異世界出稼ぎ冒険記 一億貯めるまで帰れません   作:黒月天星

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 どうもはじめまして! 小説家になろうの方よりやってまいりました、黒月天星と申します。

 ハーメルンで書くのは初めてですが、どうぞよろしくお願いします。

 家から出るに出られない今日この頃ですが、皆様の暇つぶしにでもなれば幸いです。


序章 崖から落ちたら異世界で
第一話 (いつかどこかの)プロローグ


そこは石造りの部屋だった。ちょっとした屋内遊技ができる広さがあり、中央には俗に言う魔法陣が刻まれている。その陣の中には服装、年齢もバラバラな四人の男女が呆然と佇んでいた。

 

「おおっ。成功したぞ」

「これで魔族どももイチコロだ」

 

 その陣を囲むように、大勢の西洋風の甲冑を着た兵士のような者達と、数人の法衣を着た者達が立ち、魔法陣の中の四人を見て歓声をあげている。

 

「おいっ! ここは一体何処なんだ!?」

「何だコレ。意味わかんねえよ。さっきまで高速を突っ走ってたってのに」

「…………来た。遂に来たんだ。ボクの時代が」

 

 ある者は状況の説明を求めて怒鳴りちらし、ある者は混乱して周囲を見渡し、またある者がなにやらブツブツと呟いている中、法衣の人物の一人が前に進み出た。他の者に比べ、一際立派な法衣を着た蒼白い顔の老人である。

 

「よくぞ遠き彼方の地から参られました勇者様方。私はこの国の神官長を務めているルキグスと申します。突然のことで皆様驚きと思いますが、まずはお話を聞いて頂ければ幸いです」

 

 ルキグスと名乗った老人の言葉に、ひとまずは説明をもらえると感じたのか、四人はそれぞれ口をつぐんで次の話を求める。

 

「ありがとうございます。端的に申しまして、勇者様方にはこの世界を救って頂きたいのです」

 

 ルキグスはそう言うとサッと手を上げた。それを見た兵士達は素早く動き、四人の側にそれぞれ移動する。それは傍目から見ると貴人を警護するようにも、獲物を取り囲んで逃がさない風にも見えた。

 

 反論しようとした者も、自分達の置かれた状況が異常だと察したのか何も言わない。

 

「ではこちらへ。陛下も勇者様方を心待ちにしておりますので」

 

 ルキグスはそのまま部屋の扉を開けて外に出ていった。四人は戸惑っていたが、兵士達に促される形でルキグスの後に続いて歩いていく。

 

 幾つもの階段を上がり、時には下り、あるいはくねくねと曲がった廊下を渡り、もはや迷宮ではないかという道のりを進む一行。しばらく歩き続けると、明らかに大きくかつ豪華な扉にたどり着いた。扉の前には兵士が二人、槍を持って微動だにせず立っている。どうやら衛兵のようだ。

 

「この先で陛下がお待ちです」

 

 その言葉を聞き、衛兵が両開きの扉を左右から押し開く。ギギッと大きな音を立てて開いた扉の先は玉座の間であった。床には赤い絨毯が敷かれ、絨毯の脇にはズラリと兵士達が立ち並んでいる。

 

絨毯は入口から玉座まで続いていて、その玉座には王冠を被った初老の男が座っていた。また、玉座の周囲には明らかに立派な服装の者達が数名佇んでいる。

 

 一行はルキグスを先頭に段差の前に進み出る。

 

「陛下の御前です。皆様私に続いて」

 

 ルキグスはそのまま片膝をついて恭しく頭を下げる。

 

「「「「!?」」」」

 

 四人は驚いた。何せ、いつの間にか自分達もルキグスと同じように膝をついていたのだから。自分からしたのではなく、何となくそうしなければならないと体が勝手に判断したかのように。

 

「よくぞ来た。あぁ、勇者殿達は楽に。異界とこちらとでは礼儀作法も違いがあろう。無理に作法を押し付けようとは思わぬよ」

 

 玉座に座った男がそう言った途端、少しだけ体が楽になった。四人はそれぞれこわごわと立ち上がる。

 

「余はジーグ・ホライ・ヒュムス。このヒュムス国の王である。突然のことでさぞや困惑したと思うが、コレだけはまずはっきりと言っておこう。ここは勇者殿達の居た世界ではない」

 

 ジーグと名乗ったこの王は、いきなり四人にとってとんでもないことをさらりと述べた。

 

 ◆◇◆◇◆◇◆◇

 

「えっと、ここまでは非常によくあるタイプの……てんぷれっていうんだっけ? よく物語に有りそうな話なんだけど。何か質問は?」

「大有りだよっ!!」

 

 俺の目の前にいる金ぴか少女(自称神様らしい)に対して言い返した。この少女、見た目小学校低学年くらいなのに、それに反比例してやたら偉そうだ。やはり金髪ツインテールの少女は態度がでかいのがデフォなのだろうか?

 

 俺の名は桜井時久(さくらいときひさ)。高校二年。十七歳。趣味は……いろいろだ。ここへ来るまでの経緯なんだが、なんというかまぁ結構テンプレな方だと思う。

 

 一、俺は趣味の一つである宝探しをしにとある山に登っていた。

 

 ……良いじゃないか宝探しが趣味でも。古い地図とかを見つけると確かめたくなるだろ。…………なるよな?

 

 二、お宝(昔の貨幣。但しそれなりに現存しているため大した価値はない)を発見。報告のために一部だけ持って行く。

 

 一応その土地の持ち主に話をつけないとややこしいからな。それに金が目的っていう訳でもない。記念として少し現物を分けて貰えれば充分だ。

 

 三、帰り道にうっかり足を滑らせて崖から転落。

 

 四、地面に激突する瞬間、変な白い光に包まれたと思ったらここに来ていた。

 

 以上だ。いきなり変な場所に連れてこられて、目の前の自称神様に「アナタ、今からワタシ、富と契約の女神アンリエッタの手駒になりなさい。というか決定事項だから」なんて言われる始末。

 

おまけに崖から転げ落ちた時の傷も、このアンリエッタという少女が軽く触れただけで治ってしまった。………うん。訳が分からない。

 

 ここはこの女神(自称)の執務室らしい。見るからに高級そうな家具が置かれていて、壁には何やら分厚い本が本棚にギッシリ並べられている。中央にある机と椅子はやたら存在感を放っているが、持ち主である神様(身長百三十あるかどうか)と比べると大きすぎるんじゃないかと思うんだが。

 

「いやまぁ質問と言ったら色々あるんだけどな。今見せられた映像とか。ひとまず一から説明してくれると嬉しいかな~って」

「……まぁそうよね。良いわ。簡単に説明すると、アナタは神様同士のゲームに参加者として選ばれたのよ」

 

 そう言ってこいつはニヤリと笑った。……ダメだ。どう見ても背伸びしているちびっこにしか見えん。もうちょっと大きくなってからやろうな。

 

 




 本日はストックの修正が出来次第もう二、三話くらい投稿します。応援、感想など反応を返されると、もうニンジンを差し出された馬のごとくやる気が漲りますので何卒よろしくお願いします。


 追記

 別作品の『マンガ版GXしか知らない遊戯王プレイヤーが、アニメ版GX世界に跳ばされた話。なお使えるカードはロボトミー縛りの模様』の方もよろしくです。
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