【完結】剣製の魔法少女戦記   作:炎の剣製

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更新します。

今回はゼストがどうしてこれたのか語ります。

ではどうぞー。


第百九十九話  『大混戦』

 

 

 

 

 

「ゼスト・グランガイツ、だと……?」

 

ジグルドは驚愕の表情をする。

そう、ゼストは今現在は海上隔離施設で戦闘機人やルーテシアとともに過ごしているはずなのだ。

ここにいるわけがない。

しかし、今こうしてゼストはここにいる。

 

「ゼスト……。なぜお前がここにいるのだ……?」

「あたしもいるぜ!」

 

ゼストの肩にはアギトもいた。

しかしそんなことよりもゼストがここにいることが不思議でならなかったレジアスはそうゼストに向かって聞く。

それに対してゼストは、

 

「八神二佐が手を回してくれたのだ。そう、昨日の夜の事だった……」

 

 

 

◆◇―――――――――◇◆

 

 

 

シホがレジアスのところへと向かっていた時の事だった。

海上隔離施設にははやてがやってきていた。

そして面会室で、

 

「ゼストさん、お久しぶりです」

「ああ、八神二佐。久しいな」

「はい。それで今回私が来たのには理由がありまして」

「今起きている事件のことか……? ニュースに関しては制限されていないので聞いているぞ」

「そうなんです。それでレジアスさんが命の危機にさらされるかもしれないんです」

「なんだと? 詳しく聞かせてくれ」

「はい」

 

そしてはやてはジグルドが起こしたクーデターについてゼストに詳しく教えた。

それも見越してはやてはある提案をする。

 

「今、地上部隊の魔導師はもろもろ各地の守りで人手不足です。海の方でもまだ動くには時間がかかるそうで明日の午後過ぎにならないと本局の魔導師隊は来れないそうなんです。ですからゼストさん。あなたの力を貸してくれませんか……?」

「無論、貸せるものなら貸し出そう。しかし、俺は現在はこの通り獄中生活だ。なのに、大丈夫なのか……?」

「そこは問題ありません。カリム……?」

『はい』

 

そこに聖王教会のカリムがモニター越しに姿を現した。

 

『ゼストさん。あなたを私の権限で仮出所の形で解放します。ですからどうかレジアス中将を助けてやってください。かつてストライカー級の魔導師であったあなたなら申し分ありませんから』

「すまない……恩に着る」

 

カリムがここぞという時に権力という力を行使してゼストの仮出所を許可したのだ。

これでゼストは一時的にだが外に出れる。

そんな時に、どこに隠れていたのか突然小さい花火が上がりゼストの肩の上にアギトの姿が現れる。

 

「旦那が出るっていうならあたしもでるぜ!」

「あー、アギト。ちっぱい花火やと思ったらやっぱりいたんか」

「おう、八神隊長! 旦那だけじゃ不安だからユニゾンできるあたしもいた方が百人力だろ?」

「アギト……。俺にとって最後になるかもしれない戦い、力を貸してくれるか?」

「あたぼうよ! 旦那はルールーのお母さんと遠い土地で一緒に暮らす暁にもう戦いから身を引くことは知っているからな。だから最後の戦い、パァッ!と派手なものにしようぜ!」

「おう……最後の戦い、レジアスのためについやそう」

「頼みます!」

『お願いします』

 

はやてとカリムは二人にお礼を言うのであった。

しかし、仮出所に対して色々な手続きもあって現場には遅れて合流することになってしまい、レジアスの身を案じながらも遅れてやってきた時にはすでに戦闘は始まっていてジグルドがレジアスに刃を向けようと走っていたのを見てゼストは即座にレジアスのところにやってきて自慢の槍でジグルドのアスカロンを受け止めたのだ。

そして現在に至る。

 

 

 

◆◇―――――――――◇◆

 

 

 

「………というわけだ」

「ッ!」

 

すべてを話し終えてゼストは槍を構えた。

それに対してジグルドは苦い表情をする。

当然だ。

ゼストはジグルドにとって憧れの一人であったのだから。

その憧れの人物が目の前に現れて宿敵を守る。

これはどう見ても苦い表情を浮かべるには十分だ。

戦闘の腕に関しても敵うかどうか。

 

「八神が……儂は助けられてばかりだな。機動六課には」

「そうだな。だが俺が来たからにはお前は必ず守る……」

 

普段寡黙なゼストがここまで饒舌になるのには理由などいらない。

昔のように語らいあう。

それこそレジアスとゼストの仲だったのだ。

 

「さて、それではジグルド。貴様は俺が直々に相手をしてやろう」

「………あこがれの人が相手とはいえ負けませんよ」

 

そして構えるジグルド。

それでランとレン、ギンガは再度起き上がってレジアスの護衛につくのであった。

 

「旦那! いくぜ!」

「うむ」

『ユニゾン・イン!』

 

ゼストはアギトとユニゾンをして、

 

「いくぞ、ジグルド?」

「はい、ゼスト殿」

 

二人の戦いが始まった。

 

 

 

◆◇―――――――――◇◆

 

 

 

一方、残りのブリューナク隊と偽サーヴァント達と戦っている機動六課はというと、

 

「いくぜ! 槍使いの嬢ちゃんよ!」

 

そう言ってランサーは地面にルーン魔術を施していく。

四隅にARGZ(アルジズ)NUSZ(ナウシズ)ANSZ(アンサズ)INGZ(イングワズ)を刻んだ決闘の陣。

そう、この陣は、

 

「もう三回くらい戦って何度も逃がしちまったからな。もう逃がさねーぜ……? 四枝の浅瀬(アトゴウラ)! 背水の陣って奴だな!」

「………いいだろう。私と貴様の最後になるかもしれない戦い、存分にやりあうとするか」

 

ランサーの背水の陣である四枝の浅瀬(アトゴウラ)を披露したというのにランサー(オーディン)は余裕な表情でグングニルを構えてお互いに疾駆する。

 

ランサー(クー・フーリン)ランサー(オーディン)の戦いが幕を開けていた。

 

 

 

 

 

違う場所では、

 

「ッ!! スバルッ! ティアッ! ヴァイスさんッ! 5秒後に10時と2時、6時の方向からアサシンのナイフが来るッ!!」

『ッ!!』

 

リオンの未来予知により三人+ヴァイスは即座に四方へと向き、四方八方から投擲されてくるアサシンのナイフの迎撃に入った。

 

「リボルバー……キャノンッ!!」

「クロスファイヤー…シュートッ!!」

「竜……穿牙ッ!!」

「撃ちぬくぜ!」

 

スバルはリボルバーキャノンを放ってアサシンのナイフを弾き、ティアナはクロスファイヤを放って撃ち落とし、リオンは双剣を交差させて叩き落とし、ヴァイスはストームレイダーを構えて迫ってくるナイフを正確に撃ち落とす。

 

「リオンの予知能力、相変わらずスゴイよ!」

「ホント、アンタが教えてくれるおかげで対処出来るわ」

「二人のおかげだよ。二人が信じてくれるから、私はしっかりと予知を伝えられる!」

「話には聞いていたが、すげーな……投げられるまでこの俺でもナイフの軌道には気づけなかったぜ。サンキューな」

「はい! それじゃこのままティアのお兄さんのところに向かおう!」

「おう!」

「ええ!」

「任せとけ!」

 

三人は衰えないトリオの力で、おまけにヴァイスの助けもありアサシンのナイフの嵐が吹き荒れる中、ティーダのもとへと向かっていく。

そして、

 

「兄さん!」

「ッ! ティアナか!」

 

ティーダは待ち構えていたかのように四人の前に立つ。

 

「兄さん……あなたはここで逮捕します! 覚悟してください!!」

「ティアナ……そうか。だが僕はまだ負けられないんだ。ジグルド提督に恩を返すまでは………ッ!」

「おうおう! 前にも言ったがな!」

 

そこでヴァイスが声を上げる。

やはり妹を持っている身としてはティーダの行いは許せないところがあるのだろう。

 

「ジグルド提督に恩を返すとか言っているが、それはただの建前で本当は現実から逃げてるだけのセリフじゃねーのか?」

「そ、そんなことは……ッ!」

「なら、ティアナの目をしっかりと見やがれ! 今でもお前の事を助けようと必死にあがいている妹の姿をな!」

 

ヴァイスにそう言われてティーダはティアナの目を見ようとして、反射的に伏せてしまう。

それでヴァイスは「やっぱりな!」と言って、

 

「お前はティアナに負い目を感じてるんだろう? 自慢の兄になれなかったとかなんとかの理由をこしらえてよ!」

「僕は、僕は……ッ!」

「恩だとかそんなものは抜きにして兄妹で話し合わねーか? まだお前は生きている。やり直せるんだぞ!?」

「ヴァイスさん……」

 

ヴァイスのティーダに対する説得を見ていたティアナはヴァイスの言葉に少しずつ惹かれていた。

友達でも仲間でもないこの感情はいったい何だろう……?と。こんな戦いの中だというのに胸がドキドキする。

でも、今はこの気持ちは言わないでおくことにした。

そう、せっかくヴァイスが説得をしてくれたのだ。

このチャンスを有効に使わせてもらわないと!

 

「兄さん……あたしのもとへ戻ってきてください。そしてやり直そう? また二人で……」

「ティアナ……すまない」

 

それでティーダは握っているミラージュファングを地面へと落とし、その場で膝をつき涙を流す。

そう、ティーダはヴァイスとティアナの説得で戦わずして降伏したのだ。

それで「一旦落着、かな……?」とスバルは思った。

しかし、リオンだけは五秒先の最悪の未来を予知した。

 

「ッ! みんな、すぐにティーダさんを守って!」

「えっ………?」

「早く!!」

 

リオンの必死の叫びに即座にティーダを囲むように四人が構える。

瞬間、ティーダに向かってナイフが向かってきていたのだ。

 

「これって、アサシンのナイフ!? どうしてティーダさんを!!」

 

スバルが叫ぶ。

それに対してリオンは冷静な顔になりながらも、

 

「私はさっきティーダさんが五秒先にはアサシンのナイフで貫かれるのを未来視した……。きっと戦わないものは不要だと切り捨てられたんだと思う!」

「そんな……!」

「だから! ティーダさんは決して死なせないように私がナイフの軌道を予知する! 乗り切ろう、みんな!」

『おう!』

 

それでスバル達は気配遮断で攻撃されるまで居場所を感知できないアサシンのナイフを徹底的にリオンの予知能力で払い落とすことを繰り返すことになった。

 

 

 

 

 

そしてまた違う場所では、

 

「いくぞ! 獅堂陸曹!!」

「こい! シグナム!!」

 

この場では先日の蒸し返しのような光景であるシグナムと凰華の二人がお互いの信念をかけて剣を重ねあっていた。

そんな二人の戦いの様子を残りの魔導師達と戦っていて時折飛んでくるアサシンのナイフを撃ち落としながら第三者視点で見ているという高等テクを駆使しているヴィータはというと、

 

「なんだ……? バトルジャンキーが二人いるな?」

 

と呟いていた。

 

 

 

 

 

そしてエリオとキャロ、ロボとセイラの二人の戦いも二対二のコンビでの戦いにもつれ込んでいた。

エリオがキャロの操るフリードの体に乗って、キャロもエリオの後ろでブーストに専念している。

 

「いくよ、ロボ君!」

「来い! エリオ!」

「若! 援護します!」

 

フリードが急加速してエリオはその勢いのままにロボへとストラーダを構える。

セイラの糸が迫ってくるが盾形態ではないのでフリードのブラストフレアでなんとか焼き払える。

 

「(エリオ君の役に立ってる! 私、頑張れる………!!)」

 

キャロは心の中でエリオの役に立っていることに喜んでいた。

だがそんなことは顔には出さずにエリオの援護に回っていた。

 

 

 

 

 

 

そして志貴とアルクェイドはというとアサシンの本体を探していた。

 

「もう! こいつら弱いくせにしつこいわよ!」

「愚痴を言うな、アルクェイド! 少しでも早くこいつらの本体を倒して状況を打破するんだ!」

「わかっているわよ、志貴! でも、あー………うるさいッ!!」

 

アルクェイドがアサシンの分身体を次から次へと切り裂いて志貴も同じアサシンゆえにある程度予測できているアサシンの気配を探って退治していた。

 

 

 

 

 

そしてアーチャーとの戦い。

アーチャーは最初の一撃であるナインライブズを放った時以来、大きい攻撃を放っていない。

何度も矢を放ってくるがそれは士郎達で対応できるレベルだ。

このことに士郎は技はチャージが必要なのではと考えていた。

それで、

 

「キャスター! ライダー! なのは嬢! フェイト嬢! はやて! おそらく射殺す百頭(ナインライブズ)はチャージの時間が必要だと思う。それと十二の試練(ゴッドハンド)はクラスカードゆえにおそらく持っていないだろうから一気に畳みかけるぞ!」

 

士郎はそう判断し四人に指示を下す。

 

「わっかりました、ご主人様(マスター)! ふふふ………ここは必殺の一撃でも」

「………わかりました。いざという時には宝具を使います。タイミングは任せます」

「わかりました! カリムさんからもプルートの使用許可とカイゼルファルベ状態への移行も許可されていますのでいつでもいけます!」

「真・ソニックフォーム! いけます!!」

「わかったで士郎! リイン、ここはユニゾンしてラグナロクを撃つ時や!」

「はいです!」

 

キャスターが何度も足を振るって「ここは必殺の………!」と呟き、ライダーはいつでもペガサスを召喚できるように構えて、なのははプルート承認の許可ももらってリミッター以上の力を解放しようとしていて、フェイトも真・ソニックフォームを展開してライオットザンバーを構え、はやてはリインとユニゾンをしていつでもラグナロクを撃てるように後方で待機する。

士郎自身もカラドボルグを投影していつでも放てるようにしている。

 

 

 

 

 

そして最後にセイバーとの戦い。

すでにシホとアルトリアはユニゾンをしていてエクスカリバーフォルムを構えて疾駆している。

 

「はぁっ!」

「シッ!」

 

シホが振りかぶって剣を当てに行くがセイバーはその素早い機動で何度も避けていく。

 

「奏者よ! 援護するぞ! いくぞ! 謳え! ラウス・セント・クラウディウス!!」

「ふっ!」

 

ネロの必殺技が放たれるがセイバーは刀を一振りしてそこから発生する雷の刃がネロの大剣へと直撃して、ネロは「ぐぅぅっ!?」と言いながらも後方へと吹き飛ばされていく。

 

「好きなようにはさせません! 聖王……鉄槌砲!!」

「温い……!」

 

オリヴィエが聖王鉄槌砲を放つがセイバーは刀を振るってその砲撃を真っ二つに切り裂いてしまった。

その圧倒的な力に三人は一度一か所に合流してセイバーと視線を合わせながらも相談をする。

 

「やっぱり、セイバー……タケミカヅチのクラスカードの恩恵を受けているからすさまじいわね」

「うむ。確かに強いし早い。さすが剣神だな……余では相手にならないかもしれないな」

「はい。確かにセイバーにふさわしい力量を備えています。あれは本当にただのホムンクルスなのですか?」

 

三人はそれぞれセイバーに対して評価していた。

それぞれが思うところがあるがそれでも三人ともセイバーの実力を認めていた。

だが攻めてこないのを好機と感じたのだろう、

 

「………来ないのならば、こちらから決めるぞ?」

 

そう言ってセイバーは刀を振り上げる。

次の瞬間には刀に雷のエネルギーが集中していく。

この現象は、

 

「まさか、宝具を解放する気か! 奏者よ! どうするか!?」

「そうか。なら宝具には宝具………アルトリア、行くわよ?」

『はい、シホ!』

 

それでシホもエクスカリバーを上段に構えて光の魔力を集めていく。

ネロとオリヴィエは宝具の打ち合いになると悟り、すぐにシホの後方へと下がる。

そして、

 

「―――約束された(エクス)………!」

「―――布都御(フツノ)………!」

 

二人の宝具が解放されようとしたその時だった。

 

「ぐぁあああああーーーーーッ!!」

 

ジグルドの苦しみが込められている叫び声が聞こえてきたのは……。

 

 

 




最後に上がったジグルドの叫び声。
彼に一体何が起きたのか………?
次回に続く!



それではご意見・ご感想・誤字脱字報告をお待ちしております。

では。
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