仮面ライダーアルカナ -Battle to Tarot- 作:地水
仮面ライダーライア/手塚海之と行動する事となった統人と真依。
そこではコアミラーによって過去の仮面ライダーである"契約者"達を生み出していた。
二人のライダーは野望を止めるめく、コアミラー破壊を狙う。
待ち受けるは変身した仮面契約者達、そして現れるウミヘビドラウ。
どうなる後編!?
現れた海蛇の特徴を持ち合わせた怪人・ウミヘビドラウ。
ドラウ怪人登場にアルカナは驚く。
「ドラウ怪人、お前も関わっていたのか!」
「まあな。もっとも、俺が関わってるのはこのくらいものでな」
余裕綽々な態度を表しながら、ウミヘビドラウは両腕についた毒牙から毒々しい紫色の毒液を垂らす。
すると、禍々しい瘴気を伴いながら半裸の人間が現れた。
その虚ろな目を見て、先程の契約者と同じ雰囲気を感じたアルカナは悟った。
「まさか、こいつらを生み出していたのはお前の能力か?」
「死者を蘇らせる能力、これぞまさに誰もが欲しがる夢の力よ!」
ウミヘビドラウは両手を広げ、芝居めいたリアクションをする。
それを見てアルカナは仮面の下で眉を顰める。
「解せないな、そんな都合のいい能力なんてあるのか」
「まあ、そうなんだよなぁ……意思がないのが欠点で、せいぜい
アルカナに指摘され、落胆した様子を見せたウミヘビドラウだったが、突如大声を上げて叫ぶ。
同時に蘇らせた人間……契約者達の手元にはエンブレムの刻まれたデッキが握られていた。
契約者はデッキを前へと突き出し、その姿をライダーへと姿を変えていく。
その光景を見たライアは驚いた声を上げる。
「契約者をライダーに!?」
「もう、ゾンビとか幽霊のレベルじゃん……」
真依は死者たちが変身した契約者《ライダー》達を駆使するウミヘビドラウの能力に戦慄する。
いくらでも甦る死者達をライダーに変身させて手駒として戦わせる……厄介なうえこの上ない戦法だ。
なにより……命を弄ぶウミヘビドラウに対して、アルカナとライアは怒りを覚えた。
「よーくわかった、お前の運命は速攻に告げてやる」
「人の命を……なんだと思っている!」
「お熱いことだね、両者ともに。だーけーど、この軍勢に勝ちぬけるかな?」
ウミヘビドラウの言葉と共に、並び立つのは10人にも超える
赤龍、蝙蝠、蟹、牛、犀、蛇、白虎、ガゼル、カメレオン、白鳥、鮫……。
その他にも見覚えのない仮面契約者達がアルカナとライアの前に並び立った。
「こ、こんなにライダーがいるの!?」
「ははっ、こりゃ一周回って壮観だねぇ。この奥で待ち構えているのってなんなんだろうね」
「だが、ここで止めないと無辜の誰かが不幸になる。俺の占いは当たる」
驚きの声を上げる真依に、揃った強敵達にかえって清々しい気持ちになるアルカナ。
……ただ一人、ライアだけは諦めの気持ちは微塵もなかった。
仮面の下の両目に映るのは、赤龍のライダーと蝙蝠のライダーの二人の姿。
――かつて、血で血を洗う戦いを止めるべく共に争い、共に戦ったライダー達。
――中身こそ本人のそれか確かめるすべはないが、彼らの変身した仮面ライダーを欲望の手先にさせるのには見過ごしておけない。
そう心の中で思った彼はアルカナに向かって言葉を放った。
「統人、お前は奥へ行け。ここはおれが引き受ける」
「手塚さんよ、それだとこの人数相手にきついんじゃ……」
「何とかする。それに、こっちにはとっておきの切り札がある」
アルカナは何人をも相手にしようとするライアを止めようとするが、彼の意思と決意を察した。
それを思ったアルカナはライアと真依の元へ向かうと、真依を自分の側へと寄せる。
「真依ちゃん、一緒に行くよ」
「え、でも手塚さんが!」
「彼なら大丈夫さ」
【The・WHEEL OF FORTUNE】
【Reverse・WHEEL OF FORTUNE】
アルカナは
そしてライアの方へ振り向くと、言葉を交わす。
「手塚さん、死なないでくださいよ」
「そっちこそな、統人」
二人のライダーの言葉を終えた後に、けたたましいバイクが地面へと跡を刻む音と共に発信するフォーチュンホイールダー。
何人かのライダーが行く手を阻み、その体を持って止めようとする。
「邪魔だ!」
【Finalturn……WHEEL OF FORTUNE!】
タロットベルトの電子音声が鳴った後、ホイールダーの前輪と後輪が激しく光を放ちながら回転し始め、その瞬間アルカナ達を乗せたホイールダーの姿が消失する。
その直後、進行方向上にいたライダー達が跳ね飛ばされる。
「―――ぶっちぎるぜ!!」
「「「ぐあああああああ!?」」」
フォーチュンホイールダーの必殺技『フォーチュン・ライダーブレイク』が炸裂し、それを食らったライダー達は壁へと激突しながら撃破された。
残されたのは、6人のライダー達とウミヘビドラウだけ。
「くっ!ライダー相手にも容赦がなさすぎるだろ!?」
ウミヘビドラウは腕を振るって指示を出し、アルカナ達を追おうとする。
だがそこへ、鋭い一撃がライダー達へ届いた。
何事だ、と思ってウミヘビドラウが振り向くと、エビルウィップを振るうライアの姿があった。
「お前達の相手は……俺だ!」
「つくづく嫌だねぇ、ライダーってのは!」
ウミヘビドラウは毒づきながら、ライダー達に指示を出してライアへ向かわせた。
対するライアは、たった一人で向かってくるライダーを迎え撃った。
~~~~~
廃墟の中を目にも止まらぬ速度で爆走しながら最奥へ向かうフォーチュンホイールダー。
その運転席に乗るアルカナへ向けて、真依は質問をぶつける。
「ね、ねえ統人!ふと思ったんだけどあの怪人って死者をゾンビとして蘇らせるのが能力なんだよね!」
「ああ、その通りだ。ただ、ライダーの能力を与えるドラウ怪人なんて考えにくいね!」
「じゃあさ、もしかしてアイツ以外の誰がライダーの力を与えてるってことなの!?」
「そうだね……もうすぐ、わかる事だよ!」
二人が話しているうちに、たどり着いたのは先程より巨大な空間。
目に飛び込んできたのは鏡の柱のような外見を持ったオブジェクト。
これが手塚の言っていたコアミラーだと判断したアルカナはホイールダーから降りると、破壊を試みるべく近づいてみる。
「これが、コアミラーか。この元凶を壊せば……」
「――そうはさせるとでも思っているのか?」
アルカナの行く手を遮るように現れたのは白ローブで隠した一人の男。
その男の手には一つのカードデッキがあった。
ライアや先程の仮面契約者達と同じそれを見て、アルカナは驚く。
「お前が共犯者か……!」
「変身」
白いローブの男がVバックルへカードデッキをセットすると、彼の周囲に発生した鏡像と重なってその姿を変えていく。
金色を基調としたボディに不死鳥を思わせる意匠の姿を持った仮面の戦士……変身を終えた一瞬、半透明に輝く鳥の翼が広がった。
その仮面の戦士……『仮面ライダーオーディン』は、腕を組みながらアルカナの目の前に立ち塞がる。
「最強のライダーであるこの私に勝てるかな」
「お前さん、知ってるか?皇帝の逆位置の意味……その一つに自分勝手と過信があるってこと」
ゆっくりと歩きながら迫りくるオーディンを見て、アルカナはカードの意味を教える。
やがて両者は同時に走り出し、その拳をぶつけ合う。
「「ハッ!」」
「よっと……自分の力に自惚れていると、足元掬われるぞ?」
「……ふん!」
オーディンの姿が一瞬、アルカナの目の前から姿を消した。
突如消失して驚くアルカナだったが、その背後にオーディンが出現し、彼の放った羽根を纏った衝撃波を受けてしまう。
「ぐあっ!?」
「統人!」
「一体、今何が……!!」
「今、あの金色のライダーは統人の背後に突然現れた!」
物陰に隠れた真依が叫んだ言葉に、アルカナはとある推測を立てる。
――瞬間移動、もしくはそれに類似した能力で、あの一瞬の不意打ちを仕掛けたのだ。
そう思ったアルカナは、回し蹴りによる攻撃を仕掛ける。
「はぁっ!」
「フッ!!」
回し蹴りがオーディンへと届く前、再びオーディンの姿が消える。
着地したアルカナは一枚のアルカナカードを取り出し、ベルトに翳した。
【The・Hige Priestess】
【Reverse・Hige Priestess】
「せぁっ!」
女教皇のカードを使い、黒い剣・ボアズブレードと白い剣・ヤヒンブレードを呼び出すと、それを掴んで周囲に斬撃を飛ばした。
再び背後に現れたオーディンだが、アルカナの放った斬撃を食らってよろめく。
オーディンの姿を見つけたアルカナは双剣を勢いよく振り下ろす。
「ソォイヤ!」
【Guard-Vent】
「フン!」
オーディンは自身の盾であるゴルトシールドを呼び出し、アルカナの双剣による一撃を軽々と防いだ。
再び瞬間移動により姿を消すと、後方の方へ移動して、カードデッキから引き抜いた新しいカードを錫杖型の召喚機・
【Sword-Vent】
オーディンは不死鳥の翼を模した双剣・ゴルトセイバーを両手に装備すると、そのまま瞬間移動によって迫り、アルカナへ振り下ろす。
対するアルカナも双剣を用いてその攻撃を防ぐと、鍔迫り合いを始める。
「くっ!?」
「お前は、お前達は私には勝てない。このオーディンがいる限り……」
オーディンは二本のゴルトセイバーに業火と旋風を纏わせ、アルカナを苦しめていく。
アルカナはゴルトセイバーが引き起こす炎の風にその身を焼かれていく。
だが、その瞳はまだオーディンを見据えていた。
「―――お前にその決定権があるのか怪しいし、そもそも告げるのは……こっちの専門分野だ!」
忽然とした態度を示すオーディンに対してそう切り返すと、アルカナは一枚のカードを取り出し、ベルトに翳した。
【The・Hanged Man】
【Reverse・Hanged Man】
電子音声が鳴ったと同時にオーディンの周囲に空間が歪み、そこからワイヤーロープが出現。
『ハングドマンバインド』によってオーディンの首と両腕を捕縛し、身動きが取れない様にしてしまう。
「なん、だと……!?」
「北欧神話の最高神オーディーン、かつて彼はルーン文字の解読方法を知るために世界樹・ユグドラシルの枝から9日間にわたり首を吊り続けたという。その名の逸話通りの姿になったな……」
アルカナはオーディンの由来の神様の事を説明にしながら、必殺の一撃を決めるべく準備を始める。
オーディンもなんとか拘束から抜け出すために藻掻こうとするが、如何せん両腕の身動きもできない。
このままでは
「さぁ、その
【Finalturn……Hige Priestess】
アルカナは再びハイプリエステスのカードを翳し、両手の双剣の柄を合体させる。
薙刀形態・ハイプリエステスブレードへと合体させ、回転させて振り回す。
「ハァァァァ!!」
漆黒と純白の光の刃を作り出し、アルカナはそのまま高くジャンプ。
そしてアルカナは二連撃による必殺斬撃『ハイプリエステススラッシュ』をオーディン目掛けて繰り出した。
二つの斬撃を刻まれたオーディンは拘束を解かれた後、一言呟く。
「優衣……!」
オーディンのボディが黄金の粒子となって消えてていく。
あとに残されたのは砕けたカードデッキだけだった。
一部始終を見ていたアルカナは何とも言えない気持ちで言葉を口にした。
「願いに囚われた男、ここに旅立つ、か」
~~~~~
一方その頃、ライア。
牛のライダーの両肩に背負った二門の大砲による砲撃を避けながら、一枚のカードをエビルバイザーへと装填した。
【Copy-Vent】
「ハッ!」
ライアの両肩に二本の大砲・ギガキャノンが装着され、すぐさまライダーへ向けて発射する。
砲撃による一撃を受け、ライダー達は倒れていく。
後に残されたのはウミヘビドラウ、そして赤龍のライダーと蝙蝠のライダー。
「これで残ったのはお前達だけだ」
「ほう、よくもまあ頑張るものだ。だが、ここまで傷も負って体力も減っている……勝てる見込みなんて、あるのか?」
「あるさ。たったひとつだけな」
ウミヘビドラウの問いに対して、揺るがない意思を孕んだ声で答えると、ライアはバックルのカードデッキから一枚のカードを引き抜く。
それは、渦巻く青い風の背景に金色の片翼が描かれたカード。
そのカードを掲げた瞬間、ライアの周囲に突風が吹き始め、エビルバイザーの形状が弓のような形へと変わる。
ライアはエビルバイザー・ツバイへ変化した自身の召喚機に疾風のカードを装填した。
【SURVIVE】
ライアの姿は変わっていき、金色の装飾がつけられた形態へと姿を変えていく。
『ライアサバイブ』……そういうべき形態へと変化を遂げたライアは、武器であるエビルバイザー・ツバイを構える。
その姿を見て、ウミヘビドラウは驚く。
「な、なんなんだその姿は!?」
「俺が過去に託した力だ!」
【Strange-Vent】
【Trick-Vent】
ライアサバイブはエビルバイザーツバイに一枚のカードを一度装填し、絵柄が変わったカードで再び装填した。
電子音声と共に、幾人ものライアサバイブの分身が現れ、ウミヘビドラウ達の周囲を取り囲む。
「チッ、応戦しろ!」
ウミヘビドラウはライダー達に命令を告げると、自身は格闘戦で応戦を図る。
こちらに向かってきたライアサバイブの分身へ鋭く尖った手刀で突き刺し、時には鋭い蹴りで蹴り飛ばす。
だが、思った以上に数が多すぎて残っていたライダー達は既にやられ、ただ一人だけウミヘビドラウが取り残されていた。
「なに、ライダーが……!!」
「トドメだ」
【Final-Vent】
電子音声が鳴った後、ライアサバイブの元へエビルダイバーの強化形態であるエクソダイバーが出現。
下部から車輪が出現し、バイクの形態へと変化すると、ライアサバイブが乗りこむ。
けたたましいエンジン音を鳴らしながら、ライアサバイブはウミヘビドラウへ突っ込んでいく。
「はぁぁぁぁぁあ!!!」
「これが、
ライアサバイブの繰り出した一撃により、ウミヘビドラウは逃げることも間に合わずエクソダイバーによって粉砕された。
ブレーキをかけながら止まると、ライアサバイブはエクソダイバーから降りて、奥の部屋へと見やる。
「これで、ようやく俺の占いも外れる」
~~~~~
「さぁ、その運命さだめを告げよう」
【Finalturn……Fool!!】
飛び上がったアルカナの繰り出した必殺の飛び蹴り『アルカナ・ライダーキック』がコアミラーへと炸裂。
鏡が割れる様に粉々に崩れ落ち、跡形もなく消えていく。
真依はそれを見てガッツポーズで喜ぶ。
「やったね、統人!これで脱出できる!!」
「……」
「どうしたの統人?黙り込んで……」
「真依ちゃん、急いで手塚さんの所へ行くよ」
アルカナは真依の元へ向かうと、彼女を連れて手塚の元へ向かおうとする。
だが、突如眩い閃光が周囲を照らし、視界を白く染め上げていく。
アルカナは咄嗟に真依を抱きしめる形で庇うと、そのまま白い光に飲み込まれていく。
―――次に目を開けた時には、一面のコンクリートの地面が広がっていた。
かつてそこにあったであろう廃墟らしきものは最初からそこになかったかのように消え去っており、代わりにあるのは幾人もの倒れた人達。
変身が解けた統人は真依と共に倒れている人々へ近づき安否を確かめる。
「おい、大丈夫か?」
「ねぇ、この人達、行方不明になった人達だよ!」
「何……?」
真依の言った事に気づいた統人は倒れている人の顔を確認すると、どの人も新聞やTVで報道されていた行方不明者達と同じ姿だった。
どうやら今回の事件で囚われていたと考えていいだろう。
すぐさま連絡を入れて全員病院へ運ばれ、消耗はしているものの命には別状ないと結果が出た。
―――だが、手塚海之の姿は何処を探しても見つからなかった。
彼が何者であったか、何故共に戦ってくれたか、未だに判明していない。
まるで狐に包まれたような出来事だったが、彼のようなライダーと出会ったことは忘れないだろう。
……正直、別れの言葉が言えなかったのは心残りだろうが。
あの事件から数日後の事。
いつもの日常に戻った統人は、真依の買い物に付き合わされていた。
「ねぇ統人。こっちこっち、早く!」
「うごごご重いぃ………真依ちゃーん、買い物に付き合うのは別に構わないけどさ」
「何よ」
「下着コーナーとか行かないの?」
「だって統人、えっちぃのとか面積すくないの変なの選ぶじゃん!」
「えぇー!?素材を生かさないと!」
いつもの言い合いを繰り広げる二人。
そんな二人のやりとりを、遠くから見ているものがいた。
「なるほど……今回ばかりは占いが当たって、よかったことはないな」
男はそう言いながら、手に持ったコインをはじき、空中へと飛ばした。
EPISODE:LAIA Fin
えーどうもどうも地水です。EPISODE:LAIA三部作楽しかったでしょうか?
主人公ライダーやオリジナルライダー以外でメインに書くのは初めてで、他の敵との相性調整とか大変でしたが楽しかったです。
怖さもエロもあって挑戦的な話で、新しい発見がありました。
でもって、今回明かされなかった事を補足していきます。
補足のQ&A
Q.ウミヘビドラウの目的はなんだったの?
A.契約者達を蘇らせて、現世で暴れさせて不幸を集めさせる算段だった。
Q.オーディンの変身者の目的はなんだったの?
A.とある人物の『意思』のある完全蘇生、ウミヘビドラウの能力を使えば可能であった。
Q.手塚は何者だったのか?
A.繰り返されたライダーバトルの時間の中にあった『手塚が城戸真司ばりに戦って生き残った』的なIFの存在、サバイブ疾風のカードを有していたことにより意思もあって、他の自身の記憶を引きづいている。そんな感じ。
次にやるクロスオーバー回は未定ですね。候補としてはジオウやダブルとか考えています。
多分単独回か日常回がメインになるのかなと予想したり……。
それではまた!