当時の自分よくこの表現力で4万字位3日で書けたなと謎に感心していました。
いや表現力って点では今もそんなに大差ないんですが()。
今回はスミレとお弁当、ビオラ合流までです。
では!
翌日、ビオラの無邪気なビンタで叩き起こされたボルトはいつもより早い起床と相成った。
ビオラはにこにことボルトの後ろをついて回り、朝ご飯を食べいざアカデミーへの登校の時間となった。
ボルトとしてはお守りから解放される時間なので、意気揚々と玄関へ向かおうとした所
「パパと行く〜」
捕まった。
小さい身体を命一杯に使って、ボルトの膝をロックする。
振りほどくことは簡単だが、そんな事をするのは当然忍びない。
だからあくまでも冷静に、論理で離してもらおうとボルトは
「無理だってビオラ。早めに帰るようにするからさ、な?」
「あってパパずっと遠くいるからあ、会えないのやー!」
どうやら普段からビオラは寂しい思いをしているらしいと言う事はこの言葉から分かる。
ビオラの父親は全く何をしているんだと、心の中で思いながらボルトは拒否する。
「流石にビオラをアカデミーには連れて行けねえよ。」
「やだぁ〜!」
「ああ、駄々こねんなよ」
そう言って無理やりホールドを解除する。ビオラはそれでも抵抗するが、力ではボルトに勝てる訳なく難なく解かれる。
まだ猛抗議の目を向けられているが、もう行かなければボルトの脚力を持ってしても遅刻になってしまう。
卒業試験も近い今、そんな事をすればシノからまた眼を付けられる事になってしまう。
流石に自分の意志でやった事でもない事で、そうなってしまうのは不本意でしかない。
「パパ~!!」
ビオラの絶叫を背に、ボルトは家を超特急で抜け出したのだった。
*
結論から言うと、ボルトは始業ギリギリで教室に飛び込み遅刻を無事に回避する事が出来た。
ただ、その犠牲に甚大な体力と精神的疲労に苦しみながら入り口のドアを背にしてもたれ息を整える事にした。
「どうしたんだあいつ」
「さあ?」
シカダイやいのじんを筆頭にしたクラスメイト達が珍しい様子に首を傾げる。
ボルトが始業ギリギリに来ること自体はそれほど珍しい事ではない。珍しいのは、彼が始まったばかりの今日に疲労を出している事だ。
ただ、それをやじろうと思ったイワベエが動こうとする前に息を整えたボルトはふらふらと近場の席へと向かった。
アカデミーの席は、基本的に自由となっている。
だからボルトは、さっと見渡して誰もすわっていない席へ向かっていた。
その隣の人を確認することなく。
「はわ」
ボルトが席に着くと、戸惑うような声が聞こえ隣を見るとどういう訳か頬を赤くしていたスミレと目が合った。
どうしてだと、ボルトは疑問に思う事も無く定式的な挨拶をくりだす。
「おはよう委員長」
「う、うん。おはよう、ボルト君」
実は、ボルトとスミレが隣の席になる事はこれまであまりなかった。
ボルトは基本的にシカダイを始めとした男子連中とつるむし、スミレも女子メンバーと一緒にいることが多い。
しかし仲が悪いわけでもなく、こんな挨拶をするのなんていつも通りだ。
いつも通り…なのだが、ボルトは机に突っ伏しているし、なぜかスミレはもじもじとしてボルトをちらちらと見ている異様な空気にクラスメイト達は疑問符が止まらない。
その事を聞く度胸は、誰にもなかった訳だが。
始業までのほんの少しの時間、スミレはなぜか疲労困憊なボルトに問いかけた。
「ボルト君、どうしたの?」
首を傾げ、ビオラによく似た優し気な笑みはボルトの心臓を高鳴らせるには十分な力を持っていた。
「あーうん。な、何でもない」
まさか、赤ん坊が空から降ってきて、その赤ん坊が自分の娘だと言い出したり、スミレに似ているなんて口が裂けても言える訳なく誤魔化した。
もちろん、ボルトが自分に何かを誤魔化したことはスミレにだって分かっていたが知らせたくないことだってあるのも分かっていたのでそれ以上問い詰める事は無かった。
その代わり、スミレはスミレでボルトの方に思う事があったのか机の下に置いてある手に視線を落とした。
そうして何かを言いたげにちらちらとボルトを見るが、とうのボルトはその視線に気がつくことなく突っ伏したままだ。
「おはよう諸君」
そうこうしていたら、担任のシノが教室へやって来てしまい言いたかった言葉を飲み込んで号令をかけたのだった。
*
午前中の授業をボルトは難なく終えた。
ただその表情にある疲労を誤魔化す事が出来ていなかったのは、スミレも当然気がついていた。
それが確かなものだと確信するのは、昼休みに入るチャイムと同時に再び机に突っ伏そうとしたのを見た瞬間だ。
スミレは慌てて声をかけた。
羞恥と、熱がこもったような声色で――
「あの、ボルト君」
ボルトは、机にぶつけようとしていた顔を留めスミレの方へ振り向いた。
「ん? 委員長どうしたんだ?」
「えっと、お弁当作ってきたから一緒に食べよう?」
その言葉を聞いて、ボルトは数秒固まってしまった。
スミレの方もこんな恋人のような言葉を言ったことに、人生1回分の勇気を使った気持ちになった。
スミレの言葉の意味を咀嚼し終えたボルトは、青天の霹靂かのように身体を起こす。
「あ、すまねえ。色々あって忘れてたぜ」
昨日、ボルトがスミレのお弁当を食べてみたいと言った事を彼女はちゃんと守って来てくれていたのだ。
ただ、ボルトがその後のビオラの事で頭がいっぱいになってしまってその事を忘れてしまっていただけで。
無論スミレもスミレで、忘れられているというのはショックだったけれど、彼の様子が朝から可笑しなことは分かっていた。
だからこそ笑って首を振った。
「じゃあ屋上に行こうぜ」
「はわわ、う、うん」
てっきり、このまま教室で2人きりで食べるものだと思っていたスミレ。
その言葉の意味が、”2人”で一緒に食べる事になっているのだと気がつくと鼓動がはやる。
ボルトに付き従う感じで出ていくスミレの姿を、たくさんのクラスメイト達が目撃している。
屋上へ向かう途中で、ボルトの様子を見るがやはり疲労がにじみ出ていた。
(どうしたんだろう、ボルト君)
2人きりであることに、嬉しさがある事を自覚しながらも彼の事が心配で伺うように見るがボルトは気がつかない。
そうこうしている内に屋上へと到着し、誰もいない貸し切り状態で適当な場所へと2人は腰を下ろした。
スミレは持って来た2つのお弁当箱を取り出し、ランチョンマットの上に乗せる。
彼の様子を盗み見ると、少し眼を輝かせて今か今かと待っていてくれているようで、嬉しくなったスミレはお弁当箱の蓋を開けた。
「おおー〜!」
「ど、どうかな?」
「美味そう!」
お弁当の内容は凝ったものではなく、至ってシンプル。
玉子焼き、小さくて可愛らしいハンバーグなど小さなスペースを有効活用して作られた色とりどりのお弁当に、ボルトは感嘆とするしかなかった。
ヒナタが作ってくれるお弁当も似たようなものだが、それとは別種の空腹を誘ってくれる魔力が存在するお弁当だった。
ボルトのキラキラした表情に、今日ようやく笑ってくれた事がスミレには嬉しく思って箸を渡した。
「「いただきます!」」
定番の式句を合掌し、2人はお昼ご飯を食べ始める。
スミレとしては変に新しい事に挑戦せず、今できるスキルで作ったものばかりである意味いつも通りなお弁当。
なのだが、ボルトにとっては新鮮で、前々から密かに食べてみたいと思っていたスミレのお弁当だ。
自分のお弁当を誰かに食べてもらう機会がこれまでなかったスミレは、上手く出来たと自負している玉子焼きを口に入れながらボルトを盗み見ると、彼は疲労困憊な表情から一転して、満足そうに”美味い”を連呼しながら頬張っていた。
誰かから感想を貰う事が、こんなに嬉しい事なのだとスミレは知らなかった。
彼が”美味え!”と、嬉しそうに味わってくれる度、心臓が喜ぶように脈動するのを感じていた。
屋上で、2人きりで、お弁当を食べるこの時間が心地良い事にスミレは気がついていた。
他愛のない話をしながら、2人はあっと言う間にお弁当を食べ終えて再び式句を合掌する。
「ご馳走様、委員長すげー美味しかったぜ!サンキューな!」
「はわわ、ありがとう」
スミレは照れくさそうにはにかみ、お弁当を片付け始めた。
そんなスミレの様子を見ながらボルトは、この摩訶不思議な状況に対してこう思った。
(これじゃあ夫婦みてえだな)
脳裏に小さな頃、まだナルトが火影になっていなかった頃に家族で行ったピクニックを思い出していた。
自分やヒマワリが、野原の上で遊んで、それを微笑ましげに見ているナルトとヒナタの姿がこの状況に酷似している事にボルトは恥ずかしさのようなものを感じていた。
「…」
そんなボルトの様子に、スミレは知らぬ間に口が開いていた。
自分で聞くべきではないと、思っていた筈なのに。
「ボルト君、昨日のあの後なにかあった?」
「え、ああ…なんでもねえよ?」
言いながら、本当に何もないんだと伝えるように手を左右に振る。
けども、嘘を隠すのが下手なボルトの事をスミレは真正面から見つめた。
ビオラに似ている…否、ビオラが似ている表情と意識してしまった事でたじたじになってしまった。
誰も言わないが、なにかをやらかしたナルトがヒナタに詰められた状況に似ている。
普段からボルトは、クラスメイトの悩みを聞いたり、時には無理やり心の中に入って来る。
孤独に暮らしていたスミレにとって、彼のような太陽は尊敬だってしている。自分もその太陽に照らされて、再び道を歩み出す事が出来たのだから。
しかし、だからこそ…なにか悩んでいる事があるのなら、話して欲しいともスミレは思っていた。
「私には…話せないこと?」
たったの一言に、ボルトの心はグラついた。
どうしてかスミレの今の言葉からは不思議な圧力を感じ取ってしまったのだ。
一瞬の思考の中で、ボルトはあれこれ考えた。
スミレに話してなにか変わるだろうか
そもそも話を信じるか
ビオラがスミレに似ているなど…そんな眉唾物の話を、彼女は信じてくれるだろうか?
ぐるぐるする思考の中で、スミレが少しボルトに近付いたことで意識せざる負えなくなった。
「ボルト君、前に言ってたよね?クラスメイトだから、助けるなんて当り前だって」
ゴースト事件の時の言葉、あの時のボルトの行動指針。
それがボルトにとって、家族を大切にしないナルトへの証明の為だったというのはスミレは知らない。
それでも、ボルトにとっての行動原理は変わっていない。
クラスメイトを、友達を助けるために危険な場所へ飛び込むのは彼にとっては当然のこと。
けど、なにもそれはボルト明けの専売特許という訳でもない。
「私だって、ボルト君の力になりたいよ。だって…クラスメイトだから。それを教えてくれたのは、ボルト君なんだよ」
スミレにとって、こうして人の悩みにずかずか入り込む事は初めての事だ。
誰の影響を受けたからなんて、言うまでもない。
彼女はただ、自分がボルトから貰ったものを返したい一心なのだから。
「委員長…」
スミレの心配気で、泣いてしまいそうな表情がビオラにシンクロした。
どうしても、彼女達の表情には勝てる気がしなかった。
「分かったよ。でも、あまり言いふらさないでくれよ委員長」
根負けしたかのようにボルトは念を押してきた。
考えてみれば、他言無用だとは言われていない。
言い忘れただけか、言わないと思っただけなのか、どちらにせよ今回は甘い判断だったな父ちゃんと思いながら吐き出す言葉を整理した。
隣にいる少女は、どんな反応するのか?
吹っ切れたことで溢れた悪戯心に高鳴りながら第一声を解き放った。
「空から赤ん坊が降ってきたんだよ」
「·····?」
さっそく意味分からなくて、スミレは首をこてんと傾けた。
*
残りの休み時間を命一杯に使って、無事に昨日の夕方の話を終えた。
話したのは昨日空から赤ん坊が降ってきた事
今は家で預かっている事
昨日散々泣きつかれた事
そして、名前。
屋上から教室へ戻る中で、スミレは考え込むように黙ってしまっていた。
やがて、教室が見えてきた所でぽつんとつぶやいた。
「うずまき……ビオラ」
ビオラの名前を呟いたスミレは、その名前がまるで初めから自分の中にあったかのように馴染んでいく事に気がついた。
それが心地よく、猛烈に会ってみたいと思ってしまう。
そして、その名前の意味が頭を掠め取る。
「その名前聞き覚えがあるのか?」
スミレに似ていても、まだスミレの関係者という可能性もまだある。
…その可能性が万に1つも無い事は知っているつもりだが。
「ううん、知らないよ。でも·····」
「でも?」
言葉途中で止まったスミレは、どこか困ったように微笑を浮かべた。
「私と似たような名前だなぁと思っただけだよ」
「え? ど、どこが似てるんだってばさ?」
名前自体にそれ程の意味がないと思っていたボルトは、意識している相手からこんな事を言われてしまえば誰だって焦ってしまうだろう。
全く取り繕う事が出来ずに冷汗1つ流す。
なぜボルトがそんなに焦りを見せるのかスミレには分からないけれど、取り合えず聞かれた事は答えておいた。
「ビオラって菫科の花の名前で私の菫の花言葉にも似てるの」
花の名前…それも菫科の花ともなればなぜその名前を付けようかとなる。
一番はやはり親の名前からもじった場合。
もしもそうだとすれば、ナルトの言う未来説が最有力候補になってしまう。
内心では既にもうその方が辻褄が合う事を自覚してはいるが。
ビオラの名前を聞いて、あからさまに反応が変わった事を見逃すスミレではなかったけれど、そうこうしている内に教室へ到着してしまい2人は今朝と同じ席へ着席した。
当然2人で、スミレの手作りお弁当を食べて来たというのはクラスメイト達全員分かってはいたがその事を聞く勇気は誰にもなかった。
結局、その後には新しい会話をする訳でもなく午後の授業が始まった。
といっても、卒業試験に向けた筆記試験の対策授業だったので生徒によっては暇を感じる。
ボルトも普段はそちら側の人間なのだが、今日の彼はビオラとスミレの関係性を考えることで頭がいっぱいになってそれ所ではなかった。
そんな珍しいボルトを、シノは気に賭けた。
「どうしたボルト、集中が出来ていないようだが」
いつもは課題をさっさと終わらせて好き勝手にやっていると言うのに、どういう訳か今日は手を付けられていなかった。
問題の難易度も、これまでの彼の点数を考えれば全く問題ない筈なのにだ。
しかし、それは注意しないだけでスミレも同じこと。
なぜか彼女はボルトと違って課題に手を付けられているが、ボルトの事をちらちらと見ている。
かつての班員であるヒナタがナルトを伺っていた時と状況がよく似ている。
2人の間で、何かがあったのかもしれない。
「ああ、ええと何でもないってばさ」
明らかな嘘だが、授業中故に深く問いかけることはせず授業は続いた。
ただ、授業が終わる時にもなって課題が終わっていなかったボルトに対して補修を命じる事は忘れていなかったけれど。
「ほんとに?!補修やっていいのか?!」
なのだが、なぜか今日は補修を喜んでしまう始末。
本当にあのボルトなのかと、シカダイたちは思ってしまった。
そうして放課後、補修のための教室へ意気揚々と向かおうとしていたボルトにスミレはおずおずと声をかけた
「ボルト君、ごめんね」
その謝罪の意味を、本当に分からなかったボルトは鞄を肩にかけながら問いかけた。
「何で委員長が謝るんだ?」
「私が名前のことを言ったから集中出来なかったんでしょ?」
「あーいや、まあそれはあるけど集中出来なかったのは俺が悪いんだから委員長が謝ることはねえって」
スミレのせいではないと、勇気づけるように言ったボルトはそのまま立ち上がる。
補修室へ向かおうとしたが、思い出したかのようにあの太陽のような笑顔で振り向いた。
「ああそうだ、委員長、弁当美味かったぜ。サンキューな!」
そう言ってボルトは補習室に向かった。スミレはそんなボルトを心配そうな顔で見送った。
*
夕日射しこむ校舎の中で、ボルトは辟易とした様子で教室へ向かっていた。
「やっと終わったってばさ」
教室へ向かっているのは、ワンチャンまだクラスメイト達が残っているかなと思っての事だ。
ありていに言えば、まだビオラに捕まる覚悟が出来ていないから誰か捕まえようと言う腹である。
しかし、よくよく考えれば今日の補修はボルトだけだったし流石に誰も待っていないかと諦めながら扉を開く。
「…あ」
けど、予想に反して教室にはまだ一人残っていた。
彼女は机の上に、異界の獣、鵺を置いてなにやら会話していた様子だったがボルトに気がつくと小さく笑みを浮かべた。
「お疲れ様、ボルト君」
「ぬえー!」
「委員長·····まだ帰ってなかったのか?」
そう言いながら教室を見渡してスミレ以外にいないのを見た。
スミレはそんなボルトに頷く。
「うん、ボルト君を待ってたんだ」
そう言いながら鵺にじゃあまたねって言い鵺はそれに答え煙に包まれ異界に帰った。
鵺を見届けたスミレは自分のカバンを背負って立ち上がり、柔和な笑みを浮かべた。
「じゃあ帰ろうか」
「あ、ああ」
ボルトとしては、いつもの悪ガキたちとつるんで帰る時間を遅くにしたかったのだがスミレ相手ではそうもいかない。
あと、どうして彼女が自分の事を待ってくれていたのかが分からず困惑しているのもある。
2人して教室を出て隣り合って歩く。
お互いに言葉を交わしていないけれど、その沈黙を破ったのは校舎を出る所だった
意を決したように、スミレは問いかけた。
「ボルト君、まだ何か隠してない?」
「え?」
唐突の先制アタックに、ボルトの素が出た。
そんなに自分って考えが分かりやすいのだろうかと、逃避気味な思考すらも出てしまってスミレの言葉に応える事が出来なかった。
スミレは、ボルトがやはりまだ何か隠している事を知り途端に寂しいような、怒っているような、何とも言えない塩梅の表情を浮かべた。
それは奇しくも、彼女がボルトの前にゴースト事件の犯人として立った時と似ているような気もして…ボルトの心は揺らいだ。
言い訳が出てきてしまいそうになったその時——
「パパ〜!」
聞いたことあるような声が聞こえて、ボルトは一瞬にしてあきらめの表情になり校門を見る。
スミレもその動きに合わせ同じところをみると、そこには七代目夫人と以前美術の臨時先生として来たヒマワリが小さな赤ん坊と手を掴んで佇んでいた。
そこまで考えた時、そもそもで今聞き捨てならない言葉が聞こえ…スミレは眼を大きく眼を見開いた。
「え…はわわ!?ぱ、パパ?!」
スミレが思わず隣を見ると、ボルトが肩を落として諦めたように彼女達へ近づいた。
一瞬どうしようかとスミレは思ったけれど、ヒマワリに手を引かれている赤ん坊を見て…引き寄せられるように後を追った。
校門出入り口までやって来ると、ボルトはヒナタに問う。
「母ちゃん何で連れてきたんだってばさ?」
「ごめんね。ビオラちゃんがボルトに会いたい会いたいって聞かなくて」
それと同時にヒマワリが手を離しビオラは弾丸のようにボルトに突っ込んだ。
「パパ〜!!」
それはもう、どっかの誰かを浮かばせるほどの高速突進。
ビオラはもうボルトを離したくないとばかりに子供とは思えない力でホールドしてしまう。
「遠く行っちゃやー!!」
「だ、だからどこにも行かないってばさ」
といっても、ビオラがこうなっているのは今朝ボルトが早めに帰るとか言ったのに遅くなっているせいでもある訳だが。
因みにそのこと自体はボルト自身忘れている。
だからその代わりと言う訳ではないが、地面に膝を折ってビオラの目線に合わせた後抱擁した。
赤ん坊の宿命なのか、純粋にビオラが甘えん坊なのかは分からないが彼女にはこれが有効なのは昨夜の時点で痛いほど思い知っている。
だからこその抱擁なのだが、そこでビオラが唐突に泣き止んで背後をじっと見ている事に気がついた。
一瞬、背後にいるのは誰だったかを考えて――
(やべ!! 後ろには委員長が……)
ボルトがビオラに対してスミレの事を誤魔化そうと思って身体を離すのとほぼ同時、ビオラは宝石のように表情を輝かせスミレを呼んだ。
分かっていたような、想定外のような言葉を。
「ママ〜!!」
数秒、ビオラ以外の時間が止まった。
誰もが今の言葉を咀嚼するのにあまりにも時間がかかってしまっていたからだ。
その間にビオラはするりとボルトから抜け出し、未だに戸惑い立ち尽くしているスミレの膝へと突撃する。
「はわ…」
いきなりのことに、避ける事も叶わずスミレは自分に縋りつく赤ん坊を見る。
彼女はスミレの事を見上げ、本当に嬉しそうにその膝を話さない。
そして、ダメ押しにもう一言。
「マ~マ!」
今度こそ聞き間違いようがない、はっきりとした呼び名を口にされて
「はわわわわわわわわわわわ!!」
トマトのように顔を真っ赤にさせ、暴走した
というお話でした☆
修業パート誰目線でやる?
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ボルト&ナルト
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スミレ&ビオラ
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自来也&サスケ
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最早全部やれ