【完結】剣製の魔法少女戦記   作:炎の剣製

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更新します。

今回は事後処理ともいうべき話し合いです。

それではどうぞー。


第二百三話    『シホの身に起こった事実。そしてジグルドの手紙』

 

 

 

 

ジグルドとブリューナク隊により起こされたクーデターはジグルドが死亡したことで一応の決着を見せた。

市民達も管理局が全力で迅速に対応して一応は騒動は鎮静を見せた。

今はこれに乗じて犯罪を犯すものが出てこないように当分は厳しく取り締まっていく事で話は決まった。

三提督もケガもなく無事救出されて親族たちはたいそう喜んだという。

黒い獣が暴走するという異常事態に陥ったもののそれらもすべて機動六課を中心とした者たちによってすべて駆逐されたとメディアには報道されて機動六課の評価はまた格段と上がったという。

キリングドールを開発したモリアも最後にはあっけなく気絶して、今頃事情聴取が行われていて今現在は管理局の執務官の団体がシホ達が発見したモリアのキリングドール製造工場をくまなく捜査しているという。

これによってモリアに研究のための資金を提供していた支援者達もおのずと逮捕されるだろう。

そしてジグルドが死んだ後、残されてしまったロボ、セイラ、凰華、ティーダ、ウィルソンを含むブリューナク隊は素直に管理局に捕まって今後の扱いをどうするか上層部で話し合われているところだ。

もちろんリオンも理由はどうあれ犯罪を犯したことには変わりないので保護という形で今は隔離施設へと入れられている。

スバル達と別れる際、

 

『また、一緒に遊ぼうね。スバル、ティア………』

 

とリオンは言っていたのでスバルとティアナもとくに心配はせずにリオンがまた外に出てこれることを祈っていた。

ゼストとレジアスもまた隔離施設へと戻ったが特に不安なことはないという。

特にゼストはレジアスを守りきる事が出来た為にもう満足であるらしい。

レジアスもジグルドの行ったことでなにか思ったのか誠意的にこれらかの管理局の未来を考え始めているという。レジアスが管理局に復帰するのはいつの日になることやらである。

 

それとだが、小ギルの手によって復活した『セイバー(アルトリア)』『ランサー(ディルムッド)』『ファイター(クラウス)』『キャスター(ヤガミ)』『バーサーカー(ランスロット)』なのだが、戦いが終わった後、魔力が切れたのかまたクラスカードに戻ってしまい小ギルの手に戻っていったという。

そしてセイバー(タケミカヅチ)、アーチャー(ヘラクレス)、ランサー(オーディン)、アサシン(ハサン・サッバーハ)のクラスカードを持っていたホムンクルス達もヴォルフ・イェーガーがいなくなったことで戦う理由がなくなったらしく、小ギルが彼ら四人を預かるという事で話は落ち着いた。

そのとうの小ギルはシホ達に、

 

『お姉さん、そのうち僕の組織に招待しますね。宝石翁もいますから大丈夫ですよ』

 

と、言ってホムンクルス達とともにどこかへと去って行った。

その際、シホはゼルレッチが小ギルと協定を結んでいることにひどく驚いたという。

落ち着いたらゼルレッチとも話し合いを行った方がいいな、という事に落ち着いた。

 

 

………そして最後に話題がひっきりなしの機動六課はと言うと、

 

「………さて、それじゃシホちゃん。もろもろの事件が解決したという事でシホちゃんの身に何が起きたのか教えてくれるか?」

「わかったわ、はやて」

 

それでシホはヴォルフ・イェーガー………いや、セヴィル・アインツベルンの真の目的をはやて達に教えた。

話が進んでいくうちにセヴィル・アインツベルンの本当の顔が明らかになっていくにつれて一同の表情はどう判断していいいかという思いになっていた。

そう。セヴィルはシホに創造物質化を再取得してもらうために今まで試練のような感覚で敵対していたのだ。

だからもう死んでいなくなったとはいえなのはとオリヴィエを始めとする被害を受けたみんなにはあまり受け入れられない話であった。

しかし、それでも、

 

「セヴィルは理由はどうであれ私に希望を託してくれた。だからこの力は有効に使わせてもらおうと思っている。あ、それとはやて。この力が蘇った事は緘口令を敷いてくれないかしら? この事実を知ってわらわらと人が集まってくることは容易に想像できるから」

「わかったわ。この話はここにいるみんなだけの胸にとどめておくことにする。それでいいな? みんな?」

『うん!』

 

それでシホの力は全員の胸の中だけで納まることになったのである。

 

「でも、そうなるとノア・ホライゾンや他にも三十人もの誘拐された魔術師のみんなも保護しないといけないね。それに誘拐された人の家族にも報告しないといけないし」

 

フェイトがそう言う。

 

「そうだね、フェイトちゃん。シホちゃん、後でその居場所を教えてね。みんなで助けにいこう!」

「そうね、なのは」

 

シホ達は近いうちにヴォルフ・イェーガーの秘密施設へと捜査を開始することを決めた。

色々な発見はあるだろうが、これで今まで長年に続いた魔術師失踪事件やジュエルシード強奪事件などのもろもろの事件も解決したことになる。

後は、ジュエルシードを埋め込まれて疑似とはいえ聖杯の器になっているノア・ホライゾンをどうやって人の手に触れないで対処するかにかかってくる。

安易に願いを叶える願望器になってしまっている以上、もしもノアの体が欲がくらんだものの手に渡ったら大変なことになるからだ。

だからノアの体に埋め込まれているジュエルシードをすべて摘出して聖杯の器としての効果を無くしてノアの体は今度こそ土に返すという話に落ち着きそうである。

これでシホのセヴィル・アインツベルンとの関係性についての話は一応終わった。

本題はここからだ。

 

「それでシュバインオーグ。お前の体は確かにあの時モリアによって撃たれたはずだ。なのに傷は一切残っていなかった。これはどう説明をしてくれるのだ? よもやあの一瞬で魔力を流して一瞬で回復したということではあるまい?」

 

シグナムがそう聞いてくる。

それはシグナムが聞かなくとも全員が気になっていたことだ。

それに関してはいずれシホはみんなに話さなければいけないと思っていた。

 

「シホ………」

「奏者よ………」

「シホちゃん………」

「お姉さま………」

 

アルトリアとネロ、すずかにフィアット。

この四人だけは事情を知っているらしくシホに心配な表情を向ける。

そう、これから話すことはシホの今後について大事な話になってくるのだ。

もう誤魔化しは聞かない。

どうせなら盛大にバラしてやろうという気持ちでシホはこの問題の経緯を話し出す。

 

「これはJ・S事件での聖王のゆりかご戦でのことだった………」

 

そう、忘れもしない。

シホと洗脳されていたなのはが戦ったゆりかご戦。

その時にシホはゆりかごを破壊するためにユニゾンしてアルトリアの持つ宝具と自身の体に宿っている宝具………つまり『すべて遠き理想郷(アヴァロン)』。

この本来二つは存在しないはずの同じ宝具をフルにシンクロさせたのだ。

その結果、二つの宝具は二つ存在するという矛盾を否定するためにお互いに干渉しあい、そして融合してしまった。

 

「………私は今現在アヴァロンを所持していません。シホの体内のアヴァロンと融合してしまったからです」

 

アルトリアがそう話す。

つまり、シホの中には今現在二つ分の効果を持ったアヴァロンが存在することになる。

 

「それでその結果、私の体に異変が起こったのよ。本来のアヴァロンの効果は不老不死。これは本来の持ち主であるアルトリアしか持ちえなかったはずだった。だけど、それが私の体に定着してしまったために私は………」

「まさか………」

「そんな………」

 

シホが一旦言葉を切る。

それでも言いたいことは分かってしまったために一同は目を見開いて次には顔を俯かせてしまった。

 

「そう。みんなの想像通り………私は不老不死になってしまったのよ」

 

そのシホの衝撃の言葉によって真実を知った一同は、ただただ呆然とするしかなかった。

みんなが無言になってしまっていて重たい空気が部屋中に張りつめている。

しかし、そんな中シホは口を開いて、

 

「みんな。そんなにショックを感じないで……」

「でも! シホちゃん! もうシホちゃんは死ねないんだよ!? みんなとおんなじ時間を共有できないんだよ!?」

 

なのはが泣きながらそう叫ぶ。

そしてそれが合図だったのだろう。

他のみんなも反応は様々だったがシホの身を案じて涙を流してくれていた。

そのことに対してシホはとても胸が温かくなる思いを感じていた。

私はこんなにみんなに思われて幸せだな、と………。

だからシホは笑みを浮かべて、

 

「大丈夫………。私は決して一人じゃないから。私の中のイリヤとアルトリアとネロが生涯一緒になって付き合ってくれる。同じ不死である大師父もいる………それにすずかとフィアに私の未来の楽しみを繋げられた」

 

そう、シホはすずかとフィアの二人との間に自身の血を分けた子供を授かったことで生涯独りぼっちになることはないのだ。

もしも今いるみんなが寿命で全員いなくなったとしても、その意思を継ぐ子孫達がきっといる。

その子達を見守ることができればシホはそれだけで幸せなのだ。

この世界に来る前のもとの世界ではそんな思いをできないかもしれない闘争の中で時を過ごしていた。

それを思えば今ある幸せを守ることが第一なのだ。

置いてきた者たちがいる……。

悲しませた者たちがいる……。

それでももうシホは後悔しないと決めたのだ。

その人たちの分もシホは生きることを決めた。

その想いをみんなに話すと、

 

「まったく、お前さんらしいな………」

「まったくですね」

 

ランサーとオリヴィエには呆れられてしまっていた。

それでもそこには確かな笑顔もあった。

それで他のみんなもシホの言い分を認めてシホが暮らしやすいように色々と考え始めるのであった。

そう、シホの未来はまだまだ続いていくのだから……。

 

 

 

◆◇―――――――――◇◆

 

 

 

………後日、シホはブリューナク隊が入れられている隔離施設へと赴いていた。

シホの話が一段落した日に機動六課にとある手紙が送られてきた。

その中身にはブリューナク隊にとってもとても貴重なものが入っていたからだ。

それを届けるためにシホはやってきたのだ。

面会室ではまずは代表としてではないのだがロボとセイラがいた。

 

「シホさん、どうも」

「この間はお世話になりました、シホさん」

「いえ、いいわよ二人とも。それで隔離施設での暮らしはどう?」

「そうですね……ブリューナク隊のみんなと一緒に過ごせているから不自由はないです」

「私も若と一緒に過ごせればそれだけで………」

「そう」

 

それでシホはあることをロボとセイラに伝える。

 

「ロボ君にセイラさん。昨日ね、機動六課にとある手紙が届いたのよ。今日はそれをブリューナク隊のみんなに渡したくてこうして来たのよ」

「その手紙ってまさか………」

「そう。ジグルド提督が寄越した手紙よ」

「オジキが!?」

「おじ様が!」

 

それで二人の顔は驚きに染められる。

それでシホはさっそくとばかりに手紙を二人に渡そうと懐から出す。

それを二人に渡す。

二人は震える手で、でもすぐさまに手紙を開く。

その中身は………、

 

 

『機動六課の諸君。この手紙が届くころには私はもうこの世にはいないのだろう。

まずは謝らせてほしい………。私は最高評議会を粛清して最後には悪として正義の味方である君たち機動六課に討たれることによって市民の怒りの感情をすべて一緒にあの世に持っていくことを計画した。

こんなことを起こして今更謝れる頭はもうないが………この手紙を残してしまうであろうブリューナク隊の面々に届けてほしい。厚かましいが私の最後の願いを受けてくれ』

 

それが一枚目の機動六課へと宛てた手紙だった。

 

「私は二枚目は見ていないわ。だからあなた達の手で開封してあげて」

「はい……」

 

それでロボは二枚目の手紙を開く。

そこにはこう書かれていた。

 

『まずは凰華……管理局に深い恨みを持つお前は、長い間私とジョンの為によくついて来てくれた。感謝してもし切れない……ありがとう。

 

そしてタスラム……いやティーダ。計画の為とはいえ、私の我儘につき合わせてたった一人の家族を……妹に会わせないようにしていた……許してくれ……許してくれ……。そして妹と仲良く暮らすのだぞ。

 

ウィルソン……お前の知識、そして武術は決して並大抵の者が習得できるものじゃない。だが、いつまでも私のそばじゃなく、私よりもっと上をゆく人間の下で知恵と武を生かせ……。

 

セイラ……いつもロボの側近としてよく戦ってくれた。姉弟として育って来たお前たちの成長を見るのが、いつの間にか私の楽しみになっていた。お前がロボに好意を抱いていたのは分かっていた。だから言っておく……お前たちは自由だ。もう私の為に戦わなくていい……私はずっとお前たちの幸せを祈っている。愛してるぞ……我が娘よ。

 

ロボ……お前はよく戦った。父を失っても父の誇りを守るためにお前は戦い続けた。お前に教えていたな、『ジョンの語る正義は“悪党に絶対屈しない”』と……お前の人生はまだまだこれからだ。本当はお前の成長を見届けたかった。お前ならきっと……いや、絶対に父をジョンを超える立派な男に……勇敢な戦士になっていると思う。ロボ……先に逝く私を許してくれ。だがいつもお前と共にいる事を忘れないでほしい……頑張れよロボ……負けるなよ、ロボ……我が息子よ!

 

だが……それでも私はお前の……ブリューナク隊の皆が幸せになっていることを願っている。いつか……また会おう! 我が盟友達よ!!』

 

その手紙を最後まで読み切ってロボとセイラは大粒の涙を流していた。

 

「おじ様………おじ様………ッ!」

「解らない……解らないよオジキ……今まで俺は俺を育ててくれたオジキの力になりたくて戦ってきたのに……今さら俺は何のために戦えばいいんだよ……! あまりにアンタは立派過ぎて俺には解らないよ……!」

 

セイラはひたすらロボの背中で涙を流していて、ロボはそんなジグルドの手紙に涙を流してジグルドがもう二度と帰ってこない悲しみを再確認して未来への不安を口にしていた。

 

「ロボ君にセイラさん……。あなた達はまだ若いわ。深く悲しんだら少しでもいい。ジグルド提督の事を思いながらも自身の答えを見つけていってほしい。きっと、ジグルド提督もそう思っているはずだわ」

 

シホの言葉にロボとセイラはひたすら「はい……はいッ!」と頷いているのであった。

それからしばらくシホは二人と面会を続けていた。

そして隔離施設から出てきて、

 

「アルトリア……ネロ……」

「はい」

「うむ」

 

そこにアルトリアがアンリミテッド・エアから出てきて、ネロが霊体化を解除して現れる。

 

「ジグルド提督が命を賭して示した未来………。私達は間違わずに進んでいこうね」

「わかっています、シホ」

「当然だ。奏者のことは一生守るからな!」

「ええ!」

 

それでシホは「これからが大変ね!」と言って機動六課へと帰っていくのであった。

 

 

 




不老不死となってしまったシホ。
でも寂しくはない。後悔もしない。これが進む道なのだから。

そしてジグルドの手紙は必ずロボ達の胸を撃ったはずです。
この手紙がある限りロボ達は前へと進んでいけるでしょう。

そして次回はついに物語の完結であるエピローグです。
最後までお楽しみください。



それではご意見・ご感想・誤字脱字報告をお待ちしております。

では。
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