【完結】剣製の魔法少女戦記   作:炎の剣製

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更新します。

今回は前半は説明回みたいなもので後半はとあるメイドさんとの出会いです。

では、どうぞー。


第六話        『魔法とジュエルシード』

 

 

 

 

翌日、学校ではすずかとアリサが昨晩起きたあちらこちらでの道の崩壊などの話と、動物病院も半壊していたという事で二匹のフェレットが心配だ…という話を聞かされ、なのはは微妙に顔をしかめた。

シホがとっさになのはの肩を叩き落ち着かせる。

 

《…なのは、まずは落ち着きなさい》

《えぇ!? シホちゃんとも心で会話が!》

《思念通話の仕方をフィアに教わったからよ》

《あ、そうなんだ…》

《とりあえずは私と話を合わしなさい》

《うん!》

 

それから二人は真実をぼかしながらも偶然二匹のフェレットと夜の道で遭遇したことと、その二匹は当分の間は高町家で飼うことに決まったこともアリサとすずかに伝えた。

 

「へぇ~…そうなんだ。それで名前はなんて決めたの?」

「うん。赤い宝石をつけていたオスのフェレットの方が“ユーノ”君で…」

「サファイアのロザリオをつけていたメスのフェレットの方が“フィアット”よ。でも私は長いからフィアって呼ぶことにしているわ」

「ユーノ君にフィアットちゃんか…。今度私のウチに来る時に連れてきてくれたら嬉しいな…」

 

二人はすずかの言葉に甘えることにして、

 

「うん。わかった」

「ええ。…そういえば、私はすずか達とはウチで何度か遊んだけど二人の家には行った事が無かったわね…?」

「それじゃ私が案内するね、シホちゃん」

「よろしくね、なのは」

「うん」

 

 

四人は笑いながら会話を楽しんでいるが、他のクラスメートは四人の中での空間がとても神聖なものに感じたらしく、話しかけるのを躊躇っていたのは余談である。

 

そして授業中。

なのははなのはでユーノと思念通話で会話している。

その為に授業は受けているようだけど表情はボーっとしていたりした。

見た感じはそんなに違和感はないが、たまに首がカクッと曲がる姿が見れてシホは苦笑いを浮かべていた。

だが、とうのシホは分割思考を活用していた為、よりフィアットと真剣に会話をしていた。

 

《まずフィアとユーノの話を纏めると、こうね?

一に、ジュエルシードはここ地球ではなくて、フィア達の世界で発掘された計21個の古代文明のある種のオーパーツ。

二に、そのジュエルシードは対象者の願いを叶えようとする宝石であるが、願いの叶い方が正確でないため、昨晩のような暴走する事態になる可能性が極めて高い。

三に、ジュエルシードは一つだけでも膨大の魔力を内包しているので発動していなくても危険物であることに変わりはない。

そして、そのような危険物をあなた達の世界では通称“ロストロギア”と呼び発見次第“時空管理局”といういまだに接触してこない組織に引き渡す予定だった。

四に、輸送中の謎の事故で地球のここ海鳴市にばら撒かれてしまい、直接事故に関わっているわけではないが責任を感じた二人は独力で探索を始めた。

最後に、なのはや私にあなた達で言う“魔導師”の資質が合ったため協力を依頼した。

…ここまではこれであっているわね…?》

《はい、お姉様。理解が早くて助かります》

 

フィアットは素直にシホの理解力に感心していたが、一方でシホは内心で舌打ちをした。

 

(ジュエルシード…まるで聖杯のようなものね。確かに危険極まりないものね。

現在は昨晩のを合わせてまだ二つだけだと言うけど…悪人が狙っているかもしれないから早急に集めないといけない…!)

 

《…お姉様?》

 

シホが思考の海にダイブしている所でフィアットによって呼び戻された。

だからすぐに反応して、

 

《ごめんなさい。それで後ででいいんだけれど一度ジュエルシードを見せてもらっていいかしら?》

《はい、構いませんけど…なにか腑に落ちない点でもあったんですか?》

《少しね…それより次だけど―――……》

 

シホはデバイスというものをフィアットから分かる程度で聞き出した。

 

《…つまり、あなた達の使う魔法というものは、今まで名称も使い方も分からなかった “リンカーコア”という魔力を生成する核を源にして、今の私のように自身の魔力と精神力で許容範囲内での簡易魔法は執行できるけど、あまり戦闘向きではない魔法が多い。

主にあげると「変化」「移動」「幻惑」があってそれを組み合わせるプログラムという技術で様々な応用が効く。

だけど “デバイス”というものは魔法を補助する機能…つまり高速な演算機能が詰め込まれていて、術者が使う魔法を保存し、使用する際に詠唱を簡略化して発動してくれるものを“ストレージデバイス”。

次に、今の説明に加えて人工意思があり術者の魔法執行の補助を全面的にカバー。

そして危険が迫った際には術者の事を守ろうとする自衛機能も含まれている謂わばパートナーとも呼べる “インテリジェントデバイス”。

これはなのはが現在所有しているレイジングハートが該当するわね。

この二種類が主にあなた達の世界で使われているデバイスというものね。合ってる?》

《はい。そうですけど…お姉様は本当に私達と同い年ですか?

なのはさんはお姉様が理解した内容を大まかにしか理解していないのに、お姉様はほぼ理解してしまっています。

なにか秘密でも…?》

《それは秘密よ。まぁ、といってもあなた達が使う魔法とは体系がまったく違う魔術を使うから考えは似たようなものだし…。

まぁ、それは今は置いておくとして、それだと私の宝石に融合したデバイスはこの二つとは種類が違うものとして認識していいの…?》

《はい…。なにぶんこれもとある遺跡で発掘したものでして、ジュエルシードと一緒に管理局で調べてもらおうと思っていたものでしたから、なんていうものかも不明です。

お姉様の宝石に融合した原因も分からないから今は手の出しようがありません》

《なるほど…》

 

ほんの少し二人して黙り込んだが、急にフィアットの声が明るくなった。

どうやらシホに教えられる範囲は説明できたのか今度は好奇心がわいたらしく、シホの魔術師というものを聞いてきた。

だが、シホはこれに関してはあまり説明しなかった。

というより説明しても理解してもらえないだろうと判断したからである。

理由として挙げるのならば、この世界の魔法は元の世界とは違い、神秘というものを一切理解していないからだ。

 

《これに関しては帰ったら説明するわ。理解できるかはフィア次第ということで…。

私の使う魔術はこの世界とは根本的に異なるものだから思念通話で語れるものでもないから…》

《わかりました》

 

そこでなのはから思念通話で、なのははジュエルシードの捜索を最後まで手伝いたいと言ってきた。

シホは一度溜息をつきながら、

 

《…なのは。手伝うと言うことはユーノやフィアも言っているけど昨日みたいに危険がつきものなのよ? それでも手伝いたい…?》

《うん…。どこまでできるかわからないけど、ここまで聞いちゃったし、それにほっとけないよ。

困ってる人がいて、助けてあげられる力が自分にあるならその時は迷っちゃいけないっていうのがお父さんの教えなの。だから…ごめんね、シホちゃん》

《はぁ…なのはは意外と頑固なのね。私も人の事はいえないけど…。しかたない、わかったわ。私も手伝ってあげる。なのは一人じゃ不安だからね》

《いいの!?》

《いいもなにも私もそのつもりだったから…》

《でも、危険が…》

 

そこでユーノが意を唱えてきた。

だがシホはそれを意に介さず、

 

《別に、あの程度の事ならもう慣れているから平気よ。それになのははまだ魔導師初心者…前衛がいた方が安心して封印を行えるじゃない?》

《でも…》

《まだ、口答えするっていうの…? 私が言ったことを忘れたかしら? ジュエルシードを封印云々なんて制約がなければ…この手で消滅できるほどの力は持ち合わせているって…》

 

シホが少し恐怖を織り交ぜた発言をした為か、ユーノは言葉を失っていた。

逆にフィアットは『きゃーーー!』という黄色い声を上げていた。

実にたくましいものである。

 

 

 

◆◇―――――――――◇◆

 

 

 

Side シホ・E・シュバインオーグ

 

 

 

それから帰り道。

私は三人と一度別れて別ルートで結構大きいスーパーに寄っていた。

理由はというと、今日の夜の当番は私が受け持ち担当だったからだ。

それで店内をかごを片手に持って回っているのだけど…、

 

(なにか…周りから視線を感じるわね?…なんていうか、珍しいものでも見るような感じで)

 

だがそれもすぐに理解することにする。

やっぱりこの容姿が目立つのだろう。

制服はまだ許容範囲内だろうけど、やっぱり学校同様に外国産の顔に緋色の髪は目立つものがある。

でも私はあえて平然と品定めをすることにする。

いちいち視線を気にしていたらキリがないからね。

それで今日のメニューに必要な食材は…?…と視線を動かす。

だけど、ふと視線の先に普通ならありえないものが見えました。

なんていうか…そう、以前にとある魔窟屋敷で見た寡黙な冥土…。

ではなくて、リンと同じく宝石魔術を得意とし、一時期執事として雇ってくれたエーデルフェルト家のルヴィアの豪邸にいたような、変な風俗紛いのではなくしっかりとした英国式のメイドの姿をした女性が店内を歩いていた。

私には珍しい視線を浴びせるのにあの女性にはまったく目が向けられていない。

…まったくもって不思議ね。

 

 

(※ シホは気づいていないが立ち振る舞いがとてもしなやかで、このようなスーパーには場違いだと周りの客達は思っていた。

   こんな所まですでにイリヤの仕草が侵食されてきている事は…まぁ、私生活には別段悪影響はないので平気である。)

 

 

…それだけ頻繁にこのスーパーに出入りしているということかしら?

少し手に持っているメモに視線を集中していてフラフラ歩きで危なっかしいけど常連のようだし大丈夫よね…?

それでとりあえず私も買い物を続けようと後ろを向き歩き出した―――途端、寒気を感じて咄嗟に後ろを振り向いた。

瞬間、先ほどの考えが甘かったと後悔することになる。

 

「あああーーー! 避けてくださいぃ~~~!!」

 

先程のメイドさんが足を躓かせたようで私の上に落ちてきていた。

さっきまで違う場所にいたよね!!?

という疑問はそのメイドさんの見事な頭突きを食らわされて一気に吹き飛んだ。

 

「星が…星が見えたスタ~…?」

 

自分でも何を言っているのかわからないけど、そのままの勢いでメイドさんに押し倒されてさらに後頭部強打。かなり痛い…。

実にすごい衝撃だった。今のはバゼットのストレートに匹敵する威力かも…?

 

「ああ!? ごめんなさいッ! 大丈夫ですか!?」

「は、はい…とても綺麗な星が見えました…」

 

いけない…まだ正常に頭が回っていないみたい。

それでまだ意識が朦朧としているのかと思ったメイドさんはあたふたと私を介抱してくれた。

そのおかげで私は少ししてなんとか回復しました。

うん。介抱の手際はとても良かったと思うわね。

 

その後にそのメイドさんに何度も謝られて私は落ち着かせるのに苦労した。

四苦八苦してようやく普通に話せるようになったが、今度は落ち込み項垂れてしまっていた。

泣きも入っていて被害を受けた方なのに良心が痛むのはなぜだろう?

 

「え、ええっと…そんなに落ち込まないでください。私は気にしていませんから。だから元気出してください!」

「ううぅ…ありがとうございます。優しいんですね…。あ! 折角ですから紹介を…私の名前は “ファリン・K・エーアリヒカイト”っていいます。えっと…」

「そうですね。私はシホ。シホ・E・シュバインオーグといいます。よろしくお願いします。ファリンさん」

「シホちゃんですか。あれ…?」

「どうしました、ファリンさん?」

「シホちゃんのお名前はどこかで聞いた覚え…あ! そうだ、すずかお嬢様に聞いたんでした!」

「すずかお嬢様…?」

 

その後にファリンさんは月村邸のすずか付き専属メイドという事を私は知った。

…専属メイドって、すずかの家はかなり大きい家なのね。

まぁ、それがきっかけで私はファリンさんととても仲良くなった。

特に料理談義での話がとても盛り上がった。

それでお互いに今夜の料理はなにを作るのかを話し合いながら、一緒にスーパーを回って今まで食にたいして培ってきたある意味では心眼を駆使していい食材を選んであげた。

私なりの料理の工夫のアドバイスも何度か教えてあげると「パァッ!」という効果音が出そうな輝く笑顔を浮かべて喜んでくれた。

…なんか、ファリンさんといると癒されるわ。

そして帰り道、

 

「それじゃファリンさん。また機会があったら一緒に買い物しましょう」

「はい、シホちゃん。それと今後ともすずかお嬢様と仲良くしてくださいね」

「はい」

 

私とファリンさんはお互いに笑顔で別れた。

だけど、何度か買い物中にちらちらと頬を赤くして見られたけどなんだったのかな?

 

 

 

(後にファリンがなにかに目覚めかけたと、すずかに聞かされたけど、シホは結局分からずじまいだったという…シホは女性でありながらも女性キラーに変わりはなかった。)

 

 

………なんか、今誰かに妙に失礼な事を言われた気がするけど気にしないでおこう。

それで帰宅途中、買い物袋を持ちながら歩いているとふと、また淀んだ魔力の気配が感じた。

同時にフィアから思念通話で緊急連絡があり、すでにユーノと一緒になのはと合流して戦闘中だという。

 

《えっ…もう戦闘開始しているの?》

《はい、お姉様》

《わかった。すぐに向かうわ!》

 

私は魔力が反応した方の路地裏に人払いの魔術を使い、強化を施して制服ではしたないと思うけどまた電柱を使い疾駆する。

そしてとある神社の方から桃色の光が見えて、それが収まったと思うと淀んだ魔力の気配が掻き消えた。

不思議に思って移動しながらも視力を強化すると、なんとなのははもうジュエルシードを封印していた。

それで私は力が抜けたのか落ちそうになったけどなんとか体勢を整えてなのは達の前に降りたつ。

 

「…私が来るまでもなかったようね」

「あ、シホちゃん!」

「お姉様!」

「それで、しっかり封印できたようね?」

「うん!」

 

なのはは嬉しいようで「にゃはは」とはにかんでいた。

それで私はなのはをよそに二人に思念通話で語りかけた。

 

《…それでユーノ、フィア。なのはの実力の程は?》

《まだ実力はわからないけど、魔導師の才能はかなりのものだよ。これなら将来はなのはがもし目指すならかなりの高みにいけると思う…》

《後、先天資質はかなりのものです》

《そう》

《でも、私もなのはさんくらい資質があったらもっと頑張れるのに…》

《落ち込まないの、フィア。資質なんて言葉の飾りよ。あなたも磨けば光るわよ。だから気にしないの》

《はいです! ありがとうございます、お姉様!》

 

フィアはなんとか笑顔になってくれたのでよかった。

 

「それじゃ、まぁとりあえずもう帰りましょう。今日は私が料理を作る約束になっているから急がなくちゃいけないし」

「わぁ…シホちゃんのお料理か。前の和食料理もおいしかったけど今日はなにを作るの?」

「それはまだ内緒よ」

「えー…?」

「文句言わないの。その分美味しいものを食べさせてあげるから、ね?」

「はーい…」

 

 

そして私達は帰る事にしたのだった。

 

 

 




今考えると、親もいないで一人で買い物するのは見た目9歳児には結構つらいですよね?

それではご意見・ご感想・誤字脱字報告をお待ちしております。

では。
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