【完結】剣製の魔法少女戦記   作:炎の剣製

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更新します。

………まぁ、現実的に書くと結局は圧倒的な力量差でこうなってしまうという事実。

それではどうぞー。


第百九十八話  『圧倒的な力。抗うのはさらに異形の力』

 

 

機動六課とジグルド率いるブリューナク隊との戦いの火蓋は切って落とされた。

まずキリングドールが率先して機動六課の面々へと迫ってくる。

そのキリングドールの五百体以上の数は少数の構成員である機動六課にしてみれば圧倒的に不利だろう。

………そう、本来ならば。

機動六課は数より質を重視されている。

その結果がこれだ。

シホと士郎が弓を構えて、

 

「「投影開始(トレース・オン)……ッ!」」

 

二人して圧倒的な威力を誇る螺旋剣を投影しようとする。

 

「―――I am the bone of my sword(我が骨子は捻じれ狂う)―――……偽・螺旋剣(カラド・ボルク)!!」

 

放たれた二本の魔剣は真正面から迫ってきているキリングドールに着弾する。

そしてシホと士郎の二人はワードを唱える。

 

壊れた幻想(ブロークン・ファンタズム)!!」

 

その一言によって偽・螺旋剣(カラド・ボルク)はその神秘を解放し爆発を引き起こした。

その爆発に巻き込まれたキリングドールはほぼ三分の二を破壊されて他残りの三分の一も機能停止とまではいかないが動きが鈍くなっていた。

 

「くっ! シュバインオーグ一尉と八神士郎二尉! これがあの二人の本気か!?」

 

ジグルドが驚愕の表情になりながらもそう叫ぶ。

そう、シホと士郎の二人がいればそれこそ十全の状態ならばやりようによってはブリューナク隊だけではなく数隊もの魔導師隊とも圧倒的な力を誇示しながらもやりあえるほどの脅威だ。

だが、ジグルドは勘違いをしている。

実際はまだまだシホと士郎は本気を出していない。

シホはアルトリアとユニゾンをしてセイバーフォルムをまだ展開していないし、それこそシホと士郎の本気と言えば固有結界であり、そんな奥義を使うほど追い込まれていないのだからそれを聞いたらジグルド達は驚愕して顎が外れてしまうのではないか……?

それはともかくとして、残りのキリングドールも負けじと剣や銃を構えて突撃してくる。

だが、そこには突撃隊であるサーヴァント勢が勢いを見せる。

 

 

「いかせてもらいます。風よ……荒れ狂え! 風王鉄槌(ストライク・エア)!!」

「さぁ、ゆくぞ! 天幕よ、落ちよ! 花散る天幕(ロサ・イクトゥス)!!」

「遅いぜッ! おらおらおら!!」

「いきます! 聖王……鉄槌砲!」

「貫きます! はぁ!」

「炎天よ、はしれ!」

「切り裂く! うけてみろ!」

「いっくわよー! そーれッ!」

 

アルトリアの風王鉄槌が鉛玉となって突撃していき砕き、ネロの原初の火(アェストゥス・エウトゥス)の大剣が華麗に切り裂き、ランサーの槍がなん体ものキリングドールを同時に貫き、オリヴィエの放つ聖王鉄槌砲が直撃して破壊しつくし、ライダーの釘剣が突き刺さりそのまま怪力で振り回されて潰され、キャスターの呪術が跡形もなく焼き払い、志貴の直死の魔眼の刃がすべてを切り裂き、アルクェイドの爪がことごとくを捻じり潰す。

………そう、すでにそれは戦いではなく蹂躙劇。

さらには、

 

「エクセリオンバスター!」

「トライデントスマッシャー!」

「いくでぇ! クラウソラス!」

「飛龍一閃!」

「シュワリベフリーゲン!」

 

なのは、フェイト、はやて、シグナム、ヴィータたちも魔法で砲撃を繰りだして各個撃破しているからすでに戦いと呼べるものではなかった。

フォワードたちやヴァイスはその圧倒的有利な戦いに進んで前に出ることもなくキリングドールは10分もかからずにすべてを狩りつくされてしまったのだ。

数の有利性はすでに失われてしまい人数の数は機動六課より少し多い程度のブリューナク隊も機動六課の圧倒的な力を前に気持ちを呑まれてしまいなかなか前に出れないでいた。

そしてランサーが破壊したキリングドールの顔部分にガシッ!と足を乗っけて、

 

「……さて、それじゃこれからどうするよ? まだ戦うか、大将さんよ……?」

 

そう、ジグルド達に告げる。

その様はまさに悪人のようだ、と見ているだけであったスバルは思ったという。

 

「確かに君たちの戦力は侮れないものがあるだろう……。しかし、ここまで来て諦めるわけにはいかないのだよ」

 

そう言ってジグルドはアスカロンを構える。

それで気持ちではすでに底まで来ていた他の魔導師たち……ティーダ、凰華、ロボ、セイラも負けるものかとそれぞれデバイスを構える。

 

「……ジグルド提督。もう無駄なあがきはやめて投降してください」

 

そこにはやてがそう言って投降を促す。

 

「まだだ! まだ私達はこんなところで終わらない!」

 

 

 

―――そう、こんなところで終わってもらっては困るよ、ジグルド提督………。

 

 

 

そんな時に敵味方全員に聞こえるように思念通話が響いてくる。

 

「この声は!? ヴォルフ・イェーガー!」

 

シホが叫ぶ。

そう、この声はあのヴォルフ・イェーガーの声だったのだ。

 

「ヴォルフ・イェーガー……? ということはモリアを通して私の計画にサーヴァントを貸し出してくれたのはお前なのか?」

《ふふふ……そうだ。今からセイバー、アーチャー、ランサー、アサシンの四体をお前に貸し出そう。うまく使ってくれよ? ライダーとバーサーカーを失った今、これでも私の貴重な戦力たちなのだからな》

「それは構わないがお前の目的は何だね?」

《なに、簡単なことだよ。あそこにいる機動六課セイバーズ隊隊長であるシホ・E・S・高町一等空尉殿を捕らえてほしいのだ。私から直接の用があるからな》

「なんだと……ッ!?」

『ッ!?』

 

そのヴォルフ・イェーガーの申し出にジグルドはもちろん聞いていた全員が驚きの表情をする。

どうしてシホをヴォルフ・イェーガーは必要としているのか? そしてなんの用があるというのか?

それはヴォルフ・イェーガーにしかわからない。

 

「シホをそう簡単に差し出しはしませんよ、ヴォルフ・イェーガー!」

「そうだ! 奏者は余のマスターだ! みごと守ってみせよう!」

 

アルトリアとネロがいまだ姿を現さないヴォルフ・イェーガーに向かって叫ぶ。

それに対してヴォルフ・イェーガーの返答はというと、

 

《よかろう。しかし、シホ・E・S・高町は必ず私のもとに来ることになる》

「私があなたのもとに……? 悪い冗談ね。何を根拠にそんなことを言うのか聞かせてもらってもいいかしら……?」

 

今度はシホ本人がヴォルフ・イェーガーに問いかける。

その理由を話せという意味を込めて。

 

《ふふふ……こう言えばわかるか? 私はシルビア・アインツベルンの一族のものだ、とね……》

「なっ!?」

 

そうヴォルフ・イェーガーは言った。

シルビア……いや、この世界のアインツベルンの一族はシルビアを残してはるか昔のベルカ時代に滅びているはず……。

なのにヴォルフ・イェーガーはその一族だといった。

なにか重要なことを聞けそうなことである。

しかし……、

 

「だからと言って、そうやすやすとあなたのもとへは行かないわよ!」

《……まぁ、言いだろう。来なければ強制的に連れていくのもありだからな。また思念通話をする》

 

そう言ってヴォルフ・イェーガーの思念通話は聞こえなくなった。

と、同時に機動六課の周囲になにやらわらわらと気配が感じられるようになる。

 

「奏者よ! 注意せよ! この気配はおそらくアサシン! だがもう空気に溶け込んで気配は感じられなくなっている……厄介だ!」

 

ネロが大剣を水平に構え周囲一帯を警戒しながらシホにそう言う。

そしてジグルド達ブリューナク隊の近くにもフードを着ている三人の人の姿が現れた。

おそらくアサシン以外の残り三人。

まだ正体はわからないセイバーのクラスカードを持つもの。

ランサー=オーディンのクラスカードを持つもの。

アーチャー=ヘラクレスのクラスカードを持つもの。

この三名なのだろう。

そして三人はその手にクラスカードを出す。

次には自身の眼前へとクラスカードを構えて、

 

「……クラスカード、セイバー………夢幻召喚(インストール)!」

「……クラスカード、ランサー………夢幻召喚(インストール)!」

「……クラスカード、アーチャー………夢幻召喚(インストール)!」

 

瞬間、三人の地面に魔法陣が現れてそこから光の帯が伸びてきてそれぞれの体へと巻き付いていく。

次第に光の繭が形成されていき次の瞬間に三人の繭の光は晴れる。

そしてそこにいたのは、

 

一人は青白い槍を持ち、黄金の鎧に兜を身に纏い青いマントを羽織っていて左目に眼帯をしている神話でのオーディンの戦闘衣装をした女性であった。その腰にまで伸びる銀色の髪に赤いルビーの瞳がうまく交わって強者を体現している姿であった。

これがランサー……オーディンのクラスカードの力を身に纏ったホムンクルスの姿なのだろう。

 

そして二人目は巨大な弓を持ち、聖杯戦争で登場したバーサーカーの姿にさらに胸を覆う布を纏っている鉛色の体の色をしたボブカットの銀髪赤目の女性であった。

これがアーチャー……ヘラクレスのクラスカードの力を身に纏ったホムンクルスの姿。

 

最後の一人は二メートルはあるであろう巨大な刀を持ち、髪型は平安時代によく使われた鬟(みずら)であり銀色ながらもアンバランスではなくしっかりと整っている、そして豪華な古代の装束を着用している。

その姿から連想されるのは日本の英雄だろうというのは予想できる。

以前に雷の刃で機動六課の隊舎を切り裂いたことからおそらく正体は……、

 

それですぐさまにシホと士郎はその刀を解析する。もちろん他の二人が持っている槍に弓も。

それで弓の解析結果はもちろん本物。槍も本物であった。

そして刀の解析を終えて、

 

「まさかね……」

「シホちゃん。あの刀の持ち主の英霊はなにかわかったの……?」

 

なのはが聞いてくる。

それにシホは少し顔色を悪くしながらも、

 

「あの刀の真名は『布都御魂』……これから割り出せる英霊、いや、神霊は雷と剣の神である『タケミカヅチ』よ」

「えっ!?」

「それ、ホンマかシホちゃん!?」

 

なのはがその名を聞いて驚き、はやてが日本人ゆえに知っているメジャーな名前に驚きを隠せないでいる。

タケミカヅチ。

その神は火神である軻遇突智(カグツチ)の首を切り落とした際に生まれたという伝説があり、あの『神武東征』で有名な神武天皇の危機の際に布都御魂を授けたことで有名な神であり、日本ではそれは深く信仰されている。

そんな神をクラスカードにしてしまうとは、ヴォルフ・イェーガーはかなりどうかしていると言っても過言ではない。

そして、聖杯戦争で三騎士と呼ばれるセイバー、アーチャー、ランサーに半神半人であるヘラクレスも入れると三人とも神霊クラスであることにもう驚きを通り抜けてよくやる……!という感想が出てくるというものだ。

 

「……ジグルド、と言ったか。お前の目的を晴らすがいい。道は我らが切り開く!」

 

そう言ってアーチャー(ヘラクレス)は弓を構えて、

 

射殺す百頭(ナインライブズ)!!」

 

宝具の真名解放を行い九つの矢が機動六課へと向かって放たれる。

 

「みんな! 散開! アサシンもいるから奇襲には気を付けて!」

 

全員はなんとかナインライブズの矢の直線状から退避できた。

しかしアーチャーの狙いはシホ達ではなかった。

それはジグルドを通す道を作るためである。

ジグルドはアスカロンを構えて開いた道を一直線に駆け抜けていきついには機動六課包囲網を抜いた。そして後方へと下がっていたレジアスへと目をつける。

それに対してレジアスは「来るか……!」と呟く。

当然、ランやレン、ギンガが守ろうとするが、

 

「私の道を塞ぐことはできんぞ! どけぇ!!」

 

魔力が発光して体に青いオーラを纏うジグルドに対して、

 

「いかせません!」

 

レンがアウルヴァンディルをモード2、大型シールド形態にしてジグルドの道を塞ぐ。だが、

 

「そのような盾など、温い……ッ!」

 

突撃する勢いもつけてアスカロンを横薙ぎに振るう。

 

「うわぁっ!?」

「レンっ!?」

「レン君!?」

 

ジグルドの強烈な力によってレンは盾ごと横に吹き飛ばされてしまった。

そしてついにジグルドとレジアスの距離が後二メートルという距離にまで近づく。

お互いの視線が交差する。

ジグルドはその眼に「レジアス、その首もらった!」という意思をこめて。

レジアスはその眼に「すまん、ゼスト。先に逝く……」という思いをこめて目を閉じる。

そしてついにレジアスの首にアスカロンの刃が到達しようとした次の瞬間、

 

 

―――ガキンッ!

 

 

なにかで受け止められる音が響き渡る。

 

「「ッ!?」」

 

ジグルドと、そして目を閉じていたレジアスは目を見開き双方に驚愕の表情を形作る。

そこには一本の槍があった。

そう、その槍の持ち主は……、

 

「……レジアス。お前はこんなところで終わる男ではあるまい……?」

「ぜ、ゼスト……?」

 

そう、ジグルドの刃を受け止めたのはゼスト・グランガイツその人だったのだ。

ゼストはジグルドのアスカロンを思いっきり弾き、そして宣言する。

 

「我が友の命、このゼスト・グランガイツがお守りいたす!!」

 

ここにかつての友の共演が果たされたのであった。

 




さて、最後にゼストさん、登場!
熱い展開になってきましたね。
戦闘描写が拙いのは見逃してください(謝罪)。



それではご意見・ご感想・誤字脱字報告をお待ちしております。

では。
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