【完結】剣製の魔法少女戦記   作:炎の剣製

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原作より早くシホとはやてをカリムと会わせようと思いました。


第四章 空白期編
第八十五話    『聖王教会』


 

 

 

Side シホ・E・S・高町

 

 

武装隊でなのは、フェイトとともに色々と学んで切磋琢磨と励んでいる中、聖王教会所属にもなっている私とはやて…それにオリヴィエ陛下は聖王教会に招かれていた。

そしてアルトリアとネロも一緒についてきた。

ちなみにオリヴィエ陛下のマスターであるなのはは別の用事がありこの場にはいない。

そこではその名の通り聖王を信仰している団体でオリヴィエ陛下とも深い結びつきがある場所である。

お話をする場所には金色の髪をした女性と緑色の髪をした男性、そして一人赤紫色の髪をしたシスターの三人がいた。

 

「よくお越しになりましたね。私の名前は“カリム・グラシア”です」

「僕は“ヴェロッサ・アコース”だよ。そしてカリム姉さんの義理の弟だ」

「私は“シャッハ・ヌエラ”です。聖王教会ではカリム付きのシスターをしています」

「あ、八神はやてです…」

「シホ・E・S・高町です。一応聖王教会所属ですけどこうしてくるのは初めてですね」

「アルトリア・ペンドラゴンです」

「ネロ・クラウディウスだ」

「オリヴィエ・ゼーケブレヒトです」

「お会いしたかったですよ。シホさん、はやてさん…そしてオリヴィエ陛下。あなた様と出会えて光栄です…」

 

そう言ってカリムさんはオリヴィエ陛下に頭をたれた。

 

「よしてください。私はもう過去の人なのですからできれば普通に話してくださってください」

「しかし…」

「お願いします」

「わかりました…」

 

それでカリムさんはなんとか普通に話をするようになった。

まぁ、信仰している人が目の前にいればかしこまったりしてしまうものだろう。私達はもう王様関係には慣れたものだが…。

 

「それではオリヴィエ陛下、また機会がある時にじっくりとお話がしたいので…」

「わかりました。予定を作っておきますね」

 

オリヴィエ陛下はそれで笑顔を浮かべる。

ちなみにオリヴィエ陛下が現代に蘇ったという珍事は意外に市民に知られていない。

勘がいい人はすぐに気づくものだが今現在は高町なのはの使い魔というくらいしか知名度はない。

情報操作もされているのだからかなり機密だったりする。

 

 

閑話休題

 

 

「それで今日皆さんを呼んだのは同じく古代ベルカ式の継承者の者同士という理由がこめられています。

はやてさんは『蒐集行使』というレアスキルを持っています。

そしてシホさんは聖なる錬金術師のシルビア・アインツベルンから受け継いだ『創造物質化』…しかしそれももう失ったと聞きます。

そして残ったのが『天の杯(ヘブンズ・フィール)』である『魂の物質化』というレアスキルの魔法のみ…」

「ずいぶんと私達について詳しいんですね」

「はい。調べさせてもらいましたから。気に障ったらごめんなさいね…」

「いえ、大丈夫ですが…」

「そう…よかったわ。私達はあなた達とは友好的な関係を築きたいと思っていますから」

「同じ古代ベルカ式を使う兄弟としてね」

 

二人もなにかレアスキルを持っているようね。

 

「僕の能力は『無限の猟犬(ウンエントリヒ・ヤークト)』。

効果は魔力で生み出した猟犬を放つことで、その場にいながら探査・捜索を行うことが可能なのさ」

 

それを聞いてつい私はアヴェンジャーの無限の残骸を思い出してしまった。

にしても“無限”か。私と縁があるのかしら?

 

「そして私の能力は『預言者の著書(プロフェーティン・シュリフテン)』。

効果は最短で半年、最長で数年先の未来を、詩文形式で書き出した預言書の作成を行うのよ。

でも二つの月の魔力がうまく揃わないと発動できないから、ページの作成は年に一度しかできないのよ。

そして預言の中身は古代ベルカ語で、しかも解釈によって意味が変わることもある難解な文章に加え、世界に起こる事件をランダムに書き出すだけで、解釈ミスも含めれば的中率や実用性は割とよく当たる占い程度といったものなのよ」

「あ、もしかして聖杯大戦の事を予言したのは…」

「ええ。私です。最初はよくわからなかったけどシホさんの事を聞いてからそれは確信に変わったわ。

まず前半の方の予言が出てきた時はどうなるかと思いましたから…」

「確か…」

「はい」

 

それでカリムさんは語りだす。

 

「『繰り返す闇の胎動、湧き上がる絶望の泥。

その者、愉悦を心から望みし愚者。

従いし王は絶望を実現せんとし人造の杯を作り出さんとする。

人造の器から漏れ出したるは黒い絶望。

絶望は世界すべてを覆いつくしあらゆる死が蔓延し誰も抗うすべを見出せない。

最後、あらゆる全ての頂上より悪夢が降り注ぎ世界は闇に閉ざされる』…。

まずこの予言が出てきた時、私達は騒然としました。

このままでは世界が絶望へと染まってしまうという事態でしたから…」

「確かに、これだけだと不安一色ですからね…」

「ええ…」

 

今、もう一度聞き直してみてこれはとても言峰綺礼に当てはまっている言葉だというのが分かる。

まず『繰り返す闇の胎動、湧き上がる絶望の泥。』という節は何度も繰り返されてきた聖杯戦争を指していて第三次聖杯戦争でアヴェンジャーによって汚染されてしまった聖杯を指している。

 

次の『その者、愉悦を心から望みし愚者。

従いし王は絶望を実現せんとし人造の杯を作り出さんとする。』

 

これは愉悦を望みし愚者というのは言峰綺礼で間違いない。

従いし王というのもギルガメッシュだというのはもう分かっている。

 

『人造の器から漏れ出したるは黒い絶望。』というのは聖杯に溜まっている泥で間違いない。

 

そして最後の『絶望は世界すべてを覆いつくしあらゆる死が蔓延し誰も抗うすべを見出せない。

最後、あらゆる全ての頂上より悪夢が降り注ぎ世界は闇に閉ざされる』という節。

これは聖杯が降臨して誰であろうと願えばすべて破壊でしか事象を招かない壊れた聖杯をよく表している。

あの泥はサーヴァントですら天敵の対象だから一度溢れたらもう取り返しができないだろう。

それがよく痛感するのが平行世界で聖杯の泥で滅びたという世界をよく表している。

 

前半だけ聞けば絶望の予言でしかなくなってしまうわね。

そこにアルトリアが、

 

「ですがカリム。後半の予言はすぐに出てきたのですか…?」

「はい。アルトリアさん。まだ二つの月の魔力が切れる前に再び予言が出てきたのです。

その予言とは…、

『これを阻止できうるは、かつて聖なる王に使えし者。

遥か遠き地に旅立ち、名すら忘れ去られた血の末裔。

その者、無限の虚構を作り出す神秘。世界を侵し、そして穿つ異端の体現者。

古の昔滅びし都の王の再誕。変貌した御身、絶大なる極光の輝きをもたらす星の使者を従える。

彼の者達の織り成す奇跡はあらゆる闇を祓い光に導く。

その志を共にするもの達は力を貸与えともに戦うだろう。

合わさった力を前に愚者と王は力を削がれ絶望は消え失せることだろう』

…と、記されました。

これを見てすぐに絶望は防げると思いました。

ですがやはりこの内容だけでは誰かの特定はできずに無理に探すこともできなくていつ現れるとも分からないその『かつて聖なる王に仕えし者』の出現を私達は一途に待っていました」

「それがシホちゃんやって事か…」

「ええ。はやてさん。シホさんが予言に見事合致したのです」

「シルビアの記憶と力を受け継いだシホだからこそですね」

「はい、オリヴィエ陛下」

「しかし、私はシルビアにひどいことをしてしまいましたね…。過去、予言でシルビアの力は危険視されていた為に私はシルビアを異世界へと飛ばす決断をしましたが、今はそれが本当に正しかったのかわかりません…」

 

それでオリヴィエ陛下の表情が俯き暗くなる。

でも私はシルビアさんをそのまま受け継いでいるといってもいい。

だから、

 

「オリヴィエ陛下…気になさらないでください。確かに私は異世界に飛ばされ一時期さ迷いましたがまたこうして戻ってこられたのですから…だから気になさらないでください」

「はい。すみませんでした、シルビア…いえ、シホ」

 

私はシルビアさんと意識を共有してオリヴィエ陛下に話しかける。

それでオリヴィエ陛下は幾分楽な表情になった。

 

「それで内容の解読ですが、

『かつて聖なる王に使えし者。

遥か遠き地に旅立ち、名すら忘れ去られた血の末裔。』

…というのはシホさんで間違いないと思います。

でも、次の節で『その者、無限の虚構を作り出す神秘。世界を侵し、そして穿つ異端の体現者。』というのはどういった内容か分からないのです。

これもシホさんの力なのか…そこのところはどうなのでしょうか?」

「多分全部私に合致しています。もう知っていると思いますが私は第二魔法の使い手でもあります。

そしてこれだけはまだ管理局に知られていない秘密の内容ですが他の誰にも話さないと言っていただければ教えます」

「誓いましょう。ロッサとシャッハもいいですね?」

「かしこまりました」

「わかったよ、カリム」

 

それで私は秘奥である転送魔術は本当は投影魔術という名前で、後、固有結界の内容をカリムさん達に伝えた。

それを聞き終えると三人は驚きの表情をして、

 

「そんなレアなスキルも持っているのですね。シホさんは…」

「はい。投影はこれから零れおちた副産物でしかないんです。

だから私がこれを解読します。

『無限の虚構を作り出す神秘』というのは投影魔術。『世界を侵し、』は固有結界。『そして穿つ』とはおそらく宝石剣での第二魔法で平行世界への孔を開けることでしょう。

そしてついでに言いますと『古の昔滅びし都の王の再誕。変貌した御身、絶大なる極光の輝きをもたらす星の使者を従える。』というのはおそらくアルトリアの事でしょうね。

ユニゾンデバイスへと形を変えましたから。アルトリアは」

 

私の解読に三人と一緒に聞いていたはやて達は関心の表情をして、

 

「そこにさらにシホさんは『天の杯(ヘブンズ・フィール)』も取得している…かなりの数のレアスキルを持っているのですね」

「はい。まぁ…」

「これで納得が行きました。シホさんはやはり予言通りの人物でしたね」

 

カリムさんはそれで笑みを浮かべる。

 

「そして最後に残りの節。

『彼の者達の織り成す奇跡はあらゆる闇を祓い光に導く。

その志を共にするもの達は力を貸与えともに戦うだろう。

合わさった力を前に愚者と王は力を削がれ絶望は消え失せることだろう』…。

これははやてさん達とサーヴァントを指していたのですね」

「多分ですが…」

「奏者はすごい人物だったのだな。余は我が事のように嬉しいぞ」

 

ネロが嬉しそうに何度も頷いているが私としてはもう取り返しがつかないとこまで来ちゃったなぁ…と思う。

こうして私の秘密はどんどん広がっていくのだろうかと。

 

「これで十分予言の内容を理解させてもらいました」

「そうだね、カリム。っと、いつまでも他人行儀もあれだからせっかくこうして知り合いになったのだから僕達で呼び捨てで呼び合うのはどうだい?」

「それ、ええね!」

 

ヴェロッサさんの提案にはやては乗り気だったので私も参加することになった。

これからはカリムさんの事をカリム。

ヴェロッサさんの事をロッサ。

シャッハさんの事をシャッハと呼ぶことになった。

 

それでその後は親交を深めるために色々と全員で話をし合って、

 

「あ、そうそう。シホ、あなたとアルトリアさんのユニゾンですが私でも申請許可はできますのでしたい時に連絡をとってくださいね?」

「わかったわ。カリム」

「僕と付き合いたい時は気兼ねなく言ってくれよ?」

「…ロッサ。それは多分ないから」

「そうやね」

 

それでロッサは落ち込み、シャッハがロッサを叱っていた。

 

 

◆◇―――――――――◇◆

 

 

それから家に帰ると、

 

「あ、シホちゃんにみんなおかえり!」

「ただいま帰りました。なのは」

「うん! それよりお話はちゃんと出来たの?」

「ええ。有意義な時間を過ごさせてもらったわ」

 

特に支障のない程度に話をしていく。

と、なのはがふとオリヴィエ陛下にある事を聞く。

 

「そういえばオリヴィエさん」

「なんですか、なのは?」

「うん。ちょっと聞きたいことがあったの」

「言ってみてください」

「あのね…オリヴィエさんの宝具なんだけど…みんなのは分かってるんだけどオリヴィエさんの宝具だけ分からないの…それで気になっちゃって」

「そうですか。しかし、私の宝具ですか…」

 

それに関しては私は心当たりがある。

オリヴィエ陛下はクラスはファイターだけど本当はライダーとしても適性はあるんだよね。

 

「私の宝具は二つあります。一つはこの体を守る『聖王騎士甲冑の鎧』というものです」

「へー…それじゃもう一つは?」

「それは、今は教えられません」

「なんで…?」

「発動したが最後、私はなのはとお別れをしなくてはなりませんから…」

「えっ…」

 

それを聞いてなのははいきなりの事だったので目を見開く。

 

「それを発動したが最後、私はその宝具から降りられなくなってしまうのです。

そしてさらにその宝具は燃費が悪く聖杯のバックアップもない今はなのはの魔力だけでは発動もできないシロモノです」

「そうなんだ…」

「だから…」

「うん。それならもう宝具に関しては聞きません。だから、いなくならないでね?」

「ええ、なのは…」

 

そしてその後、ひっそりと私はオリヴィエ陛下に宝具の事を聞いてみた。

 

「オリヴィエ陛下。あなたの宝具はやはり…」

「はい、シホ。あなたの思っている通り『聖王のゆりかご』です」

「やっぱりですか…。あれは確かにもう発動はできませんね。最悪一つの世界を滅ぼしかねない…」

「はい。だからシホもこの件に関しては誰にも話さないでくださいね…?」

「わかりました」

 

だけど、今後この件が悲劇を生むとは誰が予想しただろうか?

 

 

 




最後に伏線を残しておきました。

それではご意見・ご感想・誤字脱字報告をお待ちしております。

では。
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