FAIRY TAIL~寂しがりの悪魔の妖精~   作:クルス@アルマゲドン

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お待たせいたしました。

長い間更新をせずに申し訳ありませんでした。

これからはなるべく早めの更新をしていきたいと思うのでどうか宜しくお願いします


悪魔と宴と幽鬼の支配者

 

 

エルザが大噴火した後、ライナは疲れた表情でテントの中に倒れていた。

怪我の方はライナが自然治癒力を上げる魔法を掛け、今は細胞組織や骨の修復をしている。

ぐだーっとするライナ。ライナ以外のメンバーは外で月を破壊すると躍起になっている。ライナは外から月を破壊すると聞こえてきたが本当の意味を知っているというワケが少し笑っている。

おそらく、提案したエルザもそのことに気付いているから言い出したのだろう。

ライナは外から聞こえる声を聞きながら嬉しそうに微笑む。

 

(仲間の成長は嬉しいもんだな)

 

ライナはそんなことを思いながら体を起こし、魔導具ジッパーからベットを取り出し、寝転がる。すると、テントの外から誰かが来た。

 

「あの、大丈夫ですか?」

 

どうやらこの島の住人の若い女性だ。

 

「ん、別に大丈夫だよ」

 

ライナはそう言い、寝ようとした時、女性が訪ねるように口を開く。

 

「あ、あなた様は『寂しがりの悪魔』様ではありませんか!?」

 

女性の声は震えていた。それもその筈。もし、女性が言ったことが本当ならどうなるか判らない。しかし、それにも関わらず口に出したのだ。相当な勇気が必要とされる。

 

「そうだけど」

 

ライナの軽い口調と気の抜けた声に、へ?と女性の口から声が漏れた。

女性は勇気を振り絞ったのにも関わらずこんな簡単な返事に呆然とするしかなかったのだ。

対してライナは別に同族ならいずれバレること出し良いかなという考えだ。

しかし、念には念のためにライナは人差し指を自分の口に当て言う。

 

「悪いけど、秘密にしてくんないかな?」

 

「は、……はい」

 

女性は更に呆然とした表情になる。

ライナの雰囲気があまりにも普通だったのでそういう表情なっているのだ。

 

「寂しがりの悪魔」という存在は人間には恐れられているがあくまで御伽噺とされている。

しかし、悪魔にとっては本当に存在し、神のような存在なのだ。憧れの存在。雲の上の悪魔。それがライナに対する悪魔の考えだ。

悪魔に伝わる書籍は人間とは違い、崇拝出来る存在になっているのだ。

 

その存在が友人と話をするかのように気軽にしているのだ。ライナに憧れを抱く悪魔なら誰もがそうなるだろう。

 

「えっと……それでですね。宴をするのでライナ様も、と思いまして」

 

女性は呆然としながらも用件をライナに伝えた。ライナはんーと唸りながら顎に手を当てる。

 

「んじゃあ、参加しようかな」

 

それを聞き、女性は嬉しそうな顔をし、ライナの腕を引っ張り、テントの外に出て行く。そして、ライナは空を見上げた。

村の住人達が空を飛んでいる。そんな住人達に妖精の尻尾は天使みたい、そう言った。

ライナは微笑み、呟いた。

 

───此処に来て良かった

 

 

 

◇◇◇

 

それからの宴はライナにとっては地獄そのものだった。

理由はエルザの鋭い視線なグサグサとライナを突き刺しているからだ。

ライナの隣には先程の女性がおり、ライナと楽しげに話をしている。おそらく、これがエルザの鋭い視線の原因なのだと思われるが、ライナは全然気が付かず

 

(さっきのこと相当怒ってるな)

 

そう考えていた。

それに対してナツとグレイは充分に満喫しているようだ。ハッピーは魚を食べて幸せそうにしている。エルザの隣にいるルーシィはとても居辛そうにしている。

 

ライナは溜め息を尽きながら再び空を見上げた。

 

(どうしたものか)

 

 

 

◇◇◇

 

夜が明け、ライナは帰り際、エルザ達に寄っていくところがあるといって別々に帰るという。

そんなライナに対し、エルザはどこに行くのかと追求をし始める。ライナは言うべきなのかと悩みつつも、『翼』《エーラ》を使い

 

「じゃあ、またギルドで」

 

と言い、逃げるように飛んでいった。そんなライナに対してエルザは帰ってきたら話を聞かせてもらうと大声で怒鳴っていた。

ルーシィは初めてライナの魔法を見てハッピーと同じ魔法!?と言い驚いていた。

 

 

◇◇◇

 

ライナが訪れたのは天狼島であった。ライナは島に着くなり、メイビスの墓に向かう。墓に着くとライナが来ていることを知っていたかのようにメイビスが待っていた。

ライナはメイビスと挨拶を交わし、今回メイビスに会いに来た理由を言う。

 

「メイビス。相談なんだが怒らせた相手に謝ったんだけど、なんか知らないけど更に怒らせちゃって……どう謝ればいいのかな?」

 

『突然、何を言い出すのかと思えば。あなたが人を怒らせるなんて珍しいですね。……どなたをどういう風に怒らせたのですか?』

 

理由は相談事だった。昨日あったことをメイビスに話す。デリオラと生身で戦ったこと。その戦闘で怪我を負い説教され、謝ったこと。メイビスは昨日のことを聞き、頬を膨らました。

 

『ええ、ライナが悪いですね。……そうでした。ライナは怒られるほど心配をかけることが多かったですね。……それに女性関係も』

 

どうやらメイビスは話を聞き、昔のことを思い出し、怒ったようだ。メイビスの最後の呟きはライナには聞こえていないようだ。

 

『取り合えずば誠意を込めて謝ればいいんです!』

 

頬膨らませながらメイビスはそうライナに言い放つ。

 

「……なんで怒ってるの」

 

『怒ってません!』

 

「いや、その頬。……長い付き合いだから、分かるんだけどさ、メイビスって怒るときは頬膨らませる癖があるんだぞ」

 

ライナはそう言いながら膨らんでいる頬を左右から指で押し、ぷすぅーと口から空気が吐き出される。

 

『な、なな、なんでそういう癖があるって教えてくれないんですか!』

 

顔を真っ赤に染めながらメイビスは俯く。ライナはそんなメイビスを見て微笑む。

 

「まあ、可愛くて良いじゃんか」

 

『か、かわっ!?可愛い!?』

 

メイビスは先程よりも一層顔が赤くなる。

 

「ああ、幼さを残して見た目に合って───」

 

───子供みたい。

 

ライナがそう言った瞬間、その場の空気が凍った。ライナの目の前にいるメイビスは先程までの紅潮した顔ではなく、笑顔になっているのだ。目が笑っていない笑顔。

そして、メイビスの口が開かれた。

 

『……ライナそこに正座』

 

余りの迫力にライナは言われるとおりに正座する。

そこからはメイビスの説教の時間になった。勿論、不眠でだ。メイビスは思念体であるために睡眠など不要だ。対してライナは睡眠命と言って間違えないだろう。その結果は、説教している途中でライナが寝る。そして、メイビスが気付き、その事に対して説教。このループが永遠と続いて、夜が明けていった。

 

◇◇◇

 

メイビスの説教はライナが言い出したある条件によって打ち切られた。ライナは地獄のような夜だったと後に語る。

 

「そろそろ、ギルドに戻るかな」

 

『そうですか』

 

寂しそうな表情をするメイビス。ライナはそんなメイビスの頭を撫でる。

メイビスは目を細めながら気持ちよさそうにしている。

 

「まあ、なるべく早めに完成させるから気長に待っとけって」

 

ライナはそう言ってメイビスを撫でるのを止め、また来るからと言い『翼』《エーラ》を発動させ、天狼島を後にした。

 

『早めに完成させるのに気長ですか。全く、ライナは』

 

メイビスはライナが言った事に苦笑しながらライナを見送った。

 

 

◇◇◇

 

ライナは焦っていた。

 

「我・契約文を捧げ・大地に眠る悪意の精獣を宿す!」

 

自身に魔法を掛ける。脳の制御を外すことで身体能力を極限までに高める魔法。

ライナがそれ程まで焦っている理由は幽鬼の支配者《ファントムロード》が襲ってきたとミストガンからの情報だ。ライナはミストガンと連絡用のラクリマでよくやり取りしている。ミストガンはギルドとの距離があるため幽鬼の支配者の支部を潰す作業をしているらしい。尤もライナを焦らせた原因は、マカロフが戦闘不能になったと聞かされたからだ。

 

「間に合ってくれ!」

 

そして、ギルド上空に着いた。

ライナは絶句した。ギルドが壊され、ギルドの全員が傷ついている。

ライナは『翼』《エーラ》を解き、落下する。

ライナは視界に見える、魔法で作られた兵士を視て、指を動かし、魔法を編んでいく。

 

「求めるは 侵入>>>蝕走」

 

魔法が発動し黒い煙を発生させ、煙がその場を覆い隠す。突然の出来事にギルド全員が混乱する。

ライナは再び指を動かし、魔法を編む。

 

「求めるは疾風>>>微風」

 

ぶわぁ、とライナの着地の際に風が吹き上げる。吹き上げると同時に黒い煙を飛ばす。

 

「ら、ライナ!」

 

「悪い皆。遅れちまって……」

 

『何をした!?ライナ・リュートルー!!』

突如、自信の魔法である幽鬼兵士が消されたことに幽鬼の支配者のマスタージョゼは怒りを露わにした。

 

「黙れ。お前はオレの家族を傷つけた。その事実だけ知っていればいい」

 

空気が変わる。妖精の尻尾は皆驚きの表情をしている。その理由は、ライナが怒っているからだ。ライナは優しすぎる故に怒りを見たときが無い。その優しすぎるライナが怒りを露わにした。

 

「求めるは雷鳴>>>」

 

ライナは指を踊らせ魔法陣を編んでいく。編んでいく速度は半瞬で2つ。更に編んでいく。そして、20もの魔法陣を編み。

 

「稲光」

 

放った。放たれた稲光は幽鬼の支配者のギルドである巨大ロボットの頭部いわばジョゼがいるところに当たり、消滅する。しかし、ライナは確認していた。ジョゼに当たっていない所を。そして、巨大ロボットに描かれている魔法陣を解析、そして解除する。

ライナはくるりと妖精の尻尾の面々の方を向き

 

「………皆休んでてくれ。ちょっくらアレ潰してくるから」

 

笑顔でそう頼りなさげに言った。

 

「は、ははは!何だよ!その言い方は!」

 

その言葉に妖精の尻尾の面々は先程まで殺伐としていた雰囲気から一変して何時ものギルドで見せる雰囲気に戻っていた。

 

「ちゃんと敵討ちはしてくれよ?」

 

マカオがそう言い、ライナは頷き

 

「任せろ」

 

そう言い巨大ロボットに向かった。

 

 

◇◇◇

 

エルザはジュピターを防ぎ、満身創痍の中エレメント4の1人アリアを倒した。しかし、倒した直後ジョゼが現れ、戦闘もなった。

 

「死ねぇ!」

 

ジョゼはそう言い、エルザに魔法を放つ。

 

「くっ」

 

エルザに蓄積されたダメージが回避を遅らせる。避ける事は不可能のタイミングだ。

轟音が響き砂煙が巻き上がる。

 

「所詮は妖精の尻尾だ!何がティターニアだ!傷がなかったとしても私には勝てないんだよ!」

 

「ギャーギャー五月蠅いな。黙れってさっきいったよな?」

 

そう言い放たれた瞬間、ジョゼは後方に吹き飛んでいく。

 

「エルザ、悪い遅くなった」

 

「ラ、ライナ…」

 

涙目でそう答えるエルザ。ライナはジョゼの方を向き続ける。

 

「不意打ちなんて効かないよ。オレの目にちゃんと映ってるからさ」

 

「ちぃ、魔眼か……厄介極まりない」

 

ライナは意識をジョゼに向きつつも、エルザに回復魔法を使い続ける。ある程度回復したところを見計らい

 

「エルザ、ここから離れてくれ」

 

「なっ……………わかった」

 

エルザは何故と問おうとしたが、ライナの表情を見て、納得した。

 

「さて、ジョゼ。お前はこのライナ・リュートルーが直々に叩き潰す」

 

何時も怠そうに開いている目が鋭くなる。ジョゼはその変化に一歩後ずさる。

 

「お前が……お前が居なければ!?ライナ・リュートルー!!」

 

「………」

 

ジョゼは縦横無尽に自身の魔法をライナに飛ばす。ライナはただ、それを避ける事に専念する。ジョゼはその行動に自分が優位と思い攻撃の手を休めずに放ち続ける。ライナは平然とした顔で避け続け、何かをぶつぶつと呟く。

 

「……魔法陣及び魔法の構造……予備動作……威力……」

 

「何言ってやがるんだ!?」

 

ジョゼがそう言い放った瞬間ライナは目を瞑った。ジョゼはその僅かな動作を見逃さずに攻撃を放つ。

 

「戦闘中に目を瞑るとはバカかァッ!!」

 

ジョゼの攻撃により煙が巻き起こる。遠くで離れていたエルザも思わず、あっ、と声を漏らした。

 

「ほらな、ほらな俺はお前の後釜で聖十大魔導師になったわけじゃねぇーんだよ!!」

 

「ギャーギャー五月蝿いって言ってるだろ」

未だに晴れない砂煙の中から声が聞こえてきた。ジョゼは驚愕のあまりに声が出せずにいる。

 

「別に反撃出来なくて避けてたわけじゃないし、幾らでも反撃出来た」

 

砂煙がなくなりライナの姿が露わになる。ライナはいつものような半眼ではなく、しっかりと開き、七色の光を輝かせる雫の模様の瞳でジョゼを見る。

 

「ただ、お前の攻撃を見切るために避けてたんだよ。とは言ってるけど、全部避けた時点で見切ってたのか?」

 

そんな事を疑問に思いながらも指を踊らせる。ジョゼもライナの動きに警戒し、構える。

 

「まあ、今からお前は攻撃出来ずに負けるからいいか」

 

そう言い終えた瞬間、魔法陣が完成する。ジョゼは身構え、魔法を発動しようとするが、輪の様なモノで両手両足を封じられる。

 

「なッ!?拘束魔法!?いつの間に!!」

 

ジョゼは驚愕の声を上げる。

 

「いつの間にってお前の攻撃を避けてる時にちょちょいと」

 

ジョゼはそれを聞き、更に驚愕する。ジョゼは仮に聖十大魔導師であり、戦闘経験は多い。その経験から培われていた相手の魔法による攻撃及び補助魔法は極めて敏感だ。しかし、それにも関わらず、ライナの魔法を使用したこと、ましてや設置型の拘束魔法を認識出来なかったのだ。ジョゼも油断していたわけでない。寧ろ、冷静になっていた筈なのだ。

聖十大魔導師に認識させない程までの魔法を当たり前のような顔で答えるライナ。

 

「ああ、そのバインド少し痺れて魔法使えなくなるから。拘束時間は………10分ぐらい?」

 

ジョゼに流れる電流は少しといえる程ではなかった。拷問に近しい電流を浴びるジョゼ。苦痛の表情を見せるが意識は失わない。流石は聖十大魔導師とライナは心の中で思う。

 

「さて、そろそろ終わりにしよう」

 

静かにそう言い放つ。

 

「咎人達に、滅びの光を。星よ集え、全てを撃ち抜く光となれ」

 

ライナが詠唱し始め、魔法陣に流星のように膨大な魔力が集まっていく。

 

「貫け、閃光、軽く星をぶっ壊すほどのシュート!」

 

ライナがそう言ったと同時に魔法陣からピンク色のビームが放たれた。

ジョゼの視界一面にはピンク色で埋め尽くされる程の量の魔力の嵐が向かっていく。

拘束魔法で動きを封じ、オーバーキルと言えるほどの魔法を撃ち込む。まさに悪魔といえる。

そして、巨大ロボは内部から大破し、外にいる妖精の尻尾のメンバーは中にいたライナが見えた。ライナの顔はどこかスッキリした表情で最初に見せた怒りがなかった。

そこで、外に居た妖精の尻尾のメンバーはあることに気付く────

 

─────ライナを怒らせたらヤバい、と。

 

この事件の後、ライナは怒らせてはいけないという暗黙の了解が作られるのは本人は知らない。

ただ、覚えておいて欲しい。ライナは余程のこと……いや本当に極稀にしか怒らないと。今回は妖精の尻尾、ライナにとっては家族を一方的に傷つけられたから怒ったのだ。

 

「ふぁ~やべぇ。不眠不休はツラいわ」

 

そう言いその場に倒れ、寝始めた。

 

 

 

 

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