FAIRY TAIL~寂しがりの悪魔の妖精~   作:クルス@アルマゲドン

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妄想から出来た作品なので至らぬ点もありますが暖かい目でご覧ください。


悪魔と妖精

天狼島。

フィオーレ王国近海にある島。ギルド「妖精の尻尾」の聖地であり、妖精の尻尾の初代ギルドマスター・メイビスの墓が封印された場所。

そんな天狼島に1人の男の姿があった。特徴は黒髪黒目、長身痩躯、猫背。そして、瞳には七色に明滅する涙の形が薄く写っている。男は墓の前に座り込むと口を開く。

 

「久し振り。メイビス」

 

『お久し振りです。ライナ』

 

「寂しがりの悪魔」ライナ・エリス・リード。それが男の名。ライナが話をかけた人物は既に亡くなっている初代妖精の尻尾のギルドマスターであるメイビス・ヴァーミリオンであった。

メイビスは妖精の尻尾の紋章を刻む者のみが認識できる思念体なのだ。ライナも妖精の尻尾に属しているが故に認識できる。しかし、別に妖精の尻尾の紋章が無くともライナには見えるのだ。ライナの瞳は特別なのだ。

ライナの瞳は魔法や人間、物質の構成まで見えるのだ。故に、妖精の尻尾の紋章が無くとも思念体は認識できる。

 

『今日は何をしに来たのですか?』

 

「ん~現状報告?」

 

メイビスの質問に対し、気怠そうにライナはそう答えた。相変わらずですねと言わんばかりにメイビスは苦笑する。ライナは今の妖精の尻尾の現状をメイビスに話し始める。メイビスはそれを聞く度に微笑み、時には笑う。

 

『いいですね。わたし達が居た頃の妖精の尻尾も今の妖精の尻尾も良いですね。ああ、わたしも行きたい』

 

「じゃあ、行けばいいじゃん。天狼島に籠もってないでさぁ」

 

『むう、そう言いますが此処も気に入っているのです』

 

頬膨らませ、そう答える。ライナはメイビスの仕草に少しだけ頬をゆるませる。メイビスはそれに気付いたのか更に頬を膨らませた。ライナは悪かったと言い、くしゃくしゃとメイビスの頭を撫でる。思念体なのに触れていることが不思議だ。

 

「まあ、現状報告したし、一旦ギルドに帰るわ」

 

『むう、帰ってしまうのですか?』

 

寂しそうな表情を見せるメイビス。ライナはそんなメイビスを見て、頬を引っ張る。

 

「そんな顔するな。昔のオレになるぞ?お前には笑ってる顔が似合うんだから笑ってろ。また来てやるからさ」

 

ライナが言ったことを聞き、メイビスは頬を紅潮させた。しかし、ライナはまだ頬を引っ張っている状態だ。メイビスは離して下さいと言い、腕をバタバタと振り回し、照れ隠しをする。ライナはそんなメイビスを見て微笑む。ライナはメイビスの要求を聞き、手を離す。そして、再びメイビスの頭を撫で、口を開く。

 

「それじゃあ、また来るよ。メイビスも気が変わったら此処から出て来いよ」

 

ライナはそういうと飛行魔法『翼(エーラ)』を発動して飛んでいった。

 

『……バカ』

 

ライナがいなくなった後にメイビスがそう呟いた。

 

 

◇◇◇

 

「ただいま」

 

そう言いライナは妖精の尻尾の扉を開く。ギルドメンバーはライナが帰ってきたことに気付き、おかえりと言う。おかえりと言うのはライナが帰ってきたことに気付いた人のみで周りはギャーギャーとお祭り騒ぎだ。ライナは静かな部類に入るために騒いでいるメンバーを見るだけだ。すると桜色の髪の青年──ナツ・ドラグニルがライナに向かって飛びかかってくる。

 

「うぉぉおお!ライナ!勝負だ!今日こそ勝ってやる!」

 

「え~疲れてるからパスしたいんだけど」

 

そう言いながらもライナはナツが突きだしている拳を受け止めていた。しかし、ライナはあること忘れていた。

 

「熱ッ!?」

 

ナツは炎の滅竜魔法を使う滅竜魔導師(ドラゴンスレイヤー)であり、その身に炎を纏うことが出来るということだ。先程の拳にも炎を纏っていた。故にライナは手を火傷したのだ。

 

「ライナにしては珍しいドジだな」

 

そう誰かが呟いた。

理由はライナは疲れと眠気のせいか頭が回らなくこんな状況になったのだ。普段のライナはこんな状況にはならない。

 

「グレイ、氷製造機魔法で氷くれ」

 

「造形魔法だ」

 

そう言いながら氷の手袋を造り渡してきた黒髪半裸の青年──グレイ・フルバスター。グレイは氷の造形魔法を使う。

 

「グレイ。ありがと。それよりさっきまで半裸だったのになんで全裸になっているの?」

 

「ん?うわッ!?マジか!?」

 

先程まで半裸だったグレイはいつの間にか全裸になっていたのだ。本人は無意識なのか気付いていなかった。ライナの指摘により気付いたのだ。

すると、オレを無視するなとばかりにナツがライナに再び突っ込む。ライナはゆらりと体を動かし、突っ込んできたナツの攻撃を避け、ナツの顎に膝を掠られ、脳震盪を起こさせる。ナツは脳を揺らされその場に倒れる。

 

「え!?ナツが負けた!?」

 

驚きの声を上げる金髪の女性──ルーシーはナツが簡単に倒されたことに驚いたのだ。

 

「えっと、どちら様?」

 

ライナはルーシーを知らない。理由はライナがS級クエストに行き、依頼を達成した後に天狼島に行っていた故に知らない。

ルーシーは慌ててライナに自己紹介とルーシーが妖精の尻尾に入った新人ということを説明するとライナは、成る程といった顔で納得した。自己紹介されたからはライナもするのが礼儀。ライナはルーシーに自己紹介をする。

 

「ライナ・リュートルーだ。よろしくな」

 

そう言いライナはルーシーに握手を求める。ルーシーは少し間を空け、差し出された手を握る。

 

ライナは妖精の尻尾で偽名を使っている。理由は自分の存在を知る者がいるからだ。

「寂しがりの悪魔」ライナ・エリス・リード。その名はある実際にあったと伝わる古い物語の本に書かれてある悪魔の名であり、人でありながら悪魔となった人間の名なのだ。ゼレフとの関係もあると書かれ、闇に近い存在なのだ。

しかし、それはあくまで本の話。現にライナは闇とは程遠い妖精の尻尾、いわば光側にいるのだ。しかし、本に書かれてあることは殆どが事実である以上は偽名を使わないといけない。ライナは自身のせいで妖精の尻尾に迷惑をかけたくないからだ。

この時代でライナの本名を知っている人物は数人程度だろう。思念体のメイビス、ウォーロッド、現マスターのマカロフ、ギルダーツ、ミストガン、寝ているゼレフ、これぐらいだろうか。

 

 

 

◇◇◇

 

「マカロフ~、依頼終わった~」

 

「うむ、ご苦労だったの」

 

カウンターに座っていた現マスターのマカロフにライナはそう伝える。周りから見たらマスターを呼び捨てで呼んでいることに疑問に思っているだろう。しかし、マカロフから見ればライナの方がずっと年齢が上なのだ。故にマカロフは気にせずにしている。

 

「ライナ、またマスターを呼び捨てして駄目じゃない」

 

「別にマカロフから注意がないんだからさ、良いんだって」

 

ライナの言葉に唯一口を出す銀髪の女性──ミラジェーン・ストラウス。ミラの魔法には悪魔に繋がるサタンソウルというモノがあり、ライナとはそれなりに親近感があるために強く言える人の内の1人なのだ。

 

「全く師匠は、これからはマスターと呼ぶべきだぞ」

 

もう1人ライナの事を師匠と呼び、ミラ同様ライナに注意する1人の赤髪の女性──エルザ・スカーレッド。エルザにとってライナは妖精の尻尾に来るまでの支えとなった人であり、戦闘の師匠であるのだ。

 

「……眠い」

 

マカロフがそう呟く。すると周りのメンバーが次々と眠っていく。ライナは魔法に対してのレジストが高いために通用しない。マカロフもかなりの実力を持つ魔導師の1人。故にこの程度の魔法には余り効果がない。

睡眠の魔法を使ったらしき男──ミストガンはクエストボードから依頼を取り、マカロフの方へ歩く。

 

「久し振り。ミストガン」

 

「相変わらず元気そうだな。ライナ」

 

「所がどっこい、S級クエスト行ったせいで体がボロボロで1日50時間寝ないとヤバいんだよ」

 

ライナは真面目な表情でそう言うがミストガンはライナが真面目に言っている為か笑いを堪えてぷるぷると震えている。

 

「ライナ、1日は24時間しかないぞ」

 

ミストガンは笑いを堪えに堪えてそう伝えた。ライナはというと驚いた顔で口を開く。

 

「えっ?マジで?」

 

どうやら1日の時間すら分かっていなかったようでライナはそう言う。それに対してのミストガンは、まさか此処までとは思わなく必死に笑いを堪えている。

 

「本当に相変わらずだ。……ふう、マスター行ってくる」

 

「これ!眠りの魔法を解かんかっ!」

 

「いってらっしゃい」

 

ライナがそう言うとミストガンは小さくいってきますと呟く。ライナにはその呟きが聞こえていたのか嬉しそうな表情をしていた。そして、ミストガンがクエストに出て行き、5秒過ぎるとギルドメンバー全員が目を覚ます。周りでは流石ミストガン、スゲー魔法だとかルーシーにミストガンの事を話すロキ。グレイがライナとマスター以外誰も姿を見たときないと言った。その瞬間二階から声が響いた。

 

「いんや…オレは知ってっぞ」

 

葉巻をくわえた金髪の目つきの悪い男性──ラクサス・ドレアー。ラクサスが二階からそう言い放った。

 

「あまり詮索はしてやんな。ミストガンはシャイなんだ」

 

「ラクサスー!オレと勝負しろー!」

 

目を覚ましたナツはラクサスを見ると勝負をしろという。ラクサスはエルザこどきに勝てねえなら無理だと言い、エルザも挑発する。

「まあ、ドジ踏んで捕まって奴隷になる奴に勝てない───ッ!?危ねえな!エルザ!」

 

突然、エルザがラクサスの顔めがけて剣を飛ばした。飛ばされた剣に気付き、ギリギリでラクサスは避けるが頬を掠れ、血が流れていた。

 

「撤回しろラクサス!師匠は、ロブじいさんを皆を助けるためにっ!」

 

「知ったこっちゃねえ!そんな老いぼれのために身を呈したのか!?なあ、ライナ!」

 

ラクサスはそう叫びライナに問う。ライナは体をビクッと震わせ

 

「え?なんか言った?悪い眠くてちょっと睡魔と死闘を……」

 

しかし、ライナは頭を揺らしながら睡魔と戦っていたのだ。

 

「ハハハハ!傑作だな!これだけ言われたい放題なんて。エルザ、お前の師匠は本当に間抜けだぜ!」

 

ラクサスはそう言い、雷の速さで何処かへ行ってしまった。エルザは自身の恩人であり、師匠のライナがバカにされたことに腹を立てる。その表情は今にも人を殺してしまうんじゃないかという顔だ。そんなエルザの表情にギルドメンバー全員がビクビクと震えている。そんな中ライナは立ち上がり、エルザの近くによる。

 

「別にエルザが気にすることじゃない」

 

「……師匠は、あれだけ言われたい放題でなんでそんな平気なんですか!」

 

「う~ん。何でだろうな」

 

あはははとライナは笑う。そのライナの態度にエルザは更に怒りを表に出した。

 

「師匠は、ライナはなんで──」

 

エルザがライナのことを名前で呼んだ瞬間、ライナはエルザ頭に手を置いた。

 

「おっ、やっと名前で呼んでくれたな。師匠ってオレの柄じゃないし、やっぱり名前で呼んでくれた方が良いな」

 

そう言いエルザの頭を撫で、そのままギルドを出て行った。

頭を撫でられた際にエルザが頬を染めたということはその場にいたメンバーしか知らない。

 

 

◇◇◇

 

ふわぁ~と欠伸をしながら自分の家へ向かうライナ。ライナはそれなりにS級クエストをこなしているためか資金が多いのだ。故に寮から自身の家に変えたのだ。

ライナは家に着き、鍵を開ける。部屋には必要最低限の家具と調理器具、食材。それぐらいしかライナの家にしか置かれていない。しかし、最低限の物しかない理由がある。ライナの寝具が凄いのだ。部屋の面積の半分がベットであるのだ。ライナの部屋は決して小さいわけではない。どちらかというと大きい方だ。その半分をベットが占領している。そして、ベットの質も凄く良いもので快眠出来る素材で出来ているのだ。もちろんのこと、枕にシーツ、毛布や布団も最高級品。ライナは寝ることに対して貪欲すぎるのだ。下手をすれば1日中睡眠に使うかもしれないほどだ。食事すらせずに寝続ける。それがライナなのだ。

 

「ああ~これで疲れが吹っ飛ぶ……す~す~」

 

ライナは部屋に入るなり、ベットに潜り僅か一秒で熟睡に入った。規則正しい寝息をたてて。

 

 

 

 

 

 

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