仮面ライダーアルカナ -Battle to Tarot-   作:地水

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 久しぶりの更新。今回はダブルとの共闘シーン。

前回のあらすじ
謎の美女・ときめから風都からガイアメモリが持ち出した犯人を聞かされる統人。
真依にときめの事を任せ、一人で捜索する統人はオウルドラウと交戦するダブルを発見。
苦戦を強いられるダブルを助けるアルカナとなって参戦するのであった……。


Fの共闘/甦った悪魔に立ち向かえ

「仮面ライダーアルカナ、よろしく」

 

「仮面ライダー?」

 

『新しい仮面ライダーか』

 

突如助けに入った未知の仮面ライダー・アルカナ。

ダブルは彼の登場に首を傾げながら、近づいてきた彼に助け起こされるとオウルドラウに向き直る。

対してオウルドラウはアルカナの参戦に舌打ちを打ちながら嫌悪感を露にする。

 

「アルカナ……我らが怨敵・仮面ライダー! ここで会ったら百年目!」

 

「恨み辛み言うのはわかるけど、人を勝手に不幸にしているお前らも大概だからね」

 

「黙れ……同胞を葬った数だけ、貴様に刻みつけてやる!」

 

怒りの声を発しながらオウルドラウは翼を広げ、上空へと舞い上がる。

その隙を見逃さなまいとアルカナはテンバランスショットを構え、引き金を引いた。

テンバランスショットの光弾は飛翔するオウルドラウへと迫る……だが。

 

「無駄だ! ハッ!」

 

オウルドラウの胸部にある時計のパーツから放たれた光により、テンバランスショットの光弾が減速してしまう。

それを見て、ダブル――フィリップはアルカナへ向かって叫ぶ。

 

『ダメだ! あの光線で動きを封じられてしまう!』

 

「なるほど、だけどもこっちの方はどうかな!」

 

余裕綽々な態度でアルカナはホルダーから一枚のカードを取り出し、それをタロットベルトに翳した。

 

【The Star】

 

「綺羅星、一閃ってな」

 

【Reverse・Star】

 

タロットベルトから発せられた電子音声と共に、アルカナのボディが光り輝き始める。

まるで夜空に煌く星々のようにその場を照らすアルカナは、一歩足を踏み出す。

その瞬間、アルカナは金色の光になって姿が消える。

 

「なにぃ!?」

 

姿が消えたことに驚くオウルドラウ。

気が付けば、死角に当たる位置にアルカナの姿があった。

その手に握られたテンバランスショットを向けて、引き金を引いた。

 

「カモンベイビー!」

 

「まさか……ぐあああああ!?」

 

テンバランスショットの銃口から向けられた先にあったのは、先程オウルドラウによって減速させられた光弾。

まるで吸い込まれるように光弾が普段の弾速に戻り、アルカナの方へと向かう。

アルカナは動き出した瞬間、即座に横へ跳んでいく形で移動。

すると、誘導された光弾がオウルドラウへと向かっていき、背部へと着弾した。

それを見たダブル――フィリップが感心の声を上げる。

 

『なるほど、光弾を無理やり動かして誘導したのか!』

 

「そういうこと、テンバランスショットのいいところは循環できるってこと」

 

アルカナはダブルの傍に突然やってくると、二丁のテンバランスショットをガンスピンさせながら受け答えた。

 

『スタースピード』……星のカードによって発動する高速移動能力であり、使えば一定時間光の如く加速できるように可能なる。

その速度は夜空を瞬く星の如く、術者を煌めく星と変えていくだろう。

 

アルカナのボディから金色の輝きが消えると、新しいアルカナカードを取り出しながらダブルの方に顔を向ける。

 

「さぁ先輩、いきますよ」

 

「先輩か……言ってくれるぜ!」

 

ダブルも自身のベルトに差しているサイクロンメモリとトリガーメモリを引き抜いて、別の二本のメモリを装填する。

アルカナとダブル、二人のライダーは新たなる攻撃を仕掛けるためにそれぞれのアイテムをベルトにセットする。

 

【The・Strength】

 

【Reverse・Strength】

 

アルカナは力のカードをタロットベルトに翳と、その両腕に光が灯る。

次に現れたのは巨大な籠手……右手には獅子、左手には女性の顔の意匠が施されたその鋼鉄な両手がアルカナの腕を覆った。

アルカナは自身が装備した籠手・ストレングスアームを構えた。

 

【HEAT】

 

【METAL】

 

【HEAT/METAL】

 

変わってダブルはヒートメモリとメタルメモリをダブルドライバーに装填、右半身が赤色、左半身は銀色色とそれぞれ変わり、熱き闘士『ダブル・ヒートメタル』へと姿を変えた。

背中に出現・装着した棒術武器・メタルシャフトを掴むと、両端を伸ばしながら振り回す。

 

「「いくぜ!」」

 

アルカナとダブル、二人のライダーは同時に走り出し、オウルドラウへと立ち向かっていく。

対してオウルドラウは空中戦では優位に立てないと判断したのか、片腕を上げる。

すると周囲から鎧の兵士達・タロンが出現し、菱形の仮面と四角形の盾を構えながら相対する。

 

「はぁ! とぅ! おりゃあ!」

 

アルカナは両腕に装着したストレングスアームでタロン達に殴りつける。

タロン達は盾で防ごうとするも、ストレングスアームから繰り出された殴撃が直撃し、そのまま勢いよく殴り飛ばされる。

 

「お熱いの、かましてやるぜ!」

 

アルカナの隣ではダブル・ヒートメタルはメタルシャフトを炎を纏って振り回し、タロン達を殴りつけていく。

ヒートメモリとメタルメモリ、二つの相性のいい組み合わせから生み出される剛力によってタロン達は盾ごと粉砕されていく。

二人のライダーによって瞬く間に片づけられていくタロン達。

オウルドラウの呼び出されたタロン達を片付けたダブルは自慢げに言い放つ。

 

「へっ、ご自慢の兵士たちは俺達ライダーによって片づけてしまったぜ」

 

『なるほど。仮面ライダーアルカナ、僕たちとは異なってカードによってその効果や武器を発動するのか』

 

「まあね、一番いいのはこれ占いにでも使えることだ。それより先輩……気を引き締めたほうがいいよ?」

 

『「なに?」』

 

アルカナカードに興味を持ったフィリップの言葉にアルカナは気軽に返すと、目の前の敵を見据える。

疑問を浮かべたダブルは振り向くと、そこにあったのはオウルドラウがタイムメモリを上へと掲げている光景。

それを見た瞬間、ダブルが叫ぶ。

 

『翔太朗! まさかアイツ、ガイアメモリを使おうとしている!』

 

「なんだと! くそっ!!」

 

ダブルは使わせまいと、足を踏み出して走りだそうとする。

だがそれより前に、オウルドラウの指がタイムメモリのボタンを押し、電子音声(ガイアスィーパー)が鳴り響く。

 

【TIME】

 

「ガイアメモリよ、我をさらなる高みへ、うぉおおおおおお!!!」

 

オウルドラウの叫び声と共に、手元からタイムメモリが一人勝手に離れて浮遊してだした。

そしてオウルドラウの胸にある時計パーツへと挿入され、体内に入り込んだと同時にその姿を変貌させていく。

背中から大きな翼は黄金色に変わり、身体に"トゥニカ"を模した衣装が追加され、手には時計の針を模した槍が握られている。そして一番の特徴は猛禽類のそれだった顔が、フクロウを模した仮面を被った人の顔に変わっていた。

まるで女神ともとれる神々しい雰囲気に姿に変わったオウルドラウを見て、フィリップが驚きの声を上げる。

 

『姿が変わった!?』

 

「ガイアメモリで神化(しんか)したか!」

 

「あん? 神化だって!?」

 

アルカナの発した言葉を聞いて、ダブル――翔太朗が訊ねる。

その問いにアルカナは冷静な口調で答えた。

 

「ドラウ怪人には三つの大きな特徴があってね。一つは『生物の特性を持つこと』、二つは『四代元素の火・水・土・風のいずれかの属性を持っていること』、そして三つ目……これは重要だよ」

 

話を聞いているダブルにアルカナは話を続ける。

目の前にいる黄金の翼を持った女神に視線を外さないまま、アルカナはドラウ怪人の三つ目の特徴を口にする。

 

「ドラウ怪人は人の不幸をその身に浴びるとさらなる姿と力を持った存在へと昇華するんだ。人々の神話伝承の中で伝えられる存在へとなる、神の化身……それが『神化形態』だ」

 

アルカナはダブルと共に、強化されたドラウ怪人に対して身構える。

対して神化形態になったオウルドラウ―――否、ローマ神話の知恵と魔術など数多の権能を司る女神・ミネルヴァのごとき姿と化した『ミネルヴァドラウ』は槍を掲げ、新たなる一手を繰り出した。

 

「さぁこい!過去に破れ散った者たちよ!」

 

槍と共にミネルヴァドラウの前方に現れたのは、時計を模した魔法陣。

数は二つ、短針と長針が巻き戻るように左回転しながら魔法陣の中から何かが現れる。

一体は水色の体色に背中からマフラーの靡かせた鎧騎士のような怪人。

もう一体は白色の体色に後頭部に髷、首と肩に風袋の意匠が入った怪人。

突如現れた二体の怪人の姿を見てダブルは驚いた。

 

「あれは、……ナスカにウェザー!?」

 

「知り合いかい?」

 

『ナスカドーパントにウェザードーパント。かつて僕たちが戦った強敵たちだ』

 

アルカナの問いにダブル――フィリップは説明を行う。

水色の怪人……『ナスカドーパント』はダブルへ、白い色の怪人……『ウェザードーパント』はアルカナへとそれぞれ襲い掛かり、戦闘を仕掛けていく。

アルカナとダブルは少しの間応戦しながら、互いに背中合わせになる。

 

「先輩、一応聞くけど大丈夫?」

 

「問題ねえ、しっかしなんであのドラウ怪人ってやつがこいつらを出してきたんだ?」

 

「恐らくだけど、あのガイアメモリは普通のガイアメモリじゃない……ドラウ怪人にとっての特別なものに違いないよ」

 

アルカナはストレングスアームでウェザードーパントの雷撃を防ぎ、ダブルはメタルシャフトでナスカドーパントの直剣と鍔迫り合いを繰り広げる。

その様子をミネルヴァドラウは受け答えを高らかに言い放った。

 

「我が身に宿したこのタイムメモリ、あの箱庭にて蔓延していた人々の不幸と負の感情を吸い上げて染み込んだ一品物だ」

 

「なんだと……!? ぐっ!!」

 

「この地球の記憶を宿した超人達の戦い、箱庭にて起きる犯罪で泣いた人間は数知れず……人の不幸の時間を刻み付けた記憶は、我らドラウ怪人にとってはさらなる高みへ誘う代物だ!」

 

ミネルヴァドラウは歓喜にも聞こえる言葉を二人に語っていく。

―――風の街『風都』、それはガイアメモリによるドーパント犯罪が多発していたある種の"犯罪都市"ともいえよう。

ガイアメモリを流通させていた組織・ミュージアムは売人を通して数多の人間にガイアメモリを売りさばいた。それを買ってドーパントへ変身した犯罪者によって誰かが不幸になり、或いは悲劇を見舞われた自分が相手に復讐するためにドーパントになって誰かを悲しませる。

そんな不幸の連鎖が風都を蝕み、街を泣かせていた……。

 

 

だがしかし、その涙を拭うための英雄(だれか)が今ここにいる。

 

 

激しい金属音が鳴った後、激しい炎を纏った紅い拳による一撃がナスカドーパントに炸裂する。

ミネルヴァドラウは驚き、紅い拳の持ち主――ダブル・ヒートメタルは翔太朗の声で反論を口にする。

 

「はっ、何が不幸の時間だ。確かに風都でガイアメモリ犯罪で泣いた人間は少なからずいる。泣いたヤツも、苦しんだヤツも確かにいた……だがな、それだけじゃないんだ。あの街で流れていた時間は何も不幸だけじゃないんだよ!」

 

ダブル・ヒートメタルはメタルシャフトによる殴打をナスカドーパントをへとお見舞いしながら、自分たちが過ごしてきた思い出す。

仲間との出会って過ごした日々、依頼人が駆け込んできた日、無事に事件を解決できたあの時の笑顔。

自分たちが過ごしてきた大切な時間が、今の自分たちへ繋がっている。

あの街での時間を『不幸だった』という一言で片づけさせはしない。

そして、ダブルの言葉を反応したのは、共に戦うもう一人のライダー――アルカナ。

 

「いい啖呵の切り方じゃないか、先輩! ―――そもそも、お前の時間の記憶に刻まれているものって偏っているんじゃないか?」

 

「なんだと!?」

 

「あの街にはいた……いや、今もいるよ。人々が不幸によって流した涙を拭い去り、風と共にやってきて悪漢達をなぎ倒し、風と共に去っていく最高のヒーローがな!」

 

アルカナはストレングスアームを振りかぶり、ウェザードーパントが繰り出してきたチェーンへ殴りつける。

ストレングスアームが直撃したチェーンが思いっきり弾き飛ばされ、ウェザードーパントの手元から離れててしまう。

それを見たアルカナは両腕のストレングスアームを構え、思いっきり突き出した。

 

「―――飛んでけ、剛力の鉄拳!」

 

突き出したストレングスアームの拳が蒸気と炎を噴射しながらウェザードーパントへと飛んでいく。

よける暇もなくストレングスアームの二つの鉄拳が胴体へ直撃し、軽く殴り飛ばした。

2体のドーパントは追い詰められていることにミネルヴァドラウは舌打ちを打つと、槍を構える。

 

「蘇れ!英雄に破れ散った者達よ!」

 

ミネルヴァドラウの言葉と共に魔法陣が出現。そこから現れたのは3体のドーパント達。

アームズドーパント、アイスエイジドーパント、エナジードーパント……どれもがかつてダブルが戦ったことのある相手だ。

3体のドーパント達は火炎弾や電磁砲といったそれぞれの射撃武器で攻撃を仕掛ける。

すぐさま着弾し、アルカナとダブルの姿は爆発に飲み込まれる……合計5体をもドーパントを呼び出したミネルヴァドラウは勝利の確信を得る。

だが、その確信を打ち消すかのようにある電子音声が響き渡る。

 

 

【XTREME】

 

 

舞い上がる爆炎を消し去るように一陣の風が吹き始め、そこから極光のエネルギーが周囲には駆け巡りながら一つの人影が姿を現す。

緑の右半身、黒の左半身、そして中央部には虹色の光沢を輝かせる白銀のボディ。

頭部には『X』の意匠が入った装飾が取り付けられた仮面、ベルトのダブルドライバーには展開されたエクストリームメモリが装填されている。

極限の姿へと変わった『ダブル・サイクロンジョーカーエクストリーム』はアルカナと共に並びたち、あの言葉を投げかける。

 

「人の不幸を糧とするドラウ怪人……さぁ、その運命(さだめ)を告げよう」

 

『「止めてやるさ、()達が……さぁ、お前の罪を数えろ」』

 

アルカナとダブル、二人の仮面ライダーはミネルヴァドラウ率いるドーパント軍団へと立ち向かっていった。

不幸の温床と化した街だと罵った言葉を、覆すために。

 

 

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