【完結】剣製の魔法少女戦記   作:炎の剣製

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更新します。

今回はシホとライダーの勝負です。

ではどうぞー。


第百九十話    『ライダーとの戦い、そして……』

ジグルドがクーデターを起こした時間帯にシホ達はサーヴァントの力を使えるカードで文字通り変身したライダーと名乗る女性と約100体くらいはいるであろうキリングドールを相手取っていた。

ギンガとネロがキリングドールの殲滅作業を行っていた。

だが、ネロはともかくギンガはキリングドールと戦うのは今回が初めてでありどう戦うかはその都度ネロに話しかけていた。

 

「ネロさん、キリングドールの対処の仕方を教えてください!」

「うむ、任された!」

 

それで複数いるキリングドールを横薙ぎに切り裂いた後、ネロはまずキリングドールの性能をギンガに教えた。

 

「聞くのだ、ギンガ。キリングドールは実弾を使用した銃と実大剣を使用してくる。

この魔導の栄えている世界では異様な兵装だ。

だから防御魔法になるべく頼らず回避に専念するのだ。当たったら痛いどころでは済まないからな」

「わかりました!」

 

それでギンガはウィングロードを展開して回避に専念している。

そこにネロはさらに助言をする。

 

「ギンガ! キリングドールは魔力の防御も使用しているが、その実は装甲はかなりの数を量産している割に脆い! よってギンガもスバルと同じく戦闘機人モードの『振動破砕』で木端微塵にしてやるのだ!!」

「えっ! 使ってよろしいのでしょうか……?」

「おうともよ。相手は命など無きに等しき機械の塊だ。情けなど無用だ!」

「わ、わかりました……IS、発動!」

 

その瞬間、ギンガの瞳が金色に変わり左手のリボルバーナックルに異様な力が宿る。

そしてギンガは勢いのままに一体のキリングドールの懐に飛び込んでいく。

途中、銃弾が飛んでくるがそれは間一髪のところで避けていき、ついにはキリングドールの懐に入り込んだ。

そして、

 

「喰らいなさい! はっ!」

 

ギンガの拳は見事キリングドールの胸に突き刺さり内部振動を発生させてキリングドールは機能を停止するどころか爆散してしまった。

ギンガはその勢いを殺さずに立て続けに足にも力を宿し近くにいた数体のキリングドールを思いっきり蹴り飛ばす。

次々と破壊していくキリングドールの光景にネロ自身も切り裂きながらも感心した表情で見ていた。

 

「さすがギンガだ。スバル以上の動きをしているな。余もうかうかしていられないな!」

 

そう言ってネロもまた切り込んでいく。

この二人はまるで戦場の中を踊っているかのように破壊し続けている。

そう、ロンドのように。

二人が強いのか、あるいはキリングドールが弱いのか………おそらく両方なのだろう。

今のところ、ガジェット並の脅威は感じさせないキリングドールだった。

………まぁ、旧ベルカ時代から存在した兵器と比べれば圧倒的にキリングドールは弱いのだろう。

経験値もあまり積んでいないから動きがまだまだ単調である。

今のところ負ける要素は感じられないくらいの勢いだ。

 

 

 

………一方シホとアルトリアはライダーの攻撃に防戦一方であった。

ライダーの振るう方天戟の威力がライダー(メドゥーサ)の怪力並みの威力を発揮しているからだ。

一発一発はあのヘラクレスには及ばないが、攻撃回数が異常である。

 

「おらおらおらぁーーー!!」

「くっ! どこかの戦闘狂(バトルジャンキー)を相手しているみたいね!」

「全くです! そしてこの力はどう考えてもサーヴァントのそれです。油断なりません!」

 

ライダーは何度も振り回しからの薙ぎ払いを行ってきて、シホはすでにアンリミテッド・エアは待機状態にして干将・莫耶を使い迎撃している。

高性能のデバイスとはいえ替えが効かないからもし破壊されたらシャレにならない。

それほどの怪力でこのライダーは方天戟を振り回しているのだ。

アルトリアも同様でなんとか剣戟をタイミングよく重ねて弾いている。

ライダーの攻撃はやはり計画性がないといえば有利に感じるだろうが、それが野生のカンのごとくすべてシホとアルトリアの攻撃に対処しているのだから厄介極まりない。

時にはランサーのように刺突を何度もくり出してくるから危険である。

 

「あはははっ! 面白いね、やっぱり戦いってのはこうじゃなきゃな!」

「少し黙りなさい、戦闘狂! アルトリア、いったん一人で対応お願い!」

「任されました!」

 

シホは一回ライダーの攻撃を弾くと後方に跳躍をしてその手に手慣れた洋弓を投影する。

そして、

 

「―――I am the bone of my sword(我が骨子は捻じれ狂う)―――……」

 

その手に螺旋剣を投影して真名解放のトリガーを押す。

 

「アルトリア、避けて! 偽・螺旋剣(カラド・ボルク)!!」

 

至近距離からのカラドボルグをライダー目がけて放つ。

アルトリアも瞬時に風を頼りに移動をして退避する。

カラドボルグは空間を突き破りライダーをおそらく貫くだろう。

だというのに、

 

―――ニヤリ。

 

ライダーはその口元に好戦的な笑みを浮かべる。

そして方天戟に魔力が集まっていくと同時に、方天戟がなにやらガションッ! という音とともに変形していき、まるで鎌のような形態になって、そして、

 

「怪力一閃! おらぁ!!」

 

鎌を振り回した瞬間にとてつもない衝撃波が発生しだしてカラドボルグを襲う。

本来突き抜けるまで止まらない矢がそれによって真っ二つに切り裂かれてしまったのである。

その衝撃は撃った本人であるシホは当然で、その威力を知っているアルトリアでさえも驚愕の表情を形作る。

 

「ばか、な……ッ!」

 

シホは現実感がなくただただ驚愕の言葉を発していた。

アルトリアも口には出さないがやはりシホとおんなじ感想であるのは容易に想像できるだろう。

しかし、すぐにアルトリアは思考の停止から復帰して、

 

「シホ! 彼女は確かに強いのでしょう。サーヴァントの能力を完璧に模倣しています。よって私達も今こそ力を一つに!」

「そ、そうね。いくわよ、アルトリア!」

「はい!」

 

そしてアルトリアはシホに融合するように二人の中で光のまゆが形成される。

そして、

 

「ユニゾン・イン!」

 

その言葉を合図に二人は融合を果たし、シホの赤原礼装のバリアジャケットがアルトリアの騎士甲冑姿に変化していく。

だが今回のは少し違うものであった。

今までであったらそのままアルトリアの青いドレスを身に纏うのが通例であったのだが、改良を重ねた結果、アルトリアのドレスの色が赤色に変化していた。

これは耐久性を上げるためにアルトリアのドレスと赤原礼装を融合させたら生まれたシホの新たな騎士甲冑姿なのだ。

ネロと並んだらまさにおそろいのような姿になったと思えばわかるであろうか……?

とにかくシホはアンリミテッド・エア、エクスカリバーフォルムを構えてライダーに向き直る。

 

「………へぇ、それがあんたらの本気モードって奴か。二人合わされば二倍じゃなくて二乗になる………いい能力だねぇ」

「これを出したからにはあなたには倒れてもらうわ。覚悟しなさい!」

「いいねぇ………やっぱり戦ってのは予想外のことが起きてこそってもんだ。なら、俺も奥の手を出すとするか」

「………なに?」

《気を付けてください、シホ! 彼女の周りに魔力が集束されていきます!》

 

アルトリアの言葉通り、ライダーの周りの魔力がライダーの足元に集まっていく。

そして現れる魔法陣。

魔法陣から光が立ち上り少しずつであるが地面からなにかが這い出して来る。

それは黒い鬣がある赤いとても巨大な馬であった。

それを見てシホは内心で「やはり………」と納得をした。

 

「方天戟に赤い馬………そこから導き出されるそのカードの正体は………」

「そう。呂布、呂布奉先………中国の偉大な傑物の一人だよ。このクラスカードに宿っているサーヴァントの魂は!」

「それじゃその馬はやっぱりかの有名な赤兎馬、か………」

「わかっているじゃねーか!」

 

そう言ってライダーは赤兎馬に飛び乗り着席すると、

 

「俺と赤兎馬の速力と怪力についてこれるものなら、ついてきな! いくぜ!!」

 

ライダーは片手で手綱を持ちもう片方で方天戟を持ってシホ目がけて突貫してきた。

その速さはまるで雲耀のごとく………。

シホはすんでのところで瞬動術を使い避けることができたが、シホの元いた場所は赤兎馬の足跡がくっきりとできていた。

 

「(あんなものをくらえばただでは済まない………!)」

 

赤兎馬の速力はライダー(メドゥーサ)のペガサスには劣るだろうが神獣化しているために当たったらただではすまないことをシホは悟る。

 

「とにかく移動をしないと………考えるんだ!」

「考える暇なんて与えないぜ!?」

 

そう言ってライダーは赤兎馬のスピードと馬上で方天戟を何度も振り回してシホへと突撃してくる。

シホもシホで負けないために魔力放出で何度もエクスカリバーを振りかぶっていく。

 

「おおおおおーーーっ!!」

「はぁあああーーーっ!!」

 

二人の攻防は苛烈を極め、何度も弾かれては突撃を繰り返していく。

しかし、やはりスタミナはライダーの方が上らしく赤兎馬にも乗っているので上限しらずだろう。

その反面シホは少しながらも荒い息をしていた。

 

《シホ! ここはエクスカリバーを使うべきです………ッ!》

《それはだめよ。そしたら彼女は死んでしまう。捕まえないといけないんだ。甘い判断だと言われようと私はもうあきらめたくないのよ!》

 

そう、シホはもうむやみに殺さないという誓いを立てているのだ。

だから必ず双方無事で事を終わらせなければ誓いに反してしまう。

その誓いの件を知っていたアルトリアはシホの想いを思い出し、

 

《………そうでしたね。シホの想いも理解できずすみませんでした》

《いや、いいよ。でもなんとかしないといけない。せめてライダーが宝具を使用する事態にならなければいいけど………、あ!》

《どうされましたか、シホ!?》

《うん。殺さずに無力化できる方法を思いついたわ。いちかばちかの賭けね。付き合ってくれる? アルトリア………?》

《何をいまさら。私はシホの剣です。どこまででもお供します》

《よし、ありがとう。いくわよ!》

《はい!》

 

それでシホとアルトリアの中である方法が導き出される。

そして時が来るのをひたすら待つのみ。

 

「………なんだぁ? 急に思考モードだったのがなにか俺の対策でも思いついたか? ま、なんでもいいけどな。全部俺と赤兎馬で吹き飛ばしてやるぜ!」

 

そう言って再度シホとライダーは激突を繰り返す。

 

 

 

 

それをキリングドールをなんとか全滅させて見ていたネロとギンガはというと、

 

「なんという戦いでしょう。私じゃ入れませんね……」

「うむ。余も今から手を貸すのは奏者が許さないだろう。見守るしかないな(………しかし、奏者よ。防戦一方では拉致があかないぞ? どうするつもりなのだ?)」

 

ネロはシホが体力が底をついてきているのを察していた。

ゆえにどうするのか見守っていた。

しばらくしてライダーが癇癪を起しだした。

 

「ああ、もう拉致があかねぇなー!! もう、飽きたしそろそろ決めるぜ?」

 

そう言って赤兎馬に赤いオーラが宿っていく。

おそらく宝具を使う前兆なのだろう。

だが、シホは一言、「トレース・オン」と唱えて黒い鉄球をその手に出現させる。

それを見てネロはなるほどと、納得した。

あれならば………。

 

「受けるがいいさ! 俺の宝具、赤兎馬の威力を! 『赤兎―――無双制覇』!!」

 

ライダーと赤兎馬が赤い弾丸と化して超高速でシホへと突撃してくる。

 

「シホさん!」

 

ギンガが悲鳴を上げるがネロはある意味で落ち着いていた。

これからシホが行うのは時間の逆光。宝具殺しの異名を持つカウンター宝具。

 

「………後より出て先に断つ者(アンサラー)………ッ!」

「おせぇよ! 発動前に殺してやるぜ!」

 

そのワードに気づかずにライダーは駆け抜けてくる。

もう手遅れだというのに………。

コード承認を受けて鉄球が光り輝き短い剣へと姿を変える。

シホの腕に紫電が走るが今は気にしてはいられない。

そして放たれる真名解放。

 

「―――斬り抉る戦神の剣(フラガラック)!!」

 

一筋の閃光がすべての時間を遡り、突き抜けていく。

ライダーは何が起きたのかわからないかのようにその眼を見開き硬直している。

そう、赤兎馬はフラガラックによって貫かれていたのだ。

そして光の粒子となって消えてなくなる。

フラガラックの狙う対象は宝具。だからライダーは貫かれなかったのだ。宝具は赤兎馬だったのだから。

同時にライダー自身も地面に大きく叩きつけられて反動で胸からクラスカードが排出された。

それをシホは拾い、

 

「勝負あり、ね」

「………みたいだな」

 

シホはライダーに勝利宣言をする。

それに対してライダーは悔しそうな顔をしながらも笑みを浮かべながら地面に寝そべっていた。

 

「さて、それじゃあなたを逮捕するわ。おとなしく同行されなさい」

「それは無理な相談だなぁー………」

「えっ………? なっ!?」

 

シホは気づいてしまった。

ライダーの体が少しずつだが手足から塵に変わっていっているのを見て、どうして!?という思いになる。

理由はライダーが語りだした。

 

「俺はなぁ、もし負けて捕虜にされそうになったら緊急コードが発動して証拠隠滅されるように作られてるんだよな、これが」

「そんな………」

「あ、そう悲観すんなよ? 俺はこの戦いで一生分を使い切った。だから悔いはねぇんだからよ」

「でも………」

「ま、納得はしねぇだろうな。そんなら代わりに俺のマスターをぶん殴っといてくれよ。こんな人生を歩ませた代償としてな」

 

そう言ってライダーは「にしし!」と笑う。

それにシホは、

 

「………わかったわ。ヴォルフ・イェーガーは必ずぶん殴るわ」

「おうよ。それじゃ先に行くぜ? じゃーなー!」

 

そしてライダーは完全に塵になって消滅してしまった。

 

「……………」

 

しばらくシホは無言であったが、そこに、

 

「奏者よ………」

「シホさん………」

《シホ………》

 

三人がシホにどう言えばいいか言いあぐねているが、シホは一回涙を強引に手でふき取り、

 

「さ、戻りましょう! きっと今頃何か起こっているはずだから!」

 

空元気でもシホは前を向いて歩く選択をした。

その意思をくみ取って三人はシホとともに機動六課へと戻るのであった。

シホの手にはライダーのクラスカードだけが寂しく握られていた………。

 

 

 




ライダーさん、消滅………。
ヴォルフ・イェーガー、許しまじ。
という話でした。




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では。
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