では、どうぞー。
それから一時、自宅に帰宅したシホ達は大切なお話があるという事で桃子に相談していた。
そしてシホがなのはの横で黙っている間になのはは桃子に最後までやり通したいと言う覚悟の言葉を伝えた。
シホもなのはの補助をしたいという事で話を通した。
無論、魔法関係の話はしない方向で。
桃子はそれを聞いて少し涙を流したが二人の決意を聞いて快く送り出してくれた。
そしてなのはは着替えやその他をリュックに詰め込んで先に外に出ているとシホに伝える。
まだ家の中に残っていたシホは同じく着替えと、切り札である宝石剣をリュックに詰めてもう一度桃子のところに向かった。
「シホちゃん…」
「桃子さん、心配しないでください。なのはと二人で最後までしっかりやってきます」
「無茶だけはダメよ? なのはもそうだけどもし怪我でもしたら許しませんからね?」
「はい。でも無茶はしないっていうのはなのは共々保障できないかもしれないので誠心誠意努力します」
「そう…」
桃子の悲しみを秘めた顔をシホは和らげるために腰に抱きついた。
「いってきます………お母さん………」
「えっ…?」
「な、なんでもないです! それじゃなのはも待っているので…! 今度こそいってきます!」
顔を赤くしながらシホは玄関へと駆けていった。
桃子はしばし呆然としていたが「いってらっしゃい…」と言って涙を流していた。
◆◇―――――――――◇◆
Side シホ・E・シュバインオーグ
私達がアースラに再び戻り会議室にクルー全員が集められた。
そこであらためてこれからジュエルシードの捜索をリンディさんは宣言した。
その後に私達の自己紹介が行われていた。
ユーノとフィアはやっぱり管理局を知っているあたり少し緊張気味だけど、逆になのははというとはきはきしながら挨拶をしていた。
「そして最後の一人…もうクルー全員は知っていると思いますが次元世界ではなく並行世界というまったく違う異世界から来たという魔術師の…」
「シホ・E・シュバインオーグです。正確には魔術師というより魔術使いという方がしっくり来ますが、これからよろしくお願いします」
私が社交的に挨拶をして愛想笑いを浮かべた。
するとクロノを含めた男性職員達が全員顔を赤くした。
それに女性職員が「ムッ!?」といった感じで男性陣を睨んでいた。
はて、なぜだろうか…?
「フィア…シホってやっぱり天然だね」
「でもそこが素敵なのよ」
「シホちゃんの笑顔には誰でも敵わないよね~?」
はて…? やっぱり笑顔はそうとうダメなのかな?
リンにも言われたけど別に普通に笑っているだけなんだけど…。
「おっほん! それでですがジュエルシードの回収はこの四名を中心に行っていきますのでサポートをお願いするわね」
『了解!』
それで会議は終了した。
クロノは参加しないのかという話を振ってみたけどリンディさんが代わりに「クロノは後のことを考えて温存させておきます」との事。
それからはアースラの中で暮らす事になったので一室を借りられることになった。
クロノに部屋へと案内をされている間、
「そうだ。シホ、少しいいか?」
「ん? なに、クロノ?」
「なのは達は魔導師としてもう実力は知っているけどまだ僕達は君の実力を知らない。
だから模擬戦をしてもらいたいんだ。もちろん訓練場でだけど仮想敵を数体出現させるけど構わないか?」
「別に構わないけど…なにか裏はないわよね?」
「ないぞ?」
「言ったわね。その言葉を今は信じておいてあげるけど裏切るようなら呪いをかけるからそのつもりで…」
「呪いって…一体?」
クロノが顔を青くしながら聞いてきた。
だからイリヤの使える魔術の知識の中で適当に使えるものを色々吹き込んでおいた。
例えば「寝込むほどの熱を出させる」といった軽いものから始まり「魅了の魔眼で体を動けなくさせる」や「意識を無機物に移し変える」といった本格的なものまで。
「シホちゃんって…そんな怖い魔術も使えるの?」
「ええ。本来魔術はこういった陰湿なものがほとんどよ。
それと私は使えることには使えるけど経験と才能が少ないから失敗するかもしれないけど…」
「わ、わかった! 絶対に約束する!」
クロノの必死の表情で私は裏がないと確認してその件に承諾した。
◆◇―――――――――◇◆
Side クロノ・ハラオウン
シホが訓練室に入ったのを確認して僕達はエイミィがいるモニター室に入った。
なのは達にも入ってもらったのはシホについて色々意見を聞きたいからだ。
「それじゃシホちゃん。模擬戦を開始するけど準備は大丈夫?」
「はい。私はいつでも」
そう言いながらも彼女は赤いコートを羽織って待機していた。
「あのコートにもなにかしら魔力を感じるな。あれはなんなんだろうな…?」
「お姉様が言うにはあれは外側からの魔力を和らげる効果があるらしいです。確か名前は『マルティーンの聖骸布』って言っていました」
「…技術提供は等価交換で禁止されてしまったが彼女の武器庫というものを非常に見たくなった」
「僕もです。考古学者の端くれとしては実に興味があります」
「シホちゃんってなんでも持っているんだね」
「エイミィ、彼女等の話で今まで出てきた武装の名前を言ってくれ」
「はいはーい。
双剣を干将・莫耶。空を飛行できる靴をタラリア。すごい長刀の物干し竿。天の鎖。黒鍵。ロー・アイアス。カラド・ボルク。そして最後にゲイ・ジャルグだね」
モニターに映し出されたそれぞれの武装を確認しながらエイミィが順に名前を言ってくれる。
「しかし、これだけ多様な種類の武装を使いこなせている彼女はかなりの強さを持っているんだろうな。
魔術回路というものは今のところ推定で最高AAA+ランクでリンカーコアはSランク。
非殺傷設定がない分、敵だったらと思うとゾッとしてしまうな」
「そうだねぇ~。さてそろそろシホちゃんも痺れを切らしているようだし開始しようか」
エイミィが色々操作して訓練場に計30体くらいの魔導兵器である兵隊を仮想召喚する。
「それじゃシホちゃん。開始するよ」
「わかりました。それじゃ――
シホが魔術回路を開いたらしい。
計測値が一気にCにまで膨れ上がる。
「始め!」
エイミィの合図で魔導兵器達は一斉にそれぞれの役割の配置に着いた。
ある奴は剣や槍を構えた近接タイプ。
またある奴は魔導師の杖を構えた中距離タイプ。
そしてある奴は後方で魔力をためている遠距離タイプ。
他にも空を飛んでいるものもちらほらと見られる。
…ふむ。これはおそらく近接から中距離タイプのシホには手を折る奴も何体かいるだろう。
シホも鋭い鷹のような目で全員目視したらしくその手にまずは黒鍵という剣としては扱いづらそうなものを両手に指の隙間に挟んで計6本出現させる。
牽制のつもりだろうか?
あんな細い剣では切りかかっても防がれるのが落ちだろう?
だがシホはその期待をいい意味で裏切ってくれた。
手に持っている黒鍵をすべて近接タイプの奴に向かって投擲したのだ。
普通なら兵器達の頑丈な鎧で防がれるだろうが前衛三体の奴等が防御したのにもかかわらず二本ずつ貫通してその場に崩れ落ちた。
「なっ!? 今のはなんだ!?」
「あれはお姉様の純粋な投擲技法だと思います。私もまだ名前は教えてもらっていませんが…」
「今のがただの投擲!? 一応下位だがバリアジャケットに迫るものなんだぞ!」
僕がそういっている間にもシホに向かって中距離、遠距離からの攻撃が連続で発射されシホのいた場所にすべて的中する。
そしてとどめとばかりに近距離タイプの奴が剣を振り上げその場で佇んでいるだけのシホに振り下ろした。
それで終わりかと思ったが振り下ろされる直前でシホの姿が霞のように掻き消えた。
幻影かと思った次の瞬間には敵の後方で爆発音が何度も響き渡る。
見れば遠距離タイプの敵をすべて双剣で切り伏せていた。
「い、いつの間に!」
すべて切り伏せたシホはまたその場から消えた。
魔導兵器達はそのシホの行動で起こった爆発による粉塵により混乱していた。
「あれがお姉様の本気の『縮地法』…! 残像まで残すなんてすごい…」
「君はあれがなにか知っているのか!」
フィアットは「はい」と答え、シホに教えてもらったという『縮地法』と『瞬動術』の内容を聞かされた時には頭が一瞬だが真っ白になった。
それだけシホは事武術に関しては二流だが奥義というものを使えるほど修練したということになる。
フィアットもシホの手ほどきで瞬動術をまだ荒削りな状態だがもう使えることに僕は驚きを隠せなかった。
それともう一つ『浸透勁』というものも教えてもらったけど…これはもう笑うしかなかった。
軽装だがフェイトという少女のバリアジャケットを無視して直接体に衝撃を与えたという。
…ちなみにフィアットの補足としてなのはの母親以外の家族は御神流という流派を扱うらしい。
それでほぼすべての技にこれと似た技法を取り入れていると聞いた時には、その事を知らなかったらしいなのはは「お父さんやお兄ちゃん達って…」と言って涙を浮かべていた。
それで僕も地球にある魔法以外の技術に興味を持ち出していたのが本音だ。
「そろそろ決めるわよ…!」
シホのその一言がもう既に十体以下になった敵兵に向かって投げかけられる。
「
『なっ!?』
全員の言葉が驚きで飾られる。
それはそうだろう。僕だって未だに信じられないと頭で思っているのだから。
シホの周りには十を越すほどの様々な形の剣が、いや中には槍とかなども含まれている。
「
それらがシホの最後の詠唱らしい言葉によって一気に放たれた。
それで残っていた敵兵は成す術もなく剣群によって蹂躙された。
その時のシホの魔術回路の計測値がA+だけというのにももう驚きしかない。
そして模擬戦はシホの快勝という結果で終わりを告げた。
「滅茶苦茶だな…」
僕のその一言がモニター室にいた全員に届いたようで頷かれた。
◆◇―――――――――◇◆
Side シホ・E・シュバインオーグ
…うーん、宝具を見せないように技術だけで戦闘を終わらせたけど最後の
とりあえず回収されても困るので始まってから最後まで使った武器達を消した後、
「エイミィさん、これで終了ですか?」
「…え? あ、うん…お疲れ様。もう戻ってきてもいいよ」
「はい」
私が訓練室から出てくるといの一番にフィアが抱きついてきた。
「お姉様凄すぎです! あんな魔術も使えたんですね!」
「シホちゃん、すごかったよ!」
「まったくだな。さすがに最後のには予想もつかなかったぞ」
クロノがその後ろから呆れた顔をしてそう言ってきた。
ま、そうだろうけど…
「何言っているのよ。最後のはなのはが使うディバインシューターやフェイトのフォトンランサーと同じようなものでしょう?」
「威力を無視すればな…あれも呼び出して一気に放つものなのか?」
「そうよ。あれを使えるようにするには昔はかなり苦労したからね」
「そうだろう。もし簡単に使えるようになったとか言ったら殺意が沸いていただろうからな」
「そう。あ、それで私の評価だけど…」
「ああ。文句の付け所はないさ。これからよろしく頼む」
「うん、よろしく」
それでクロノと握手を交わしたけど何故かクロノはその後にエイミィさんと一緒にどこかに消えてしまった。
なにかあったのかな…?
◆◇―――――――――◇◆
その後、アースラを拠点として私達はジュエルシードの回収に専念していた。
現在アースラに来てから二つ入手して9個…今はなのはとユーノ、フィアが三つ目の回収作業に入っているので計10個になる。
そしてフェイトの方も動いているようで二つ奪われている。
おそらくこれで4個あちらに渡っていることになる。
私が一つ破壊してしまったので合わせて14個…よって残り6個…。
だけどその残りは居場所が掴めずにいて目下捜索中である。
私はというと今はクロノ達と時空管理局のデータでフェイトについて調べている最中。
「フェイト・テスタロッサ…かつて大魔導師と言われたオーバーSランクの魔導師と同じファミリーネームだ」
「大魔導師…?」
「ああ。君はフェイト・テスタロッサとその使い魔に戦闘以外で接触した事があるっていっていたね」
「ええ。それで少しだけ話して分かったことは、
一に、フェイトはジュエルシードを集める事だけに執着している。
二に、どう使うかとかはきっと考えていない。
三に、背後でフェイトを動かしている黒幕がいるということ。
…その三点ね。私がわかった事は…それでその大魔導師っていう人の名前はなんていうの?」
「プレシア・テスタロッサ…かつてミッドチルダ――僕達の世界のことだが――の中央都市で魔法実験中に次元干渉事故を起こして追放されてしまったんだ」
「追放、ね…」
そしてプレシア・テスタロッサのプロフィールを見ると26年前にあるプロジェクトの主任を任されたが、そのプロジェクトで致命的事故を起こしてしまい、「プレシア・テスタロッサが違法手段・違法エネルギーを用い、安全確認よりもプロジェクト達成を優先させた」と記載されている。
だが事故の際にプレシアは娘のアリシア・テスタロッサを失い会社を告訴したらしい。
その裁判の結果、娘の賠償金を支払う事で告訴は取り下げられ裁判は終結した。
「資料はこれだけ…。これじゃプレシアはなんの目的でフェイトにジュエルシードを集めさせているのかわからないわね?
それに26年前ってことは、フェイトはその後に生まれたって事になるけどその後の足取りが不明じゃどうしようもない。
今のところはお手上げね…」
「それに関してはどちらかを捕まえて吐かせるしか情報はないな」
「でもフェイトはおそらく捕まえてもなにも話さない…いや、話せないと思う。
おそらく理由はなにも聞いていないと思うから」
「だろうね。それじゃやっぱりプレシア逮捕を優先した方がマシという事だな」
「まだまだ謎が多いということね」
それで話し合いはなのはが帰還したことで終了した。
それから十日間が過ぎた。
なのは達は食堂でお互いの身の上話をしているようで中々コミュニケーションを取れているようだ。
特になのはとユーノが見た限りいい雰囲気でフィアが少し居心地悪そうにしている。
そして私はというとリンディ茶(命名)を阻止すべく甘味を作っていたりする。
ついでにいうとここ数日で食堂関係者にここで働かない? という相談が何度も交わされているのでまいっていた。
とりあえず今回は月餅とその他に軽い栄養素のある食事を作ることにして、まずリンディさん達スタッフがいるブリッジに持っていって、その後に待機中の魔導師の人達の場所に持っていった。
「ありがとう、シホちゃん。これで元気が出たよ」
「そうですか。それじゃいざという時には頑張ってください」
『おう!』
魔導師の人達が元気よく返事をしたので私は「それじゃ」と言ってなのは達の所に向かった。
◆◇―――――――――◇◆
…シホが待機場所から去っていった後、魔導師達は、
「あの娘は将来とてもいいお嫁さんになるだろうぜ?」
「あ、やっぱりそう思うか。それに魔導師適正がすでにSランクだっていうからもし管理局に入ってくれるんなら、なのはちゃん共々有名になるだろうな」
「…しかし話で聞いたが世界から居場所を無くしてこの世界に来たっていうじゃねーか。
あんな将来有望で可愛い娘に追っ手を出してまで殺そうとするなんてその世界は相当腐ってやがるな」
「ほんとだぜ!」
「もしシホちゃんの魔術師の能力が原因でなにか上のやつらが動く事があったら徹底抗議してやろうぜ!」
「それはいいですね」
密かにシホを守る会が発足していたりするのは余談である。
もしシホの真実を知ったらどうなる事だろうか…?
だがその時、アラートが鳴り響き魔導師達はさっきの件で元気な為、いつでも出られるように待機するのだった。
◆◇―――――――――◇◆
Side シホ・E・シュバインオーグ
私達は食堂で話をしている時にアラートが鳴り響いたので急いでブリッジに向かった。
ブリッジに入ったらモニターに映し出されている光景に驚いた。
そこには海上の上で竜巻と戦っているフェイトとアルフの姿があったからだ。
「クロノ、状況は?」
「…海上で強力な魔法を使って海に落ちていたジュエルシードをすべて発動させたらしい。
しかしこれは無謀だ。いくら発動させたからといって封印できるかは分からない…実際、彼女等は起こっている竜巻に四苦八苦している」
「それじゃすぐにフェイトちゃんを助けに…!」
「いえ、今回は待機を命じます」
「どうしてですか!?」
なのはが反論するが私は真意がわかるまで手を出さない事にする。
だけどそれは予想通りで思わず歯軋りをした。
「その必要はないよ。放っておいても自滅する。
仮にしなかったとしても、消耗したところを叩けばいい」
それでなのはの顔は絶句に染まった。
その間にもフェイトのサイスフォームが切れ掛かっていて、アルフも雷に拘束されていく。
「残酷に見えるかもしれないけど、私たちは常に最善の方法を取らないといけないの。分かって…」
「でも…!」
「確かにリンディさんとクロノの選択は正しいかもしれませんね…」
「シホちゃん!?」
なのはがこちらを向いて「どうして…」という顔をするが、私は話を続ける。
「でもそれで納得して、と言われても今最悪の場合死んでしまうかもしれない命が目の前にあるというのに放っておくことはできません」
…そう、かつてもう目指すことは敵わないけど『すべてを救う正義の味方』を目指していた私には納得できないことだ。
そして今は『大切な者達を守れる正義の味方』というものを必死に行っている。
そう、私の中ではもうフェイトとアルフも“私の大切な者達”…見捨てるなんて、今の私の選択には含まれない!
「なのはは今どうしたい…? フェイトの事を助けたいんでしょ。それは私も同じ気持ちよ…」
「シホちゃん…うん、私はフェイトちゃんを助けたい!」
「決まりね。リンディさん、いえリンディ艦長。今この場で等価交換の条件の内“ある程度はこちらで判断して行動する権利をもらう”を発動させてもらいます」
それでブリッジ内は騒然となったが、
リンディさんが一つ深い溜息をついて、
「…正直に言えば今でもあなた達を引き止めたい気持ちで一杯です。
それでもあなた達は行くと言うでしょう。わかりました。エイミィ、転送をお願い」
「艦長、いいのですか!?」
「私はシホさんとの約束は破りたくありません。
でも一つだけ条件があります。…無事に帰ってくること。いいですね?」
『はい!』
「ついでですからクロノ、あなたも行って来なさい。監視役を命じます」
「了解です」
…そしてブリッジを出ようとするが一度足を止めて、
「リンディさん、我侭を言ってすみません…」
「いいわよ。あなたの過去の話でこうなる事は予想していましたから。でも言葉の責任は重大ですよ?」
「わかっています。もう何度も過去に苦渋を味わってきましたから…それではいってきます!」
私はそれでブリッジを後にした。
シホ達が立ち去った後、
「…よかったんですか、艦長?」
「ええ。シホさんはクロノと同じく頑固だから言っても無駄だと思ったから」
「あはは…確かに二人は似ているところありますね」
「さて…では本艦はいざという時に備えて待機をします! 各員はいつ何が起こるかわかりませんから逐一報告を頼みます!」
『了解!』
◆◇―――――――――◇◆
Side フェイト・テスタロッサ
いけない…!
ジュエルシードを発動するだけに魔力を使いすぎて封印作業が出来ない!
アルフも雷に拘束されていて身動きが出来ないでいる…。
さらにもうサイスフォームも保てる程魔力が残っていない…!
これでお終い…?
母さんの笑顔が見られない…!
母さんの望みが叶えられない!
私は、こんなところであきらめたくない!
ああ…でも無常にも私の周りには竜巻が押し寄せてきた。
こんな時、あの白い子とフェレット達…そしてシホは助けにきてくれるだろうか?
でも、さすがにそれは無理かと…諦めかけ目を瞑って最後を待った。
だけど…!
「はあぁぁぁーーーッ!!」
あの子の声が、シホの声が聞こえた。
◆◇―――――――――◇◆
Side シホ・E・シュバインオーグ
私はタラリアを履き、手にはゲイ・ジャルグを持ちフェイトを襲おうとしていた竜巻と雷を切り払った。
やはり一時的なものらしくすぐに復活してきたがどうということはない!
「ユーノ、フィア…そしてアルフも協力して! なのはとフェイトはジュエルシードの封印を最優先に!」
「シ、シホ…!」
「話は後で聞いてあげる。だけど一ついえることは…なのは!」
「フェイトちゃん、助けに来たよ!」
「助けに…?」
「そういうこと! 封印、頼んだわよ!」
私はそう二人に告げて迫ってくる竜巻をゲイ・ジャルグでことごとく切り裂いていった。
ユーノ達もバインドで足止めをしてくれている。
後はあなた達次第よ…なのは、フェイト!
そしてしばらくして、なのはとフェイトとの会話が終了して二人はそれぞれ杖を構えて、
「ディバイン・バスター!!」
「サンダー・レイジ!!」
二人のフルパワーの力で海上は盛大に荒れたが6個のジュエルシードは暴走をやめ空中に浮いてきた。
しかし、やっぱり二人の出力はすさまじい…。
そしてなのはがフェイトに向かって、
「友達に、なりたいんだ…」
なのはがフェイトに思いを告げた。
それでなんとかなろうとした途端、空から無粋にも雷光が降り注いできた。
それにフェイトが「母さん!?」と怯えにも似た声を上げる。
「ちっ…!」
私はタラリアを全開して二人の前に出て、
「
七つの花弁を投影してなのは達に降り注ぐ雷光をギリギリ防ぐ。
だけどやはりロー・アイアスは投擲に対しては絶対の防御力を持つけど自然干渉系には弱い…!
次々と降り注ぐ雷にアイアスがひび割れていき私の体にも流れ出す。
「ぐうぅぅぅ…っ!?」
「シホちゃん!」
「シホ…!」
「お姉様!」
うめき声を上げながらも私は必死にこの雷をどうにかできる宝具を検索する。
千鳥…いや、ダメだ…! これは一時的なものだから全部は防げない。
失敗した時の代償の下半身不随もいただけない!
どうしたら…!
しかしそこで閃く。
(そうだ! 千鳥とは効果は違うけど要は当たらなければいい!)
「
それで私が投影した宝具は二つ。
右手の方の一つは先程上げた『千鳥』またの名を『雷切』。
戦国時代の九州の武将、立花道雪が持っていた刀で落雷時の雷を切ったという逸話を持つ名刀。
そして左手には、由来では菅原道真の祟りで京都に多数の稲妻が降り注いだ時に、宮中に一匹の白狐が現れて授けたといわれる刀で、稲妻が落ちてきた時に、九条経教は腰に差していたそれを使い、稲妻の軌道を変えたといわれる名刀。
その名を『子狐丸』。
アイアスがまだ維持している間に、子狐丸に力を蓄える。
「切り裂け! 雷切!」
そしてアイアスを強制破棄して雷切で一本の稲妻を切り裂きながら子狐丸をかかげる。
「子狐丸よ! 雷の軌道を変えよ!」
真名開放とともに子狐丸が輝きだし私達に降り注ぐ稲妻はすべて軌道を逸らしていく。
◆◇―――――――――◇◆
Side リンディ・ハラオウン
…その後、アースラをも襲った雷は収まったけどそれと同時にフェイトさんの使い魔さんがジュエルシードを奪おうとしたがギリギリでクロノが間に入った。
それでも半分奪われてしまったけど全部奪われるよりはまだマシね…。
そしてフェイトさんは使い魔さんにすごい速さで連れてかれたが逃げる際に、
『シホ…フェイトを守ってくれてありがとう』
『ごめんね、シホ…』
といってその場から強制転移して逃げてしまった。
とうのシホさんは稲妻を防いだ代償としてかざしていた右手が黒く焦げていた。
それでもあの次元干渉の雷を防いだ事はすごいことだ。
それに今回また新しく見せた武装…『雷切』と『子狐丸』。
どちらも雷に対抗できる神秘が込められていたそうだけどまさか雷を切ったり軌道を変えたりしてしまうなんて思いもしなかった。
でもなにかのペナルティがやはりあったようでそのまま気絶してしまい呼び出していた全ての武装も強制的に消えた。
結果、シホさんは飛ぶ事が出来なくなり落下していったがクロノがなんとか両手でキャッチした。
うん、さすが私の息子ね。後で褒めてあげないと。
でもシホさんが目を覚ましたらなのはさん達共々、今回の件についてお説教をしてあげないとね。
今回オリジナルの宝具を二個出しました。
それではご意見・ご感想・誤字脱字報告をお待ちしております。
では。