【完結】剣製の魔法少女戦記   作:炎の剣製

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第十九話      『新たな始まり』

 

 

 

Side シホ・E・シュバインオーグ

 

 

目を覚ますとそこはまた医務室の中だった。

二回もお世話になるなんてまた抜けていることをしちゃっているなと苦笑をしたけど、その考えは医務室の乱入者達によって中断させられる。

 

「シホちゃん!」

「お姉様ぁ…!」

 

そこでなのは、フィアが私に殺到して抱きついてきた。

でもそこでフェイト達がいない事に気づいた私は二人にそれを聞いてみたけど、変わりに一緒にいたクロノが答えてくれた。

 

「彼女達は今は護送室だ。プレシア・テスタロッサの関係者だからさすがに自由にはしておけない」

「そう…やっぱり罪は科せられるのね」

「残念だが…それが現実だ」

「そうね。これほどの事件だから…」

 

そこで沈黙が訪れる。

だけどそこでクロノが口を開き私の事について聞いてきた。

 

「それよりシホ。艦長が目覚めたら艦長室に来てくれとの事だ。僕自身も改めて色々と聞きたいこともあるしな」

「うっ…やっぱりかぁ。ま、あれだけ派手に見せたからしょうがないといえばしょうがないんだけど…」

「最後に使った剣についても説明が欲しいそうだぞ?」

「え…もしかしてアレも記録に残っていたの? てっきりサーチャーはプレシアとの戦いですべて破壊されたと思っていたんだけど…」

「艦長自らが魔法でのサーチャーを放っていたらしい。だから僕達全員その映像は見ている」

「すごかったよね、シホちゃん」

「はいです! まさしく必殺でした!」

「また見せて欲しいんだけど…」

 

そこでユーノが興味を示したらしいが、「ダメ」と一刀両断した。

あんな死に近いほどの投影をまたやれと言われても誰がやるか、といいたい衝動はなんとか抑えた。

基本、高町家(なのはは別)以外にはすべて転送系の魔術と教えているから、アレは他のものとは使用も取り出すのも困難な代物と伝えておいた。

それでユーノは残念そうにしたけどこちらとて秘奥はそう簡単に教える気はないのでご愁傷様とだけといっておく。

 

そして場所は変わって艦長室。

予想通りリンディさんにもユーノと同じ事を聞かれたので同様に断った。

 

「あれは限定的な場所以外は使用も呼び出しも困難な武装なんです。

まず魔力が渦巻いている場所じゃないと私の魔力だけじゃすぐに尽きてしまうし、それに他にも言えませんけどリスクはたくさんあるんですよ?」

「やはり相当の負担がかかるのでしょうね。計測値も軽く振り切ってしまったからシホさん自身今は魔力はほぼ空の状態でしょう?」

「はい。アレだけは私の最後に近い切り札の一つですから…ノーリスクでバカスカ使えるなんていったらそれこそ私の世界の人間に普通に殺されます」

「それも追われる原因の一つだったのですか?」

「はい、まぁ…」

「そう…それじゃしかたがありません。それと次ですがシホさんの許可が必要だと思ってなにもしていませんがこの宝石剣はお返しします」

「あ…医務室にもなかったからどこにいったのか心配だったんですけど…よかった。これは私の大事なものなんです」

「そうですか。それで相談なんですが…「嫌です」…まだ何も言っていないんですけど…」

「大方この宝石剣の事を調べたいと言いたいのでしょうけど、これは私の世界で必死の思いで作り上げた大師父の弟子としての証ですから。

それに貸しても所有権というものがあって私以外には絶対に使えませんから」

「残念ね…」

 

本当に心底残念そうにしている。

でもこれも私の投影武器同様に神秘の塊だ。

そうやすやすと解析されたらたまらない。

それにこの世界の住人は機械に頼りきって神秘というものにまったくの無関心といっても過言ではない。

だから調べても今の状態じゃただの剣の形をした宝石としか鑑定されないだろう。

 

「それじゃ少し話を変えますね。あの戦闘でシホさんは並行世界から魔力を汲み取っているといいましたが、現状どこまで使用可能なのですか?」

「どこまで、と申しましても…あの時、クロノ達に説明したのが本当に今の私の限界です。

(まぁ並行世界移動はできないけど精密に操作すればこの世界の転移技術を使わなくても転移できるし、欠片同士で通信ができるなんてことは言わない。これ以上余計に興味を持たれてもろくな事がないしね…)」

「わかりました。それではシホさんはあくまで『魔法使い』ではなくて現状は『魔法使い見習い』といったところですか?」

「そうですね。はい、その言葉が当てはまります。

私が現状でできるのは人も通れないほどの小さな孔を穿つくらいしかできませんから。

それとこれ以上はお教えできないので…」

 

それから私とリンディさんとの熱論が交わされることになったが割合する。

内容は主に私の世界の魔法やらなんやら。

ただそれを聞いていた他のギャラリーは「なんていう会話をしているんだ…」という感じの顔をしてした。

なのはなんてもうダウン寸前だし。

 

「大体わかりました。つまり私達では根本から理論が違うから理解できても魔術の使用は不可能というわけですね」

「そうなりますね。この世界に魔術回路を持っている人間がいるかも分かりませんし私が自ら探そうとしない限りは発見も難しいといえます。

それに今更ですけど魔術師になるということは非道に身を落とすということに変わりありません。

もう魔術協会のお話はしましたけど、もし私や他にもいるだろう封印指定をかけられた魔術師は捕まれば実験体として一生幽閉か、もしくは…脳だけにされてホルマリン漬けですね。

まぁ本当かどうかは定かではないですけど、幽閉は確実かと…」

「恐ろしい世界ですね…魔術の探求とはいえそこまで平気で行えるなんて…。安心して、シホさん。私達管理局は絶対にそのような事は行いませんから」

「そうですか。それを聞いて安心しました」

「…ところで何度か聞きましたが『抑止力』というのはなんですか?」

 

う、そっちか…。

私はそっち方面に関してはあまり理解していない節があるから…イリヤの知識を貸してもらおう。

それで眠っているだろうけど一応イリヤに一声かけておいて、

 

「抑止力というのは、普通に考えれば悪い状況をこれ以上進行させないための事ですよね?

でも私達の世界では大まかに二つに明確化されています。

一つは霊長の抑止力『アラヤ』。

そしてもう一つは世界の抑止力『ガイア』。

その二つに分類されます」

「世界、というのはよく分かりませんが、霊長…というのはつまり私達人類のことですか?」

「そう思ってくれて構いません。ガイアについては私も詳しくありませんからアラヤに付け加える形で説明します。

アラヤとは世界を滅ぼしてでも霊長を存続させる意思の力の事。

そしてガイアはその逆で霊長を滅ぼしてでも世界を守ろうとする意思の力の事をさします。

双方に違いは存在しますけど一つ共通する点は『霊長を滅ぼしえる可能性を持った因子』を排除するものです」

 

そこでクロノから質問があった。

 

「それじゃその滅びというのは起こそうとした本人を排除するというものなのか?」

「いい質問だけど、それはハズレ」

「それじゃ一体なにを滅ぼすというのですか…?」

「…その事象に関わったもの全てです」

 

リンディさんの質問にまどろっこしく言わずに本当の事を話した。

それと同時に艦長室が一気に静まりかえった。

それを聞いていたリンディさん、クロノ、エイミィさん、なのは、ユーノ、フィア…全員ものの見事に固まってしまった。

だけどここで一々止まっていてもしかたがないので話を続ける事にした。

 

「抑止力に善悪は関係ないんです。

ただ霊長を生き長らえさせる為にその原因に関わった者達…そしてまったく関係ないのにその原因に巻き込まれてしまった周囲の人間すらもすべて排除し消去されてしまう」

 

そう、だからアーチャー――英霊エミヤ――は意思を奪われ世界の忠実な駒にされて、理想も遂げられず無限の殺しをして磨耗したのだろう。

確かにあいつの言うとおり世界の掃除屋というのはピッタリの言葉かもしれない。

 

「そしてここが重要ですが、もしかしたらこの世界の数多の次元世界の滅びも抑止力に触れてしまって滅びたのかもしれません。

一つの星、世界自体を消す…これほど手っ取り早い手は他にありませんから」

「そう、ですね…シホさんの話がもし本当なら色々と辻褄はあいます」

「そうですね艦長…発達しすぎた文明は行き過ぎた結果という事象で滅びたと考えればありえます。

ロストロギアという古代遺産はおそらく抑止力というものを発動する一つの鍵だったのかもしれませんし…」

「そういう事です。

だからたった一つだけで次元震を起こさせる力を持っていたジュエルシードは抑止力を起こしうる格好の餌とも言えたかもしれません。

だから私達が干渉しても、しなくてももし運が悪かったら結果は次元断層という名の滅びを迎えていたかもしれない…。

これが私の抑止力について知っている限りの説明と、あくまで憶測のすべてです」

 

そしてこれは私のただの思い込みかもしれないけど、もしかしたら私は抑止力を起こさせない為にこの世界から呼ばれて来たのかもしれない…。

だけどそれは心の奥にしまっておくことにする。

憶測で言葉を発しても話が余計にこんがらがるだけだから。

そしてもう湿った空気は嫌なので、

 

「でもあくまでこれは私の世界の常識だったからこの世界に当てはまるかは分かりません。

それに今回の事件であれほど派手に事を起こしたのに抑止力は動かなかった。

だからまだ分からないけど安心してください。

もしかしたら時空管理局という組織があるから抑止力は干渉してこないのかもしれませんし…」

「つまり、それを究極的に考えるともしもの場合、時空管理局が崩壊して数多の次元世界があらされ放題になった時、抑止力は動くかもしれないという結論にも至るというわけか」

 

くっ…人がこの場の空気を軽くしてあげようとしてあげているのに…少しは空気を読みなさい!

私は懲らしめの意味もこめて少しだけ回復したなけなしの魔力を総動員してアレを投影する。

今は完全に女性の私なら自由に使いこなすこともできるかもしれないから。

 

「クロノ…なまじ頭の回転がいいのは感心するけどあまりこの場でその発言はいただけないわ。……我に触れぬ(ノリ・メ・ダンゲレ)

 

そう、あの毒舌シスターの愛用した紅い布『マグダラの聖骸布』を投影してクロノの口を中心に巻き付け赤い芋虫にした。

当然「なんだ、これは!?」という動作の反論が聞こえてきたが、

 

「私が空気を軽くしてあげようとしたのに無粋な発言をするからよ」

「そうね…クロノ。しばらくそうしていなさい」

 

リンディさんがそれに同意してくれたのでしばらくはこの状態を続けよう。

ちなみにエイミィさんがクロノを突っついていた。

 

「むー!(くっ…!) むむむぅ!(こんな布きれ!) むむっ!(セットアップ!)…むむ?(どうした?)」

「あ、ちなみにこの布は男性に対して絶対的拘束力を持った神秘の布だから。だから魔法も使えないし力を出すことも出来ないわよ?」

 

それを聞いたときのクロノの表情はすごくおかしいものだった。

ユーノもそれで顔を少し青くしている。

過去に私がされた時は悔しい思いをしたけど立場が違うとここまで気持ちのいいものだと実感できる。

 

「エイミィさん、もしよかったらそれを上げますよ?

それは女性が使用することによって真の力を発揮する礼装ですから」

「いいの? それじゃありがたく貰っちゃおうかな」

「ぶはっ! 待て、シホ! エイミィにそんなものをやるんじゃない!? ただでさえ僕は…!」

 

もし私が男のままだったなら同情したのだろうけど今は楽しくてしょうがない。

エイミィさんがいい笑顔をしてサムズアップしてきたので私も返しておいた。

それでクロノの表情がある意味絶望に染まる。

 

「くそ…エイミィと君を会わせてしまったのが失態だったか!?」

「はいはい、それではこれでお開きにしましょうか。エイミィ、クロノの事はお願いね?」

「了解です、艦長」

「母さん!?」

 

それから部屋を出るあたりでクロノの叫び声が聞こえてきたがもう諦めてもらおうとしかいえない。

 

 

 

 

 

そして数日、次元震の影響が収まるまでアースラで暮らしていた私達はやっと帰れることになった。

でもミットチルダという世界には当分は帰れないというのでユーノとフィアはまだ当分は高町家に住むことになった。

だけど一つ私は気がかりな事があった。

 

「…ところでクロノ。例の私の宝石はどうなったの?」

「ああ、それか。それなら今この場で返すよ。検査の結果、ロストロギア反応は感知されずただ古代のデバイスがなんらかの形で融合してしまったらしい。

起動方法は中身が古すぎて解析もできなかったから現状は無理だということだから元々君のものだし持っていても害はないし、もしかしたらいつか目覚めるかもしれない…。

だからその時になったらまた報告をしてくれ。ロストロギアだったら即刻封印作業を取らせてもらうから」

「わかったわ」

「それとシホさんの魔術の件はクルー全員に緘口令を敷きましたので当分の間だけど知る者はわずかばかりですよ」

「ありがとうございます」

 

それからフェイトの処遇については分かったら知らせてくれるらしい。

そして私達はクロノ達と別れを告げ海鳴市に戻ってきた。

 

 

◆◇―――――――――◇◆

 

 

高町家に着く前にシホはある決心をしていた。

 

「なのは…お願いがあるの」

「なに、シホちゃん…?」

「少し、勇気をもらっていいかな?」

 

その物言いでなのはは何を言いたいのか気づいてくれたらしくて手を握ってくれた。

それでシホは心がほぐされた感じがした。

そして二人して門をくぐる。

 

「ただいまー!」

「ただいま帰りました…」

 

なのはの元気な声が響く中、当然シホはガチガチに緊張している。

すると一斉に高町家の一同がシホ達を迎え入れてくれた。

 

「よく帰ってきたわね。なのは、それにシホちゃん…」

「は、い…心配かけちゃってすみません…。その…」

「ん? どうしたの…?」

 

そこでシホは言葉を一回詰まらせる。

だけど手を握ってくれたなのはが笑顔を向けてくれたおかげでシホは決心がついた。

 

「その…桃子お母さん…」

『え…?』

 

なのは以外、全員目を丸くして固まってしまった。

それは当然だろう。

シホは今まで桃子の事を『桃子さん』と呼んでいたのだから。

とうのシホはまだ恥ずかしさが臨界点をいっている為に頬を盛大に染めていた。

だが次のシホの発言にもまた驚かされた。

 

「それと士郎お父さん、恭也兄さん、美由希姉さん…ただいま帰りました」

「やっと言えたね。シホちゃん!」

 

そのなのはの一言が時を再び動かして全員はなのは共々シホの事を抱きしめた。

桃子はやっとお母さんと言ってもらえた事に盛大にうれし泣きをしていたのは言うまでもない。

その晩はもうパーティーを開いたそうだ。

 

そして翌日学校に久しぶりに向かったシホをすずかとアリサは、なのは共々嬉しそうに出迎えてくれた。

こうしてシホ達は再び日常に戻ってこられたと実感できたのだった。

 

数日後、なのはの携帯に時空管理局から電話がかかってきた。

どうやらフェイトの情報で正式に処遇が決まったらしく当分会えることは出来ないけどクロノの話ではほぼ確実に無罪になるとの事でシホ達は喜んだ。

そして本局に移動になる前に会えるということでシホ達は待ち合わせ場所まで向かうことになった。

 

 

◆◇―――――――――◇◆

 

 

Side シホ・E・シュバインオーグ

 

 

待ち合わせ場所に向かった私達を待っていたのはクロノ、フェイト、アルフの三人。

クロノ達が気を使ってくれたらしく私となのは、フェイトの三人だけにしてくれた。

 

「まずはなのはからでしょ?」

 

という私の言葉で二人は会話をしだした。

少し会話をしてフェイトが「どうしたら友達になれるかな?」と言ったのでなのはと一緒に笑いあいながら、

 

「簡単なことよ、フェイト」

「うん。名前を呼んで…それだけでいいの」

 

それでフェイトとなのははお互いに名前を呼び合い、クロノがもうそろそろ時間だといってなのはとフェイトはお互いのリボンを交換し合った。

だからここ数日私もフェイトのために製作していたあるものを渡すことにした。

 

「フェイト…」

「シホ…」

「私ね、フェイトに上げたいものがあったのよ。ここ数日だけだから時間が無くてそんなに製作できなかったけど…」

 

私はそういって一つの剣型の首飾りをフェイトの首にかけてあげた。

 

「これは…あの時にシホが使っていた剣と同じ形の…」

「うん。これには対魔力、魔除け、その他もろもろの効果を施した私オリジナルの魔術礼装…きっとこれはいざっていう時にフェイトの事を守ってくれるわよ」

「うん…ありがとう、シホ!」

「うん。いい笑顔ね」

「それと私から一つお願いがあるの。聞いてもらっていいかな?」

「言ってみて…」

「別れる前に、あの時の歌を聴かせて…」

 

フェイトの申し出に私はクロノを一瞥した。

 

「まだ少しなら大丈夫だ。ゆっくりと歌うがいいよ」

「ありがとう、クロノ」

 

なのはとユーノは聴いた事が無いらしく「何の事?」という顔をしていた。

だから私は全員に届くように目を瞑り両手を合わせて、

 

「~~♪~~~♪」

 

私は目をつぶって歌っているので周りに関しては気にしていない。

けど、みんなも静かに私の歌を聴いてくれている。

 

「~~♪~~♪~~~♪~………」

 

そしてフェイトの為に心を込めて最後まで歌いきった。

そして、

 

「うん、やっぱりシホは歌がとても綺麗だね…」

「言っていなかったけどこれは『ローレライ』っていう題名なの。また寂しくなったらなのはのリボンや私の剣のアクセサリー…そして私の歌を思い出して」

「うん!」

 

そして「時間だ」とクロノが言った。

 

「アルフもまたね」

「ああ。シホ、なのは、それにユーノにフィアット…ありがとうね」

「ばいばい、またね…なのは、シホ…それにみんな!」

 

そして転移ゲートが開き、フェイトはしきりに手を振ってきたので私達は全員で手を振り返した。

そして三人は転移して消えていった。

残った私達は元気を出して家に帰るのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◇―――――――――◇◆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…とある施設にある一室で、

 

 

「プレシア・テスタロッサは失敗したか…」

「まぁ、もともと期待はしていなかった」

「せっかくアルハザードの情報を与えてやったというのに…」

 

そこではそれぞれ仮面をつけた集団が集まっていた。

 

「しかし、そのプレシアと対等に戦ったというシホ・E・シュバインオーグという少女…実に興味深い」

「情報がないだけに実に調べてみたいものだ」

「いっそ捕らえて解剖をしてしまおうか…?」

「いや、それでは管理局の眼にも止まってしまうだろう」

 

仮面の男達は不気味に笑いながらも内密に話を進めていく。

 

「…ふむ、ところでここに集まっているものはこれでメンバーすべてかの?」

「む? 確かにそうだが………、…ッ!? 貴様、何者だ!?」

「そのシホ・E・シュバインオーグの師匠といえば、わかるであろう…?」

『!!?』

 

仮面をはずした男は不死の魔道元帥キシュア・ゼルレッチ・シュバインオーグ…その人だった。

ゼルレッチはニヤリと笑い、次には憤怒の表情をして、

 

「まったく…シホはようやく幸せというものを掴み始めたというのに貴様等という人種は、この世界にもやはり存在したのだな…」

 

聞くものが聞けば卒倒するほどの威圧の声…そして殺気を放ち、ゼルレッチは宝石剣を構え、

 

「貴様等を見ていると虫唾が走る…シホの幸せのためにも、ここで死ぬがよい…!」

『ひっ!?』

 

七色の極光がその場の男達をすべて飲み込み消滅させ、それでは飽き足らずその施設すらも破壊した。

そしてゼルレッチは宝石剣を通して世界を見通し、

 

「まだまだこの世界の膿はあるようじゃがシホに手をかけようとしない限りはなにもせん。

だが、もしあの娘の幸せを砕こうというならばワシはいくらでも悪にでもなろうぞ…!」

 

そう言ってゼルレッチは愉快に「ハッハッハッ!」と笑いその場から姿を消した。

後日、ミッドチルダや各次元世界では各地で謎の爆発事故が起きたと大々的に放送されたという…。

 

 

 




最後を見て大師父がとてもいい人に書けていたと思えたら幸いです。

それではご意見・ご感想・誤字脱字報告をお待ちしております。

では。
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