【完結】剣製の魔法少女戦記   作:炎の剣製

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久々に更新します。

Twitterを見ている人はわかると思いますが現在艦これにはまっていてあまり書けていないという(爆。

でも、この話も今日の午後七時過ぎから書き始めたという……。

……と、ともかく、今回は幕間ですので少し短いです。

それではどうぞー。


第百八十話    『幕間 ミゼ・フローリアンの出世街道』

 

 

Side ミゼ・フローリアン

 

 

 

シホさん達機動六課が何かしらの新情報を掴んだのだろう、フェイトさんから通信が入ってくるなりシホさんは急いで機動六課へと帰っていった。

それを私は隊舎の外で見送りながら、ふと訓練場へと足を運ぶ。

そこでは様々な魔術の訓練光景が目に入ってくる。

時には属性による直接ダメージから始まり、自作したのであろうゴーレムを操って戦うものや、手から糸でも垂らして操作しているのだろう武器が空を行き交っている。

その中で特に目に入ったのがアリサさんが拳や足に属性ゆえの炎を纏わせてアサシンさんと武術による訓練をしているというもの。

アリサさんは昔からシホさんに師事を受けてきたこともあり、その格闘センスは魔術事件対策課の中でも1、2位を争うほどの腕前である。

アサシンさんもアリサさんの成長が嬉しいのか、たまにではあるが口元を綻ばせて、

 

「やりよるな、アリサ。儂の攻撃を訓練とはいえこう何度も受け流すとは………もう鮫島より強くなっているのではないか?」

「それが心の底からの言葉なら本当は嬉しいけどね、アサシン。でも、本当のことを言いなさい。あたしはまだまだだって、アサシンから一本を取るまではあたしはこの鍛錬は緩めないわよ!」

「くくっ、よかろう。ならば言わせてもらおう」

 

そう言ってアサシンさんはアリサさんの下段からの足による振り上げをその手で掴んで、まるでムチを打つようにアリサさんを一回空に浮かせてそのまま叩きつけた。

あれは相当痛そうだ……。

 

「あぐっ!?」

「まだまだだな。クンフーがなっておらん。昔に比べれば多少はよくなってきておる。だがまだまだこの程度で満足されては儂は師匠として許さんぞ」

 

アリサさんは肺から空気を吐き出した後に、少ししてから立ち上がり、汚れたところをパンパンと叩きながらも笑みを浮かべ、

 

「わかっているわよ、アサシン。だからもっとあたしを強くして! シホのように強くして!」

「その意気や良し。ほれ、まだまだやれるであろう?」

「当然よ! ついでにそのマスターをからかう根性を叩き直してあげるわ!」

「呵呵呵! 大口を叩きおる!」

 

そう言ってアリサさんはまたアサシンさんに挑んでいくのであった。

……これはまだまだ続きそうである。

これは、機動六課と合同捜査になったことを伝えるのは後でいいわね。

 

 

それから私は部隊長室へと戻り、今日の作業を軽く済ませてからロッテが淹れてくれたお茶が入っているポットが置かれていて触ってみるとまだ少し温かいのでそれをコップに注いで飲みながら一息つく。

思えば、ここまでやって来るまでに色々と苦労をしたわね……。

それで私はここ十年の出来事を回想し始める。

 

 

 

◆◇―――――――――◇◆

 

 

 

あの聖杯大戦が終わってから私は言峰綺礼の一味だったとして知っている内容はすべて告白した。

それも微々たるものでしかなかったけどね。

刑務所で暮らす半年の間に私はシホさんに何度も手紙を送った。

内容は色々であったけど、主にこれからの私に人生についてこう、悪い言い方をすればシホさんも利用していたという後ろめたい気持ちもあった。

だって、シホさんに魔術を習いたいと何度も手紙を送ったのだから。

ディルムッド様の言葉通りに私は人生前向きに考えて歩く速度ででもいい、けど少しずつでもいいから進んでいこうと思ったから。

そのためには私の唯一の取り柄である魔術は私を上のランクに上げてくれるには一番手っ取り早いと思った。

だからシホさんに師事をした。

それでシホさんは嫌な顔もせずに私が収監されている施設まで足を運んでくれて何度も魔術のイロハについて一から教えてくれた。

聞くにシホさんも昔は人に教えるなんて奢がましいと思うくらいに魔術師としてはてんでダメだったらしい。

その話を聞いて、率直な感想を私は言った。

 

「それって、冗談なの……?」

 

と。

でも、シホさんの過去の話を聞いていくうちにその話が事実だということを悟る。

そして改めて知る。

シホさんの異常性を。

元は男性だったという事実も相当にすごいものだけど、それ以上にこの世界に来る前までやってきた事を聞くとそんな些細なことなんて頭から過ぎていってしまう。

それはやはり聖杯戦争というものがきっかけで入った魔術の世界。

それから私の想像をはるかに凌駕するほどの経験をシホさんは繰り返していって、今の実力のシホさんにまで上り詰めたわけだ。

それを聞いて、私はまだまだ舐めていたな……と思った。

そしてそれくらい努力すれば才能がなくても強くなれるのだと思わせてくれた。

シホさんはある意味体現者なのだ。

戦闘者としては恵まれなかった体ながらも一生懸命努力をして未来の自分と戦えるくらいにまで強くなり、あの黄金のサーヴァントともやりあったという。

聞くたびにすごい!と思うことしばしば。

そんな中、シホさんは語る。

 

「ミゼさんには私みたいになれとは言いません。むしろなってほしくないです。私がたどってきた道は茨の道でしたから。真似するだけ人生を無駄にします」

「そんなことっ……!」

 

なんとか言い返そうとするが、そのシホさんの真剣な表情に言葉を詰まらせてしまった。

今思えばそこですでに私はディルムッド様との約束を無駄にすることろだったのだ。

言葉を詰まらせた時点でまだまだ私には覚悟が足りないのだということだから。

だから少し考えて言葉を発した。

 

「……確かに、シホさんのような人生を送ることは私にはおそらく無理だと思うわね」

「そうです。ですから……」

「だけど、それでも一生懸命努力する人生は悪いものじゃないわ。シホさんは今までの事を後悔はしていないのでしょう?」

「当然です。後悔などしてしまったら今まで切り捨ててしまった人達に対して最大限の侮辱行為となっていまいますから」

「なら後悔しないようにこれからを生きていきましょう? 私もシホさんの事は恩人として、そして師匠として尊敬しているんだから。だからこれからも後悔だけはしないでね。私も後悔しない人生を送れるように努力するから……」

「はい」

 

それでシホさんは笑みを作ってくれた。

よかった。

こんな私の言葉でもシホさんにはしっかり届いているのだと安心できた。

 

「ところで……」

 

そこでシホさんは話の切り替えとしてとある話を私に持ちかけてきてくれた。

 

「私、今はリンディさんやレティさん、他にも支援してくれる人を増やしていって、魔術事件に対応できる課を作ろうと考えているんです」

「え、それってやっぱり……」

「はい。これからは聖杯大戦で大師父が言ったように魔術師がどんどんと増えてくるでしょう。魔導師が中心のこの世界でそう言った未知の力と言ってもいい魔術に翻弄されている人を助けて救うんです。

そして、逆に魔術による事件を起こす輩も出てくると予測しています。ですから魔導師には対抗できなくとも、魔術なら魔術師を当てればより解決は出来ると踏んでいるんです」

 

そう、シホさんから相談を受けて最初、なぜ私に話を持ちかけるのかという疑問が浮かぶ。

それから少しシホさんの話は続いていく中、私は意を決して話しかけてみた。

 

「ねぇ、シホさん。どうして私にこの話を持ちかけてくれるの……?」

「あ、そうですね。まずはそこから話をしないといけないでしたね」

 

それでシホさんは真剣な表情になりある話をしだした。

 

「正直に言えば私は部隊指揮とかには適性がないんです。小隊を率いるならできそうですが、それが限界だと思うんです。それに私はまだいまは小学生ですから……」

 

あ、確かにシホさんは実年齢はともかく今は小学生だ。

だから部隊を起こすにはさすがに無理があるわね。

けど、そんな話を私に持ちかけてくるということは、

 

「シホさん、もしかしてその構想段階の課を私に指揮してほしいとかは言わないわよね?」

「あ、よくわかりましたね。はい。まだ名前は決まっていませんがミゼさんには部隊長の場に立ってもらってこれから増えてくるだろう魔術師達を率いて欲しいんです」

「で、でも……そんな大仕事、私にできるの? 私は魔術以外はからっきしなのよ?」

「いえ、実はそんな事はないんですよ。前にあるテキストを幾度か受けてもらったことがありましたよね?」

「……? え、ええ」

 

そう、何度か管理局公認の適正テキストを受けたことがある。

でも、それがなんなのだろう?

 

「それを上の人達に見せたんですけど、ミゼさんの性格、収監施設でも絶えず積み上げてきた魔術の能力、ディルムッド・オディナを召喚、使役した能力……他にもありますがミゼさんは総合で見て部隊を率いる適性が高いことがわかったんです」

「私が、部隊指揮適性をクリア、していたの……?」

「はい。ですから収監施設から出所したら私の魔術修行と並行して指揮官部隊研修を受けてみる気はありませんか? ミゼさんならきっと立派な部隊長になれると思います」

「そ、そうかしら……? で、でも私なんかが……」

「ディルムッド・オディナとの約束を破るつもりですか?」

「ッ……!」

 

そのセリフでつい私はシホさんを鋭い目で見てしまったことは許されるだろう。

シホさんも申し訳なさそうな表情をしながらも、

 

「ディルムッドの事を出してしまってすみません。ですが、やる前から諦めるんですか? もう後悔はしないで前に進んでいくと決めたんでしょう? なら少しの可能性でもあるなら賭けてみませんか。あなたは期待されているんです」

 

私が、期待されている。

こんな犯罪者の私が期待されているのね。

魔術師としての腕も買われているのは確かにあるだろうけど、でも後ろ向きに考えてもまた約束を破ってしまいかねない。

なら後悔せずに少しの可能性にも賭けてみようかしら。

生きている限りは何度でも這い上がることはできるんだから。

それで私は考えがまとまって、

 

「わかったわ、シホさん。こんな私にも芽があるのならそれを育てていきたい。だからこれからも私を強くさせてちょうだい。どんな困難にも負けない強い心を身につけさせてちょうだい」

「はい。ミゼさんならそう言ってくれると信じていました」

 

それから私の部隊の隊長への道が開いた瞬間だった。

出所したら私は一生懸命勉強をして部隊指揮官研修を受けた。

そしたらなんと一発で合格できた。

それにはシホさんもすごく喜んでくれた。

 

シホさんもシホさんで様々な人との支援という名の交渉をしたらしく、下地はできていてすぐにでも魔術師を保護・育成・事件に対応する課、その名を『魔術事件対策課』が発足できる段階にまで出来上がっていたらしく、私はすぐに部隊長の座に収まっていった。

正直、こんなにうまくいっているのが不思議なくらいで最初の頃は夢ではないかと何度も思ったことだ。

でも、魔術事件対策課に入ってくる子達が増えていくうちにシホさんに教わった魔術の知識を私も教えることがいつの間にか出来るようになっていた事に驚くとともに、こんな私でもやればできるんだという自信にも繋がった。

そしてもちろんシホさんやアリサさん、すずかさん、士郎さんと言った知っている人達も魔術事件対策課の魔術師として入ってきてくれて、どんどん小規模だった魔術事件対策課も大きくなっていった。

もちろん私一人で処理できないほどに膨れ上がってきたけど、私と同じく部隊指揮官研修を受けているというアリサさんが私の手伝いをしてくれて私はとても部下に恵まれているのね、と実感もした。

そして、私は現在に至るわけだ。

 

 

 

◆◇―――――――――◇◆

 

 

 

ここまで上り詰めてこれたのもシホさん達のおかげだ。

私一人だけだったら何をしたらいいか未だに迷っていたかもしれない。

たくさんの助けがあって今の私があるのだ。

この感謝という恩を今度は私が、私に期待してくれた皆さんに返していけるように、もっと強くなろう。

そして今回のこの事件も合同捜査という形だけどシホさんにも恩返しできるチャンスだわ。

だから十全の体制で機動六課に協力して早くこの物騒な事件を解決しよう。

私の犯した罪はまだ洗い流せていない。

でも、ディルムッド様の言葉がある限り、私は踏ん張れます。

ですから、ディルムッド様……まだまだ未熟な私ですが見ていてください。

ミゼは、決して挫けないように、芯が通っている強い女になれるように頑張ります!

 

 

 




今回はある方のご希望でこの話を書く事になりました。

そんな簡単に魔術事件対策課はできたわけではありません。
いろいろな支援があって、聖杯大戦という事件もあったことが決定的として作られたわけです。
シホが裏で色々と動かなければもっと発足は後になったでしょうね。
こんな経緯を少しばかり今回は書いてみましたが、あくまでミゼが主役の話ですのでそこらへんの事情は語りません。
ですがそれでもミゼに共感できる部分があったら幸いです。



それではご意見・ご感想・誤字脱字報告をお待ちしております。

では。
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