【完結】剣製の魔法少女戦記   作:炎の剣製

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更新します。

今回はクラスカード達の話です。

ではどうぞー。


第百九十四話  『戦闘報告。語られるクラスカードの謎』

 

 

ライダーを打ち倒したシホ達と、ブリューナク隊の迎撃に出ていた機動六課メンバーが機動六課隊舎に全員戻ってきたのは迎撃作戦開始からちょうど二時間後の事であった。

ジグルドの言う二十四時間という期限時間まで残り二十時間となってそれぞれ思うことはあるだろうが現在全員が無事にここ機動六課に帰ってこられたことを喜ぶところだろう。

だが、ジグルドの言う粛清は機動六課が守りを務めた場所以外でも行われて数か所でキリングドールによる数の猛攻で突破されてしまい数名の最高評議会メンバーの死者が出てしまったという報告を受けている。

今のところは攻勢は収まってひと時の静寂の時間が続いているが何時また攻撃が開始されるかもしれないという緊張状態に機動六課を含めた管理局地上部隊の魔導師たちは少なからず疲弊していた。

 

「………まぁ、とにかく全員無事でよかったと言っておけば安心と言えば安心やな」

 

はやてが全員が集まったブリーフィングルームで開口一番にそう切り出した。

戦闘での疲れもあるだろう、しかし今も予断を許さない状況にはやては会議を始める前に即席の栄養食を食べておいた。もちろん士郎とアインスの手製だ。士郎は戦闘での疲労もあるだろうがそれより全員を気遣ってのことである。

もちろんそれは他のみんなも同様に作ってもらっていた。

だが、気持ち的に食事が喉を通らなくて疲れも残っているティアナはせめてとりあえずのどを潤すことだけでもということで栄養ドリンクで済ませておいた。

 

「色々と各自報告もせんとあかんやろうが、まずはシホちゃん、ギンガ、アルトリアさん、ネロさんの四名は無事に帰ってきてくれてよかったわ」

「ねぎらいご苦労であった、はやてよ」

「感謝の言葉、ありがとうございます、はやて」

「ありがとうございます。八神部隊長」

「ありがとう、はやて。それで色々と報告書は読ませてもらったけど、あのジグルド提督が、ね……」

 

シホとしては少し納得ができないだろうところがある反面で「やっぱりか………」という気持ちもあったという。

以前から野心を覗かせていたジグルドの姿を見ているシホとしては、いつかはやるのだろうという感じで考えていたのも確かなことで事前に止められなかったのが悔やまれるという思いである。

 

「うん、そうなんよ。………さて、戦闘での各自報告の前にシホちゃん達の話を聞いた方がええね」

「わかったわ。まず私達はモリアのキリングドール製造工場の在り処をつきとめて向かった先には百体以上の鎮座したキリングドールが発見されたわ」

「それはお手柄やね。でも、通信ができなくなったのも含めてなにかあったんやろ……?」

 

それにシホは「ええ………」と返事を返し、一枚のカードを取り出す。

それには一緒になって話を聞いていたオリヴィエ、ランサー、ライダー、キャスター、志貴、アルクェイドが反応を示す。

 

「おい、シホの嬢ちゃん。なんなんだそのカードは………? わずかながらだがサーヴァントの気配がするぜ?」

 

いの一番にランサーがこのカードについて疑問を口にする。

他のサーヴァント達も口には出さないがおんなじ感想なのだろう。

話してくれと目で訴えてきていた。

 

「これは私達が交戦したライダーと名乗るホムンクルスから聞き出した話によるとサーヴァントの魂が宿っているっていう、通称『クラスカード』よ」

「………英霊の魂が、ですか。シホ?」

 

ライダーがシホの言葉に反応してそう聞いてくる。

 

「そう。ちなみにこのクラスカードに宿っている英霊の真名は古代中国の武将の一人であった『呂布奉先』よ」

「呂布と来たか………」

 

士郎が呟くがミッドチルダ組はただ名前だけでは分からないらしく、シホが事前に会議用に準備した資料を各自のデバイスに転送した。

それで見やると次第に驚きの表情に変わる。

 

「最強の武将……数多くの裏切りをした将………」

「そんな人の魂がこのカードに宿っているっていうんですか? シホさん」

「そうらしいわね。実際に宝具である赤兎馬を召喚する光景も目にしたから間違いないわ」

 

それにオリヴィエは少しばかり怒りの表情を浮かべていた。

 

「英霊の魂をカードに無理やり押し込めてただの力として使ったのですか? そのホムンクルスは……」

「………そのようね」

「許せません! そのような外道のような仕打ち、私は容認できません!」

「確かにねぇ〜。カードに意識も削られて入れられるんじゃ本当にただの道具だからねぇー」

「そうだな、アルクェイド。シホ、このカードの製作者はやはり、あいつなのか……?」

「ええ、おそらくね。ライダーも否定はしなかったから。そう―――ヴォルフ・イェーガーよ」

 

その名前が出た途端に反応は分かれるがそれぞれ思うところがあるのだろう、厳しい表情になる。

 

「だとするとだ。これで今までの妙な違和感も証明されちまうわけだな」

「そうだね、ランサー」

 

ランサーがそう言ってフェイトが同意する。

そしてランサー達は自分たちが戦った相手の宝具名を話そうとする。

まずオリヴィエが、

 

「私が交戦したサーヴァントらしき者はクラスはアーチャーでした。そして使った宝具は『ナインライブズ』………」

「今度はナインライブズか」

「ナインライブズってシホさんと士郎さんの魔法名にもありますよね? なんの英霊なんですか?」

 

スバルがそう聞いてくる。

それに対してシホはこう返す。

 

「ギリシャ神話最大の英雄、ヘラクレスよ……」

 

それでシホはまたヘラクレスの情報をみんなに流す。

それでまた驚きの声が聞こえてくる。

 

「彼の宝具は『十二の試練(ゴッドハンド)』に『射殺す百頭(ナインライブズ)』。特に強力なのが『十二の試練(ゴッドハンド)』。この効果は同じ攻撃では一度は殺せても二度目は一切効かなくなりそれぞれ違う攻撃を十二回当てて殺さないと倒せない厄介なものよ。………本来なら、ね」

「本来なら………ですか?」

 

キャロが首をかしげる。

 

「そう、クラスカードを使っているのだとしたらおそらく宝具の能力は弱体化しているはずよ。カードで疑似的に宝具の能力を再現するんだからいくらでも制約はあってもおかしくないわ」

「確かに………」

 

それで他のみんなも次々と続ける。

 

「俺が戦った奴はそれは偉大な宝具を使ったぜ? 大神宣言(グングニル)だ」

「お次はオーディンか。神霊クラスのサーヴァントまでカードにするなんて度し難い………」

 

それでお決まりのごとくシホはオーディンの資料を転送していた。

 

「北欧神話の主神の持つ宝具って………とんでもないですね」

「そうだね、ラン姉さん」

 

ランがそう呟きレンがそれに同意という感じに頷く。

 

「そして、おそらく私達のところに現れたサーヴァントらしき奴の正体はアサシンのクラスカードを使っているのだろう。そして宝具は知らないがおそらく正体は『ハサン・サッバーハ』だろうな」

「やはり、シロウもそう思いますか?」

 

そこにアルトリアが反応する。

 

「第四次聖杯戦争時に似たような能力を使うアサシンと遭遇しました。ですからおそらく間違いないでしょう。宝具は複数に分裂するものでしょうね」

「なんと! アルトリアよ。お主、以前に戦ったことがあるのならばすぐに正体もわかったであろう?」

「すみません、ネロ。言い訳ですが私もアサシンと交戦したのはごく僅かな時間だけなのです………」

 

ネロにそう言われるがアルトリア自身確かに第四次でもハサンと戦った事はない。イスカンダルの固有結界で跡形もなく退場してしまったからだ。印象にはあまり残っていないのだろう。

それでアルトリアは過去に思いを馳せていた。

 

「よし。これで半分だけどクラスカードに宿っているサーヴァントの魂は判明したわね。あと残りのクラスで真名が判明していないのを言えばセイバー、キャスター、バーサーカー……………いや、キャスターはもう大方判明しているわね」

「そうですね。以前に私は『破戒すべき全ての符(ルールブレイカー)』を使われてなのはとの契約を切られました。ここから推測するにこのクラスカードに宿っているサーヴァントの魂の正体は………」

「裏切りの魔女メディアね」

「その通りだな。ここまでくるとよほど第五次聖杯戦争と縁が深いようだな」

「そうですね。アサシンを除きほぼここにいる者も含めて第五次聖杯戦争に関係の深いものが集まっています」

 

そう………セイバーはアルトリア、ランサーはクー・フーリン、アーチャーはヘラクレス、ライダーはメドゥーサ、キャスターはメディア………ここまで第五次が揃っていると奇妙な縁を感じるものだ。

 

「さらには聖杯大戦ではディルムッド・オディナにギルガメッシュ、ランスロット………そして今回のハサン・サッバーハ。ほとんどが聖杯戦争に絡んでいます。ここまで来るともうイスカンダルがもし出てきても私は驚きません」

 

アルトリアはイスカンダルの事を思い出しているのだろう。少し苦い表情になっている。

 

「ならあれもなんらかのサーヴァントのカードを使ったなにかやったんやろうな」

「はやてちゃんのところにも現れたの………?」

 

なのはは初耳と言わんばかりにそう聞く。

まぁつい数時間前の事であるし知らないのは仕方ないことだ。

ただ、はやては、あるいは一緒に同行したライダー、志貴、アルクェイドは難しそうな表情になって、

 

「シホさん、実はですねー。どこからともなくそのバーサーカーと思われる獣が現れたんですぅ」

 

リインがそう語る。

でも、「ですが」とリインは続ける。

 

「その黒い獣はどこからともなく現れて体中からたくさんの凶器を生やして私たちに突撃してきたところまでは……まぁよくもないですがある意味想定内だったのです。ですけどそこでいきなり謎の金髪赤目の少年が現れて空間をゆがめて鎖を出して黒い獣をがっしりと縛り上げて、去り際に……『こいつは僕の盟友(とも)なんですよ。ですから僕が代わりに処分しておきますね』と言って爽やかな笑顔を浮かべながらどこかに去っていってしまったんです」

「金髪赤目の少年……? 空間をゆがめる? そこから鎖を出した?………ねぇライダー?」

「………はい、シホ」

 

シホの問いかけにライダーはなにを言われるのかすぐに察したのだろう、どこか頭が痛いような表情をしていた。

 

 

「その子の姿って、もしかしてギルガメッシュの小さいバージョン……?」

「認めたくはありませんがまさにギルガメッシュの小さいバージョンでした。あの四日間の世界で何度も見かけましたから間違いないです」

「え!? あれってあの金ぴかだったの!?」

「そうだったのか………」

 

アルクェイドと志貴はそれで初めて気づいたのだろう、驚いている。

 

「まさか、あの野郎。言峰と一緒に死んだんじゃなかったのか………?」

 

ランサーが少しげんなりしたような表情でそう呟いた。

 

「ですがギルガメッシュでした。間違いありません」

 

ライダーも信じたくないのだろう、だが目で見た真実は否定しようがない。

 

「……はぁ、わかったわ。とにかくそのバーサーカーは小ギルに回収されたのね?」

「そうなるわ」

 

それでギルガメッシュを知っている者は反応は違うが静観するしかないという事でお流しにすることになったのだった。

 

 

 

 

 

………それから話の軌道を無理やり戻してサーヴァントの件は一応全員了解したという事になる。

しかし問題はというと、

 

「やっぱり、ヴォルフ・イェーガーはどうやってこれらのカードを作成したのか、その一点に限るわよね」

「そうだね。聖杯がない今どうやって英霊を召喚、しかもその魂をカードに無理やり封印したかだよね」

 

シホの疑問になのはがそう返す。

そこにフェイトが、

 

「やっぱり盗まれたジュエルシード計七つが関係しているのかな………?」

「案外それかもしれないわね」

 

ヴォルフ・イェーガーの謎がまた深まった瞬間である。

しかし今はどう考えてもどうにもならないので一旦ヴォルフ・イェーガーについては置いておくことになった。

そして次は本題であるブリューナク隊との関係性などを話すことになった。

ティアナの事を思えば先に話をするべきだったのだろう、だがしかしやはり強敵の方が優先されてしまったのは致し方ことないことであった。

 

 




最後に全部小ギルに持ってかれた話でした。
次回はシリアスモードでブリューナク隊について話し合います。



それではご意見・ご感想・誤字脱字報告をお待ちしております。

では。
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