーム! 名前を『人生に影響があるゲェム』! 略して『影響ゲェム』ですよー!」

「そこは『人生ゲェム』じゃないのかな……?」

 

すずかがそう呟くが詮無きことである。

それにそこで見ていたヴィヴィオとツルギが『みんなで遊べる』という事で随分乗り気になっている。

 

「ねぇ、なのはママ! ユーノパパ! これやろう! すごく楽しそう!」

「うん、ヴィヴィオちゃん。士郎パパ、やってみない!?」

「まぁ! 気に入っていただけて、マジカルアンバー、感激ですよー! それではやってみますかー?」

「「うん!」」

 

ヴィヴィオとツルギの二人は素直に頷くのであった。

それで周りで見ていた一同も二人が楽しそうなのに断るのも無粋だろうと思ったので、

 

「……仕方がない、か。少し危険な匂いがしなくはないけどやってみましょうか」

「そうだな、シホ。なにかあれば破壊すればいいのだからな」

 

シホと士郎がそんな事を言っているが、影でマジカルアンバーが不敵に笑うのは誰も気づかなかったのである。

そして後に後悔することになる。このゲェムをやってしまった事を……。

 

 

 

◆◇―――――――――◇◆

 

 

 

そしてやるメンバーと見学するメンバーが決められていく。

まず、見学するメンバーはお腹になにか影響があったらたまらないということですずかとフィアットが見学。

それ以外にもアルトやルキノ、シャーリー、ヴァイス、アインスは見ている方が楽しいということで見学になる。

そしてやるメンバーは、

シホ、なのは、フェイト、はやての隊長組。

アルトリア、ネロ、ランサー、ライダー、オリヴィエ、アルクェイド、志貴、キャスターのサーヴァント組。

士郎、ヴィータ、シグナム、シャマル、ザフィーラ、リインの八神家組。

スバル、ティアナ、エリオ、キャロ、ラン、レンのフォワード組。

ヴィヴィオ、ツルギの子供組。

特別ゲストのユーノの総勢27人という大人数フルメンバーという事になった。

 

そしてジャンケンがされて最初にルーレットを回すのはアルクェイドになった。

 

「やったー! いっちばーん!」

 

ランラン気分でアルクェイドは影響ゲェムのルーレットを回すのであった。

そして出た数字分マスを進める。

そしてついた場所の文字を読む。

そこには、

 

 

 

―――『ゲームが終わるまで全休み』。

 

 

 

「え………?」

 

アルクェイドの間抜けな声が聞こえた。

次の瞬間、なぜか発動していないはずなのに宝具・千年城ブリュンスタッドが発動する。

 

「え? え? 私、発動していない………!?」

 

全員が困惑する。当然アルクェイド自身も困惑するが落ち着く前に鎖が伸びてきてアルクェイドを縛り上げて玉座まで強制的に持っていかされて眠りにつかされる。

アルクェイドの「くぅ……」という可愛い寝息が聞こえてくるのであるから完全に寝に落ちたのは言うまでもない。

 

「あ、アルクェイドーーーッ!?」

 

志貴の叫びが木霊する。

 

「こ、これって一体……!?」

「あ、言っていませんでしたね? これは止まったマスに書かれていることが実際に起きるゲェムですよ」

『実際に……!?』

「あ、ご安心を。殺生事は起こりませんので~。それに付け足しますとこのゲェムは始めたら誰かがゴールするまで途中で止める事はできませんから~。あはー♪」

 

そのマジカルアンバーのセリフに一同は思った。

 

(悪夢のゲェムだ!)と……。

 

 

 

 

 

それで全員は手を止めているが、次の出番はユーノであったが、どうしても進める気にはならなかった。

だが、このゲェムの怖さはここから始まる。

そう、勝手にルーレットが回りだしたのだ。

 

「ルーレットが勝手に!?」

「これも伝えていませんね? 一定時間回さないと勝手に回りだしますよ~」

「な、なんだって!?」

 

そしてユーノが止まったマスにはこう書かれていた。

 

 

 

―――『角に指を100回ぶつける』。

 

 

 

「……………」

 

内容にユーノは絶句する。

しかし、勝手に体が動いて角際まで動いてしまう。

そして始まるユーノの悲劇。

 

「一回……ッ! グッ!? 二回、ああっ!?」

「ユーノ君!」

「ユーノパパ!」

「兄さん!」

 

なのは達の声がユーノ以上に悲壮感に包まれている。

そして次の出番はアルトリアであった。

 

 

 

「くっ……! 次は私ですか。仕方がありません。見事やり遂げてみせましょう!」

 

表情を引き締めてアルトリアはルーレットを勢いよく回す。

内容は、

 

 

 

―――『二日間、絶食』。

 

 

 

「……………、ゑ………?」

 

その内容にアルトリアは顔から表情が消える。

周りのみんなもあまりの内容に顔を逸らしてしまうほどに……。

まさにアルトリアにとっては地獄の内容であった。

どこからか『絶食でござるー!』という天の声が聞こえてきたが、さて……誰の声だったのだろうか?

……結果、アルトリアは精神的リタイアと相成った。

近くのテーブルにまで身を預けて一人密かに泣き出しているではないか。

そして今だにユーノの「50回……ッ! もう、嫌だーーー!」という声が聞こえてきていてみんなのテンションを大いに下げてくれる。

 

 

言っておくがこれはまだただの一巡目の途中である。

地獄はこれからだ。

 

 

 




今まで温めてきた話をついに書き起こしました。
後編ではもっと笑わせますよー。




それではご意見・ご感想・誤字脱字報告をお待ちしております。

では。
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