ボルトとスミレ 基本的にif   作:レオ2

12 / 51
おはようございますm(*_ _)m。
今日から新シリーズというかシリーズ一覧に加わります!結構書く順番おかしいですけどよろしくお願いしますm(*_ _)m。
シリーズ通りテーマは「ボルトとスミレがNARUTO・BORUTO史上最速でお互いを意識しだしたら」です。
その為にすみません、ボルトの性格を1箇所だけ・・・というか有り得たかもしれない思考になってますのでご了承ください。
今回はクソ長いです。絶望を超えし戦士とこのボルトとスミレ 基本的にifを全て合わせてもぶっちぎりで長いです。平均文字数見て貰えればわかると思いますがこのボルスミ小説は1つの話で書ききらなきゃいけないので1話1話は約1万字が多いです。絶望を超えし戦士は割と文字数が少ないんですが今回の小説は約3万7千文字ですので書いた自分で言うのもあれですが頑張って読んでください。ではどぞ(っ´∀`)っ


もしもボルトとスミレがNARUTO・BORUTO史上最速で互いを意識しだしたら
ビオラ


 木ノ葉隠れの里、そこはあまたの忍びが伝説を作った里だ。

その伝説の1人うずまきナルトは九尾の人柱力であった為に里の人から迫害を受けそれでもそんな里の人達に自分を見せるための努力をしそしてその努力は暁ペインの来襲、そしてその後の第四次忍界対戦でナルトは九尾と他の尾獣達との絆を手に入れそして親友と共に忍界を救った英雄になった。

木ノ葉隠れの里と言えばうずまきナルト、これが思い浮かばれるほどだ。

そんな神格化されているナルトだが戦闘においては確かなのだがいかんせん、事務作業などは少し不得意である。

そんな神格化はされてはいるが万能ではないナルト。だがナルトには頼もしい補佐がいる。だからナルトは今までやってこれたのだ。……仕事のやりすぎでの残業などで家族には寂しい思いをさせてはいるが。

 だがそんなナルトやナルトの補佐の奈良シカマルでも予想外すぎることが起きてしまった。これはそんなお話である。

 

 

 

 

 

 今日も今日とて木ノ葉隠れの里のトップ2人は里の為に書類仕事などをせっせと片付けていた。そして休憩の時にナルトはシカマルに笑顔をで言った。

 

「最近は平和でいいってばよ! この前みたいな事も最近はないみたいだしな」

 

 それに苦笑いしながらシカマルは返した。

 

「当たり前だ。あんな事がしょっちゅう起きてたまるかっての」

 

 シカマルの言うあんな事とはこの前ナルトやシカマルの息子、うずまきボルトや奈良シカダイが通っている忍者アカデミーで初めて他里に修学旅行に行ったのだ。ナルトが根気よく頑張って交渉した果てに実現した修学旅行である。

 ·····まあナルト達の世代の時は修学旅行すら無かったのだが。最近のアカデミーには修学旅行が出来た。それだけ平和になった証拠なのである。

 そしてその修学旅行では中止になるほどでは……そもそもそんな事があった事を知ったのは修学旅行が終わった後だ。水影自らの嘆願書が届きそれによって発覚した事だった。

 それによると霧隠れの里で干柿屍澄真率いる自称新・忍刀七人衆なるもの達が水影の長十郎が自分達の都合の悪い人達を排除などしたとでっち上げ長十郎と先代のメイの権威を失墜させ再び霧隠れの里を血切りの里に戻そうとしたのをアカデミーの生徒のうずまきボルト、うちはサラダ、結乃イワベエがそれを喧嘩と称して止めてくれたことに感謝し何かしらの罰を受けさせないでやって欲しいという内容のものだった。

 ナルトとしては危険なことをするなっていうのとよくやったという気持ちが両方あった。だがその気持ちはどちらともまだ言えていない。まだボルトが修学旅行から帰ってきてもまだボルトが起きてる時間に帰れた事がないのだ。それによってボルトがカッカッしてるのは知っている。だが自分には親が、父親がいなかった。会ったのは戦場で親子の時間とは程遠かったのだ。それ故にボルトとの接し方が分からなくなる。そして仕事で言い訳してボルトにも会えないという悪循環に入っている。そんな事を思考していた時、ドタバタとナルトの弟分で木ノ葉隠れの里きっての天才忍者、猿飛木ノ葉丸が飛んできた。ドアを勢いよく開けて叫んだ。

 

「7代目! 少し大変です!」

 

「どうした木ノ葉丸?」

 

 ナルトとシカマルは緊急事態か? と思い顔を引き締めた。だが木ノ葉丸が言った事は少しの間2人の頭の中に? を浮かばせた。

 

「そ、空からいきなり謎の赤ちゃんが降ってきました!」

 

「「·····?」」

 

 

 

 

 

 

 ナルトは取り敢えず現場というかナルトからしたら親戚である日向邸に来た。この上空からいきなり赤ちゃんが降ってきてたまたまいたハナビがキャッチしたのだ。そしてハナビ曰く赤ちゃんが降ってきた後に亀っぽいやつも一緒に降ってきたそうだ。ただくるまってはいるが。

 ナルトは日向邸の門をくぐった。そして顔なじみのお手伝いさんに通してもらい居間に入った。そこにいたのは2本の足で立ってハナビの手を握っている紫色の幼児用の服を着て髪の毛は主に金髪だが所々に紫色も混じっていてそれがいいアクセントとなっている赤ん坊だった。ハナビはハナビで少し嬉しそうだった。

 

「えーっと、ハナビ、その子は?」

 

「火影様、いやいきなり空から降ってきたんです。本当に真面目にそうなんです」

 

 ナルトはそれを聞きながら奥にいる義父のヒアシを見た。そのヒアシも頷いたから本当なのだろう。だが何故空から? オマケに亀っぽいのまで一緒に。その亀はまだくるまっている。そもそも喋るのか? 

 そんな時その赤ちゃんがナルトを見て不思議そうな顔をした後にトコトコある言葉を言いながら天使の笑顔で寄ってきた。

 

「じいじ!」

 

「「「えっ?」」」

 

 その場にいた3人が素っ頓狂な声をあげた。だってそりゃそうだ。この中でじいじと呼ばれそうな印象を持つのはヒアシだけだ。だがヒアシではなくナルトに向かってじーじと言うのは?? になってもしょうがない。そのまま謎の赤ちゃんはナルトの膝にハグした。

 

「え、え──────ー〜っ!」

 

 昼間の日向邸にその絶叫が響いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その日うずまきボルトは居残りをしある罰を受けた。その罰とはこの前の修学旅行の時に自分達が喧嘩と称して新・忍刀七人衆のクーデターを止めたことで水影から嘆願書が届きそれの事実確認でボルトはその嘆願書が届いてた事を知らずそれっぽいストーリーを作ってそれを担任の油女シノとうみのイルカ校長に伝えた。が、その時イルカが水影の長十郎からの嘆願書を取り出し嘘をあっさりと看破した。勝手に新・忍刀七人衆と戦った罰は嘆願書の通りなしだった。だがその時嘘をついたのがまずかった。それ幸いとそれで罰を受けさせられた。だがそんな罰も今日で終わり、ボルトはルンルン気分で帰ろうとした。その時前に見覚えがありまくるクラスメートを見かけ走って追いつき声をかけた。因みにサラダやイワベエは少し早めに自分達の分のバツをし終えボルトよりも早く帰った。

 

「委員長!」

 

 それを聞いた前にいた人はビクンとした。紫色の三つ編みの髪とその紫色を基調としたセーラー服のような服を着、カバンを斜めに背負っていた少女は振り返った。そしてボルトの姿を認めると顔をふっと笑った。ボルトはスミレの隣に追いついた。

 

「委員長どうしたんだこんな時間に」

 

 今はもう夕暮れだ。ボルトは罰があったから遅かったがスミレは先程ボルトも言った通りボルトのクラスで委員長を務めてるだけあって優等生だ。だからスミレが罰を受けていたとは思えない。·····まあ優等生っていう点ならばうちはサラダも当てはまるのだが。

 

「ナミダとワサビの訓練を手伝ってたの」

 

 アカデミーでは放課後に訓練などをするのも自由だ。ボルトはあまりしないが·····。

 そして横に並び歩き出す。

 

「今日でようやく罰も終わりだってばさ」

 

「ふふ、お疲れ様。ボルト君達のおかげで校舎綺麗になってたよ」

 

「ま、まあな。俺にかかればそれぐらい楽勝だってばさ」

 

 そう1人でウンウン言ってるボルトに微笑んでいるスミレ。

 その後は他愛のない話をした。互いの趣味などだ。

 

「へぇー、委員長料理と裁縫得意なのか」

 

 それに照れながら頷くスミレ。

 

「う、うん。·····ボルト君は私の昔を知ってるよね?」

 

 それを聞いたボルトは少し暗い顔しながらも頷いた。スミレの昔とはスミレの父親の信楽タヌキが根の残党であり、戦後に根の残党と言うだけで里の人達が迫害したのだ。普通ならば敵に当たるべき鬱憤を根にぶつけたのだ。それは対戦で家族を亡くした時には確かに敵はいた。だがその敵達はもうどこにもいない。2代目火影が生み出した禁術『穢土転生』で呼び出された死者達だったからだ。主犯であるうちはオビトもうちはマダラももう亡くなった。そんなもういない奴らよりも目に見える形でいる根に当たったのだ。

 そしてスミレの父親と母親は赤ん坊のスミレを連れて逃げた。大きくなって行ったスミレに待ち受けていたのは木の葉への復讐の為に父親がスミレに自分が持ちうるあらゆる戦闘技術を叩き込まれる事だった。爪は剥がれ肌には痣が出来たりした。そして母は死に父親もスミレに牛頭天王を託しスミレを家から追い出し死んだ。そんな事情だったから料理や裁縫は自分でやった方が安上がりだったのだ。それに料理は一人暮らしには必須能力だ。

 

「そう言えばスミレの弁当美味しそうだったもんな」

 

「はわわ、そ、そうかな。ありがとう」

 

 そう照れながら返す。アカデミーの生徒は購買などのパンなども食べる。スミレも偶に食べてる。だがそれでもスミレの弁当の頻度はそれなりに多かった。でもスミレにとっての弁当は食費を浮かせるためのものでありあまり見た目にこだわった事は無かった。それでも美味しそうと言ってもらい嬉しかった。

 

「えっと、それなら明日作ってきてあげようか?」

 

 スミレはそう勝手に口が動いていた。そして自分が言った事に気が付き徐々に赤くなった。慌てて取り消そうとしたが遅かった。

 

「良いのか!? サンキューな委員長!」

 

 そう笑顔で言われてもうダメとは言えなかった。

 

(はわわ!! ぼ、ボルト君にお弁当って·····そ、それじゃあ……あ、愛妻弁当みたいだよ)

 

 そんな事を思っていたら·····いや他人が聞いたら誰もがそんな事を思うだろうが·····ボルトがカバンを探っている。そしてお金を出してきた。

 

「じゃあこれが弁当の材料費だってばさ。これで俺とスミレの分を作ってくれってばさ!」

 

「え、で、でもお金はいいよ」

 

「良くないってばさ! 作ってもらうんだから対価はいるってばさ!」

 

 そう言ってスミレの手を取りお金を握らせた。スミレは手を取られたことに心臓の鼓動を早くした。

 弁当を作ることは構わない·····というか望むところだ。スミレの頭の中はどんな弁当にしようというものを考え始めていたし。でも……

 

「えっと、私の分のお金はいいよ。ボルト君のお弁当の分だけで」

 

 そう言って一部返そうとしたが押し切られた。

 

「いいってばさ、それとも明日委員長は購買にするのか?」

 

「う」

 

「じゃあ明日の弁当楽しみにしてるってばさ!」

 

 そう言ってボルトは家に走って帰って行った。スミレは手にあるお金を見たあと財布の別枠に入れて行きつけの食材が売っているお店まで歩を進めた。その頭はボルトに弁当を作って食べさせるというこの状況での心臓の高まりと、その弁当をどんなものにするかの思考だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一方ボルトは訳も分からない心臓の鼓動を抑えるために走った。そして家までもう少しという所まで来て止まった。

 

「何で俺、委員長に弁当作ってくれって·····」

 

 スミレの作る弁当を気になったのは本当だ。だからそれは別にいい。でも作ってくれって·····それじゃあ愛妻弁当みたいではないか、と思ったのだ。何故それだけで心臓がやたら早く鼓動するのかが分からない。サラダと喋る時でさえこんなに心臓がバクバクすることはない。スミレと最初他愛もない話をしてた時は割と普通だった筈だ。でも料理の話になった時にスミレが見せた少し寂しそうな顔を見た瞬間から何故か鼓動が早くなった。そして弁当を作ってきてあげようか? と言われた時ほとんど無意識に返答を返した。

 

「·····でも委員長の弁当楽しみだってばさ」

 

 そう言ってボルトは残りの家までの道を辿った。

 

 

 

 

 

 

 

「ただいま──」

 

 そう言ってボルトは我が家のドアをくぐった。いつもはここで母か妹が笑顔で顔を見せてくれるのだが今日はどういう訳か来ない。というかリビング辺りで何かキャッキャッ聞こえる。そしてよく見たら男ものの靴がもう1つある。この家以外で男はボルト以外は1人……ボルトはそれに気がついた瞬間にリビングまでの短い距離を走った。そしてリビングのドアを開けたらそこに居たのは。

 

「父ちゃ·····」

 

 途中で止まったのはナルトを見た後ヒマワリの手を掴んで歩こうとしてる存在を見つけたからだ。ヒマワリよりも小さくてくてく頑張って歩こうとするさまはまるで赤ん坊·····

 

「……って赤ちゃん────っ!?」

 

 それにビクッとした顔で赤ちゃんがボルトを見た。ボルトも赤ちゃんを観察した。主に金髪の髪の中に紫色の髪も混ざっている。顔はナルトやボルトにヒマワリのように頬にヒゲのような模様が1本入ってる。そしてよく見たら……

 

「もしかしてその子、女の子か?」

 

「そうだよお兄ちゃん!」

 

 ボルトはナルトに目を向けると色々訳があるんだみたいな顔をした。目でそれを促す。

 

「日向邸の真上からいきなりこの子が落ちてきたんだってばよ」

 

 自称天才のボルトでも数秒固まった。

 

「は!? 落ちてくるわけないってばさ!」

 

「いや、俺も直接見た訳じゃないがこの子を受け止めたのはハナビだしお義父さんも確かに落ちてきたと言ってたから間違いないってばよ」

 

 その間赤ちゃんはボルトをじーっと見た後にヒマワリの手を振りほどきてくてくボルトによって行った。そして·····

 

「パパ──ーっ!」

 

 ボルトは絶句して口を変な形にした。その他のメンバーはこんな事態も何かしらの理由であると思ったのか苦笑いをしていた。そんな状況の中赤ちゃんはボルトにハグした。

 

「はわわ〜、パパー」

 

 謎の·····いや良く考えれば身近に1人いるがその人と同じ事を言って自身をパバと言ってきた赤ん坊にボルトは言う。

 

「い、いや俺はお前のパパじゃないってばさ」

 

 それを聞いた赤ん坊はボルトを見上げだんだん涙目になって行った。そしてボルトが何かを言う前に

 

「パパじゃ·····ないの? うわああああああ!!」

 

「えっちょっおい!」

 

「パパなのにパパじゃないって言った!! うわああああん!!」

 

 そしてボルトは絶対零度の視線に気がついた。ヒマワリだ。

 ボルトは赤ちゃんを抱っこしてあやしてみた。小さい頃のヒマワリにもやったからお手の物だ。

 

「わ、悪かったってばさ! ほ、ほらパパだぞ?」

 

 正直周りの視線が痛いからやめたいのだがこのまま泣き続けられたら困るなんてものじゃない。下手したらしばらくヒマワリに口を聞いて貰えなくなる。いや、白眼の刑になってしまう。もうあの日みたいな目にはあいたくない。

 赤ん坊はそれを聞いたら泣きやみうるうるした顔で聞いた。

 

「ぐすん、ほんと?」

 

「あ、ああ」

 

 そう言ったら今度はとびきりの笑顔になりボルトに抱っこされたままボルトに全力ハグした。

 

「ふふー、パパ〜」

 

 ボルトはほとほと困り果てた顔になってナルトを見た。そのナルトは微妙な顔のままだった。そして5人で晩御飯を終えヒナタとヒマワリと謎の赤ん坊はお風呂に入った時を見計らいナルトに問い詰めた。

 

「で、父ちゃんあの子はなんなんだ? 俺をパパって絶対おかしいだろ?」

 

「まあ、それには同意だ。だがあの子が嘘をついてるようにも見えない」

 

「敵の変化だったらどうすんだよ」

 

「それぐらい俺もハナビもすぐに分かるさ。1度九喇嘛モードになってそういう類があるのか調べたが全く無かった。無邪気そのものだ。あそこまで行ったら正真正銘赤ん坊としか言えないだろ?」

 

 ボルトはそれを聞き椅子に座り直した。確かにそうだ。悔しいがナルトの中にいる尾獣と仲良くなった事で変身できる九喇嘛モードは種類までは判別は出来ないものの悪意を探知する技術は本物だ。だからそれを疑う余地はない。

 

「じゃあ誰の赤ん坊なんだってばさ!」

 

「それが分かれば苦労はしない·····と言いたい所だが……」

 

 そこでナルトは微妙な表情になりボルトは父が言わんとすることが分かった。

 

「いやいやそれはねえだろ父ちゃん! あの子が俺の娘とか絶対!」

 

 さっきのやり取りをナルトが真に受けたと思い言った。さっきのはあの子を鎮める為にやったのにすぎない。徐々にあの子には自分はパパじゃないと教えなければならない。というかそもそもボルトは赤ん坊の出来方すら知らないのだ。オマケにボルトには彼女と呼べる人すらいないのだ。それなのに赤ん坊が居るわけない。それと大人達に言わせればボルトの歳で赤ちゃんがもういたら倫理的にアウトだ。

 それでもナルトは微妙な顔をしたままだ。

 

「ボルト、お前あの子が俺やヒナタを呼ぶ時何て言ってるか知ってるか?」

 

「えっと……」

 

 そう言えばさっきの晩御飯の時はずっと自分に顔を向けてパパを連呼していたからナルトやヒナタへの反応は知らない。帰って来た時の状況だけ見るなら仲は良さそうだったが·····ナルトの答えは斜め上を行った。

 

「じいじとばあばだぞ?」

 

 それを聞いたボルトは天を仰いだ。理解が少し追いつかない。いや誰でもこんな事になったら追いつかなくなるだろう。ボルトが悪い訳では無い。

 ナルトやヒナタは普通にまだ若く見える。それなのにじいじとばあばって·····

 そんな時お風呂から出る音が聞こえた。赤ちゃんだから短めにしたんだろう。そしてボルトは暫し虚空を見ていたが何か泣く声で我に返った。

 

「どうしたんだってばさ?」

 

 ヒナタが出てきて困った顔で言ってきた。

 

「それがね·····」

 

「ママはどこ〜ーっ?」

 

 こういう訳である。ボルトはパパと言われた時から覚悟はしていたがやっぱりこの赤ん坊にも母親がいる。そう思っていたらすごい泣き顔でボルトに寄ってきた。

 

「パパ〜、ママどこ?」

 

 ボルトは膝を折り聞いた。

 

「お前のママって誰だってばさ? ……というか名前は何て言うんだ?」

 

 よく良く考えればまだ名前を聞いてなかったのを忘れていた。これで名前を言ってくれればそれを元に本当の両親を探せるかもしれない。だがそれを聞いた赤ちゃんはボルトを信じられないみたいな目で見てまた目に涙を溜めた。

 

「わたちの名前·····わちゅれたの?」

 

「え、いや、えっと……」

 

 分かるわけない。自分はこの子の事何て知らないのだから。·····でも何故だろう? こう見てたら親近感が湧いてきてるのは否定出来ない。

 

「うえええん!! パパがビオラの事忘れてるー〜!!」

 

 そこでボルトは貴重な情報をゲットした。

 

「あ、ああそうだ。ビオラだったな!!」

 

 そう聞いた赤ちゃん……ビオラは涙を止めふにゃぁと笑った。そして嬉しそうに言う。

 

「あい! うずまきビオラです!」

 

 ·····はい? 今うずまきって言わなかったか? という思考にここにいる全員がなっていた。そしてビオラはキョロキョロした後ボルトに向いた。

 

「ママどこ〜ー?」

 

「あ、ええとビオラのママは今お仕事に言ってるんだってばさ」

 

 それを聞いたビオラはショボーンとして

 

「……わかった」

 

 ショボーンともしていたが眠そうでもあった。ヒナタがビオラを寝室に連れていこうとしたが眠そうな顔で抗議した。

 

「パパと寝る〜ー!」

 

「ええ!?」

 

 そうボルトが驚いていたがここで何か言って泣き喚かれたらしんどい。そう思い立った。ビオラはそれで嬉しそうにボルトについて行った。自分の部屋に連れて行き奥のベットに寝かせ布団をかけた。このまま出て行ったら泣き喚かれるのでボルトは上着を脱ぎ同じベットに入った。ビオラはそんなボルトに固くハグして離してくれずそのまま寝てしまった。ボルトはそんなビオラを見ながら考える。

 

(何で俺の事をパパって·····それじゃあママは誰なんだよ)

 

 でもビオラを見ていたら不思議と大切なクラスメートの1人が思い浮かんでくる。どこか雰囲気がそのクラスメートに似ているのだ。ただ甘えん坊なのだが·····。ボルトはそのまま30分程その状態で切り抜け固いハグが少し緩んだ時を見計らいするっと抜けた。布団をかけ直しリビングに戻った。ヒマワリはもう寝たらしい。ナルトはある意味イレギュラーなあの子の監視と言った所だろう。あれだけ甘えん坊ならあまりあの子が認めた人以外は泣かれたりでもするのではないだろうか? そんな事を思いながらテーブルの椅子に座る。

 

「疲れたってばさ」

 

 自分が小さい頃にヒマワリにしてやった時は何ともなかったが何故か今は疲れてる。ナルトとヒナタはそれを苦笑いで見つめてる。というか2人とも自分はパパ認定だからまだいいような気がするがこの2人は祖父母認定は年齢的に少し辛くないか? という事を考えたボルトなのであった。

 

「それでボルト、さっき分身の俺とシカマルが少し話した結論を言うとな……」

 

 ボルトはそれを疲れた目で聞く。何となく何て言われるかわかったからだ。

 

「あの子は未来から来たんじゃねえかってなった」

 

 それを聞いたボルトは机に突っ伏した。そのまま聞く。

 

「第一仮にビオラが未来から来たんだったらどうやって過去のここに来るんだよ。さすがに父ちゃんでもタイムスリップは出来ねえだろ?」

 

 こう言った時にボルトは気がついた。何故かビオラという名前が不思議と口に馴染んでる。まるで自分じゃない自分が何度も呼んだように……。その考え頭をフルフル振って振り払う。

 

「でもそうじゃないと色々おかしいんだよ。第一に木の葉の出生記録にうずまきビオラって名前はない。あの子の様子なら年は約1歳くらいだろ。それでも見つけられなかった。いや、そもそもうずまき一族も元々そんなにいないんだ。昔色々あってな」

 

 そこでボルトは顔を上げ話を聞く。

 

「それとタイムスリップの方法はビオラと一緒に落ちてきた亀が関係してんじゃねえかと思う。まだその亀は全然反応しないが……。でもその亀が本当にそうならその内何かアクションを起こすはずだ。それまではビオラを家で面倒見ることになってる」

 

 ボルトはボルトにしてみればささやかな反抗をする。

 

「それで誰が面倒見るんだってばさ?」

 

「あの子もお前に懐いてるみたいだしアカデミーの時以外はお前が見てくれないか?」

 

「·····わかったってばさ」

 

「ありがとうな、ボルト。それでボルト、仮にビオラが未来のお前の娘だとして母親は誰だと思う?」

 

 少しニヤニヤしながら聞いてきた父に呆れた視線を見せながら考える。⋯いや何故か考えるまでもなく分かった気がする。だが惚けてみる。ここで父と母に言ったらからかわれてしまう。

 

「さあ、分からないってばさ」

 

 そう言って立ち上がりお風呂に行った。

 

 

 

 ボルトはそっと自室のドアを開け入った。自分のベットではビオラがすやすや寝ている。ボルトは再びゆっくり入りビオラを撫でた。それにビオラはくすぐったそうに笑う。それで思わず口を緩ませたが直ぐにまた思考する。

 

(ビオラの母親は·····委員長なのか?)

 

 紫が混じっている髪にさっき自分に抱きついてきた時にビオラが言った「はわわ」。これは委員長、筧スミレの口癖だ。そう思うと雰囲気も似ている。

 

 ドクン

 

 そんな音が聞こえた気がする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「パパと行く〜」

 

 ボルトがアカデミーに行こうとした所それに気がついたビオラがボルトに張り付いて言った言葉だ。何でだって聞いたら

 

「あってパパずっと遠くいるからあ、会えないのやー!」

 

 ずっと遠くにってアカデミーはまだ近い方だろう。ビオラの父親はビオラをほっといて何で遠くに行くんだよ! とか思いながらあやす。

 

「いや、流石にアカデミーには連れて行けないってばさ。だからビオラはここでヒマワリと母ちゃんと留守番してくれってばさ」

 

「やだぁ〜!」

 

「ああ、駄々こねんなよ」

 

 そう言って無理やりホールドを解除する。まだ猛抗議の目を向けられているがもう行かなければボルトの脚力を持ってしても遅刻になってしまう。もうすぐ卒業試験が近いというのに補習はめんどくさい。そう思い泣き声を背に家を出た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ボルトは始業ギリギリに教室に慌ただしく入った。思わず息を切らしながらドアを背にもたれた。周りのクラスメートは不思議な顔をしていたがボルトにはそれを気にする余裕も既に昨日から無かった。ボルトはふらふらと立ち上がり適当に空いてる席に座った。アカデミーの席は自由席だ。だからボルトは疲れた目でサッと見渡して誰もいなかった所に行ったのだが

 

「はわ」

 

 そんな声が聞こえたので横を見るとスミレが少し赤い顔で見ていた。ボルトは疲れた声で挨拶した。

 

「おはよう委員長」

 

「う、うん。おはよう、ボルト君」

 

 クラスはこの2人の雰囲気はなんなんだってなっていたがボルトが本当に疲れてそうだったから誰も何も言わなかった。

 ボルトは座って少し経ち気づいた。

 

「あれ? サラダとチョウチョウは?」

 

「えっと……」

 

「ここにいるわよバカボルト」

 

「もっち〜、ボルトそんなのも分からなくなったのぉ?」

 

 そう言って前から聞こえてきたのはサラダとチョウチョウだった。サラダはミツキとイワベエと同じ机でチョウチョウは猪鹿蝶でいた。どうやら結構精神的に参ってたらしい。何故こうなってるのかは気になる所だがボルトはビオラの事で頭がいっぱいだった。取り敢えず謝っといて担任の油女シノを待つ。その間にスミレが話しかけてきた。

 

「ボルト君、どうしたの?」

 

 心配そうな顔で覗いてきたスミレにまた訳もわからず鼓動が早くなる中答える。

 

「あーうん。な、何でもないってばさ」

 

 まさか赤ん坊が空から降ってきてその赤ん坊が自分の事をパパと呼んだり自分をうずまきと言ったなんて事言っても困るだけだろという。スミレは釈然としてなさそうな顔だったが一旦引いて机の下にある手を見ていた。その顔はほんのり赤くなっている。そしてチラチラとボルトを見ているがボルトは机に突っ伏したままだ。そうこうしてたらシノが来てしまいスミレは委員長として挨拶を始め今日の授業をスタートさせるのだった。

 

 

 

 

 授業が始めればボルトは少し精神的に辛そうだったが難なく午前の分は終えた。そしてまた机に突っ伏そうとしたがスミレはそれをされる前に声をかけた。少しもじもじしながら言う。

 

「あの、ボルト君」

 

「ん? 委員長どうしたんだってばさ?」

 

「えっと、お弁当作ってきたから一緒に食べよう?」

 

 スミレとしては人生1回分の勇気を使った気持ちだった。ボルトはそれを聞き3秒ぐらい経った時にばっと顔を上げた。

 

「あ、すまねえ。色々あって忘れてたってばさ」

 

 それはそれでショックだがそれだけ何かあったのだろうと考え笑って顔を振った。そしてボルトは少し考え

 

「じゃあ屋上に行こうってばさ」

 

「はわわ、う、うん」

 

 そう言い2人はクラスメートの視線にも気が付かず屋上に行った。スミレは歩きながらボルトの様子を見た。その顔はやっぱり疲れてそうな顔だったが昨日の夕方の時点では普通だった筈だ。何でこんなに疲れてそうなんだろう? と思ったが屋上についたから適当に座った。そしてスミレはお弁当箱を取り出しボルトの楽しみそうな視線を受け開けた。

 

「おおー〜!」

 

「ど、どうかな?」

 

「美味しそうだってばさ!」

 

 弁当の中身は玉子焼きや小さい可愛らしいハンバーグなど小さいスペースによく入れれるなという思いが見た瞬間ボルトの中にはあった。

 スミレはボルトの反応に嬉しそうにしながら自分の分も取り出しボルトに箸を渡した。そして2人は手を合わせて

 

「「いただきます!」」

 

 そう言い2人は食べ始めた。スミレは食べながらも横目でボルトを見る。先程までの疲れた顔は無くなっていてお弁当を頬張っている。スミレはそれに嬉しく思いながら自分の分も食べる。その心臓はドクンドクンとなっているのを感じていた。そしてボルトは食べ終え手を合わせて

 

「ご馳走様だってばさ。美味しかったってばさ!」

 

「はわわ、ありがとう」

 

 そう言ってスミレ照れくさそうにしながら弁当を片付けた。ボルトはその様子を見ながら

 

(これじゃあ夫婦だってばさ……)

 

 ボルトの脳裏に小さい頃に家族とピクニックに行った時のナルトとヒナタが思い出された。そう思っていたらまたスミレが心配そうな顔で見てきた。

 

「ボルト君、今日ずっと疲れてそうだけど大丈夫?」

 

「え、ああ大丈夫だってばさ」

 

 そう言って手をふるふる振ったがスミレは真正面からボルトを見つめ続けた。ボルトはそれにタジタジになっている。

 

「嘘ついちゃダメ」

 

「う、嘘なんてついてないってばさ!」

 

 それこそ嘘である。スミレは少し珍しく怒った顔になった。ボルトはそれに少し下がった。

 

「じゃあ何で目を泳がしたりするの? 嘘ついてないのならそんなにタジタジにならないよね?」

 

「えっとそれは……」

 

「……私には言えないこと?」

 

 ボルトは正直迷った。言ったら何か変わるだろうか? でも話をそもそも信じるか? ……それにビオラがスミレに似ているなど言っても困るだけだろう。そんな葛藤をしていたがいきなりボルトの顔に手を添えられた。ボルトは顔をスミレに向けるとスミレの顔はほんのり赤くなっていたがそれを指摘する前に言われる

 

「私だって、ボルト君の力になりたい。ボルト君が困ってるなら助けたい」

 

 そう少しビオラに似ている泣き声で……泣いてはいないが言われた。それで折れた。

 

「分かったってばさ。話すってばさ。でもあまり言いふらさないでくれってばさ」

 

 それだけ重要な事なのだろう、そう思い気を引き締め頷いた。ナルトからはあまり言いふらすなとは言われていない。そもそも言わないと思ったからだろう。だが今回は甘かったな父ちゃんとか思いながら話始めた。さて、隣にいる紫色の髪を持つ少女はどんな反応するのだろうか? そう思いながら話始めたのだった。

 

「空から赤ん坊が降ってきたんだってばさ」

 

「·····?」

 

 

 

 

 

 

 

 一通り休み時間をいっぱい使いボルトは昨日の夕方の話を終えた。スミレは話を聞き終えた後少し黙って何かを考えている。ボルトは先程スミレにああ言われたが容姿や口癖っぽいものと自分の事をパパと呼ぶ事は伏せた。流石にそれを聞いたらスミレがどうなるか分からない。そう思っていたら予鈴がなったから2人は立ち上がった。教室までの道でスミレはぽつんと言う。

 

「うずまき……ビオラ」

 

 そう言ったスミレの顔が少し赤いような気がしたが気の所為だろうと思いボルトは聞く。

 

「その名前聞き覚えがあるのか?」

 

 そう聞いたが首を振り否定した。

 

「うんうん、知らないよ。でも·····」

 

「でも?」

 

「私と似たような名前だなぁと思っただけだよ」

 

「え? ど、どこが似てるんだってばさ?」

 

 ボルトは焦りながら聞く。スミレは何でそう焦ってるのだろうと思いながら言う。

 

「ビオラって菫科の花の名前で私の菫の花言葉にも似てるの」

 

 ボルトは猛烈に焦った。スミレに似ている紫色の髪の部分、口癖、そして名前まで来たらもうナルトが言った未来説が有効じゃねえかと。そうこうしてたら教室に着きまたスミレの隣に座った。クラスメートから視線が刺さっているがそれは何でだ? とか思いながら再びスミレとビオラの関係性を考える。そのせいで午後の課題が全くと言っていいほど集中出来ずシノに怒られた。

 

「どうしたボルト、集中できてないみたいだが?」

 

 シノからしたらボルトのそんな様子は珍しい。いつも課題はクラスの中でも早く終わる方なのに今日は全然手をつけていなかったからだ。それどころか偶にスミレの方に顔を向けていた。だがそれはスミレの方も一緒だ。スミレはかろうじて課題には手をつけてもうすぐで終わりそうだがそれでもボルトをちらちら見ていた。まさか2人はそういう関係になったのだろうか? 少し真剣にそう考えたが違うという結論に至った。……だがしかしシノはこの2人ならお似合いにはなるだろうなとは思ったことが1度だけある。スミレがゴースト事件を終えアカデミーに帰ってきた時だ。あの時生徒は殆どスミレの方に向いていたから分からなかっただろうがシノはしっかり見た。スミレがボルトを見ててボルトはサムズアップで答えた場面を。その瞬間にスミレが泣いてイワベエが濡れ衣を着せられていたのも知ってる。

 

「ああ、ええと何でもないってばさ」

 

 明らかに嘘を言っているが今は授業中故に深くは聞かず形だけの注意をして離れた。そして授業が終わると同時に課題が終わってなかったので補習にした。いつもなら文句を言っていたところだが何故かラッキーみたいな顔をして喜んで補習を受けると言っていた。

 

 

「ボルト君、何かごめんね」

 

「何で委員長が謝るんだってばさ?」

 

「私が名前のことを言ったから集中出来なかったんでしょ?」

 

「あーいや、まあそれはあるけど集中出来なかったのは俺が悪いんだから委員長が謝ることはねえってばさ」

 

 そしてボルトはカバンを出してドアに向かう前に言った。

 

「ああそうだ、委員長、弁当美味かったぜ。サンキューな!」

 

 そう言ってボルトは補習室に向かった。スミレはそんなボルトを心配そうな顔で見送った。

 

 

 

 

 

 

「やっと終わったってばさ」

 

 朝は嫌だと言った補習だがビオラの事を考えてる内に現実逃避したくなったボルトは喜んで補習を受けた。多分家に帰ったら絶対に絡まれる。そう思い誰か教室にいるかなぁと思い戻った。だが途中で流石に今日は少し遅いから誰もいないだろうなと思いドアを開けた。

 ボルトはそこで一瞬止まった。自分が今日いた席にまだ人がいたからだ。その人は小さな生き物と話してるみたいだったがボルトに気がつくとふっと笑った。

 

「お疲れ様、ボルト君」

 

「ぬえー!」

 

「委員長·····まだ帰ってなかったのか?」

 

 そう言いながら教室を見渡してスミレ以外にいないのを見た。

 

「うん、ボルト君を待ってたんだ」

 

 そう言いながら鵺にじゃあまたねって言い鵺はそれに答え煙に包まれ恐らく異界に帰った。それを見届けたスミレは自分のカバンを背負い立った。そして言った。

 

「じゃあ帰ろうか」

 

「あ、ああ」

 

 そう言って2人は歩き始めた。その間ずっと無言だったが校舎を出た時にスミレから話し始めた。

 

「ボルト君、まだ何か隠してない?」

 

「え?」

 

 思いっきり素が出た。そんなに自分わかりやすいだろうかとも考えた。スミレの目線が少しずつ怒ってる目になっていってるのに気がついたボルトはまたタジタジになった。

 その時……

 

「パパー〜!」

 

 どこからか……いや校門辺りから聞こえた。ボルトはゆっくり校門に目を向けるとヒマワリに手を繋がれているが無理矢理でもこっちに来ようとしてる赤ん坊……ビオラがいた。

 

「はわわ!! ぱ、パパ!?」

 

 とスミレが隣で言っている。そしてボルトは少し嫌そうにしながらも歩き始めたからスミレも追いかける。校門まで来ると連れてきたヒナタに問う。

 

「母ちゃん何で連れてきたんだってばさ?」

 

「ごめんね。ビオラちゃんがボルトに会いたい会いたいって聞かなくて」

 

 それと同時にヒマワリが手を離しビオラは速攻でボルトに突っ込んだ。

 

「パパー〜!!」

 

 そう言ってボルトの膝辺りでスリスリしてる。

 

「遠く行っちゃやー!!」

 

「だ、だからどこにも行かないってばさ」

 

 そう慰めた。そのままボルトも膝を折りビオラを少し恥ずかしいが抱きしめた。これがビオラに有効なのは昨日から分かってる。その時ボルトはビオラの目線が後ろにいってる事に気がついた。ボルトは一瞬後ろには誰がいるっけ? となり直ぐに思い出した。

 

(やべ!! 後ろには委員長が……)

 

 ボルトが口を開けようとした瞬間にビオラは顔を宝石のように輝かせてスミレに言った。

 

「ママー〜!!」

 

 数秒ほど皆無言になったというか時が止まった。その間にビオラはボルトから離れ今度はスミレに突っ込んだ。スミレはまだ理解しきれてない顔でビオラを見る。そして

 

「はわわわわわわわわわわわ!!」

 

 パニックになって顔を赤くした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お、お邪魔します」

 

 スミレはそうおずおずとうずまき家の家のドアをくぐった。その手にはビオラの手が握られてる。何故スミレがうずまき家のドアをくぐっているのかと言うと

 

 スミレのパニックが収まり落ち着いたスミレは最初はビオラに自分はママじゃないと言おうとしたがボルトにそれを止められた。凄い泣かれるからと。スミレもこんな小さい子が泣くのはあまり見たくないからそれに頷いた。そして初めて会うボルトの母親と妹に挨拶もしてビオラに手を離してもらおうとしたがビオラが全く離さずそれを見たヒナタが家にいらっしゃいと言って今に至る。

 

「ふふーん」

 

 ビオラはご機嫌である。だがボルトとスミレとしてはさっきビオラが呟いた言葉の方が衝撃的だった。

 

『でもパパもママもせー小ちゃいねぇ』

 

 多分ビオラは「パパもママも背が小さいね」って言ったんだろう。それが示すのは逆に言えばボルトとスミレの身長を伸ばしたらビオラの親に似ているということでありつまりそれはビオラの両親が……

 

「ただいまだってばよ!!」

 

 ナルトが晩御飯の前に帰ってきた。ボルトはそれに多少びっくりした。スミレは思わずビクッとしてる。因みにスミレの膝の上には笑顔のビオラが乗っている。そしてナルトはリビングに入りヒナタに声をかけようとしたがその言葉は途中で止まった。スミレを見たあと嬉しそうなビオラを見たからだ。スミレとしては元反逆者だから肩身が狭いこと間違いないのだがいかんせんビオラが離してくれない。

 

「えっと、筧……スミレだよな?」

 

「は、はい」

 

「ママだよぉ!」

 

 それを聞いてナルトは再び固まった。スミレとしてはもう逃げ出したのだが……

 

「そうか。良かったな」

 

 ナルトは笑ってそう言った。最初は驚いてた風だったのだが今は何か嬉しそうなのは気の所為だろうとスミレは思った。息子のお嫁さんが里の元反逆者なのはナルトのおかげであの事件はあまり認知はされていないがいつかバレたらそんなのスキャンダルどころじゃない。だから自分はボルトに恋心を持つべきでは無いとさえ思っている。自分がボルトの事を好きになればうずまき家に迷惑がかかる。だから自分はこの心を永遠に閉じこめるべきだと今日まで思っていた。

 だが今膝にいるビオラに自分とボルトがママ、パパって言われた時恥ずかしい以上に何故か嬉しい気持ちが大きくて……

 

(そんなの·····ダメなのに……)

 

 そう心で言いボルトを暗い顔で見る。その時……

 

「ママ泣いてうの?」

 

 そう言ってビオラは小さな手をスミレの顔に伸ばした。スミレは何故か目頭が熱くなっているのに気がついた。

 

「あれ? 何で···何で止まらないの?」

 

 そう言ってビオラに回してた手で自分の目を拭いた。だがそれでも涙が止まらなかった。その時ビオラの手も頑張ってスミレの目元を触り無邪気な笑顔で言った。

 

「泣きたい時は、ないていいんだってママ言ってたよぉ!」

 

「あ……ああ」

 

 スミレは泣きながらビオラを抱きしめ泣いた。ヒマワリは不思議そうな顔で見ていた。ボルトは何で泣いているのかは分からないが優しげな目でスミレを見た。ナルトとヒナタは夫婦だからかスミレの考えた事が分かっていたから微笑みながら見ていた。余談だがさっきナルトが言った良かったなとはビオラだけじゃなくてスミレにも言った言葉である。スミレは両親がもういない。それも円満な別れ方じゃなかった。母親は恐らくストレスなどで、父親はスミレを復讐の道具にしようとスミレを鍛え上げ娘とは見ず道具として見ていた。だから親の……もっと言えば家族の愛情を知らない。だがビオラがイレギュラーとは言え来た事で未来では家族を持つということになるということが分かったからだ。勿論ナルトもここから未来が変わってしまう事もあるかもしれないとは考えている。だが·····ナルトとヒナタは不思議とビオラが生まれる未来は変わらないと思った。

 

「ボルト、少し話がある」

 

 ナルトはスミレを見た後ボルトに小声で言った。ボルトはそれに頷きリビングを出た。

 

「で、何だってばさ父ちゃん」

 

「ああ、ビオラの元の世界に戻れる目処が立った」

 

 ボルトはそれを聞き嬉しさよりも何故か消失感があった。ビオラが元の所に帰れるのはいいことだ。これでもう構われることも無くなって楽になれるはずなのに何故か心にぽっかりと穴が空いたみたいなそんな感覚だ。ナルトはそんな複雑そうなボルトをふっと笑って見て言う。

 

「あのビオラと一緒に落ちてきた亀、カラスキって言うそうだが大筒木の道具だった」

 

 大筒木……ボルトもその名は聞いたことはある。というかアカデミーで習った。忍びの祖にして第4次忍界対戦の黒幕。目の前にいる父親と父親の親友が共に封印して倒したと習った。だがボルトはいつものダメ親父な部分しか見ていないから信ぴょう性が無くなっている。

 

「それで、その大筒木の道具が何だってばさ?」

 

「まあ道具と言っても普通に話すんだけどな」

 

「それを先に言えってばさ」

 

「悪い悪い。で、話したら少し長くなるんだけどいいか?」

 

「ここまで言って何も言わなかったら怒るってばさ」

 

「ああ。カラスキが起きたのは今日の昼頃だ。いきなり喋り始めたからびっくりしたな」

 

「それで何でビオラを連れてきたんだってばさ?」

 

 そう聞いたらナルトは微妙な顔をした。だがボルトとしてはそれが1番気になる。そう思っていたらナルトの口が動いた。

 

「どうなるのか気になったからって言ってたってばよ」

 

「·····はい?」

 

 どうなるって何が? というボルトの疑問はほっといてナルトは言う。そっちの方が驚きだったのだが

 

「カラスキは未来のお前にやりたい事を探せよと言われたからこんな事をしたんだとさ」

 

 未来の自分? 今父親はそう言ったのか。

 

「まじか、未来の俺ってどんなやつだってばさ!?」

 

「いや、そこまでは言ってなかった。だからそれは諦めろ」

 

「うっ! 期待させやがってクソ親父」

 

 まあ未来の自分を知りたいのはある意味しょうがない気もするが……

 それを苦笑いで見た後ナルトは言った。

 

「で、カラスキによると帰る為のチャクラがまだ溜まっていなくて……」

 

 その時家のチャイムがなった。ナルトは何故か嬉しそうな顔をした後そのままドアを開けた。ボルトも後ろからひょこっと覗いてみるとそこには黒いマントで体を覆ってる人がいた。だがどことなく幼なじみのうちはサラダに似ている。そして何より

 

(か、カッケ──ーっ!)

 

 それがその人の第一印象だった。そんなボルトの反応は知る由もなくナルトは話しかける。

 

「久しぶりだってばよ、サスケ」

 

「ああ、そうだな。ん?」

 

 サスケはそこでボルトを見た。ボルトは思わず直立をした。

 

「お前がナルトの息子か……」

 

「そ、そうだってばさ」

 

 そう聞いたサスケはナルトに向き直った。

 

「それでナルト、大筒木のものが来たというのは本当か?」

 

「ああ、今は火影屋敷にいるってばよ。チャクラをチャージ中なんだそうだ」

 

「何か悪いもんじゃないだろうな?」

 

「いや、それは無さそうだ。だけどあの亀……カラスキは少しだけとは言え大筒木の情報を持ってそうだ。だからそれらも調べるつもりだ」

 

 そしてボルトに向き直った。

 

「だからビオラと未来のお前達には悪いがもう少し待ってて欲しいんだってばよ」

 

 ボルトはビオラを未来に返したいのかまだ一緒にいたいのか分からなかったが首を縦に振っといた。その後ナルトとサスケは少し話をしてた。ボルトはそれを見ていた。

 

(これが父ちゃんの親友でライバル·····)

 

 その瞬間ボルトは無意識に言った。

 

「さ、サスケのおっちゃん!」

 

 それを聞いたナルトとサスケはボルトに向いた。

 

「俺を弟子にしてくれってばさ!」

 

「ええ!?」

 

 というのはナルトの反応だ。だがサスケはボルトに視線を向け問いた。

 

「何故だ?」

 

 ボルトはそれを聞いて顔を下げながら言った。

 

「俺は……俺が弱かったばかりに友達が……敵になっちまったんだってばさ。だから……もうそんなことが無いように強くなりたいんだってばさ!」

 

 それを聞いてナルトとサスケはビクンとした。これだけ聞いてれば2人にある意味重なっているからだ。

 ボルトが言ったのは修学旅行の際、かぐらが自分を守るために屍澄真について行った事を後悔していたのだ。結果的に2人は再び仲直りというかかぐらが前の距離感に戻ったから良いものを何かが違えば2人は永遠に……少なくともかぐらは敵になっていたかもしれない。

 ボルトがかぐらを引き抜かれる前に屍澄真を倒していればかぐらはボルトを助ける為に一時的でも屍澄真について行かなかったはずだ。ボルトはそれを心のどこかで感じていた。もっと自分が強かったらと。だが修学旅行から帰ってきても強くなる為の修行がダサいと思ってしまう自分がいた。でも今目の前に自分の父と張り合えるほどに強い人がいる。だからこれを機に強くなりたい、そう思ったのだ。

 ナルトはそんな様子を自来也に弟子入りを志願した自分に、サスケは子供のナルトを重ねた。そしてサスケは言った。

 

「お前は螺旋丸は出来るのか?」

 

「え?」

 

「螺旋丸だ。それが出来なきゃ弟子入りは認められないな」

 

 ボルトは顔を下げたが直ぐにナルトに向いた。

 

「父ちゃん! 螺旋丸を教えてくれってばさ!」

 

 ナルトはそんな真剣にボルトが言ってくれるのが嬉しかった。だから笑顔で言った。

 

「おう! いいぜ!」

 

 サスケはアカデミー卒業まで里にいるそうだ。今までの調査を振り返るのとカラスキからの情報整理を手伝うのとか。そしてサスケは一旦帰った。

 

「それでボルト、ビオラはまだ少し帰らせてあげられねえから頼んでもいいか?」

 

 それを聞いたボルトは腕を後ろに組んで言った。

 

「ま、しゃあねえか。それで父ちゃん、螺旋丸ってどうやるんだってばさ?」

 

 そう少し照れくさそうに言ってきた。ナルトは水風船を取ってきた。ボルトはそれを訝しげな目で見ている。それを差し出しながらナルトは言った。

 

「この水風船をチャクラの回転で割ってみろ」

 

「そんなの楽勝だってばさ」

 

 そう意気揚々と言って庭に出てやる。ナルトとヒマワリとビオラはそれをリビングから見る。スミレは泣き終わった後晩御飯の手伝いを申し出たからキッチンにいる。そしてボルトは片手に水風船を乗せ回転で割ろうとしたが……

 

「な、何だこれ。全然出来ねえ」

 

 ナルトはそれに苦笑いをしながらもう1つ水風船を出してきて見本を見せた。

 

「4代目火影、つまりお前のもう1人のおじいちゃんが開発した術だ。チャクラの形態変化を極めた術だ。会得難易度Aランク。そんなに簡単じゃない」

 

 そう言いながら水風船を割ったナルト。そしてボルトを見ながら言う。

 

「どうする? 諦めるか?」

 

 そう言ったらナルトの思い通り反抗的な目になり否定した。

 

「んな訳ないってばさ! もう1回やるってばさ!」

 

 そう言ってまた水風船に向き直り螺旋丸修行に取りかかった。ビオラはそれを不思議そうな顔で見ている。だがヒマワリは何故かこの光景が嬉しいと思った。いつもの兄はナルトがいないことに腹を立てていた。だが今はどちらも何か嬉しそうだからだ。そしてあーでもないこーでもないと言っていたら

 

「あー、ママ!!」

 

「はわわ、ビオラちゃんご飯出来たよ」

 

 そう言って庭の方を見る。そこにはザ・親子というふうなボルトとナルトがいた。

 

「ぼ、ボルト君、7代目、ご飯が出来ましたよ」

 

 それを聞き2人は修行を止めた。因みに15分くらいずっとやっていた。

 

「ああ、分かったってばさ」

 

「サンキューなスミレ」

 

「はわわ、は、はい」

 

 緊張するのはしょうがないような気がする。そして2人はリビングに入った。スミレは今日は晩御飯を一緒にしようとなっている。ボルトは自分の部屋から椅子を持ってきた。

 

「ふふーん、ママも一緒!」

 

 そう言ってビオラは笑顔でスミレの隣に座った。そして

 

「「いただきます!!」」

 

 そう言って一同は食べ始めた。

 

 

 

 

 

 

「ママも一緒に寝るのー〜!」

 

「はわわわわわわわわわ!!」

 

 スミレが晩御飯を食べ終えこれ以上家族団欒を邪魔しちゃ悪いと思い帰りますと言った所ビオラが泣きついた。ボルトはそれをやっぱりみたいな顔で見ていた。それを見たナルトもヒナタも泊まっていきなさいと言われお言葉に甘えたのだ。そして2人はお風呂に入り、ビオラは嬉しそうに入ったそうだ。お風呂から出た後はビオラとヒマワリと少しばかり遊んだ。ボルトとナルトは庭で螺旋丸の修行をしていた。そして皆それぞれの事を終わらせ寝る時間になりビオラがパパとママと一緒に寝ると言って聞かなかったのだ。つまりそれは言い換えればボルトとスミレとビオラは一緒に寝るということで……

 

「はわわわわわわ!!」

 

 こういう訳である。ボルトも顔が赤くなっている。ビオラはそんな2人の様子を見てこう言った。

 

「だっていつも皆で寝てうでしょ?」

 

 爆弾だった。それを聞き2人とも先程よりも顔を赤くした。ナルトとヒナタは少し笑っている。

 そして3人は結局一緒に寝る事になった。ボルトの部屋のベットクッションを下ろしもう1つのベットクッションを持ってきて並べスミレ、ビオラ、ボルトの順で寝た。ビオラは最初はどちらに掴まって寝ようかと思ってたふうだが結局2人の服を掴んで寝た。ボルトとスミレは初めての経験故にまだ眠れず起こさないように話していた。

 

「……なんか、すまないってばさ委員長。いきなりあんな事を言われてびっくりしただろ?」

 

「うんうん、びっくりしたけど大丈夫だよ?」

 

「本当にビオラ、委員長にまであんな事を言って」

 

「私は……嬉しかったよ?」

 

「え?」

 

 そう言ってボルトはビオラ越しにスミレを見る。窓から入ってくる光でスミレの顔が見えた。その顔は少し赤かった。

 

「ボルト君は……信じてない? ビオラちゃんが未来から来たっていう話」

 

 スミレはもう事情は殆ど知っている。もうビオラと会った以上隠す意味が無いからだ。

 

「俺は……正直わかんないってばさ。でも……」

 

「?」

 

「ビオラと委員長が一緒にいるのを見た時、何か嬉しかったってばさ」

 

「……うん。私も何か上手く言えないけど嬉しかったよ」

 

 それ以上2人は会話せずビオラに手を置いて寝た。2人の顔は慈愛に満ちた顔だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「やだ──ーっ! ビオラも行く〜──!」

 

「はわわ、び、ビオラちゃんはお留守番をして、ね?」

 

「や〜ー!!」

 

 翌日も昨日と似たような応酬を今度はスミレとビオラが繰り広げていた。スミレとボルトは……特にボルトは昨日の失敗を踏まえ2人して……スミレの方がやたら早かったが起きた。ボルトは起きた時、ビオラが寝ているのを確認しそーっとリビングに行こうとしたが2人がいなくなったからかビオラが起きた。そしてボルトとスミレは違う意味の危機感を持ちながら朝ご飯を終えアカデミーに行こうとしたのだがこれと言う訳である。ビオラは泣き顔で聞く。

 

「だって昨日パパ遅かったからやー!」

 

 どうやら昨日ボルトが補習で遅くなった事を根に持っているらしい。ボルトはそれを聞きビオラに目線を合わせ言った。

 

「今日は昨日よりも早く帰るからさ、な?」

 

「う──、ほんと?」

 

「「ほんとほんと」」

 

 と2人は言う。それでビオラは不承不承という感じで頷いた。

 

「……わあた」

 

「うん、良い子だね」

 

 そう言ってスミレはビオラを撫でた。それを嬉しそうに受けるビオラ。ボルトはドアを開け言った。

 

「じゃあ委員長行くってばさ」

 

「う、うん。お邪魔しました!」

 

 それを聞いたヒナタは不思議そうな顔をして言った。

 

「え? スミレちゃん今日も泊まるんでしょ?」

 

「……へ?」

 

「だってそうじゃなかったらビオラちゃんがうるさくなるわよ?」

 

「で、でも2日連続は悪いです!」

 

「良いのよ、気にしないで」

 

「そうだってばさ。じゃないと俺がビオラにずっと構わなくちゃいけなくなっちまう」

 

 スミレは悩んでる。その時ビオラを見た。そしておずおずと頷いた。

 

「その、それじゃあお願いします」

 

「うん」

 

 そして2人はアカデミーへ通学した。道中2人とも昨日の内に色々ありすぎて反応が出来ないから無言になっている。ボルトは何もしない状況が嫌だったのか水風船を取り出し歩きながら螺旋丸の修行を始めた。スミレはそれを見る。そして集中が切れたのを見計らい声をかけた。

 

「やっぱり難しい?」

 

「ああ、だけど絶対に弟子入りしてやるってばさ!」

 

 スミレからしたらそんなボルトの様子は珍しかった。ボルトは所謂天才だ。もうこの歳にして水・風・雷の性質を持っている。そして基礎能力などももう下忍、若しかすると中忍レベルかもしれない。だからボルトがアカデミーで言っては悪いが何かを本当の真剣でやってる所は見たこと無かった。たまにおふざけでやってた事はあるが……。そんなボルトが修学旅行の一件で自分の無力さを感じていたのも気が付かなかった。修学旅行の時も後にサラダに聞いた所かぐらと協力して忍刀鮫肌に取り込まれた新・忍刀七人衆のリーダー格と戦い勝利したと言っていた。ミツキに関してはその時のボルトはかっこよかったと言ってたほどだ。だから逆に自信になってるのかもしれないと思っていたがその逆だったとは。

 だが今スミレにはこれしか言えない。

 

「うん。頑張って。でも·····」

 

「?」

 

「もうアカデミーに着くよ?」

 

「あっ」

 

 ボルトは完全にアカデミーに行く事を忘れていた。思わず水風船を落としたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

「おはようだってばさ!」

 

 ボルトは教室に入るなりそういつもの挨拶をした。そしてそれに答える親友達。だがその親友達の目がまん丸になった。後ろからスミレも一緒に入ってきたからだ。普段ならそんなに気にしない。たまたま一緒に来たってなるぐらいだ。だが昨日の事がある。昨日のこのクラスではボルトとスミレが一緒に屋上でお弁当を……それもこの2人の近くにいた生徒情報によると何とスミレの手作り弁当という情報がある。そして何より……

 

「な、なああの2人普通に同じ机に当たり前のように座ったぞ」

 

 と言ったのはシカダイだ。実際2人は昨日と同じ机に座った。それがこのクラスの面子には衝撃的だった。サラダですら目を丸くしてる。そんなクラスの様子に気づかず2人はそれぞれの時間を始業まで過ごした。スミレは本を読んで、ボルトは手を水風船を掴んでるみたいにしイメージトレーニングをした。お喋りをしていないのだがクラスの面子には何故かこの2人が昨日よりも仲良くなってるように見えた。例えるなら休みの日に父親が新聞を、母親がキッチンで朝ご飯を作ってる時のあれだ。シカダイ達は聞きたいのは山々だが何かあの領域に踏み込みにくい。それにシカダイ達からすればボルトの様子も珍しい。いつもはシノが来るまで自分達と話してるのに今日は何か集中している。自分達がヒソヒソと話してるのにすら気づいてない。そんなこんなでシノが来た事によりシカダイ達は黒板に注目しスミレの号令で起立しいつものように……けど何か違う1日をスタートさせた。

 

 ボルトは昨日とは別人のように……と言っても昨日以前に戻っただけだが課題をやってのけた。そのボルトはちょっとやべっとなる事があった。それは……

 

「今回組むスリーマンセルが卒業前ラストのスリーマンセルとなる。明日の休みが終わればそのスリーマンセルで実戦形式の試験をやる。これが卒業前の最後の実戦形式の試験だ。気を引き締めるように!」

 

(そうだってばさ! 忘れてたってばさ!!)

 

 思いっきり忘れてたボルトである。ボルトは即座に面子を考える。ミツキは確定だ。というか多分向こうからよってくる。だからあと一人、イワベエは? いや、多分最近仲が良いメタルとデンキ辺りと組むだろう。シカダイ達……いやあそこはもう猪鹿蝶で固定だと考える。残りで自分と張り合えるのはサラダと……そう思い隣を見る。そこには慌ててるスミレの姿がある。スミレは強い。鵺に……あの世の父親の怨念に支配され里に反逆したのだからそれ相応に強い。総合的にはサラダに負けるかもしれないがそれをカバー出来るだけの父親との血に汗握る修行を乗り切った技量で戦ってくれないと分からないが恐らくサラダと張り合えるかもしれない。現に自分の目の前で下忍以上の戦いを鵺の協力ありきとは言えやってのけた。そんな事を思考していたら午前の分が終わった。ボルトは購買に行こうと立ち上がったが·····

 

「あの、ボルト君」

 

「ん? 何だ委員長?」

 

「あの、ヒナタさんと一緒にお弁当作ったから一緒に食べよ?」

 

 そう赤くなりながら言った。ボルトも少し赤くなりながら返す。

 

「わ、分かったってばさ。じゃあ屋上行くか?」

 

「う、うん」

 

 そう言ってスミレはお弁当を2人分だし1つをボルトに渡し2人でまた屋上に向かった。·····余談だがこの時ミツキもついてこうとしたがクラス全員に止められた。因みにこの2人が出て行った後のクラスはこの2人の話をめちゃくちゃし始めた。

 

「ハッ、クション!」

 

「くちゅん!」

 

 クラスがボルトとスミレの話で持ち上げられている最中2人は揃ってくしゃみをした。ボルトは豪快に、スミレは女の子らしくした。2人は揃って顔を合わせ苦笑いした。

 

「何か誰かが噂した気がするってばさ」

 

「うん、私も」

 

 そのまま2人は歩を進め屋上について昨日と同じ所に座った。2人は弁当袋から弁当を取り出しボルトは蓋を開けようとする。スミレはそれを少し緊張の面持ちで見る。そしてボルトは開け感嘆の声を上げた。

 

「おおー!! 美味しそうだってばさ!!」

 

 昨日と言った言葉は同じだが作った者としてはこれ以上に嬉しい言葉はない。

 

「はわわ、ありがとう」

 

 そうしてスミレも自分の分を開け2人は昨日と同じように手を合わせた。

 

「「いただきます!!」」

 

 そう言って2人は食べ始めボルトが感想を言ったりスミレが作る際の話をしたりして過ごしていた。だが途中でボルトの箸が止まった。スミレはそれを訝しげな目でみる。何か変なものがあっただろうかと。スミレはボルトがじーっと見てるものに目を向けた。そこにあったのは玉子焼きだ。ただ普通の玉子焼きとは形状が少しばかり違う。少し螺旋丸っぽく丸めてみたのだ。だから味に変化は特に無いはずだ。ボルトの玉子焼きは半分ほど食べられている。その断面をずーっと見てる。そして……

 

「なるほど!!」

 

「な、何が?」

 

「いや、これのやり方のイメージみたいなやつが出来たんだよ!」

 

 そう言って水風船を割る格好を弁当箱を置いてした。スミレとしては朝はヒナタと作っていたから時間をいつもやっている半分の時間で出来たからやってみただけなのだがそれがヒントになったのなら良かったと思ったのであった。自分も玉子焼きを半分食べ断面を見たら上手く回転してるようにも見えなくもない。そうこうして2人は食べ終えた

 

「ご馳走だってばさ」

 

「はい、お粗末さまでした」

 

 そう言ってスミレはお弁当を片付けた。ボルトはこう言う瞬間が少し小っ恥ずかしかったが嬉しいと思う自分もいるのだった。そして2人はお喋りを始めた。……主にビオラの事だったが……。2人はビオラが自分達の子供かどうかは正直分からない。だけどいつしか2人の中にはもうビオラがいた。

 そしてボルトは唐突に思い出しスミレに言った。

 

「そうだ、委員長」

 

「何?」

 

「スリーマンセル、組んでくれないか?」

 

 スミレはそれを聞き少し驚いた顔をしたが直ぐに笑って頷いた。

 

「うん、いいよ。よろしく、ボルト君」

 

 ボルトも笑って頷いた。

 

「ああ、よろしくだってばさ!」

 

 その時予鈴がなりそれぞれの弁当箱を持ち立った。その後の2人はどんなフォーメーションで戦うかなどの議論をしながら教室に戻った。またもやクラスの視線が刺さったがもうスルースキルが無自覚に100レベなんじゃないかと疑うほど2人は普通に同じ机に座った。そんな机にミツキは平然と寄っていきボルトに話しかけた。シカダイ達はそんなミツキを少し羨ましいと思った。この2人普通に近寄り難い雰囲気が……勿論悪い方ではなく何か……ね? ミツキはスリーマンセルの事を話しボルトは笑ってOKして次に言った言葉がクラス全体に衝撃が……いや、この2日を見てたら不思議と納得出来ることをボルトが言った。

 

「よし! じゃあこれで俺とミツキと委員長でスリーマンセルだな!」

 

 ミツキはいつものように掴みどころのない笑顔で、スミレは少し恥ずかしそうな顔をそれぞれしていた。

 その後午後の分も終わり本当は3人でフォーメーションやらやりたいのだがビオラにまた泣かれたら精神的に少しきついから2人は真っ直ぐボルトの家に……と思ったのだがスミレがあっ……て感じで止まった。ボルトはそれをランニングポーズを取りながら振り返る。

 

「どうしたんだってばさ?」

 

「えっと·····その」

 

「?」

 

「き、着替え取ってきてもいいかな?」

 

「あっ」

 

 そうだ。スミレは昨日から泊まってるし昨日はアカデミーからそのままボルトの家に来たから着替えがない。ボルトは頷き言った。

 

「じゃあ委員長の家に行くってばさ」

 

「う、うん」

 

 そうして2人はスミレのアパートに向かった。

 

「じゃあ俺はここで待ってるってばさ」

 

 こことはスミレの部屋の前だ。流石に同年代の女の子の住んでる所に入るのは気が引けたのだ。だがスミレは首を振った。

 

「別に構わないよ。ほら、入って入って」

 

 ボルトは少し悩み少し恥ずかしいが頷いた。そして2人はスミレの部屋に入り靴を脱いでスミレが上がったのと同時に思い出したように注意しようと思い振り返った時にそれは起きた。

 

「あっ、ボルト君。そこ段差あるから気をつけ·····」

 

「うわぁ!!」

 

 気をつけてと言おうとした所見事に段差に引っかかりボルトは前のめりに倒れた。そして目の前にいたスミレを不可抗力で押し倒して……

 ボルトは何か口に不思議な感覚があるのに気がついた。そしてそれは良く見たら·····

 

「す、すまないってばさ!!」

 

 そう言ってボルトはばっと腕立てみたいに体を戻した。その顔は真っ赤だった。一方スミレは一瞬何が起こったのか分からず割と普通の顔だったが急激に自分の口に起きた事を思い出しそして目の前にいる自分を押し倒した状態のボルトを見て見える範囲全てが真っ赤に染まっていき·····

 

「は·····はわわわわわわわわわわわ!!」

 

 暴走した。

 

 

 

 

 

 

 

 

「その、本当にすまないってばさ」

 

 ボルトは後ろでスミレが着替えを入れてる音を聞きながら謝った。スミレはさっきは3分程暴走して先程漸く止まったのだ。スミレは1日分の着替えを入れ終わりそのままボルトと背中合わせになりながら言った。

 

「うんうん、早く言わなかった私も悪かったから大丈夫だよ」

 

 その顔は2人とも赤かった。

 

「でも……その。委員長の初めてを……俺は」

 

 ボルトはあまり恋愛ごとには疎い。だが他人のを見てる分にはやたら過剰に反応している。母親の血があるからだろう。それでも女の人の初めての口付けはボルトは大事なんだろうなとは思っている。だから不可抗力でも自分がスミレの初めての口付けを……はっきり言えばファーストキスをしてしまったのがボルトに罪悪感をあげている。·····でもまあボルトの父親のファーストキスよりも遥かにましなような気もしないことも無い。

 

「ボルト君が気にする事はないよ。それに·····」

 

 私は初めてがボルト君で良かったと言おうとして止めた。そんなの恥ずかしいなんてものじゃない。ボルトがそれにの続きを聞こうとしたがスミレはその前に勢いよく立ち上がった。

 

「じゃ、じゃあ行こ!」

 

「お、おう」

 

 そうして2人は立ち上がりボルトの家に向かう。またもや2人は沈黙になっていた。今度はボルトも螺旋丸修行をする気にはなれなかった。そのまま歩を進めボルトの家に到着した。

 

「パパ、ママー〜!!」

 

 昨日と同じように突撃された。それを2人は受け止めた。そして2人はボルトの部屋に荷物を置きに行きリビングに戻った。その時……

 

「マーマ、ぬえたんいないの?」

 

「え? えっと……」

 

 ここで鵺を出していいの分からずヒナタを見た。ヒナタが頷いたのを見てスミレは口寄せした。

 

「ぬっえ──」

 

 と言ってスミレの肩に乗った。そして鵺はビオラを不思議そうな顔で見た。そうしてたらビオラが笑顔で寄っていた。

 

「鵺たん!」

 

 鵺に向けて手を広げている。鵺は何だろうと思っていたがスミレの肩から降りてビオラの腕の中に納まった。

 

「可愛い!!」

 

 とヒマワリも鵺を撫で始めた。それに鵺は嬉しそうにしてるという微笑ましい光景が繰り広げていた。スミレはその光景を見た後ヒナタの所に行き晩御飯を手伝いを始めた。ボルトはしばらく鵺に任せてよさそうと判断し庭に出て螺旋丸修行を始めた。しかし昨日よりも手応えを感じていた時……

 

「ただいま──っ!」

 

「じいじ!!」

 

「父ちゃん!! 最近どうしたんだってばさ!?」

 

「おいおい、普通は喜ぶ所なんじゃないか?」

 

「自分の胸に聞いてみろだってばさ」

 

 実際ナルトは3日連続で帰ってきてる。前までなら有り得なかった事だ。ナルトはそれに苦笑いしながら答える

 

「あー、シカマルにビオラを理由に帰らせられてるんだってばよ」

 

「シカマルのおっちゃんが……」

 

 表向きビオラは怪しい子だ。……まあうずまき家の面々は思いっきり可愛がっているが。だからその表向きを利用してシカマルはナルトを帰らせてる。出来る補佐は違う。そしてボルトは水風船が割れそうと言いナルトを庭に引っ張り水風船を割り始めた。そして水風船が暴走し始めて……

 

「……まじかよ。こんなに早いなんてな」

 

「へへ!」

 

 ボルトはドヤ顔でナルトを見ている。ナルトは笑いながら次のものを出した。ボルトはそれを見て空に声を上げた。

 

「今度はゴムボールかよ──ー!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして晩御飯を皆で食べ、スミレとビオラとヒマワリはお風呂に行った。ボルトとナルトは庭で螺旋丸修行パート2に入っている。今度のゴムボールは螺旋丸の威力を高める為の修行だ。ボルトはもっと効率いいの無いのかとイライラしながら聞いたが1番の螺旋丸の使い手にないと言われゴムボールと向き直ってやっている。間違えて雷遁で割ったりしながら何度もやっている。ナルトはそんなボルトに嬉しく思っていた。いや、もっと言うならこの状況もだ。親子で修行出来る時が来るのだろうかとビオラが来るまでは思っていたが今こうして現実になっている。

 だがそんなボルトに言わなきゃいけないことがあるナルトだった。

 

「ボルト……」

 

「ん? なんだってばさ?」

 

「明後日の夜、ビオラが寝ている間にビオラを未来に返す事になった」

 

 明後日の夜、つまりアカデミーの実戦形式の試験の日の夜にビオラが帰るということだ。

 

「そう·····か」

 

「ああ」

 

 ボルトは昨日の夜と似たような感情がある。ビオラが帰ることになり嬉しいのか嫌なのかよく分からない感情だ。

 

「だからボルト、明日はスミレとビオラでどこか行ってきたらどうだ?」

 

 ボルトはそれを聞き頷いた。

 

「分かったってばさ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そう……何だ。良かった·····のかな」

 

「ああ、これでいいはずだってばさ」

 

 昨日と同じようにビオラが3人で寝ると言い張りまたスミレとボルトの服を掴みながらビオラは眠りに落ちた。そんなビオラを跨いで2人は会話をした。

 

「それで委員長、明日なんだけどさ·····」

 

「うん、分かってる。3人で思い出……作ろ?」

 

 ナルトには写真などはやめとけと言われたから記録に出来ないのが残念だが自分たちの中で覚えとけばいい。2人は昨日と同じようにこの日を終えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 3人は翌日千手公園に来た。スミレとしては少しあれな思い出の場所だがビオラをあまり目立たさせる訳にはいかないからあまりアカデミーの生徒がいないだろうと思われる場所に来た。3人で千手公園を歩きながら話をする。そしてお昼時になり今日もヒナタとスミレが作ったお弁当をレジャーシートを引き3人で食べる。……まあビオラは赤ちゃん食だが。

 

「おいちいよ!!」

 

「はわわ、良かった〜」

 

「スミレはもう少し自信持てってばさ!! 本当に美味いんだからさ!」

 

 ボルトとしてはスミレの料理は割と上位にランクインしてる。そしてボルトはスミレが少し赤くなってるのに気が付いた。何か赤くするような事をしただろうかと思い聞く。

 

「えっと、俺何かしたっけ?」

 

「へ? はわわ、な、何もしてないよ! ただ……」

 

「?」

 

「えっと、その、普通に名前で言われたから少しびっくりしただけだよ」

 

「あっ、すまないってばさ委員長」

 

「うんうん、いいよ。名前の方がいいならそう呼んでも大丈夫だよ」

 

「じゃあその、お言葉に甘えるってばさ……スミレ」

 

「う、うん」

 

 そう言って2人は照れた。そんな2人をビオラは不思議そうな顔で見ていた。その後3人は食べ終えヒマワリから借りといたゴムボールで遊んだ。だがやっぱり体力はまだ少ないみたいで割と直ぐにビオラはばててスミレの膝で寝始めた。ボルトとスミレはそれに苦笑いしながらレジャーシートに戻った。2人はそのまま話をする。ボルトがナルトから聞いたナルトの小さい頃の話だ。以前ならばそんなもの聞きたくないと思っていたがナルトとの螺旋丸修行を通して少しだがナルトの凄さも分かりナルトが小さい頃の話をしても特に拒否反応が出なくそのまま聞いたのだ。·····どこまで信憑性があるかは不明だが。そんなボルトでもジーンときた言葉がありそれをスミレに言った。

 

「それでカカシのおっちゃんが言ったんだってばさ! 『忍者の世界には色々なルールや掟がありそれを破ればクズ呼ばわりされる。だけどな……仲間を大切にしないやつはそれ以上のクズだ!』って! かっけーよな!!」

 

 スミレとしてはボルトは普通にやってのけてると思っているがどうやらボルトは気がついてないらしい。でも自分も実際良い言葉だと思ったから微笑みながら返した。そしてナルトの話をしながらスミレは心の中で思っていた。

 

(やっぱり7代目の事が好きなんだね。ボルト君は)

 

 アカデミーではよくクソ親父と言ってはいるがこの2日間で見たボルトとナルトはやっぱり嬉しそうだった。スミレはボルトがお風呂に入ってる間にナルトとも話した。·····緊張しまくったが。スミレにもナルトは元気づけるようなエピソードを教えてくれた。両親がいないという似たような境遇で気にかけてくれたんだろう。そんなこんなでもう時刻は夕方になった。ビオラも眠そうな顔をしながら起きた。そのまま2人はボルトの家に向かった。余談だがスミレは今日まで泊まる事になった。明日のビオラの見送りをした後は自分の部屋に帰るつもりだ。そしてボルトはゴムボールを、スミレはまた手伝いをしながらそれぞれの時間を過ごした。その時ナルトも帰ってきた。どうやら今日もシカマルにビオラを理由に帰らせられたらしい。そしてご飯が出来るまでナルトはビオラと戯れた後ボルトの修行を見た。休憩中にこの修行の意義を唱えてボルトは辟易していたがこれが後にボルトの役に立つと思いナルトは教えたのだ。そしてご飯の時ビオラが言った。

 

「パパとママが戦ってるところみたい〜!!」

 

 ヒナタがスミレにアカデミーの事を言いスミレが明日には実戦形式の試験がある事を教えナルトがスリーマンセルをどうしたんだと聞かれボルトが少し恥ずかしながらミツキとスミレと言った所ビオラがボルトとスミレが活躍するのかと思ってそう言ったのだ。

 ボルトとスミレは目を合わせ少し困った顔をした。試験の場所は恐らく修練場だろう。外からならば遠目に見てもらうことが出来るかもしれないが屋内なら嫌でもクラスメイトの目がある。そしてその時ビオラが2人をパパ、ママと呼ぶ確率が半端なくある。ビオラが見たいなら見せたいのが本音だがそのせいでクラスメイトから変な目で見られるのは2人ともあまり望んでない。そして何よりそもそもアカデミーに入っていいのか? という疑問もある。

 

「まあ良いんじゃねえか? ヒナタ、明日ビオラを連れていったらどうだ?」

 

「っていいのかよ父ちゃん!」

 

「ああ、シノには俺から言っとくってばよ。ただしビオラ」

 

「じいじなに?」

 

「あまりアカデミーじゃパパとママって言っちゃダメだぞ?」

 

「なんでー?」

 

「そうしたらパパとママが困っちゃうからだぞ」

 

「うー、わかた」

 

 という訳でビオラはボルト達の試験を見学することになった。内心2人は焦っていたがこんな楽しみそうなビオラを見たらもう拒否するという選択肢はなかった。

 

 

 

 

 

「何か緊張するってばさ」

 

「うん、私も」

 

 2人は3日連続同じベットでビオラをサンドしながら寝た。2人は自分達の戦いをまさかビオラに見せることになるとは思っていなかったから緊張している。そしてそのまま2人は眠りについた。

 

 

 

 

 

 

 

 翌日2人はビオラとまた会う約束をしてアカデミーに向かった。その道中はボルトは修行したりスミレはそれを微笑みながら見るという光景だったが。2人はアカデミーについた後も普通に同じ机に座った。クラスではますます噂になったが2人はそれに気がつかずミツキを呼びフォーメーションの確認やらをやった。

 そしてついに試験の時間になった。くじ引きで相手が決まる。そんな時修練場の入口からヒナタとビオラとヒマワリが来た。やっぱり騒ぎになったがシノに止められ試験に向いた。ビオラは今にも親を叫ぼうとしているが我慢してるみたいだ。それにほっとしながらボルトはくじを引いた。そして相手は……

 

「9? って事は……」

 

 対戦表みたいなものを見る前に声がかけられた。

 

「俺達が相手だな、ボルト」

 

 後ろから声をかけたのは猪鹿蝶、シカダイだった。ボルトはそれに好戦的な笑みを浮かべる。

 

「へへ! 上等だってばさ! この前みたいに勝ってやるってばさ!」

 

「そう上手く行くかな? おばさんの前だからって容赦はしないぜ?」

 

 そう言ってる間にスミレはミツキに聞いた。

 

「前もボルト君とシカダイ君達戦った事あるの?」

 

「うん、委員長がアカデミーに戻ってくる前にね。その時は僕らが勝ったよ」

 

「今度はそうはいかないよ」

 

「もっちー、やられっぱなしも嫌だし〜?」

 

 と後ろから言ってきたのはいのじんとチョウチョウだ。どうやら前回ミツキの策で負けた事に案外根に持っているらしい。

 そして試験が始まり2人は出番を待っている間ビオラの元に向かった。

 

「もう少しだから待っててね?」

 

「あーい!」

 

 周りのクラスメイトは何なんだと思いながら試験中の生徒を見たりボルト達を見たりしている。そしてそうこうしてたらボルト達の出番となった。

 

「がんばって!!」

 

 というビオラの声援を受けボルトとスミレは修練場に降り立った。ミツキも隣に来る。向かい側ではシカダイ達がスタンバっている。そしてシノが真ん中に来る。

 

「では、これからボルトチーム対シカダイチームの実戦形式の試験を始める。両者準備は?」

 

「何時でも良いってばさ!」

 

「こっちも良いっすよ!」

 

 そしてシノは右手を垂直に上げ

 

「では、始め!」

 

 振り下ろした。

 

 最初に動いたのはシカダイだ。影縛りの術でボルトを捕らえようとしたがボルトは飛んで躱した。着地地点に影を伸ばしたが流石に直ぐにミツキが動きクナイをシカダイに投げ影縛りの術を解除させた。だが飛んでいるボルトにはチョウチョウが部分倍加の術で大きくした手でボルトを殴ろうとした。ボルトは影分身を使い分身に自分を投げさせいのじんの所に行くのと同時にチョウチョウを躱した。ボルトはそのままいのじんと肉弾戦をする。

 この試験はシノが止めるまでが勝負だ。

 ボルトは肉弾戦をしていたが背後の気配に気づき下がった。スミレはチョウチョウと素早さを活かして戦っている。背後にはシカダイが投げたのだろうかクナイが刺さっていた。

 

(このままいけるか?)

 

 そう思っているといのじんが鳥獣戯画をミツキに向けて撃った。ミツキはそれを躱したが一瞬鳥獣戯画に目を奪われ気づいた時には体が動かなくなっていた。だがミツキは前回と同じように口からクナイを出そうと思ったがシカダイがニヤっと笑い口から何か吐く動作をした。そうしたらミツキもピクピクと動き同じようにしてクナイを無理やり出された。

 

(これは影縛りじゃねえ! 確か影真似の術だ)

 

「前と同じように行くかよ!」

 

 ミツキの動きを封じられたのは痛い。ここでもボルトは少し無力感を感じるのだった。自分がいのじんをちゃんと相手にしてればと。そう考えていたらスミレが横に来た。向こうは動けないシカダイを守るようにいのじんとチョウチョウがいた。向こうは結構不敵な笑みを浮かばせてる。

 

(結構この状況は不味いってばさ!)

 

 影真似から脱出するのは相当力量差がないと厳しい。ボルトは試しにクナイをシカダイに投げたが簡単に叩き落とされた。

 

(くそ、どうする?)

 

 いのじんとチョウチョウは簡単にシカダイにまで通さないだろう。コンビネーションもバッチリだ。そうしてたら声をかけられた

 

「がんばれ〜!!」

 

 と言ってきたのはビオラだ。小さい体から出せる最大音量だろう。それを聞いた2人は目を合わせ目で作戦を伝えた。本当に伝わっているか分からないが不思議と伝わっている気がした。

 

(ミツキは捕まっちまった。でも逆に言えばシカダイもあまり動けない。つまり今だけは実質2対2。いや、こっちの方が多いぜ?)

 

 そしてボルトは煙玉を投げ修練場は煙包まれた。そして2人は印をした。そして何人もの分身で3人に襲いかかった。だが影分身はチャクラを等分するため動きも少々雑になり、水分身は本体の10分の1しか力を出せないという欠点がある。だから2人は特に慌てず分身を消して行く。その時何故か一気に煙が晴れた。そこにいた生徒が見たのは

 

「へへ! 行くぜシカダイ!」

 

 ボルトの手がボールを包んでるみたいに手を合わせそこに小さいが青い球体があった。

 

(父ちゃんは螺旋丸のあの修行の意味を言った。水風船で回転を高め、ゴムボールで威力を高める。そしてその2つを意識して螺旋丸を作る。出来るかどうか分からなかったが小さいけど出来たぜ)

 

 本人には思いもよらない性質変化も入ってはいるが。最初は驚いた3人だが直ぐに大きさに気が付き不敵な笑みを浮かべた。ボルトは叫んだ。

 

「行くぞスミレ!」

 

 そう言って残りの分身と共に突っ込んだ。2人はそれに応戦する。螺旋丸をもつボルトは手を使えない。それに本体がやられれば分身も消える。そう思った2人は螺旋丸を持つボルトとやたら動きの良いスミレに向かった。ボルトとスミレは応戦するがやっぱりやたらコンビネーションがよくいのじんの刀がボルトの首に突きつけられた。

 

「さあ、降参しなよボルト」

 

 だが今度不敵な笑みを浮かべたのはボルトの方だった。

 

「へ! やなこった!」

 

 ぼん! 

 

 そんな音ともに螺旋丸を持っていたボルトは消えた。シカダイはそれに目を見張り後ろに気配があるのに気が付き後ろに向いた。そこにいたのは螺旋丸を振りかぶっているボルトだった。さっき煙玉を投げた時に後ろに回ったのだ。

 

「喰らえ──っ!」

 

 そう言って螺旋丸を投げた。だがしかしやベッとなっていた顔は直ぐにから笑いに変わった。何故なら螺旋丸が消えたからだ。残りの2人も安心したような顔になった。

 

「ふはは! そんなものが届かないんじゃ世話ないぜボルト!」

 

 イワベエがそう言っている。実際作戦はバッチリだったのに最後にこれは……そうクラスが少し笑いになった瞬間シカダイが目を見張り少し吹っ飛んだ。それと同時にミツキは動きシカダイにクナイを当てた。チョウチョウも動揺した隙にスミレはチョウチョウの後ろを取ってクナイを当てた。そこでシノから声がかかった。

 

「そこまで! 勝者ボルトチーム!」

 

 一同はポカーンと口を開けた。何故シカダイが吹っ飛んだのか分からない。そんな事を考えてる間にボルトチームは集まりハイタッチしていた。

 

「よっしゃー! 勝ちだってばさ!」

 

「うん、流石ボルト」

 

「うん!」

 

「勝った〜!」

 

 と喜んでいるのはビオラだ。手を振る2人。ミツキは不思議そうな顔で2人を見ていた。ボルトはスミレにお礼を言う。

 

「サンキューなスミレ。陽動手伝ってくれて」

 

「うんうん。私も気づけて良かった。……不思議とボルト君の考えてることが分かったんだ」

 

「そ、そうか? ハハハ!!」

 

「それにしても出来たね、螺旋丸」

 

「でもまだちっちゃいし、というかあの消えるのはなんなんだってばさ」

 

「あれは恐らく雷遁の性質変化が入ってるんじゃないかな?」

 

 と言ったのはミツキだ。普段雷遁を使うから分かったのだろう。ボルトはそれに成程なと言いつつギャラリーの所に戻った。そしてクラスメイトから質問攻めを回避しビオラの所に向かった。

 

「勝った、勝ったね〜!」

 

「ああ、ビオラのおかげだってばさ」

 

 そう言ってボルトはビオラを撫でた。クラスはそれを本当に何なんだというふうに見ていた。

 

 

 

 

 

 

 

 そして放課後になりビオラと3人で帰った。ヒナタとヒマワリは買い物行くそうだ。少し周りから視線を集めながら3人は帰路を歩く。だがビオラがキャッキャッ言ってるのに対して2人は無言だ。そしてボルトがスミレに言った。

 

「その、スミレ。寄りたい所があるんだってばさ」

 

「分かった。ビオラちゃんもいい?」

 

「うん! いーよ〜!」

 

 そう2人の快諾も得てボルトは放課後の市場に来てボルトはある物を探した。スミレは聞く。

 

「何探してるの?」

 

 ボルトはスミレの耳に口を近づけ言った。耳元で言われたことで顔は赤くなっている。

 

「その、スミレのその髪飾りみたいなのないかなって思って……出来ればビオラの髪飾りを」

 

「はわわ、成程」

 

 スミレはそう言って周りをキョロキョロした後にビオラの手を掴んでボルトに向き行った。

 

「ついてきて、ボルト君」

 

「お、おう」

 

 そう言ってボルト達は歩き出し一同が着いたのはアクセサリーショップみたいな所だった。

 

「ここは?」

 

「私がこの髪飾りを買った所だよ」

 

 そう言ってスミレは自分の髪の毛を指す。アカデミーに戻る前につけていた母からの髪飾りは自分の道に行くという意味を込めて自分の菫の髪飾りに変えたのだ。そうして3人はアクセサリーショップに入って行き髪飾り……出来ればビオラの花の髪飾りを探した。ビオラは綺麗なアクセサリーにキャッキャッ楽しそうに見ている。そんな時

 

「あ、あった」

 

 そう言って取り出したのは花の外側が紫色で内側が黄色の花だった。スミレ曰くビオラ自体には種類が結構あり育て方で変わるんだとか。でもビオラの見た目的に恐らくこの花をイメージして決めたんじゃないかという事だ。

 

「じゃあ買って来るってばさ!」

 

「あっ、私も払うよ!」

 

「え、いやでも·····、大丈夫なのか?」

 

「うん。この3日間食費は使ってないからね」

 

 3日間ヒナタはバイトと称してスミレからお金を取らなかった。というかそもそも取るという選択肢はなかった。そう言う訳で少し余裕がある。そうして2人は割り勘してその髪飾りを買った。アクセサリーを見てたビオラを連れて家に帰った。そしてビオラとの最後の晩餐の前にボルトはナルトに螺旋丸を見せた。それに驚きながらも嬉しそうにわしゃわしゃとボルトの髪を手でボサボサにした。小さいが螺旋丸には違いない。それも4代目火影でも出来なかった性質変化を無意識に加えるという本物の天才的な行動をした。普通の螺旋丸はもう少し頑張れば出来るようになるだろう。そして6人は晩御飯を食べ始めた。ビオラが最後だからか結構豪華だった。スミレはそれに少し萎縮したがボルトが気にするな気にするなと言い勝手に野菜やらお肉やらを入れた。そんな楽しい時間は終わって次はお風呂……何だが……その時事件が起きた。起きたというかこれは爆弾である。何故ならビオラがボルトとスミレに……

 

「パパもママも一緒入ろ〜!」

 

 この時時間が止まった。本気でそう思えるほど何もかも止まった。そして件の2人は徐々に真っ赤になっていき

 

「はわわわわわわわわわわわわわわわわわ!!」

 

 とまた暴走したのはスミレ。口をパクパクしながら赤面になっているのはボルトだ。ヒナタが流石にちょっとあれだと思いビオラを諭す。

 

「ビオラちゃん、流石にそれはダメだわ」

 

「なーんで?」

 

 そう言われると上手い説明が思いつかない。後ろではまだスミレが暴走してる。そんな時第2の爆弾が投下された。

 

「だってよく皆で入るでしょ?」

 

 また時が止まった。先程よりも長く止まった。ヒナタは徐々に目をボルトに向けて白眼になっていたがボルトはヒナタに全力で猛抗議した。

 

「いやいやいやいやいやいやいやいや母ちゃん。そ、それは俺じゃない俺で……」

 

 自分でそう普通に言ったのにボルトは気がついた。遠回しにもう自分がビオラの父親という事を認めたのだ。そんな心境の変化に驚いたのは自分だった。最初はあんなに頑なに認めようとしなかったのにビオラと……そしてスミレと一緒に過ごした日々が今の言葉を言わせたのだ。

 

「パパとママとビオラで入りたい〜!」

 

 スミレは暴走を頑張って止めビオラに膝を屈めて言った。ボルトは断ってくれるのか! と思ったが逆だった。

 

「じゃあ、入る?」

 

 スミレのだ羞恥で真っ赤だったがそう言った。ボルトは諦めた顔でナルトとヒナタを見たが2人とも泣かれるよりましって顔をしながら頷いた。スミレはボルトの耳元で声を出した。

 

「その、ごめんねボルト君」

 

「いや、しょうがないってばさ」

 

 そう諦めた顔で言うボルトであった。そしてスミレはお風呂から出た後に髪飾りを付けようと言い袋を持って3人は脱衣場に行った。

 

「そ、その。ボルト君が先に入って」

 

「わ、分かったってばさ」

 

 そう言ってボルトはスミレを背後にしながら衣服を脱いだ。同年代の女の子が後ろにいると考えただけで恥ずかしいこと極まりないがここを乗り切れば終わると信じてバスタオルを巻いた。そしてスミレに声をかけ入った。先に頭と体を洗いそれなりに大きい……少年少女サイズなら2人分入る程度の風呂に入った。そしてその時が来た。ドアが開く音がして入ってきたのはバスタオルを包まれているビオラと……

 

「はわわ、あ、あんまり見ないでボルト君」

 

「あ、すまないってばさ!!」

 

 そう言ってボルトは思わずスミレに向けてた視線を湯船に移した。両者の顔はもう真っ赤である。平然としてるのはビオラだけである。ボルトは正直スミレの裸体に近い格好に見惚れていた。肌は健康的に白く体型も普通に女優になれる程だったしその特徴的な紫色の髪もお風呂ようなのか纏めていた姿も初めて見たから思わず心臓の鼓動がやたら早くなった。そしてボルトはずっと湯船に顔を向けてスミレはビオラの髪の毛やらを綺麗にしたり自分の髪も洗った。その間に2人の声も聞こえたりしてその声が風呂場で反射し余計にボルトの耳に入ってくる。今理性を保ててる自分を褒めたい。そうしてたらスミレから声をかけられた。

 

「じゃあ、その、ボルト君入るね?」

 

「パパ〜!」

 

「お、おう」

 

 そうしてスミレはビオラを抱えてゆっくり湯船に入っていった。両者の顔は赤くなっているがしょうがない。お風呂の温度はビオラ用にぬるめだ。ビオラはスミレの腕から離れボルトの所に行ったりスミレに行ったりしながら楽しんでいた。ボルトとスミレも楽しんだ。……まあ入っていた半分の時間ぐらいは2人とも羞恥であまり何も話せなかったんだが。そして先にスミレとビオラが出た。そして声をかけられた後ボルトも出た。まだ高鳴っている鼓動を頑張って押さえつけパジャマになる。スミレは先程結局今日も泊まっていきなさいと言われお言葉に甘えた。そして出た後2人はビオラを呼び寄せた。てくてく寄ってきたビオラに真正面を向けさせたままスミレはビオラの花を取り出しビオラの前髪辺りにつけた。流石にこの歳だからそんなにロングヘアではなかった。

 

「ママなにこれ〜?」

 

 そう聞いたスミレは少し涙ぐみながらビオラを抱き寄せ言った。

 

「ママとパパのお守りだよ」

 

「お守り〜!」

 

 ボルトも少し躊躇った後にスミレ事抱擁した。ビオラはそれに嬉しそうにしながら眠くなったのか寝息をたて始めた。そして2人は庭に出た。もうカラスキは連れてこられている。その場にはシカマルやサスケの姿もあった。ナルトがカラスキに話しかける。

 

「じゃあカラスキ、ビオラがここに来た瞬間の時間にビオラを戻してくれるか?」

 

「かしこまりました。ではビオラ様を10年後に送り届けます」

 

 カラスキがそう言った時スミレの腕にいたビオラが持ち上げられた。そして光に包まれながら徐々に上昇して言った。ボルトとスミレはそれを見送る。スミレは目が濡れている事に気がついた。抑えても止まらない。

 

「あ……あ」

 

 ボルトはそんなスミレを見ながらビオラと会ってからの日々を思い出していた。最初はパパと言われ焦ったがそれすらも可愛くもう見えていた。そしてビオラのおかげで父との関係も少しは改善された。スミレの一面も知ることが出来た。ビオラが来てから良い事しかなかった。ビオラが来なければサスケもまだ帰ってなかっただろうし螺旋丸も習得しなかったかもしれないからだ。

 スミレは涙を流しながら言った。

 

「ばいばい、ビオラちゃん」

 

 ボルトはそんなスミレを少し抱き寄せて無意識に言った。

 

「ばいばいじゃないってばさ」

 

 スミレはボルトをあの異界から脱出する前ボルトに手を差し出された時と同じように見た。

 

「またね、だってばさ!」

 

 スミレはそれを聞き涙を流したままもう消えかかって·····いや帰ろうとしてるビオラに言った。

 

「またね、ビオラちゃん」

 

 その瞬間カラスキもビオラも光に包まれながら消えた。一同はそれを見た後もあまりその場を動けなかった。スミレは溢れる涙が止まらなかった。ボルトはこれまた無意識にスミレを抱き寄せた。スミレはそれに抗う事もせずボルトの胸元で泣いた。そんなボルトの目も濡れていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「むにゃむにゃ」

 

 ビオラは眠たい目を開けた。真ん前にいたのは紫色のパジャマを着た母親だった。ビオラは反対にも目を向けた。そこにいたのは白色の下着をつけて寝ている父親だった。そしてビオラが起きたのに気がついたのか2人は起きた。母親がビオラに聞いた。

 

「ビオラ、その髪飾りどうしたの?」

 

 ビオラは無邪気な笑顔で言った。

 

「ママとパパがお守りでくれたの〜!」

 

 それを聞き2人は目を見張って優しげな笑みになり同時に言った。

 

「また、会えたね」

 

 ビオラはそれに不思議そうな顔で見ていたが直ぐに頷いた。

 

「うん!」

 

 この2人は正直何故こう言ったのかは分からない。だけど言わなきゃいけない。そう思ったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ビオラちゃん、帰れたかな?」

 

「もうそれ5回は言ってるってばさ……気持ちは分かるけどな」

 

 2人は最終日も一緒に寝た。スミレが情処不安定になるかもしれなかったからだ。2人の中で割とビオラの存在が大きくなっていたらしい。あまり2人とも寝付けなかった。ボルトはあの後螺旋丸をサスケにぱっと見せ弟子入りした。卒業試験まで修行をつけてくれるという。ナルトにはサラダのも見てやれとか言われていた。

 ボルトとスミレは部屋の天井を見ながら話をしてる時にスミレはビオラが無事かの心配を先程ボルトが言った通り5回言った。

 

「ボルト君、その·····」

 

「ん? 何だってばさ?」

 

「その·····ハグしてくれない……かな?」

 

 そう羞恥の顔と声で言った。だがその中に少し泣き声も混じっているのにボルトは気が付きスミレを見た。スミレもボルトを見ていた。昨日までその間にはビオラがいたが今はもういない。それに寂しさを感じながらボルトは少しづつスミレに寄っていきゆっくり抱擁した。そして2人は少し涙を流しながら抱き合っていた。2人はビオラがいない寂しさを感じながら眠りについたのだった。

 

 

 

 

 




お疲れ様でした(*・ω・)*_ _)。
最初はなんかボルトかスミレを事故らせて意識させたろうかな〜と思ったんですがそれじゃあ何かありきたりだな〜と思い却下しました。
そんな時姉がBORUTOのタイムスリップ編を見てるのを見て「あっ!便利なやついるじゃん!」と思い放浪してたであろうカラスキに頑張ってもらおうと思いました。
それで最初はボルトかスミレの幼少期を連れて来ようかなと思ったんですがそれだとスミレは自分がボルトの事を好きなのを再確認するだけだしボルトに関しては幼少期スミレを変えるのは寧ろ当たり前と思ってそうだから多分恋愛感情に繋がらない・・・まあ気になるぐらいにはなるかもしれませんが決定的にはならないから2人とも却下。だったらもう子供連れて来ようとなりました。
多分スミレであれサラダであれ子供がもし出来た時は男の子の確率が多いような気もしますが髪飾りの件をしたかったので女の子にしました。ビオラと言う花は本当にあるので見てみてください。結構綺麗です。
これからもアニメに沿ってやっていきますが読んだ人ならわかると思いますがボルトがやたら強化されました笑。ビオラが来たから変わった事って感じでこうなりました。ハハハ、アニメにただ沿うのは嫌なんでオリジナル要素入れてきます。
そう言えば漫画の最新話見ましたか?ボルスミ派としては嬉しい描写がありました( 厂˙ω˙ )厂うぇーい。
ボルトの楔の秘密を初めて知った同年代最初の女の子がスミレになったのが何故か嬉しい。

では感想など良かったらして行ってください!(* ̄▽ ̄)ノ~~ マタネー♪

修業パート誰目線でやる?

  • ボルト&ナルト
  • スミレ&ビオラ
  • 自来也&サスケ
  • 最早全部やれ
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。