【完結】剣製の魔法少女戦記   作:炎の剣製

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前より夢の中で話している内容はわかりやすくなっています。

それでは、どうぞー。


第三十六話    『謎の女性と王女の夢』

 

 

 

 

時間は過ぎてシホ達小学生メンバーは学校へと向かっていった。

同時刻ではフィアットがアルフに基本から中国武術を叩き込んでいる。

そして対策室兼ハラオウン邸ではクロノがいまだ苦い表情をしていた。

 

「しかし母さんはともかく僕も何度か事件で殺気は浴びたことはあったけどあそこまでのものは初めてだった。

…正直言って舐めてかかっていたのが本音なのかもしれない」

「そうだよねぇ~…。私なんてあんなの初めてだから腰を抜かすまではいかないけど、思わず泣きそうになっちゃったよ。

私でこれなんだからなのはちゃん達には相当厳しかっただろうね」

「考えてみればシホのもとの世界…正確には魔術の世界ではこんな殺気はごく当たり前だったのかもしれないな」

 

クロノがそう言って表情を渋くした。

パソコン作業をしている傍らで聞いているエイミィでさえそのことに関して暗い顔をする。

だがいつまでもそうしているわけもなく二人はすぐに気持ちを切り替えてこれからのことに関して話し合っていた。

といってもやはりシホの話が持ち上がってくるあたり、相当謎が多いのは確かなのである。

 

「新たに発見された魔力変換資質【風王】…。

アンリミテッド・エアといういまだ謎多い部分が存在するトリニティーデバイス。

その中の魔術回路に反応する魔術式という新たなシステム。

まだ完全覚醒していない管制人格…ユニゾンデバイスのセイバー・アルトリア・ペンドラゴン…。

シホちゃんの展開した古代ベルカの紋章陣。

そしてセイバーさんのいうシホちゃんの真の目覚めって意味深の言葉。

………これだけあげてもどれも新発見のことばかりだよ」

 

エイミィがモニターに展開した様々なデータの覧。それを見てクロノは顔をしかめつつ、

 

「確かに…。でもユニゾンデバイスが誰なのかが分かっているだけ収穫というところか? どうしてユニゾンデバイスになったとかという疑問が浮上してくるけど」

「本当だよね。まさか彼の有名なアーサー王がユニゾンデバイスになっているなんて言っても多分ほとんどの人は誰も信じないと思うよ。

まして真相は男と偽っていた女性だったなんて真実はまたとない歴史的発見だし」

「しかも過去にシホに仕えたことがあるというのだから言葉も出ないとはこのことをいうんだよな。

P・T事件で使ったシホのエクスカリバーもこの人物には到底及ばないと言うし…。まさに最強の使い魔だ」

「局には話すの?」

「母さんと話し合って正体だけは話さないようにするらしい。というか話したらそれこそどこかで嗅ぎ付けるかもしれない犯罪者にシホ共々狙われかねない。

よってアンリミテッド・エアに宿っていたユニゾンデバイスとだけ話を通すことに決定した。グレアム提督もそこは承諾してくれたから多分安心だと思うよ」

「難儀な話だねぇ…。シホちゃんもこれから相当苦労するだろうね」

「だな。でもそれより僕は一つ、確証はないけど感じたことがある」

「なになに?」

「シホは、この世界にもしかしたら偶然で来たわけじゃないかもしれないというところだ。本当に確証は無いからどうともいえないけどね…」

「なるほどぉ…。確かに今までの問題を並べていくとほとんどが少なからずシホちゃん関係に繋がってくるからね。デバイスしかり、古代ベルカ式しかり…」

 

クロノとエイミィは憶測でしかないが、妙に真実味のありそうな話だけに頭を悩ませていた。

 

 

◆◇―――――――――◇◆

 

 

とうのシホはというと突如授業中に前触れも無く気絶して倒れてしまい保健室に直行されて寝かされていた。

保健室担当の先生が言うには体の疲れから来るものだろうと診断されてすずかとアリサはともかく、なのはとフェイトは思い当たる節がかなりあるので一緒に見ているとの事で保健室に残っていた。

すずかとアリサは心配げに、だが授業内容は後で教えるねと言って後ろ髪を引かれるように保健室を後にした。

保健の先生もちょっと用があるというので出て行き、都合よく部屋にいるのは気絶してしまったシホとなのは、フェイトの三人だけ。

シホは苦しそうな表情はせずただ寝息だけが聞こえてくるだけなので二人は安心していたけどなのははふと、

 

「シホちゃん、やっぱり無理をしていたのかな…。いきなり倒れちゃったから私、とても心配しちゃった」

「…うん。そうだね、なのは。シホって他人に負担をかけないように無理している印象があるから今回それが一気に来ちゃったんだと思う。

朝のあれもやっぱり無理を隠し通していたんだよ。

直接とは行かないけどアルフの攻撃も魔術もなしで受け止めていたからそれもやっぱりあると思うから」

「ヴィータちゃん達との傷の件もあるけど…。結局、その原因は私達の力不足も関わってくるわけだから…だからフェイトちゃん」

「ん。なに、なのは?」

「シホちゃんを安心させられるように、そして無理させないように一緒に強くなろう!」

「…そうだね、なのは。必ず強くなる!」

 

二人は静かにだが決意を新たにしてシホが目を覚ますのを待っていた。

 

 

…そしてシホは夢の中でまた例の夢を見ていた。

 

『■■陛下…いえ、■■■ィ■王女。

どうか■■■直してくだ■■。■は…あ■たに忠■■誓った■、■■にどうし■私を■王家でも■■だけ■■使■■いという異■■移■という貴重■■法を■■、■■■うとする■■すか…!』

『聖■■■金術■、■■■ツ■ルン。■■ません…で■が■■た■■質な魔■技術【■■物■■】はもし■用■■さ■ならばこ■■乱■世にさら■る■いが■■る事が■白。

■言■も■■は危■視■れてい■すし、あな■■身も■■れるこ■■もう■度■ありました…。私の■と認め■いる■■たにはそん■■い運■■味わ■■欲しく■■…』

『し■し…!』

 

(…また、王女と呼ばれている女性がイリヤに似た女性と一緒にいる…。なに、この言葉だけノイズだらけの謎の夢は…?)

 

シホはまた王女が女性に抱きついて涙を流しながらなにかの呪文を呟き、女性は開いた穴の中に吸い込まれていく光景を見る。

そしてその光景に既視感を覚える。

それはどこかキシュア・ゼルレッチ・シュバインオーグの使う第二魔法とそっくりだと言うことに。

女性はまた吸い込まれていく最中にまた涙を流しながら叫びをあげて、

 

『王女! いつ■、いつかあ■■の元にお■■し■す! だ■ら…!』

 

また異空間をさ迷う光景を目にしてシホはなぜか胸が締め付けられるような思いになる。

そしてまた女性はシホの方に歩み寄ってきた。

シホは意を決して、

 

『あなたは、誰なの…?』

 

尋ねるが解答は前回と同じで、

 

『どう■私の■願を■えてくだ■■。きっと■■■の時代に■■再■するで■■う。■女をどうか■■てくだ■い…』

『待って! あなたは本当に誰なの!?』

 

シホは必死に声をあげるが女性は『まだ…』と、ノイズの無いはっきりとした言葉とともに首を振り儚げに笑みを浮かべてシホの前から消えていく。

するとまたシホの視界は光に包まれていく…。

そして…。

 

◆◇―――――――――◇◆

 

 

それは突如として起こった。

シホの寝ている布団を中心に古代ベルカの紋章が展開されなのはとフェイトはいきなりの事に戸惑いの表情を作る。

幸いこの保健室にはこの三名以外いないのでよかったがもし見られていたら大変だったであろう。

すぐそこにクロノがバリアジャケットをまとい転移してきて結界を展開する。

 

「クロノ!?」

「クロノ君!?」

「二人とも落ち着け。この教室だけ結界をはったから問題は無い。しかし…これはいったい…」

 

クロノはシホが寝ている地面に展開されている朱色の魔法陣を見て難しい顔をする。

なぜいきなり、しかも術者本人は寝ているというのに魔法陣が展開されるのか…。

 

「クロノ…これっていったい…」

「シホちゃん…」

 

フェイトが不安げに尋ねてきて、なのはは心配そうにシホを見つめている。

とうのクロノもわけがわからない様子で首を横に振るだけ。

そこにエイミィがスクリーン映像とともに現れて、

 

『クロノ君、なにかわかったの…?』

「いや…。エイミィ、他になにか異常はないか?」

『今のところは…。それにしても、シホちゃん、急にどうしちゃったのかな?』

「さぁな。わかっていれば苦労しない」

『だよね』

 

四人が唸っている間、しばらくすると次第に魔法陣は収まっていき完全に消えるといきなりシホは目を覚ましてガバッと勢いよく上半身だけ起き上がり、

 

「待って! あなたは誰なのッ!?………って、あれ?」

『………』

 

シホはいきなり起きて固まっている四人に目を移して、

 

「なんでクロノがいるの? というかなんで私、寝かされているの?」

「なんで、って…シホ、授業中にいきなり意識をなくして倒れちゃったんだよ?」

「覚えてないの?」

「…うん。そっちはわかったけどクロノがいるのはなぜ?」

「それはな。いきなり強力な魔力を感じて転移してきたんだ。その発生源は君だよ、シホ」

「私…?」

「そうだ。ところでなにか変な夢でも見たのか?」

「あっ…。うん、前は一度…そうだね? アンリミテッド・エアが起動した時に見た夢だったんだけど忘れちゃっていて…」

「ということは、今度は覚えているのか?」

「ええ。なんというか言葉がノイズだらけで何を喋っているのかよく分からない変な夢だった。でも人物の顔だけははっきりと思い出せるわ」

『ね、ね? どんな人だったの?』

 

エイミィは興味深げに聞いてきてシホはポツリポツリと話し出す。

 

「…どこか、戦場だったでしょうか? そこのあるお城の広間みたいな場所に私に似ていて赤い眼の色をした騎士甲冑を着た銀髪の女性と、それと女性に陛下と呼ばれていた右目が緑、左目が赤の虹彩異色の女性…その人が私に似た女性を、まるで…そう、大師父と私が使う第二魔法みたいな力で異空間に飛ばすという夢。

そして異空間の中でその女性は私にまるで気づいているかのように歩み寄ってきてノイズ交じりに何かを必死に頼み込んでくるんです。

なぜか私も夢だと言うのに声が出せて『誰?』と聞いたけどその女性は、その時だけはっきりと『まだ…』と呟いて首を振るんです。

そしてまるで、消えていなくなってしまいそうな儚い笑みを浮かべてどんどん遠ざかっていくと言う不思議な夢です」

 

シホの、夢だと言うのに鮮明すぎる内容になのはとフェイトは運命的ななにかを感じて目を輝かせている。

一方でクロノは「虹彩異色の王女…?」と呟いてなにかが頭に引っかかって考え込んでいる合間に、エイミィは突然大声を上げた。

 

『あーーーッ!?』

「ど、どうしたのエイミィ?」

「エイミィさん?」

 

エイミィは二人の声が耳に入っていないのか興奮気味にシホにあるものを見せる。それは誰かの肖像画だろうか?

 

『もしかしてシホちゃんが見たっていう王女の人って、この人!?』

「え、嘘!? は、はい。この人です!」

『やっぱりかぁ…。ベルカの虹彩異色の王女で検索してみたら見事ヒットしたよ!』

「それで実際誰なんだ? 僕も初めて見るものだが…」

『詳しい資料は載っていないんだけど、旧ベルカ時代の王の一人、聖王家の最後の王、名前を【オリヴィエ・ゼーゲブレヒト】っていう名前らしいよ』

「オリヴィエ………、…ッ!?」

 

その名を呟いた途端、シホは軽い頭痛に襲われ頭を抑えてしまった。

そしてどういうわけか、

 

「私…この人の事、知っているかもしれない…。でも、どうして知りもしない事を…うぅっ!」

 

シホは苦悶の表情を浮かべながらそう言ってまた頭痛が襲いかかってきて処理できないのか熱暴走してまたベッドに横になってしまった。

当然全員は慌てるがまた睡眠に入ってしまったものはどうしようもないとして一時保留扱いとなった。

 

「…なのは、フェイト、それにエイミィも。この件はあまり公開しないほうがいいかもしれない。だから誰にも喋らないように。艦長には僕自身が内密に話しておく。以上だ」

『は、はい…。』

 

執務官の顔になり三人は素直に頷いた。

クロノ自身、

 

「(もしかしたら、さっきの予想はあながち間違いじゃないかもしれない。異世界からやってきたシホ。そして異世界に飛ばされた可能性のある謎の女性。

………簡単にまとめるとしたら一度世界から追い出されてまたなにかしらの運命でこの世界に舞い戻ってきた子孫かなにかなのかもしれないな、シホは…)」

 

そう考えていた。しかし所詮憶測。今は考えても埒が明かないと判断し、それ故の保留である。

 

 

◆◇―――――――――◇◆

 

 

…少し時間を遡り、シホが魔法陣を展開しているときに家ではやてのお手伝いをしていたシャマルは突然の魔力反応(すぐ途絶えてしまったが…)に目を見開き、

 

「(今の強大な魔力反応は…、なに? なにか、すごい反応だったけどもう収まったわ…なにが起きているのかしら?)」

「シャマル? どないしたの? 手が止まっとるよ?」

「あ…なんでもないですよ、はやてちゃん」

 

はやての言葉に正気に戻ったシャマルだったが一度染み付いた感覚は忘れることができず内心頭を悩ませていたのだった。

 




気づいている方もいると思いますがもう夢の中の王女の名前が判明してしまいました。
やっぱり顔も夢の中ではぼやけていて隠したほうがいいと思いましたがもうこれで進めていきます。

それではご意見・ご感想・誤字脱字報告をお待ちしております。

では。
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