ボルトとスミレ 基本的にif   作:レオ2

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おはようございます!親子の日 ifの続きです。最初らへん気分悪くなったらすいませんm(*_ _)m。

というかタイトルが全く思いつかなかったんで良かったら見た後にタイトルを考えて教えてくれたら嬉しいです。
ではどぞ(っ´∀`)っ


親子の日 続き if

 今日もアカデミーの少し騒がしい廊下を1人歩いている少女、筧スミレは周りがヒソヒソ話してるの声が色々聞こえる。でもそれが何なのかが分からずスミレは首を傾げながら自分のクラスの扉をくぐった。そして何故か皆の視線が自分に注いだ。スミレは何なの? と思いながら普段から自分が座っている友達のサラダとチョウチョウの隣りの席に行っていつも通り挨拶した。

 

「おはよう、2人とも」

 

 だが2人は何故か異質なものを見るような目でスミレを見てきた。スミレは何でそんな目を向けられてるのかが分からず思わず聞いた。

 

「ど、どうしたの? 2人とも」

 

 そしてこれまた何故か侮蔑の目を向けられているのに気がついた。そして言って来た。

 

「何で犯罪者のあんたがここにいるの?」

 

 ──────え?

 

 その言葉を言われた瞬間スミレの思考は止まった。そして徐々にその意味を理解し始めた。だけど何の犯罪を起こしたのかが分からずただ立ち尽くした。だがサラダは追い討ちをかけてきた。それも決定的な。

 

「あんたのせいで何人の人が死んだと思ってるの? それなのに何でのこのこアカデミーに来てるの? 信じられない」

 

 し·····んだ? 

 誰が? 

 

 サラダはある席に目を向けた。そこはスミレの記憶が正しければ雷門デンキの席だったはずだ。しかしその席には誰もいない。もうホームルームが始まるのに何で? 

 またサラダを見ると今度はメタル リーがいるはずの席だ。しかし真面目な彼なのにまだいない。

 スミレは困惑を隠しきれず動揺して立ち尽くした。しかしそんな時ドアが開いた。

 スミレは担任の油女シノに2人が来てない理由を聞こうと思い見た。だがそこにいたのはシノではなくみたらしアンコだった。

 スミレは絶句しながらサラダに聞いた。

 

「し……の先生は?」

 

 だがまたもや侮蔑の声で言ってきた。

 

「はあ? あんたが殺したんじゃない」

 

 ころした? わたしが? なんで? 

 スミレの顔は蒼白になっていた。周りを見てみると全員侮蔑、或いは恐怖の目で見てきてる。

 そして皆言ってきた。

 

「こんな所に来るなよ殺人者!」

 

「お前が殺した人達の為に死ねよ!」

 

 言ってる事は皆似ている。スミレは自分の班員であるナミダとワサビに目を向けた。だがその2人も侮蔑の目をスミレに向けていた。

 スミレはショックを受けてその2人に目線を固定した。そして2人も言ってきた。

 

「お前が私達の委員長になったのが里への反逆のためだったなんてな」

 

「信じてたのに·····」

 

 信頼を寄せる2人にも言われスミレは絶望の奈落にあと一歩までになってしまった。あと一歩踏ん張れたのはある少年の存在があったからだ。スミレはその少年の席を見た。いつもならその少年は1番前にミツキと一緒に座ってる筈だ。

 だがその席は空席だった。思わずスミレは呟いた。

 

「ボル·····ト君……は?」

 

 そう言ったらまたもやサラダが吐き捨てるように言ってきた。

 

「は? あんたが殺したんでしょうが!」

 

 今度こそ言葉にならなかった。

 

 わたしが·····ボルト君をころした? 

 なんで? 

 私がボルト君を殺せる訳ないのに。

 

 その瞬間、スミレは自分の手が濡れてるのに気がついた。そして恐る恐る見た。そこにあったのは真っ赤なもの·····血だった。

 

「ひっ!」

 

 何で血が? そんなのを考えられない程スミレは弱っていった。スミレは罵詈雑言に耐える事が出来ず教室から出た。そして走り続けた。そして気がついたら真っ暗闇の中にいた。そして目の前にいたのは·····

 

「みんな、良かった生きてたんだね」

 

 サラダが私が殺したって言ってた人達だった。デンキ君にメタル君、シノ先生·····そして名も知らない人達。

 でもボルト君がいない。

 

 スミレは声をかけた。だが声を出せなかった。そして足もコンクリートに埋められたのごとく動かなかった。

 スミレは何でそんな事になってるのか分からない恐怖に震えた。そして皆がスミレが恐れた事を言った。

 

「僕の人生がお前のせいでめちゃくちゃになったよ」

 

「え」

 

 デンキが言った。

 

「僕の青春の日々があなたのせいで無くなりました!」

 

 メタルが言った。

 

「あなたを好きになった僕が愚かでした」

 

 マギレが言った。

 

 スミレは縋り付くようにシノを見た。ゴーグルのせいで目が見えない。だがスミレは何故か分かった。分かってしまった。

 その下の目は皆と同じ目になっていた事を。

 

「私の生涯最後にして最低の生徒だったな、お前は。人の闇を食い物にし、反逆の為にその爪を研いでいたとはな」

 

 その言葉と共にスミレの脳裏に様々な光景が浮かんだ。雷門デンキに鵺を取り憑かせた。そして次の日の入学式、電車が暴走して火影岩に激突しそしてその電車が耐えきれずそのまま落ちた。凄まじい砂煙をあげた。

 そこでスミレの脳裏には違う光景が出てきた。

 電車の中にいたのは金髪の少年うずまきボルトと雷門デンキだった。しかしボルトは傷を少しついた程度だったのに対してデンキは頭から血を流して倒れていた。

 

 その瞬間スミレは心臓が締め付けられてる気がした。口元に手を当て下がろうと思わず下がろうとした。だが足は動かなかった。

 

 場面が変わった。

 今度はアカデミーの内部だ。スミレは周りを見渡した。そして見つけた。禍々しいチャクラを纏ったメタル リーがボルト、シカダイ、いのじんと戦っている模様だ。だが唐突にその戦いが終わった。メタルがその場でバタッと倒れたのだ。その体はいつも鍛えていた筈なのにやせ細ったなんてものでは無い。全てのチャクラが無くなったように見える。

 ボルトやシカダイがメタルの脈をとって呟いた。

 

「·····死んでる」

 

 それを聞いた瞬間またスミレは心臓が締め付けられた。

 

(もう·····見たくない!)

 

 そう思い目を閉じたが脳裏に見せられてるので閉じていようが関係なかった。映像が変わった。その映像に映っていたのはうずまきボルト、シカダイ、ミツキの3人がシノと戦っている様子だ。

 そして3人は機転の利いた戦いをし、シノ撃退に成功した。だがその際ミツキが体力を使い果たし湖に沈んで行ってしまった。だがそれをほっとける訳のないボルトは自らも飛び込みミツキを助けようとした。だがボルトも体力とチャクラを消費して上がれなくなってしまった。

 そんな時、シノが目を覚まし救出に向かった。だが1番消費していたのはシノ自身だった。それでもシノは何とかボルト達の所に辿り着いた。だが体力も同時に尽きた。しかしシノは諦めず口寄せの術をした。だが残ったチャクラ量では2人を助けるぐらいのチャクラしか無く、2人を水上に上げた。そしてシノはそれを微笑んで見送り·····

 

(うそ·····こんなのうそだよ)

 

 そして場面が次々に変わった。それのどれもチャクラが吸い尽くされ死んで行った人達の映像だった。そしてとうとうある映像になった。

 

(わた·····し?)

 

 そこに映っていたのは三つ編みの髪では無くストレートで見覚えのある服を着た自分だった。そして戦っているのはミツキだ。一進一退の攻防をした後、ボルトの右目が白くなって自分やボルトとミツキは異界に行った。

 そこでもボルトは鵺と戦った。そしてミツキは自分と戦った。だがミツキの方が一枚上手だった。自分がやられると思った時、ボルトの作戦に引っかかり動けなかった筈の鵺がミツキを思い切り吹き飛ばした。ミツキは元々チャクラが少なくなっていた。だからそのまま動かなくなっていた。

 唖然としているボルトに向かって自分じゃない自分が言った。

 

「これが私の本性なの。あなたみたいなあまっちゃんとは違うの」

 

「委員長·····何で、何でだってばさ!」

 

 自分じゃない自分は人差し指をボルトに向けた。あれはスミレの得意な術、水遁水蓮波だ。ボルトは唖然としたまま動かない。

 

(ダメ·····逃げて)

 

 そう思った瞬間にそれが放たれた。そしてボルトはショックが大き過ぎたのか立ち尽くしたまま眉間を貫かれた。血しぶきを上げながらボルトは仰向けに倒れた。

 

(い、いや!)

 

 そこで映像は途切れ恐る恐る前を見たらボルトがいた。だがスミレが何かを言おうとした前にボルトが今まで聞いたことの無い冷たい声で言ってきた。絶望へ落とすには充分な程の

 

「委員長を信じた俺がバカだったってばさ。もうお前の顔も見たくねえ」

 

 それを聞いた瞬間スミレの心は凍った。しかしまだ縋りつこうと歩こうとした。だがまだ足は動かなかった。ボルトはそんなスミレに目もくれずスミレに背を向けて歩き出した。

 

(まっ、待って。お願い·····だから)

 

 声も出ず足も動かせずスミレは心の中で叫んだ。だがそんな叫びはボルトは気づかず或いは気づいてるが無視した。

 

(待って、ボルト君待って!)

 

 唯一動かせる手をボルトに伸ばしたが届かない。どんどん遠くに行ってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はっ!」

 

 そんな声と共に筧スミレは目を覚ました。古びたアパートの天井を見ながら自分の顔に手をやる。だがその手は震えていた。抑えようとすればする程に余計に震えていった。

 

「何で·····あんな夢」

 

 スミレは自分の体を抱きしめたがそれでも止まらなかった。親子の日が終わりナミダの修行も予期せぬ成果を得れた次の日だった。

 夢はアカデミー時代のだった。だがその夢はスミレのifの世界だ。ありえたかもしれない可能性。だがスミレに絶望を与えるには充分すぎるほどの夢だった。

 

 

 

 今日の任務は商人さんの護衛だった。いつも通りワサビとハナビ先生とスミレが前衛、ナミダが後衛だった。

 だがスミレは朝の事を思い出し全く集中出来ていなかった。だから奇襲の対応が遅れてしまった。ハナビの厳しい声があがった。

 

「スミレ!」

 

「ご、ごめんなさい!」

 

 そう言ってクナイを構えた。そして少し手こずったが難なく撃破し、商人を送り届け里に帰ってきた。

 

「スミレ、今日はどうしたの?」

 

 ナミダが聞いてくるがスミレは夢の事を考えて聞いてなかった。そして今度はワサビも聞いてきて初めて気がついたみたいだ。

 

「おいスミレ!」

 

「はわ! な、何?」

 

「何じゃねえよ。どうしたんだ、今日はずっとぼーっとするか怖い顔になってたぞ?」

 

 ハナビも言う。

 

「そうね、それに偶に震えてたわよ? 何か怖い事があったなら話してみなさい」

 

 だがスミレは心配をかけたくなくかぶりを振った。

 

「だ、大丈夫です。少し怖いホラーもの見ちゃっただけですから」

 

「で、でも」

 

 ナミダが聞こうとしてきたがそれよりも早くスミレは言った。

 

「ごめんなさい、晩御飯の材料まだ買ってないから私もう行きます」

 

 そう言ってスミレは返事を聞かず駆け出した。残された3人は聞きたいのは山々だが何故ああなっているのかが分からず手のうちようがなかった。

 

「スミレどうしたんだろう?」

 

「何か普通じゃなかったよな。何時も冷静なのに·····」

 

「でも昨日まで何もなかったはずだし。姉様もスミレが何か怯えてるようには見えなかったって言ってたし·····」

 

「·····あれ? 何でハナビ先生のお姉さんがスミレの事を知ってるんですか?」

 

 ナミダは聞いた。実際何でと思ったのもある。ハナビのお姉さんはうずまきヒナタ、つまり7代目火影の妻だ。ついでに言うならボルトの母親だ。つまりハナビはボルトやヒマワリから見ればおb·····お姉さんになる。しかしスミレとは特に接点はなかった筈だ。

 種明かしするようにハナビは2人に言う。

 

「ああ、親子の日にスミレが姉様の家で晩御飯を一緒にしてうずまき邸に泊まったそうよ。その時にスミレが自分の料理を披露して好評だったそうよ。私も食べてみたかったなあ」

 

「う、うずまき邸って事はボルトと?」

 

「まあ泊まった部屋はヒマワリの部屋だったらしいよ」

 

「で、でも何でそうなったんですか?」

 

「うーん、私もその辺は聞いたけどはぐらかされたなぁ。でも私の勘が教えてくれる。ズバリボルトが絡んでると思うんだよねえ」

 

「ぼ、ボルトが?」

 

「ボルトが何かしたのかな?」

 

「それはないわよ。ボルトの性格はあなた達だって知っての通りでしょ。でも·····スミレに何かあったのは確かね」

 

 そう言って3人はスミレが走っていった方向に目を向けた。

 

 

 

 

 

 2日後

 

 スミレは今日は皆との修行をするためにハナビの家の日向邸を目指していた。だがその顔は暗いままだ。同じような夢をこの2日間ずっと見てしまったのだ。

 もう精神も限界まで疲労している。取り敢えず今日の修行を乗り越えようと頑張る。

 しかし夢のせいでご飯があまり喉を通らず少ししか作らなかった。昔から貧乏だったスミレは自分の食べれる量を作る主義だったからだ。

 そして日向の門が開いてる事を確認し入った。集合5分前だったがもう皆いた。だが一瞬夢の中のナミダとワサビを思い出し思わず止まった。直ぐに深呼吸して足を踏み出す。

 

「おはようございます」

 

「おはようスミレ」

 

「よお、おはようスミレ」

 

「よし、全員揃った所で始めましょうか!」

 

「「「はい!」」」

 

 そして3人は修行を始めた。3人のフォーメーションの確認。1体1の組手、多対一の組手、そしてそれらから得たもので反省会。

 だがスミレはまたしても上の空になる事が多かった。そして震える事も。

 ワサビとの1体1の時にそれが起きた。

 

 スミレは猫かぶりの術をしてすばしっこいワサビに勝つために散漫な集中に鞭打って照準を合わせた。そして夢の中で3回ぐらいボルトに向けて撃った術、水遁水蓮波を撃った。

 だが寸前に夢の事を思い出し少しずれてしまった。だが後ろには誰もおらずだから普通に考えて誰にも当たる訳がない。

 しかし外れた先にいたのは·····

 

「え·····?」

 

「ん? おお!」

 

 親譲りの金髪の髪に父親の青色の瞳より青色の瞳を持った少年、うずまきボルトだった。ボルトは不意打ちで来た水蓮波を躱せずに·····

 

「あ·····あ」

 

「痛て!」

 

 眉間に直撃した。そして思わず後ろから倒れた。その瞬間スミレは重ねた。重ねてしまった。夢の中の自分と同じ事を自分がしてしまったと認識してしまった。

 

「おお、びっくりした。お前ら修行中か?」

 

「なんだボルトか、修行の邪魔するなよな」

 

 そんな言葉もスミレには届かない。元々蒼白だった顔を更に蒼白にしてしまった。真ん中にいるのはスミレとワサビ、スミレの後ろにはハナビとナミダがいる。だが誰もスミレを見ていない。ワサビもボルトに視線を向けていたからだ。そして後ろの2人には当たり前だが見えない。

 ボルトが立ち上がったのもスミレにはもう見えなかった。もうスミレの目にはあの夢の続きが再生されてしまっている。すなわち、ボルトがスミレを糾弾し歩いてく夢を。

 

 そしてスミレの様子にいち早く気がついたのはボルトだった。スミレを見て直ぐに心配した顔になって寄ってきた。だがスミレはそれも気づかなかった。

 

「スミレどうしたんだってばさ?」

 

 それを聞いたワサビも振り返りびっくりした顔になり焦ったように聞いてきた。

 

「お、おいスミレどうしたんだ?」

 

「スミレ」

 

「スミレ!」

 

 ハナビが少し大きめな声で言って初めて気がついた。そして目の前にいるボルトを見つけた瞬間にスミレは恐怖に駆られた目をしそしてそのまま目を閉じボルト目掛け倒れてしまった。ボルトは何が何だか全く分からないがスミレを抱きとめた。そしてそのままスミレの意識が無くなってしまった。

 

「スミレ! どうしたのスミレ!」

 

「お、おいスミレ!」

 

 ボルトはそう言いスミレの顔を覗いた。その顔はさっきよりも更に蒼白になっていた。更に熱が出てしまっているようだ。

 

「大変だってばさ、ハナビ姉ちゃん!」

 

「分かってる!」

 

 そして各自動き始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 第十五班は修行を切り上げスミレを寝かす事にした。その際そのまま日向邸に寝かすかスミレのアパートまで行って寝かすか少し悩んだがハナビは慣れてる所がいいだろうと考えスミレを背負いスミレが住んでるアパートまで来た。

 15班+αはそんなスミレの為に解熱剤や冷却シート、お粥の材料を買いに来た。

 そして急いで3人はスミレの部屋まで走っている。

 

「スミレがずっと上の空だった?」

 

 ボルトがその道中ワサビから聞いた。曰く2日前から様子が変だった。任務の時もいくらかぼーっとして最悪は震えてた。だけど3人には心配をかけまいと任務が終われば直ぐに帰ってしまい聞く時間もなかった。

 そして自分達を見たら思わずというふうに立ち止まってる事もあったと。

 

「でも何でそうなったか全然話してくれなかった」

 

「スミレ·····」

 

 ボルトにも何故スミレがそうなったのかは分からない。だけどあんな状態は悪すぎる。正直に言うなら2人に憤然の思いがあるのは否定できない。仲間なら無理やりにでも聞き出せよと思ってしまった。だが同時に理解もしていた。恐らく自分も体調が悪くてもサラダとミツキには黙ったままだろう。仲間だからこそ心配をかけたくない、その気持ちは分かるからだ。

 

(スミレ·····)

 

 ボルトは走りながら親子の日のスミレを思い出していた。あの日、ボルトは色々な催しを見た後に終わりかけの親子の日の里を歩いていた。そろそろ帰らないとなと思っていた所に特徴的な髪色を持つ人が目についた。そしてそれがスミレだと気づくのに少し遅れてしまった。普段は束ねてる髪をストレートにしてたのもあったが何より着ている服もいつもより女の子っぽさが出ていたからだ。普段から任務服ばっかり見ていたのもあり、それで少し反応が遅れたのだ。スミレの姿を見た瞬間少しドキッとしたのは否定できなかった。だがそれが何故なのか分からずアカデミー時代と同じように声をかけた。

 そして聞いたのは晩御飯の材料が無く買いに来たがどこも閉まっていたからもう今日は晩御飯はいいかなと思っていた所、だったという訳だ。

 それを聞いた瞬間自分はダメだと言った。ただ単純に栄養が悪いと思ったのは本当だ。だけどそれと同時にスミレの状況も考えたのだ。

 親がもういない。その状況はボルトには分からない。父親のナルトも両親はいなかった。だがボルトには例えあまり帰ってこなくても父親とよく話したりいつも家にいてくれる母親がいる。だから自分はその暖かさを知っている。だがスミレは根の残党というレッテルのせいでいつも逃げる生活をし、父親に修行させられたりした。唯一親子の時間はスミレの母親がスミレの髪を結ってた時と聞いている。だがその2人はもうこの世を去った。家庭の温かさ何てスミレが知る機会は遥かに少なかった筈だ。

 だからボルトは気づいたら声を出してた。

 

『じゃあ家にこいよ!』

 

 別に自分の家族の状態を見せびらかそうと思った訳じゃない。そんな事したら自殺する。

 スミレを·····親子の日で1人にいさせたくなかったのだ。

 

「ボルト!」

 

「なんだってばさ?」

 

「いや、スミレがああなった原因を知らないか?」

 

 少し考え直ぐに顔を振った。

 

「分からねえってばさ。親子の日まで普通だったぜ?」

 

 ボルトは内心余計な事言ってしまったかとなったが2人は特に気にしたように見えず言葉を続けた。

 

「でも、ボルトを見た瞬間に倒れちゃったし·····」

 

「いや、本当に俺は何もしてねえよ!」

 

 そう慌ててナミダに返しボルトも考える。今日ボルトが日向を訪れた理由はただ単に母親のヒナタから使いを頼まれたからだ。任務がなかったこともあり日向に行ってからそのまま修行か、いたらハナビに修行をつけてもらおうと思っていた。

 そして日向の門をくぐった瞬間にスミレが外した水蓮波が眉間に直撃しただけだ。威力はそもそも体調が優れてなかったのか普段の彼女が放つものより半減していたからあの時はびっくりして倒れたという意味合いが強い。

 

(でも何でだ? 何で俺を見たら倒れっちまったんだ?)

 

 それはそれで少し傷つくが今はそれよりもそれを考える。

 別に自分に当ててしまったぐらいならごめんで済む。気絶する程じゃない。

 元々熱があって幻覚でも見た? でもワサビとは途中までちゃんと戦ってたそうだし·····。

 答えが出ないままボルト達はスミレの所に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして一同はスミレのアパートに到着し中にいたハナビと合流。冷たいタオルを冷却シートに変える。そしてお粥を作ろうと思ったがスミレがまだ起きない。どうせなら出来たてを食べて欲しいのもあり作るのは起きてからという事にした。そしてハナビによる軽い尋問が始まった。

 

「ボルト、本っ当に何もしてないのよね?」

 

 それを首をブンブン振って肯定するボルト。

 

「じゃあ心あたりは?」

 

 そして顔を少し下げ再び上げた。

 

「いや、特に思い当たる事はねえってばさ」

 

 そこでワサビが聞いてきた。

 

「それなら親子の日にボルトの家に泊まった時とかは?」

 

「いや、あの時のスミレは俺と話すよりも母ちゃんとヒマワリとよく喋ってたし·····父ちゃんも少し話したみたいだし。俺とはそんなに話さなかったぜ? まあ夜遅かったのもあるけど」

 

 ボルトはその時に何か引っかかったがそれが何なのかまでは分からなかった。そして15班はそのままスミレを見ようとしてた。

 ボルトは班員でもないからもう出来ることは無いと思った。

 だけどそれでも何かをしたくて声をかけた。

 

「俺に何か出来ることねえかな?」

 

 3人は少し考えたが直ぐに顔を振った。代表でハナビが答えた。

 

「その気持ちだけで嬉しいわ。でもこれはスミレの状態を軽視した私達の問題よ。だからここは任せなさい。本当にボルトが必要な時は呼びに行くわ」

 

 スミレの上司でありボルトの叔母でもある人にそう言われればもう言い返す言葉もない。それにスミレの近くで言い争いも出来ないのもあった。ボルトは少し無力感を感じながらも玄関まで歩いて振り返った。

 

「じゃあ、スミレの事は頼むってばさ」

 

「当たり前だろ。私達は同じ班なんだからな」

 

 ボルトは頷いて玄関を出た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その日の夕暮れ、まだスミレは目覚めなかった。3人はその間に今日の修行の振り返りをしてた。だが反省会すら身が入らなかった。

 そしてとうとう夕暮れになってしまった。ハナビは最悪ずっとここにいれるが2人は帰らなければならない。

 しかしそんな時スミレに異変が起きた。うなされていたのだ。そして3人がこの日1番驚愕のもこの瞬間だった。

 

「ハナビ先生、スミレが何か言ってます!」

 

 ナミダがそう言った時全員スミレのベットの周りに集まって何を言ってるのか耳を澄ました。しかし言っていた言葉は意外なものだった。

 

「ボルト·····君」

 

「「「·····え?」」」

 

 やっぱりボルトが絡んでいたという理解はある。しかし班員よりもボルトの方に注意が向いてるのはいささかショックである。

 だがそれからのスミレは呼吸も速くなった。

 

「まっ·····て。ボルト……君」

 

 顔色も余計に悪くなって行ってる。ハナビは班員2人に言った。

 

「ボルトを呼んでくるから、スミレの事お願いね!」

 

 そう言って直ぐにアパートを出ていきボルトの家に向かった。そしてうずまき邸に来た。急いでインターホンを鳴らした。

 

『ハナビ? どうしたの?』

 

「姉様、ボルトはいますか?」

 

『ボルトはまだ帰って来てないわよ。修行して帰るって言ってたわ』

 

「分かった。ありがとう姉様」

 

『ボルトがどうかしt·····』

 

 ヒナタが聞き終える前にハナビはうずまき邸を離れていた。そして小耳に挟んだよくうちはサスケと修行していると言う場所に来た。そこにいたのは心ここに在らずというふうにクナイを的に投げてるボルトだった。的もいつもなら全て真ん中に入れてるボルトがいくらか外してる。

 

「ボルト!」

 

「ハナビ姉ちゃん!」

 

 ハナビはガツガツとボルトに近づきガシッと肩を掴んだ。そしてその表情は普段ボルトには向けない真剣すぎる目だった。ボルトは思わず少し下がりかけたが堪えた。

 

「ボルト、あなた本当にスミレに何もしてないわよね?」

 

「あ、当たり前だってばさ!」

 

 そう言ったらハナビは手を外した。

 

「ボルト、スミレの所までついてきて」

 

「す、スミレに何かあったのか?」

 

「うなされている。それに呼吸も速くなってる」

 

 そう言ってハナビは走り始めた。ボルトもそれに追随する。そして事情を聞こうとするがハナビはスミレが心配でそれすらも許さないスピードで駆けていった。ボルトはそれについてくのが精一杯だった。そしてボルトは本日2回目のスミレの部屋に来た。

 ハナビとボルトは真っ先にスミレの周りに来た。そして·····

 

「はぁはぁ、ボルト·····君」

 

「こういう訳なの」

 

「スミレ·····」

 

 ボルトはそう言ってスミレの隣に行って顔を覗いた。さっきよりも酷くなっていた。息も荒い。

 だがボルトには本当に心当たりがない。

 

「ボルト、手を握ってあげて」

 

 ハナビが言いボルトは頷いてスミレの横に座り左手を優しく握った。

 そして少し経ってスミレの呼吸が落ち着いてきた。

 それを見たハナビは班員2人に向き直り

 

「ナミダ、ワサビ。今日はもう帰りなさい」

 

 だがそれを聞いてはいそうですかとは言えない2人だ。

 

「わ、私も残ります」

 

「仲間ですから!」

 

 それを聞いてもハナビは被りを振った。視線でスミレとボルトを指す。2人もそれを追って2人を見た。ボルトの表情は彼が滅多に見せない不安の表情だったがスミレはさっきまで2人といた時より幾分かまだましそうな顔だった。それを見ればハナビの言いたい事は分かった。

 しかし理解と感情は別物だ。2人からすればボルトはアカデミーの同期で同じ木の葉の仲間、はっきり言えばそれだけだ。しかし自分達は違う。スミレと班をずっと組んでたのも自分達だからスミレのは事を分かってあげれるのも自分達2人以上の人はいないと思ったのだ。しかしそれでも目の前の事を見れば黙るしかなかった。スミレは自分達が看病してた時に比べ幾分か楽そうだったからだ。

 そして2人は黙って頷いた。

 

「分かり……ました」

 

「ボルト、スミレの事をお願いね」

 

 今度は2人がボルトにそう言った。そのボルトは手を握ったまま2人に顔を向け安心させるような笑顔で返した。

 

「おう、任せろってばさ」

 

 そして2人はもう一度スミレを見、玄関から出た。

 そしてハナビとボルトとスミレだけになった。

 

「何で俺を見たら倒れんだ?」

 

 ポツンと呟いた。だがハナビは首を振った。

 

「分からない。どんなに聞いてもはぐらかされたし」

 

 そう言った後、ハナビはスミレに向けてた視線を甥に向けた。そして少し悪戯を思いついたような顔をしボルトに言った。·····実際自分でもいいと思ったのもある。

 

「ボルト、スミレの事を明日まで任してもいい?」

 

「え!? 姉ちゃんはどうするんだってばさ?」

 

「うーん、正直に言うなら今回はボルトに任せた方が良いって思ったのよ。それにある意味1番スミレを理解してるのもあなただしね」

 

 ハナビはスミレがやった事を知っている。そしてサイからは解決にボルトが絡んでるという事も聞いている。ボルトはスミレの奥底にまで入り込みそして理解している。ナミダやワサビはスミレがやった事を知っているがボルトに比べれば引けを取る。そして上司という立場だけの自分がいればスミレはまた無理をするのではないかと思ったのだ。上司としては面目ないが背に腹はかえられない。

 

「まっ、どうするかはあなたに任せるわ」

 

「そんなの悩むまでもねえってばさ。スミレは俺が看病する!」

 

 そう決意した目で見る。·····ハナビとしては年頃の2人を一晩だけとは言え一つ屋根の下にするのは倫理的にどうなんだろうとは思うが状況が状況だ。しょうがないと割り切りボルトに言った。

 

「分かったわ。でもあなた一度帰った方が良いわよ? お風呂とか着替えとかも、あと姉様にも言っとかないと後で怖いわよ?」

 

「忘れてたってばさ」

 

 そう言ってボルトはスミレとハナビを交互に見て悩んだ。

 お風呂と着替え、それは正直それを1日ぐらいやらなくてもいいとは思ってる。しかしそれは男の友達の所に泊まった時とかだ。当たり前だがスミレは忍びである前に女の子である。それ故にそれについては言い返せず不承不承頷いた。

 

「·····分かったってばさ。じゃあ直ぐに戻って来るってばさ! それまでスミレの事頼むなハナビの姉ちゃん!」

 

「はいはい〜、行ってらっしゃい!」

 

 そう言いボルトは全力で家に帰って行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(ここ·····は)

 

 スミレは少し重い目を開けた。そこにあったのは日向邸から見える空ではなく見慣れた天井だった。そして焦点を少し合わせた。

 

「何で私の部屋に·····」

 

 そして思い出した。自分はワサビとの戦いの時に水蓮波を撃ちそしてそれがボルトの眉間に·····

 そこまで思い出した瞬間にはね起きた。

 

「ボルト君!」

 

「俺がどうしたんだってばさ?」

 

 そう言ってリビングの方から来たのは少し狭いお風呂場にあった桶を持って来たボルトだった。

 

「ぼ、ボルト君大丈夫!? 怪我ない?」

 

「あんまり動くなってばさ。まだ熱が下がってないんだから」

 

 ボルトにそう言われた瞬間に体が熱を思い出したように辛くなって思わずまたベットに逆戻りした。

 そしてボルトはスミレのベットの隣に行き元々引いてたであろうタオルの上に桶を置いた。そしてスミレが先程起き上がり前に飛ばした小さめのタオルを回収しそのさぞかし冷たい水に入れた。そのタオルを出し思いっきり捻りスミレのおでこに乗せた。スミレは直ぐ横の箪笥を見てそこに冷却シートがあるのを見て聞いた。

 

「冷却シートって、長持ちすると思うんだけど?」

 

「ああ、だけどやっぱり冷たい方がいいと思ったんだ」

 

 要するに冷却シートは最初は冷たいが徐々に熱くなっていき効果が薄くなると思ったそうだ。

 冷却シートの横を見ればスミレの額当てがある。昔の結ぶのとは違い今はバンドだから他人でも簡単に外せるのだ。

 そしてボルトはお粥を作ろうと思い立ち上がった。だがスミレが反射的にボルトの腕を掴んだ。

 

「スミレ? どうしたんだ·····」

 

 ボルトが止まったのはスミレが震えていたからだ。

 ボルトは後で話を聞こうと思い優しくその掴んでる腕に手を当て言った。

 

「俺はどこにも行かないってばさ」

 

 スミレはそれを聞き少しビクッとした。そしてそーっと離した。

 

「じゃあキッチン借りるってばさ」

 

「う、うん」

 

 ボルトはそう言ってスミレが動いて落ちたタオルをまたスミレのおでこに乗せてキッチンに行った。そして少し経ちボルトはスミレの部屋にある1番大きめな鍋を持ってきた。1番大きめなと言ってもスミレは一人暮らし故にそれなりには小さい。

 そしてこれまた予め置いてたタオルの上に桶を蹴飛ばさないように気をつけながらその鍋を置いた。

 寝てるスミレからは見えないがいい匂いがしてる。お粥でいい匂いを出すのはそれはそれですごい。

 そしてリビングからボルトは椅子と小さい皿を持ってスミレのベットの隣に置いた。

 ボルトは桶をそーっと少し離れた所に置いた。

 

「スミレ、少し起きれるか?」

 

「う、うん」

 

 ボルトの手助けを得ながら上体を起こした。そしてボルトはお皿に今のスミレが食べれそうな位の量を入れスプーンを掬いスミレにの口に近づけた。

 その瞬間にスミレの理解が色々落ち着いた。

 

「ほら、スミレあーんしろよ」

 

「え? はわわわ!」

 

 スミレは色々パニックになっていた。熱を出した女の子の看病で男の子·····それも気になってる男の子がお粥を自分で作りそれを女の子にあーんするってどこの恋愛小説なのだ、と一瞬で思った。だがしかし体がだるいのも本当でありそして何より

 

(こんなのは·····もう無いかもしれない)

 

 そう無理やりに納得し熱を出てたのも相まって顔は赤面になりまくっているが決心し

 

「あ、あーん」

 

 もう羞恥で顔は真っ赤なのは確実だ。だけどボルトの話が本当なら今は自分は熱が出ているらしいからそれで誤魔化せるとこれまた無理やり納得した。

 そしてそのお粥をスプーンごと口に入れゆっくり全て口に入れた。スプーンを抜いてもらいゆっくりと咀嚼した。

 

「ど、どうだってばさ?」

 

 いつも自信たっぷりなのに何故か伺うようなボルトに少し微笑んだが口のものを飲み込み答えた。

 

「うん、美味しいよ。ありがとう、ボルト君」

 

「良かったってばさ。母ちゃんに即席で美味しいお粥を作る方法聞いといて良かったぜ」

 

「ヒナタさんが?」

 

 そして今更のように状況をを理解した。スミレの部屋にはボルトと自分しかいないことに気がついた。そしてそれを気づいた瞬間にまたもや赤くなった。そんなスミレの内面の事なんて知らずボルトはまたお粥を掬いスミレの口に近づけた。

 スミレはもうやぶれかぶれでボルトからあーんされるお粥を食べた。

 

「「ご馳走様でした!」」

 

 ボルトとスミレは手を合わせ言った。

 

「じゃあまた少し待っててくれってばさ。洗ってくる」

 

「あっ、私が」

 

 私がすると言いかけた瞬間にまたもやふらっとしてしまいボルトに支えられた。そしてベットに横にされた。

 

「無理するなってばさ。俺が好きでやってるんだからさ」

 

「ありがとう」

 

 ボルトはニカッと笑い鍋と小皿を持って行った。そして水の音が聞こえた。少し経ちボルトは薬と水を持ってきてスミレの隣に座った。そして薬の箱の裏の説明を読み薬を出してスミレに差し出した。

 

「あ、ありがとう」

 

 スミレは受け取り薬を飲んだ。そしてボルトに返した。ボルトはいつにも増して真剣に聞いてきた。

 

「それでスミレは何で無茶したんだってばさ?」

 

 スミレは悩んだ。しかしもう倒れてしまった以上ボルトやワサビとナミダももう聞きまくってくるだろう。そう思い白状した。

 

「夢……見たの」

 

「夢? どんな夢だってばさ?」

 

「私が·····皆を殺す夢」

 

 流石にそれを聞いたボルトは少し唖然としたがスミレは続けた。1度出したら全て吐きたくなった。

 

「私がアカデミーのドアを開けたら夢の中のサラダや皆が侮蔑の目で見てきて、理由を聞いたら私が鵺を使って人を殺したテロリストって·····」

 

 確かに鵺は人のチャクラを吸える。しかしあのゴースト事件の時は全員チャクラは抜かれたがちゃんと生きていた。だからボルトは鵺はチャクラを吸うことでは殺せないと思っていた。だがボルトは第四次忍界対戦にて神授の木が忍び連合軍のチャクラを吸い殺されていたことは知らない。理論上は鵺でも吸いまくったら殺せることは殺せるのだ。

 スミレは嗚咽を漏らしながら吐く。

 

「それで·····私が鵺にとりつかせた時の皆が出てきて皆が死ぬ瞬間の夢も見せられて。また皆に罵られて」

 

 正直に言うならスミレは被害者には言う権利はあるとは思っている。しかしスミレがショックを受けたのは自分の罪を知った上でも友達でいてくれた人達が態度も何もかも真逆になって自分を罵った事だ。

 そして決定的なのは

 

「私じゃない私が·····ボルト君に水練波をボルト君の眉間に当てて·····」

 

 その先はもう言えなかった。本人が目の前にいるのにその先が言える訳無かった。そしてボルトもその先が分かった。恐らくその後に夢の中のボルトにも罵られたんだろう。

 それを聞きボルトはゆっくりスミレに抱擁した。嫌がられたら直ぐに離そうとは思っていたが少し強ばらせたが直ぐに力を抜いた。そして耳元で妹のヒマワリにもするように頭を撫でながらそう言った。

 

「だから俺が来た時·····正確には俺に水蓮波を当てた時に気絶したのか」

 

「うん。ごめんね、いきなりでびっくりしたよね?」

 

「まあな、でも知れて良かったってばさ」

 

 そして少し強めに抱擁した。スミレはそれはそれで内心穏やかではなかったが心地よかった。

 

「俺が·····俺らがスミレにそんな事言うわけないだろ? 第一そんな奴がいたら俺がぶっ飛ばしてやるってばさ!」

 

 それだけしか聞いていないのにスミレは胸のモヤモヤが消えていくのが分かった。

 

 ──―君は本当に凄いなあ

 

 スミレの脳裏にあるのはそれだけだった。自分がどれだけ悩んでうなされてもボルト君は真っ直ぐな言葉で励ましてくれる。無意識に抱き返していたのは気がつかなかったが。

 

「スミレはもう自分の罪とはいっぱい向きあったんだ。だからもう自分を責める必要なんてないんだってばさ」

 

「そう·····かな?」

 

「そうだってばさ」

 

 ボルトはスミレがそんな夢を見た原因は親子の日の時のが原因だと思ってる。ナルトやボルトに言われた事は胸にしみた。だがそれと同時に自分の潜在意識·····有り得たかもしれない可能性が夢に出てしまったんじゃないかと。なら自分がそんなスミレに赦しを与えれば良いのではないかと思ったのだ。

 しばらくそのまま抱き合っていたが流石にスミレがオーバーヒートしかけた時ボルトはゆっくり離れた。

 

「あ……」

 

 そんな残念そうな声を思わず出してしまったスミレであった。

 

「寝れそうか?」

 

「多分寝れないと思う」

 

 倒れたのがお昼ぐらいで夜になるまでずっと寝ていたからの判断であった。実際に今から寝るのは少し辛いし·····何よりまたあの夢を見てしまうかもしれないという思いがあった。それとボルトに抱擁された時の鼓動がしばらく収まりそうにないというのもあった。

 

「じゃあ少し喋ろうぜ!」

 

「うん、いいよ」

 

「でも無理だと思ったら言えよ」

 

「うん、分かった」

 

 そして2人はお喋りを始めた。アカデミー時代の事を中心だった。そして今は修学旅行の霧隠れの里に行った時の事を話していた。

 

「サラダが俺を探しに来たのスミレのおかげだったのか」

 

「私はボルト君がいないって言っただけだよ。その後に先生とかの誤魔化しはやったけど」

 

 修学旅行の際、ボルトが自称新忍刀七人衆のリーダーの屍澄真に一度やられ気絶した時にサラダが医療忍術で助けに来てくれた時。

 サラダが何故自分を探しに来たのだろう? と言う謎が解けた。

 そして次は下忍試験の後の秋道家が開催したスキヤキの時の話だ。

 

「あの時はシカダイが色々取り仕切って助かったぜ」

 

「そうだね、シカダイ君がいなければもう少し修羅場になっていたと思うよ」

 

「スミレはスキヤキを食べる前にももうすげえテンばってたな!」

 

「う、い、言わないでよボルト君」

 

 スミレはその下忍試験後のスキヤキには後見人のサイに誘われて秋道家に来た。しかし生まれて初めて大人数で鍋を食べるというのが初めてだったスミレはシカダイ曰くスキヤキを食べる前にも「はわわ」を16回言ったそうだ。

 スミレは次に卒業式の時の事を聞いた。

 

「あの時もボルト君が最初いなかったからびっくりしたよ」

 

「準備があったからな。元気かなリョウタクのやつ」

 

「そう言えば何であんな事をしたの?」

 

 あんな事とはボルトが普通科にいたリョウタクという生徒と一緒に花火を打ち上げた事を聞いたのだ。

 

「リョウタクって言ってさ、自殺しようとしてたんだってばさ」

 

「え? な、何で?」

 

「自分が頭がいいのが気に食わないって言う連中にいじめられてたんだってばさ」

 

 そしてボルトはそこから卒業式の裏話を語った。

 リョウタクはいじめっ子に卒業式の総代に出るなと言われ出たらみっともない写真をばらまくと脅されたそうだ。そしてもう何もかも嫌になったリョウタクは最初はアカデミー事吹っ飛ばして自殺しようとしたらしい。

 しかしそこに爆弾代わりの花火を見つけリョウタクの居場所を調べたボルトが間一髪現れ事情を聞いた。

 そしてそこからボルトは職員室にいたシノの所に直行した。

 そこでボルトは少し暗い顔になった。

 

「どうしたの?」

 

「あ、いや。その時にシノ先生に言われた事を思い出して·····さ」

 

「何を言われたの?」

 

 ボルトは正直悩んだ。これを聞いたスミレが侮蔑してくるのではないかと思ったのだ。しかしスミレなら大丈夫、そんな不確定な確信があった。

 

「俺は·····さ、委員長」

 

 スミレはボルトがまた委員長呼びをしたのはただ素で出たのではなくわざと言った事に気がついた。それは今の忍びになった時ではなく、アカデミー時代に思ってた事を言うための分別だと結論づけた。

 

「俺は·····あの時まで罰は制裁のため、罪を犯したやつの更生の機会を奪う事なんてどうでもいいって思ってたんだってばさ」

 

 スミレはそれを聞き少し黙った。ボルトが言うのを躊躇った理由が分かったからだ。更生の機会を奪ってもいい、即ちそれはスミレの更生何てどうでもいいって無意識に言ったのも同然だったからだ。

 ボルトにとってはスミレは大切なクラスメートであり木の葉の仲間である。しかしボルトはスミレが赤の他人ならこうまでスミレを励まし導くことはなかっただろう、それどころかスミレは正真正銘取り返しのつかない事になっていたかもしれない。スミレがアカデミーに戻れたのは死者が1人もいなかった事、そして鵺の1番最初のターゲットがデンキではなくスミレ自身だった事もあった。鵺は心が弱い又は弱くなっている人にとりつかせる。それが母親も父親も亡くし一人ぼっちで里に来たスミレにもとりついたのだ。

 

「·····ボルト君が言うの躊躇ったのはそういう事なんだね」

 

「その、すまねえってばさ委員長」

 

「うんうん、その時のボルト君みたいな考えを持ってるのはしょうがないよ。それに私はずっと自分の罪と向き合うよ。例え皆が許してくれても、私はきっと向き合い続ける」

 

 そのまま少し2人とも沈黙してしまったがスミレが気を取り直すようにボルトに続きを聞いた。

 

「その後シノ先生といじめっ子をあぶりだす作戦を考えて俺はリョウタクに『なんかデカい事をやって、あいつらの度肝を抜いてやろう』って言っただけだってばさ」

 

「それがあの花火?」

 

「ああ、あれは元々アカデミーをぶっ飛ばす為に用意したものだったらしいけど俺が話した後にそれを使えないかと言われたからアカデミーを飾ったんだ。全部リョウタクが頑張ったんだぜ?」

 

「そうなんだ·····、そのいじめっ子の人達はどうしたの?」

 

「リョウタクが派手な動きをすれば絶対に動くと思ったからな、そこをシノ先生の虫で追跡してシノ先生とイルカ校長で現場突入したらしいぜ。俺はその場にいなかったけど」

 

「記念写真を撮ろうとしてた時だからね」

 

 自分のクラスメートでもない子を助ける。それはスミレにとってのボルトの美点だと思っている。いや、もっと大雑把に言うなら自分が友達認定した人達なら皆助ける。自分が鵺を呼び出しミツキと戦ってた時ボルトが来た。その時スミレはボルトに家族を取るかスミレを取るか、その選択を迫った。あの時スミレはせめて悪役で通しボルトが自分の事を酷いやつと割り切れるようにしようと思った。だがボルトはそんなスミレの予定を良い意味で狂わせた。どれだけ自分が反逆者と言ってもボルトは引かずそれどころかクラスメートだから止めると言ってくれた。そして実行して見せてくれた。

 そしてそんな話も終わりスミレは今日ずっと気になった事を聞いた。

 

「今日は何で日向に来たの?」

 

 スミレはボルトが日向に来ること自体は不思議ではないと思ってる。日向の姫の息子で自分の上司の甥だからだ。ただ単純に気になったのだ。

 

「ああ、母ちゃんに使いを頼まれたんだってばさ。それであわよくばハナビの姉ちゃんに修行をつけてもらおうと思ったんだけどもうスミレ達がやってたからどっちにしろ無理だったな」

 

「そ、そうなんだ。なんかごめんね」

 

「スミレが謝ることはねえってばさ。自分達の修行を優先するのは当然だってばさ」

 

 スミレはもう1つ、何故ボルトがここにいるのかが気になったが何となく聞くのを躊躇った。ボルトはそう言った後にスミレのおでこのタオルを回収し水をつけまたスミレのおでこに乗せた。

 そして聞いてくる。

 

「そろそろ寝るか?」

 

 時計を見ればスミレが普段寝る時間だった。スミレとしてはもう少しボルトと話したいが恐らく言っても無理するなと言って無理矢理でも寝かすだろう。

 

「スミレが寝たら俺も帰るってばさ」

 

 ボルトはハナビに明日まで宜しくと言われたがよく良く考えればボルトも年頃の女の子と1日一緒なのはスミレの気持ち的にどうなんだと思いそう口にした。だがそれを聞いたスミレはボルトの手首を掴んだ。その顔は真っ赤だ。しかし上目遣いでボルトに言った。

 

「どこにも……行かないんじゃなかったの?」

 

 スミレは勿論先程ボルトがそう言ったのは気持ち的にというのは分かってる。しかし今は物理的にもいて欲しいと思ったのだ。ボルトはそれを聞いて直ぐに顔が赤くなってしまった。

 ボルトが少し考えてる間にもスミレは内心で自分が言ったことに対してパニックになっていた。

 

(はわわわわわわ!! 私何て事を!)

 

 そんな事を考えながらボルトに言った。

 

「また·····あの夢を見ちゃうかもしれないから」

 

「わ、分かったってばさ。じゃあなんかあまりのシーツとかねえか? 俺は床で寝るからさ」

 

「だ、ダメ。お客様にそんなのさせられないよ」

 

「い、嫌でもベットはスミレが使ってるのしかないだろ?」

 

 確かにそうだ。リビングにもソファーなどはない。しかしベットが1つしかないのも事実。そこまで考えスミレはまた勝手に口が動いてた。

 

「は、半分にすれば寝れるよ」

 

 突拍子の無いことを得意とするボルトでも流石に数秒止まった。そして恋愛耐性のないボルトは昔の母親のように真っ赤になった。

 

「だだだだダメだろ! スミレの寝る所削ったら悪いってばさ!」

 

「それならボルト君を床に寝かすのも悪いよ!」

 

 両者譲らない。しかしボルトは泊まると言った以上やっぱり帰るという選択肢はない。つまりはどちらかが引かなければならない。普段なら気が弱いスミレが引きそうなものだが気が弱いだけでスミレは芯は強い。そしてそのまま少し方向性がおかしいが夫婦喧嘩みたいな事をしボルトが折れた。

 

「わ、わかったってばさ。寝れば良いんだろ寝れば!」

 

「う、うん」

 

(はわわわ!! は、恥ずかしいよ!!)

 

 だがスミレの中にボルトを床で寝かすという選択肢はなかった。

 

「じゃあ歯磨きするか、スミレのも持ってくるから待っててくれってばさ」

 

 そう言って洗面所に行き自分の歯ブラシとスミレの歯ブラシ、そしてタオルを持ってきた。スミレの上体の下にタオルを置いて歯ブラシをスミレに渡したボルト。2人はそのまま無言で歯を磨いていたがスミレの心中は穏やかではない。歯を磨くという行為もボルトの前では恥ずかしいのだ。そしてボルトは終わったようだ。そして歯ブラシを咥えながら言ってきた。

 

「スミレ立てるか?」

 

「う、うん」

 

 流石に歯磨きの終わりはスミレにもたってもらわなければならない。スミレはボルトの肩を借りながら立ち洗面所に行き歯磨きを終わらせた。そしてベットに戻った時ベットを寄り半分ぐらいスペースを開けた。ボルトは親子の日の夜と同じような格好をしていた。ボルトはスミレの近くまで寄っていき最後に聞いた。

 

「えっと、スミレ本当に良いのか?」

 

「も、もうしつこいよ、良いって言ってるでしょ?」

 

「わ、分かったってばさ」

 

 ボルトは女の子と一緒に寝るのは初めてという訳では無い。サラダとも小さい時は一緒に寝た事はあるしヒマワリともよく寝ている。しかし今のこの状況は訳が違う。サラダはまだ小さい時だったから、ヒマワリは妹だからと言い訳が出来るがスミレはそのどちらでもない。同年代の女の子なのだ。スミレは布団を少しあげ目線で早く入れと言ってくる。ボルトは電気を消しそーっと同じベットに入った。しかし元々シングルベットだ。肌と肌が接触すのはしょうがない。しかし2人とも初めての経験故に少し触れ合っただけでも反射的に謝ってしまう。そして2人はまだ覚醒したままだった。そしてスミレは大事な事を聞くのを忘れていた。

 

「そう言えばボルト君、ヒナタさんにちゃんと言っといたの?」

 

 ボルトはアカデミー時代から自分の母ちゃんが怖いとよく言っていた。スミレはボルトの家に行った時特にそういうのを感じなかったがあれはスミレがいたから何か怒ることはあっても言わなかっただけかもしれないと思ったのだ。

 

「ああ、大丈夫だってばさ。ちゃんと言っといたぜ。まあ複雑そうな顔はしてたけどな」

 

 スミレはそれを年頃の男女が同じ部屋で1晩過ごす事だろうなと思った。そして2人はそのまま眠りに落ち·····

 

(ボルト君と同じベットだなんて·····)

 

 ていなかったのはやはりスミレだった。目を閉じた瞬間にあの夢がまた再生されそうで寝付けないのだ。そのまま少し身動ぎしていたら声をかけられた

 

「スミレ、寝れなねえのか?」

 

「ぼ、ボルト君起きてたの?」

 

「いや、何か動いてるなと思ったんだってばさ」

 

「はわ、ごめんなさい」

 

「良いってばさ、それで何で寝れないんだってばさ?」

 

「·····寝た瞬間にまたあの夢を見そうで·····怖いの」

 

 ボルトはそうそう聞いた後少し黙り横で動く音がしたからスミレも体を横に倒して見た。そこには暗い中でも見える蒼色の瞳が自分を真っ直ぐ見つめてた。スミレはそれにドキッとした。ボルトの顔も赤い。そしてボルトまた少しずつ寝ながらスミレを抱擁して行った。その後にさっき励ましたように頭を撫でてきた。それでスミレは小さい頃に母親にも同じことをしてもらった事をまた思い出した。スミレもぎこち無くボルトの背に手を回した。そしてそのまま撫でを受け入れた。ボルトの胸に顔を埋めた。

 

「大丈夫だってばさ、今日は俺もいるからな」

 

 そう安心させるように言ってきた。

 スミレも微笑みながら返した。

 

「うん、ありが·····とう」

 

 途中で止まったのは一気に睡魔がきたからだ。そして2人は互いに抱擁したまま眠りに落ちた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ただいまだってばさ!」

 

 夫のうずまきボルトが長期任務から帰ってきた。スミレは料理の手を止め玄関に向かった。そこにいたのは右目に傷があり今のバンド型の木の葉の額当てではなく結ぶ方の真一文字の傷がついた額当てをし、うちはサスケから譲り受けた刀とマントを羽織ったボルトだった

 

「ボルト君おかえりなさい!」

 

「スミレ久しぶりだってばさ!」

 

 そう言って少し抱きあって久しぶりの口付けをすると割と直ぐに離しボルトはスミレの後ろに背負われている赤子を受け取り愛でていた。

 それを微笑みながら見守るスミレ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はっ!」

 

 その声と共にスミレは目を開けた。周りは朝日の前ぐらいで暗かった。そして目の前にいるのは

 

(ボボボボルト君!?)

 

 そう思い思い出した。自分からボルトをベットに誘いそして自分はなかなか寝れずボルトに寝れない理由を言ってボルトが抱擁してくれた事を。スミレはそーっとボルトの寝顔を観察する。

 

(可愛いなあ。やっぱりヒマワリちゃんと似てる)

 

 親子の日に泊まった時にスミレはヒマワリの部屋で寝た。その時にヒマワリの寝顔を見たのだ。そこまで考えた時夢の事を思い出した。

 

(はわわわわわわわわわわわわ!!)

 

 今まで見ていた夢と何もかも全くの真逆だ。見ていた時間も幸福か否かという事も。だが圧倒的に今見た夢の方が幸福だった。そして夢の中での自分達の行動を振り返った。そしてスミレはボルトに回してた片手を少し狭い隙間を通し自分の口元に触った。それだけで夢の中の感触が思い出されますます赤くなっていった。そしてボルトだんだん部屋が明るくなってることに気がついた。そんな時

 

「す·····ミレ」

 

 ボルトが寝言で言ったであろうそれを聞いた瞬間にスミレの時は色々な意味で止まった。そしてボルトを起こさないように心の中で悶絶していた。

 

(ボルト君、普段はひょうひょうとしてるけど·····意識してくれてるのかな?)

 

 スミレははっきり言ってボルトに恋愛感情を持っている。それは自分を励まし、取り返しがつかなくなる前に自分を止めてくれた事、そんなボルトの性格に惹かれたのだ。サラダ辺りもボルトの事は馬鹿だとは思っているがそういう面では尊敬してると言っていた。

 

『委員長だって幸せになって良いってばさ!』

 

 親子の日にボルトにそう言われた事を思い出した。スミレは無意識的に体が動いていた。先程よりも少しボルトに密着し顔もボルトにもう少しでつくという所まで近づけた。

 そして·····唇と唇が重なった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その日スミレは体調が不思議と良くなったのでいつもの任務を受ける為の所にボルトと共に来た。そのスミレの顔は違う意味で真っ赤だったが昨日とは別人のように吹っ切れていた。そしてアカデミー時代よりも仲が良さそうな雰囲気を各自の班のメンバーに見せつけていた。それを少し唖然と見ていたのはハナビ以外の女子メンバーだった。ミツキは特に変わりなく不思議な感じで2人を見ていた。ハナビはハナビで少し驚いていた。そしてそれぞれの前に来た時

 

「あれ、俺達遅刻はしてねえよな?」

 

「え、ええまあ」

 

 サラダがそう返す。

 

「でも任務はもう聞いといたから行きましょ」

 

「おう、分かったってばさ」

 

 そう言ってスミレに向き直り

 

「じゃあスミレ、無理するなよ」

 

「う、うん。昨日はありがとうボルト君」

 

 そう言ってボルト達3人は歩き始めたがボルトが唐突に振り返ってまた近づいてきた。スミレはそれに気がつき首を傾けた。

 

「どうしたの?」

 

「ああ、スミレが治ったら母ちゃんがまた一緒に食べないかって言ってたから今日は任務の後は大丈夫か?」

 

「はわわ、いいの?」

 

「おう! じゃあ任務が終わったらここに集合な」

 

 そう言ってボルトは仲間の元に戻った。そしてスミレはそれを見送り振り返った。そして謝った。

 

「皆、ごめんなさい。心配かけて」

 

「その様子ならもう大丈夫みたいね?」

 

「はい!」

 

 その他2人はスミレを元気づかせたのが自分達ではなくボルトだったのが少し所か結構ショックだがそれよりもスミレが元気になった方が嬉しかった。

 そして任務を受けに行く最中スミレはほかのメンバーの目を盗んで唇に指を当てた。そこにある感覚は生涯忘れることは無いだろう。そしてその感覚と共にスミレはもう1つ決心した。

 

(ボルト君を頑張って振り向かせる!)

 

 そう心の中で呟き皆に続く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 おまけ

 

 

 

 

 スミレは割と気になった事をスミレの為に無理のない任務を受けた任務の休憩中に聞いた。

 

「その、先生も皆何でボルト君が部屋にいたのか知ってるの?」

 

「まあ私達が入れたからねえ」

 

 そう答えたのはハナビだった。少し微妙な顔をしてるのは何故だろうと首を傾けた。そして残りの2人は何故か少し機嫌が悪くなったように見えた。しかしその顔が2人して悪戯を思いついたって顔をしスミレに緊張が走った。

 

「それはなスミレ」

 

「スミレがボルトを呼んだからだよ?」

 

 それを聞き再びスミレはまたもや時間が少し止まった。そして徐々に慌てた。

 

「はわわわわわわ! よ、呼んでないよ!?」

 

「いや、呼んでたわよ?」

 

「は、ハナビ先生まで!」

 

 そして2人は少しモノマネ風に言った。

 

「ボルト······君」

 

「まっ·····て、ボルト···君」

 

 それを聞きながらスミレは羞恥で顔を真っ赤に染めた。その言葉はどれも自分があの夢の中で何度も言ったセリフだったからだ。

 もうこれからは偶にからかわれるのが確定してしまった。だがそんな日常も今の自分には幸せと思えたのだった。

 

 

 

 

 

 

 ·····後にボルトにも聞かれてたと知ったが




お疲れ様でした。今回はノベライズ版5巻にあったスキヤキの話、シカダイが主役の話でしたがスミレも出るんで出しました。そして卒業式の話、これもノベライズ版から取ってきました。良かったらボルトのノベライズ版も見てみてください。アニメではわからなかった心情描写などがあるんで面白いです。後ノベライズ版だけのセリフもあるんでそれを探すのもいいと思います。

そしてスミレ、一歩踏み出す(色んな意味で)
そこまではないわーという人、ごめんなさい。正直自分でもどうかとは思いました。しかし決心する為に少しオーバーでも良いかなと思いやりました。
ではまたねーヾ(。・∀・。)

修業パート誰目線でやる?

  • ボルト&ナルト
  • スミレ&ビオラ
  • 自来也&サスケ
  • 最早全部やれ
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