【完結】剣製の魔法少女戦記   作:炎の剣製

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更新します。

今回黒幕登場します。

ではどうぞー。


第百八十三話  『黒幕、現る』

 

 

 

 

リオンはその聞こえてきた声に思わず体を強張らせる。

なぜそこまで脅えてしまうのか………。

それでリオンは脅えながらも眼鏡に指がいくのはさすがだろう。

 

「リオン? なんだい、そんなに脅えてしまって~………管理局の犬を倒したんだよ? もっと喜んだらどうだいッ!」

 

男は下卑た笑みを浮かべながらリオンに近づいてくる。

 

「モ、モリアさん………」

 

リオンに『モリア』と呼ばれたその男の姿は白衣を上に着ていて下にはなにやら鍛えているのだろうか…服がパンパンになっている。

太っているわけでもなく痩せているでもないそんな体型。

髪色は銀色でぼさぼさであり、瞳は赤。肌の色は少し白いので不健康そうに見えたりもする。

 

「リ~オ~ン? この二人を倒したことは評価してあげようか。だがね…俺様は少し気に入らないことがある。わかるかい? ええッ!?」

「ひっ!?」

 

下卑た笑みから急に表情を変えて狂気とでも言うように目を見開いてリオンにモリアは叫ぶ。

それに対してリオンはずっと脅え眼のままである。

モリアは脅えてしまっていて声もまともに出せない状態をいいように利用しようと考えたのだろう、誰が聞いているわけでもなく説明しだし始めた。

 

「ああ、リオン。俺様の()()()中では出来損ないながらも傑作の部類に入る少女。

お前はなぜ今回の戦いで予知能力と()()()を使わなかったのかね?」

「そ、それは………ッ!」

「俺様は確実にこいつらの息の根を止めろと命令したよなぁ!?」

 

静かに怒り出してからいきなり激昂したりと忙しい男である。

しかしそれでリオンはまた脅えてしまい黙り込んでしまった。

それを見てモリアは少し熱が冷めたのか冷えた表情になり、

 

「あー、あー………やっぱりお前じゃ無理かぁ。出来損ないのお前じゃなぁ~」

「ッ………!」

 

『出来損ない』という言葉に反応してリオンはモリアに対して反抗的な目つきをしてしまう。

だがそれがモリアの癪に触ってしまったのか、

 

「………なんだい、その目つきは? 反抗的だねぇ~。いけないねぇ~。でもー、そんなに反抗的な目ができるならまだ芽はあるのかね? そうだ! 俺様閃いたぞ!」

 

モリアは急に笑顔になり手を叩くとリオンに向かってある命令をする。

 

「リオーン、命令だ。最後のチャンスとして今度こそこいつらをこの場で殺せ!」

「ッ!!」

「できるだろう? お前ならねぇ。さもなくば………」

 

そう言ってモリアはその手になにか光るものを出して、それを指で挟んで『ギュッ』と握る。

それに呼応してリオンは胸を抑えて少しばかり苦しむ仕草をし始める。

 

「う、っう………」

「わかっているだろう。お前は俺様には逆らえないんだよ! さぁ、さっさと殺せよ!」

 

モリアが大声でそう命令する。

それに対してリオンの返答は、

 

「……………できません」

「………あ?」

 

拒否の言葉であった。

モリアもそれで間抜けな言葉を零すのだからリオンの言葉はそれほどに意外だったのだろう。

 

「できません……私にはやっぱりできません………!」

「俺様に逆らうのかい、リオン?」

 

モリアが静かに怒りを再発させてきながらもリオンは言葉を続ける。

 

「お願いです! スバルとティアだけは、見逃して下さい!!」

「ほう………で?」

「私に出来る事なら何でもします! 息の掛かった最高評議会の残りのメンバーを全員殺せと言うなら必ず殺して見せます!

機動六課の隊長達を殺せと言うのなら殺します! 此処に来た一般客を殺せと言うのなら殺します!!」

 

リオンの本心からの言葉。

スバルとティアナを心から大切に思っているからこその言葉。

しかし、それはあまりにも………、

 

「だから!……だからっ…………スバルと……ティア……だけは………だけはぁぁぁっ!!!」

 

と、涙を流しながら何度も土下座の姿勢で頭を下げ、スバルとティアナの命を懇願する。

モリアはそれで少し「ふむ………」と考え始めて、

 

「ふむ……確かに親友を自分の手で殺すのは少々酷だったか……」

 

とモリアは先ほどまでの態度を一変させて優しい笑みを浮かべ殊勝な態度を取る。

それにリオンは希望が通ったと喜びの表情をとる。

が、実際は違う。

モリアはリオンの希望を引き裂くことを言い出した。

 

「ではコイツ等は俺様が直々に殺すとしよう!」

 

笑みを浮かべながらそんなことをのたまうモリアにリオンは脳が理解できなかったのか「え………?」と声を出す。

理解できなかった、理解したくなかった、でも目の前の男、モリアはそう言ったのだ。

それは真実でその手にどこからかナイフを取り出しスバルとティアナの二人に向かって歩を進めるモリア。

 

「やだ……やめて! やめてください! お願い! やめて!!」

「もう無駄だよーん! 俺様の決定事項は覆らないのだ!」

「だめー!!」

 

リオンがモリアに向かって駆け出すがモリアがまたなにかのコアを握りしめるとその場でリオンは倒れて動けなくなってしまった。

 

「ぐぅっ!?………誰か、誰かスバルとティアを助けて! お願い!!」

「無駄だよ! もうこれでエンドだ!」

 

モリアがナイフをまずはスバルに振り下ろす。

が、その時に一筋の閃光が瞬いた。

それは一直線にナイフめがけて向かってきて振り下ろしている時だというのに見事に弾いて、さらにはモリアの腕も一緒に逆方向に曲げてしまっていた。

 

「ぐぁあああっ!? だ、誰だ!? このパークロード内には管理局の人間はこいつら以外はいないはず!!」

 

そこにはナイフの真ん中を貫いて地面に突き刺さっている矢が存在していた。

 

「矢、だと!? まさか、これは!」

「あ………!」

 

それでリオンは辺りを見回すがどこにも誰もいない。

 

「ええい! 約束が違うじゃないか! ならばパークロード周辺に配備しておいたキリングドールを全機起動して一般人を惨殺してやるよ!!」

 

そう言ってモリアは装置のボタンなのだろうスイッチを力強く押す。

それでキリングドールはまだ避難中の一般人を襲うはずだったのだ。

しかし作動はしたというのに何も起こらない。

どころか騒ぎすらも起こっていない。

これにはさすがのモリアも焦りの色を浮かべたのか、

 

「どうしてだい!? なぜ、動かない!」

 

そんな時だった。

モリアの顔の前にモニターが展開したのは。

そこに映し出された人物は何を隠そう機動六課部隊長である八神はやてだったのだから。

 

『あはは、やっと会えたんね。黒幕さん………? いえ、モリア・モルドレッドさん?』

 

はやては怖い笑みを浮かべモリアにそう話しかけた。

 

 

 

◆◇―――――――――◇◆

 

 

少し時は遡り、シホとなのははパークロードから少し離れた空の上にいた。

 

「シホちゃん、スバルとティアナは大丈夫かな?」

「なのはは二人の隊長さんでしょう? 二人を信じてあげなさい。いざって時には私も出張るから。それに、動いているのは私達だけじゃない。はやても今頃魔術事件対策課と連携して周辺一帯をサーチし終わっている頃よ」

「うん、そうだね。はやてちゃんはこんな時が一番怖いからね………」

 

二人はそんなことを話しながらもサーチャーでスバル達を観察していた。

そして二人はリオンと少し話して戦闘に入る。

 

「リオンさんは一般人は巻き込むことはしないのね」

「うん。まともな子でよかったね」

 

そしてティアナが真・ディバインシェイクバスターをリオンに叩き込む光景を見て、

 

「なのはの教えが実ったわね………」

「シホちゃんの教えの成果だよ」

「いやいや」

「でもでも」

 

そんな言葉の掛け合いをしながらもそれから状況が一変して二人はやられてしまった。

それになのはは「スバル! ティアナ!」と駆けようとしだすが、そこでシホの「まだよ!」という言葉でなのはは動きを止める。

 

「まだ我慢よ、なのは………。きっと黒幕が現れるから、私達はそこを狙うのよ。キリングドールははやて達に任せましょう」

 

シホの冷静な声でなのはも「うん」と頷いて状況を見守る。

そしてモリアと名乗る男性が出現する。

 

「シャーリー! すぐに検索してはやてちゃんに伝えて!」

『了解です、なのはさん!』

 

なのはの指示でシャーリーがすぐにモリアに関して検索を開始する。

その間にも事態は動く。

 

「あのモリアが握っているコアは………もしかしたら」

「うん、シホちゃん。多分あれはリンカーコアだよ」

「やっぱりね。リオンさんはあれで縛られているのね。となれば………!」

 

それでシホは弓矢を握り今にもスバルに振り下ろそうとしているナイフ目がけて矢を放つ。

そして着弾。

ナイフを貫き、モリアの腕も逆方向に曲げてしまう。

 

「さすがシホちゃん! 魔弾の射手の二つ名は伊達じゃないね!」

「褒めるのは後にして、いくわよ! なのは!!」

「うん!」

 

シホとなのははそれで空を駆けていく。

その間にもモリアがキリングドールを起動しようとかほざいている。

が、それももう遅い。

なぜかというと、

 

 

 

 

 

 

チリチリチリ………。

 

パークロードの東側ではキリングドールの残骸が辺り一帯に散らばっている。

その中心には志貴が黒衣を纏いながら立っていた。

 

「………ふん。動いていなければメカ翡翠すらにも劣るんだな」

「さっすが志貴ね!」

 

アルクェイドが一緒にいて志貴を褒めていた。

 

 

 

 

また、西側のある場所では、

 

「ふん! はっ!」

「やぁっ!」

 

『バカーンッ!』という音を響かせながらもキリングドールを拳で粉々に砕いているアサシンの姿があり、マスターのアリサも愛機であるヴェルファイアを振り回しながら切り裂いていた。

魔術事件対策課で今回はアリサとアサシンが援軍でキリングドールを粉砕していた。

 

「腕を上げたな。アリサよ」

「ふん。あたしにかかればこんなものよ」

 

 

 

 

 

そして南側ではライダーとラン、レン、エリオにキャロがいて、

 

「しっ!」

「シールドザンバー!」

「斬氷閃!」

「ブリッツスラッシュ!」

「フリード! ブラストフレア!」

 

ライダーが釘剣を放って次々と貫いていく。

レンがシールドザンバーで切り裂いていく。

ランがバルムンクを振るい氷の刃を放って切り裂く。

エリオが雷撃の斬撃を叩き込む。

キャロが命令してフリードが火炎を放つ。

 

「よし! 終了ですね」

「そうだね、レン!」

「私の隠密行動ににかかればこれほどの敵はたやすいですね」

「さすがライダーさんです!」

「後はスバルさん達が心配ですね………」

 

 

 

 

最後に北側では、

 

「おらぁ!」

「やっ!」

「紫電一閃!」

「おらぁ!」

 

一番キリングドールが多かったのだろうランサーにフェイト、シグナムにヴィータの隊長、副隊長陣が破壊していっていた。

 

 

 

 

なぜこれほどに早くキラードールの在り処を判明できたのかというと、それははやての広域スキャン魔法に加えて、前日からすでにダブルアサシン(志貴&李書文)にライダーの三人が張り込みについていたのだ。

霊体化していればサーチされないという利点を活かしてはやては指示を出していたのである。

 

 

 

◆◇―――――――――◇◆

 

 

 

そして現在に至るのである。

 

『さて、モリア・モルドレッドさん。あなたを逮捕するで?』

「ふん。この程度で俺様を逮捕する? 笑わしてくれるねぇ!」

『ずいぶん余裕やね。もう少しでうちのエース二人が到着するよ?』

「別に。それに今回はリオンが使えるか最後の試練を与えに来ただけなのだからな。それも失敗だ。よって、ここで死ね!」

 

モリアはそれでリオンのリンカーコアなのだろうコアを一気に握りつぶそうとする。

 

「ぐうぅっぅうああああああああっ!!」

 

それでリオンは尋常ではない苦しみの声をあげる。

だがモリアは気づいていなかった。

モリアの背後で倒れていたはずのスバルがゆらっと立ち上がっているのを。

そして、

 

「リオンになにをしているんだぁぁぁぁぁーーー!!」

 

 

――ⅠS、振動破砕発動――

 

 

「うぉりゃあああああーーー!!」

 

スバルの渾身の一撃がモリアの顔面にめり込む。

それで普通ならスバルのⅠSの効果で顔面破壊くらいはするものだろう、だが、

 

「ごぶべらぁぁっ!?」

「ッ! 感触がおかしい!?」

 

殴られたモリアは派手に吹き飛び、20メートル先まで吹き飛んだ。

だがそれでも小破程度でしかなかった。

 

「か~っぺ! ま…前歯欠けた…」

「嘘………。前歯だけ!? どんだけ頑丈なの!」

「くっ………よくも俺様の顔を。まぁ、いい。もうリオンはじきに死ぬ。それでは俺様も退散するとしようかね。そ、それでは諸君。ば~いば~いき〜ん、てな!!…あっまだ歯がイタッ」

 

そう言いながらもモリアの背中が開きバーニアが展開して空を飛行して逃げ出した。

 

「あ、待てー!!」

 

スバルが叫ぶがモリアは人が出すにはありえないほどのスピードを出して飛行していき、途中で転移魔法でも使用したのだろう、姿を消してしまった………。

 

「くっ! 取り逃がすなんて………!」

 

スバルが本気で悔しがっているところに、そこにシホとなのはが遅れて到着した。

 

「スバル! モリアは!」

「逃がしてしまいました。すみません………」

「いや、大丈夫よ。なのは、ティアナの方をお願い!」

「うん!」

 

まだ気絶しているティアナの方をなのはに任せて、シホは息が荒くなって今にも死にそうな顔になっているリオンを手に抱えて、

 

「きっとリオンさんはリンカーコアを抜かれていたのよ。そして先ほど完全には潰されなかったとはいえ命に関わってくるわ」

「シホさん! リオンを助けてください! お願いします!!」

「任せて!」

 

それでシホはその手に、

 

投影開始(トレース・オン)。是、破戒すべき全ての符(ルールブレイカー)

 

そしてシホは破戒すべき全ての符(ルールブレイカー)をリオンの胸に刺した。

するとリオンの体が光って先ほどまで青かったリオンの顔ももとの血色のいい顔に戻ってきて息も落ち着いてきていた。

 

「ふぅ………これで一応平気なはずよ」

「ありがとうございます、シホさん! よかった、リオン………」

「でも、一応シャマル先生に診せた方がいいわね。起きたらリオンさんから事情も聞きたいしね」

「そうだね、シホちゃん。帰ろう、機動六課へ」

「そうね。帰りましょうか」

 

黒幕の一人であったモリアは逃亡。

また事情を知っていそうな敵を逃してしまった。

でも、戦果はあった。

リオンを助けることができたし、今後は事情や内情も聞けるかもしれない。

また一歩だけ進んだことは確かなことであった。

 

 

 

◆◇―――――――――◇◆

 

 

 

『モリア。状況はどうなっている?』

「はっ。準備は順調。あなた様は後は宣戦布告するだけですよー? キリングドールの量産は俺様にお任せを………」

 

モリアは画面に映し出される人物にそう告げた。

 

『そうか。我らの悲願、今こそ果たす時だな。これからも頼むぞ、モリア。では私はこれで切る。なにかあったらまた報告を頼む』

「くくくっ。わかりましたよ~」

『ではな』

 

それでモニターは消える。

そしてモリアはまた下卑た笑みを浮かべながら、

 

「………そう、準備は順調。今のうちにその悲願とやらに酔っておけよ。俺様がお前を踏み台にするその時までな!」

 

モリアは邪悪に笑うのであった。

 

 

 




というわけでリオンはなんとか救いました。
次回は事情聴取ですかねぇ。
モリアはかなりぶっ飛んだ性格にしてあります。
でも、黒幕のさらに黒幕なのです。




それではご意見・ご感想・誤字脱字報告をお待ちしております。

では。
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