ボルトとスミレ 基本的にif   作:レオ2

41 / 51
おはようございますm(*_ _)m。
今回からタイムスリップ編までダイジェストではなく普通に進行にします(そうしないとアニメに追いついてしまう)
そういう訳で守鶴を木の葉に運ぶ編です。どぞ(っ´∀`)っ


守鶴輸送大作戦!

 いつも通りの喧騒の中にある木の葉隠れ。最早同期達の集まり場になった雷バーガーにボルト達はそれぞれの任務を終えて集まって休んでいた。そんな彼らの話題は明日からある久しぶりの連休についてだ。

 

「私とサラダは3泊4日の蟹ざんまいのグルメツアー!いのじんは?」

 

「父さんも休みだから釣りに行くよ。シカダイは?」

 

「風の国にある母ちゃんの実家に行かなきゃ行けねえんだ」

 

 そうげっそりしている。シカダイは木の葉のNo.2の息子でもあるが砂隠れの里のNo.1の甥でもある。そして複雑な家庭環境故にシカダイは風の国にあんまり行きたくないのだ。その反対側ではボルトが頬をついてる

 

「俺も爺ちゃん達とキャンプに行く事が決まってさ。あーあ!サスケさんに修行つけてもらいたかったな!」

 

 そうやけ食いのようにハンバーガーを喰らい始めた。ボルトが少し不満げなのはサスケに稽古をつけて貰えないのもそうだが祖父の日向ヒアシが少し苦手なのだ。この前彼女であるスミレを連れて行った時は威厳が半端なかったのにやはり途中で孫煩悩なそれに変わりスミレにもその様を見せた。

 

「まだ返事ねえの?」

 

「サスケさん連絡する時は鷹を飛ばすって言ってたからずーっと待ってんのにさ」

 

 そこでサラダが呆れた目を向けながら言う。曰くパパがどこで何してるのかも分からないのにそんな約束を守ると思う?と。一年中キャンプしてる人とも。父親に辛辣である。流石早すぎる反抗期を終えた人だ。

 

「それがいいんだよ!里になんか縛られずに世界中を飛び回って陰から火影を支える。それってかっけぇよ」

 

 良い意味でも悪い意味でも現代っ子らしいボルトの言葉である。しかしその根底にあるのは夢を持ち強くなりたいという忍の本質である。そこでサラダは思い出したように聞いた

 

「あんたスミレと一緒にキャンプに行けるんだから喜ぶべきなんじゃないの?」

 

 そう、スミレがボルトの居候しているのは最早周知の事実だ。次いでに言うならここにいる奴らは殆どがあのウエディング雑誌を見た·····と言うよりも本屋の店頭にあったから知っている。2人がそれで羞恥したのは言うまでもなく。この2人のイチャイチャ具合もサラダやシカダイ達は漸く慣れ始めた。·····シカダイ達に見せていたのは1割のイチャイチャ度もないのだが。

 

「スミレはカタスケ先生と砂隠れに技術提供しに行く為の手伝いなんだと」

 

 スミレはキャンプには行けない。風の国は貧困だ。だからこそ低金でリスクを低くしリターンを多くする為の方法を探し続けている。同盟国である木の葉がその助けになるかもしれない技術を提供しに行くのである。スミレはその為の手伝いだ。スミレの他には犬塚アキタと呼ばれるカタスケの助手も行く。だからスミレはキャンプには行けない。今回働いた分は後から振り返りで休める事にはなっているが。スミレがキャンプに行けないと知ったヒマワリはめちゃくちゃ寂しそうな顔をしたが兄よりかは物分りがいいのか不承不承頷いた。発表自体は砂隠れに着いて2日後だがスミレ達は早めに現地入りする事になっている。だからもう明日には砂隠れに向かうのだ。

 ボルト達は解散してボルトは里をぶらぶらし始める。確かにスミレと一緒ならキャンプに行くのもやぶ蛇では無いのだがスミレも行かないということでテンションが下がってる。どうしようかなぁと思っていたら空を飛んでいる鷹を見つけた。その鷹はサスケのものだった。

 

「あれはサスケさんの·····」

 

 そう呟けばボルトは鷹が行った火影屋敷まで走った。やはり鷹はサスケのものだったようで何やら連絡があったようだ。鷹は賢くベルを鳴らし忍に迎えに来させて連絡の手紙を届け待っていた。ボルトはその鷹の鍵を外し鷹に撹乱させて連絡を受けサスケの居場所を掴んだ。3日後砂隠れの里の外れに来るようだ。ボルトはさっさと火影屋敷を退散して夕日が出ている里を歩きながら確か午前中の電車でスミレは砂隠れに行くと言ってたなと思い出した。だが·····正直同じ電車に乗るのは悩む。ただでさえヒマワリはスミレが行かない事を寂しく思っているのにその上自分も行かないとなれば·····。それをスミレが知ればどうなるのか全くの未知数だ。

 そう考えながら帰路に着いた。

 

 翌日ボルトは眠い目をこすりながらリビングにやって来てスミレがいない事に気がついた。

 

(ま、まさかもう行ったのか?)

 

 そう不安になるがその様子を出さまいとして朝食を食べる。そしてヒナタとヒマワリにミツキと合宿するからキャンプには行けないと言う。

 

『ヒマ 忍には日々の練習の積み重ねが大事なんだ。わかってくれ』

 

「おじいちゃん悲しむよ」

 

『兄ちゃんもつらいんだ。けどじいちゃんならわかってくれるさ』

 

 確かにヒアシは現役の時代が時代だから分かってはくれるだろう。しかし理解と感情は別物なのはボルトには分からなかった。結局ボルトは嘘を突き通した。スミレが居れば普通に怪しまれたがスミレはもう出発してしまっていた。ボルトがすやすや寝てたからスミレも起こさなかったのだ。ただ少し会えなくなるから頬にキスはして行った。誰も見てなかったのをいいことに。

 

「一緒に行きたかった!」

 

「また今度な〜!」

 

 そしてヒマワリ達が見えなくなればボルトは駅まで走った。だが間に合わなかった。一方スミレはカタスケとアキタと一緒に電車にいたが見知った顔がいて声をかけに行った

 

「シカダイ君?」

 

「ん?よう委員長。そっか。ボルトが砂隠れにって言ってたな」

 

 風の国に行くシカダイと母親のテマリだった。同期がいてスミレは少し安心した。乗り遅れたボルトが貨物車にいる事を知らずに。ボルトはスミレ達が乗っている電車には間に合わなかったが丁度風の国に行く貨物車を見つけボルトはそれに乗った。ミツキが失踪した時のように里は緊急事態になっている訳でもないから里抜けの罪はない。

 

「寒い〜!」

 

 とボルトは暖房も何も無い貨物車で凍えていた。スミレとシカダイが居る電車は暖房がついてて暖かい。ボルトはスミレがいれば抱き合って暖を取るのにとか思っていた。そして翌日ボルトは貨物車を降りた。そこがサスケの来る場所だと思ったからだ。

 

「げっ!もう一駅先かよ!」

 

 とボルトは思わず叫んだ。場所が見事に間違っていたのだ。ボルトは日が照ってる中電車の線路を辿りもう一駅先を目指していた。しかし風の国の環境はやたらと暑く足場も砂漠に近いから体力も水分なくなっていく。持ってきていた水も底をついた。オオノキには水筒の作り方は教わったが水の取り方は教わらなかった。

 

「サスケさんに会うまでは·····」

 

 それ以上言葉は続かなかった。

 

 

 ★★★★★

 

 

 ボルトは見知らぬ天井を見上げ目を覚ました。少し頭がクラクラするが何とか起き上がれば自分にかけられていた布が落ちる。それと同時に少女が安堵した顔で寄ってきた

 

「良かった〜!目が覚めたんだ。」

 

 ボルトは立ち上がりながらキョロキョロと周りを見てここは何処なんだ?と聞く。少女は自分とお父さんの家と答える。

 

「私イサゴ。」

 

「俺はボルト。俺どれくらい寝てたんだ?」

 

 外を見れば自分が倒れた時と同じ位の温度と気候だった。もしかしたら少しだけ倒れていたのかもしれない。そんな望みを期待したが答えは丸一日だった。つまり1日タイムロスだ。確かサスケが連絡をしてくる時間は当時から4日後。貨物車の中で1日過ごして1日倒れていたのならあと1日しかない事になる。ボルトは直ぐにでも行こうと電車の駅までの距離を聞いたが今から出たら夕方になってしまうと返された。そしてイサゴにもう一日泊まっていけば?と言われる。そんな時大柄の髭を生やしたイサゴの父親·····ゴジョウが顔を覗かせる

 

「起きたか」

 

「あの、俺」

 

「起きたのなら帰れ」

 

 ·····辛辣であるがきちんと理由がある。

 

「怒らないで、父さん忍者嫌いなんだ」

 

 忍者が嫌い·····そんな人はボルトが知らないだけで割といる。戦争の時など何にも罪がない村などが戦地になってしまう事などあったからだ。ボルトはそんなゴジョウの元に来た。ゴジョウは自分の畑の柵を作っていた。そんなゴジョウの背中にボルトは声をかける

 

『動物が畑を荒らすのか?俺にも手伝わせてくれ』

 

「断る。忍に手を借りる気はない」

 

 やはり辛辣である。だがボルトは少し顔を顰めただけで気にせずに続ける

 

『どうして誰もいないとこで暮らしてんの?イサゴも友達いなくてつまんなそうだったぜ』

 

 これはボルトの本心だ。イサゴはボルトが同い年っぽい事に気がつけば嬉しそうに遊び相手発見!みたいな感じでせがんだ。それがボルトには少し可哀想に見えたのだ。ボルトには友達が沢山いる。この歳で言うのもあれだが愛してる人もいる。だが見た所イサゴにはそんな人はいない。それがボルトには可哀想と思ったのだ。ゴジョウは背中を見せていたがボルトの言葉を聞き立ち上がりながら言った

 

「お前、その歳では第四次忍界大戦は知るまい」

 

 ボルトの同期はイワベエ以外は13歳だ。忍界大戦が終わったのは修学旅行の時で15年前。ボルトが産まれる前だ。だがボルトは父と母からよく聞かされる。ヒナタの従兄のネジの死、火影を目指したかったナルトの師のカカシの同期の話。スミレに関してもある意味第四次忍界大戦で運命が決まってしまったと言っても過言ではない。その運命をひっくり返してスミレはボルトの隣にいてくれる。

 

「ひどい戦争だった。俺がいた村は焼き払われてな。それも敵ではなく味方にだ」

 

『なんだって!?』

 

 民間人を、世界を守る為の戦いなのにその民間人の幸せを奪っていたと聞いてボルトは思わず叫んだ。

 

「敵が隠れそうな場所を先に潰しておく。俺の村を焼いた忍はそう言っていた。本陣を守るためにはしかたのない犠牲だったそうだ。大きな目的のためなら小さな犠牲は目をつぶる。忍の考えそうなことだ」

 

 確かにそれは合理的なのかもしれない。焼いた忍は勝つ為の策だと思ってるのかもしれない。だがそこの人達の気持ちは考えもしない。

 

「俺はそんな考えしないってばさ!」

 

 ボルトは叫ぶ。確かにボルトは戦争が終わった後の平和な時代に生きている。だから当時と比べれば甘いかもしれない。だがその甘さこそがボルトの美点だ。味方から犠牲者を出さない為、誰も犠牲にさせたくない。それはボルトが持っている考えだ。スミレも、かぐらだってそうだ。だがゴジョウはそんな事は知らないからまたまた辛辣に返す

 

「どうかな…?いざとなれば人は変わる。イサゴには同じ思いはさせん。それがここに住む理由だ。」

 

 ボルトを知っている人が聞けばボルトの言葉は本当と分かるのだが。ボルトは結局イサゴの勧めで泊まることになり夜はイサゴと懐かしの忍バウトで遊んだ。だが·····連敗した。不覚。そんな時に警報ベルが鳴り響いた。ゴジョウとボルトが外に出ると先程ゴジョウが張っていた柵が何者かに壊されていた。ゴジョウ曰く発電所をここら辺に作るから立ち退けという嫌がらせだ。そんなこんなでとうとう朝になりボルトはゴジョウの家を出た。イサゴが残念そうに言う

 

「もう一日泊まっていけばいいのに!ボルトのイジワル!」

 

「おいおい·····おっちゃんもありがとな!」

 

 とゴジョウにも言ったのだがゴジョウはそれを無視する。ボルトは何となく予想はしていたがやはりされたら少し傷つく。

 ボルトはその後電車の駅目指し走り始めた。水も水筒にチャージしといたから問題ない。だがこのままいけば少し遅れる。そんな焦りが出ていた時ボルトは怪しい3人組を見つけた。隠れて様子を見てみると1人が生えていた草に何かをふっかけた。そうすればその草が急速に枯れた。

 

「ヒャハハハ!この除草剤すげぇ威力だ!」

 

「これであの親子も立ち退きますねアニキ」

 

 親子、立ち退く。このワードでこの3人がどんな人物なのか分かったボルトは3人組が走って行った方向にまた逆戻りした。そうすればやはり発電所の連中らしく卑劣にもイサゴを人質に取り立ち退かせようとしていた。ゴジョウはイサゴの命には変えられないと立ち退きを認めようとした。だが3人組は元々約束なんぞ守るつもりは無い

 

「まんまと信じてやがる。哀れだねえ田舎者は。」

 

「つまり全部でっち上げって事だな」

 

 だからナチュラルにボルトに聞かれた。全然·····発電所を建てることも全てだ。この3人はただこの親子の生活を奪いたかったのだ。動機は知らん。

 3人組はボルトの方に目を向けた。その時イサゴは自分を人質にしている奴の指を思いっきり噛んだ。

 

「ぐあああ!!」

 

 ボルトはその間に自分の手の中に螺旋丸を作り掲げながら言い放つ

 

「この事我愛羅のおっちゃんに言ったって良いんだぜ!?」

 

「デタラメ抜かすな!」

 

 ボルトはそれを聞いてもにっとしながらその螺旋丸を3人組にぶつけようと振りかぶり·····

 

「これで済んだと思うなよー〜っ!」

 

 安定の捨て台詞を吐き3人組は見事に退散して行った。弱い犬ほどよく吠えるとはよく言ったものだ。ゴジョウはボルトに近寄り聞いた

 

「なんで戻ってきてくれたんだ?」

 

『たまたまあのゴロツキたちを見ちゃって。ゴジョウさんたちは大丈夫だったか?』

 

 それを聞いてもゴジョウは無言だったがイサゴが逆に聞いてきた

 

「我愛羅様と知り合いだったの?」

 

 我愛羅·····砂隠れの里の5代目風影。今の五影の中では1番長く影を務めている。ナルトの親友で親友のシカダイの叔父に当たる人だ。だからボルトの答えは

 

「まあ…知り合いの知り合い?」

 

 確かにナルトにしてもシカダイにしても知り合いの知り合いだから間違ってはいない。その後イサゴは電車に間に合わない事に気がついた。ボルトは見てたらほっとけなかったから戻ってきたんだと言いサスケに会う事を半ば諦めた。その時ゴジョウがボルトに着いて来いと言いボルトはついて行きゴジョウはある布が覆いかぶさっている物体の前に立った。そしてその布を取ると何とそこにあったのはトロッコだった。曰く戦いに巻き込まれそうになった時イサゴを逃がす為の物だったようだ。ゴジョウはボルトにこれを使えと言った

 

「サンキューだってばさ!!」

 

 ボルトは有難くトロッコに乗り漕ぎ始め途中から風遁も使いトロッコとは思えない超加速を始めた。トロッコは電車の線路に繋がっており電車を乗り継げば目的地に着けるはずだとゴジョウは言った。その言葉通りボルトは目的の駅まで到着した。そして目的地に向かう途中に見覚えのある黒炎を見つけた。ボルトはその黒炎のある方向に走った。そうして見えてきたのは

 

「サスケさん!?」

 

 既に万華鏡写輪眼のサスケと風影の我愛羅。そして対峙しているのは肌がやたらと白く赤い釣竿を持っている男と傀儡達だった。

 

「ボルト!?」

 

 サスケは本気で驚いた。今ここでいるはずのないボルトが最悪なタイミングで来ているのだから。ボルトは釣竿の男がモモシキ達に似ている事に気がついた。つまりこいつは

 

「大筒木·····」

 

「ボルト逃げろ!」

 

 今のボルトでは重い相手だ。ボルトを庇いながら戦える相手では無い。そう考えての判断だ。だがそんな事を言っている間にも傀儡の集団がボルトに接近する。サスケはボルトを庇おうとしたがボルトは冷や汗を出しながらも好戦的な笑みを浮かべながら傀儡の集団を迎え撃った。

 

「俺を甘く見るなってばさ!」

 

 1人目、右ストレートで殴ろうとしていたが手の甲で受け流すのと同時に足払いを仕掛け転けさせクナイを用意する

 2人目、刀を振り下ろす。ボルトは背面にクナイを逆手に持ちながらぶつけ振り向くのと同時に弾いて膝蹴りを入れて吹き飛ばす。

 3人目、刀を突き刺そうとしてきたがボルトは影分身を出しその分身に刀を逸らさせ本体ボルトは掌底を食らわし吹き飛ばした。

 そうしていたら1人目の傀儡が起き上がり本体ボルトを殴ろうとしたが先程出した影分身が間に入りその傀儡を吹き飛ばした。

 

「ほお〜、やりますね。トネリさんの傀儡を簡単にいなすとは。」

 

「トネリって誰だよ!」

 

 とボルトは思わず叫ぶ。

 

「貴方には関係ない·····事も無いですが貴方に用はありません。先ずは本命の前にうちはと風影のチャクラを貰いましょうか!」

 

「舐めるな!」

 

 そう叫びサスケは釣竿の男·····ウラシキに飛んだ。だがその瞬間にウラシキの目が白眼の様な白目じゃなくサスケの様な輪廻眼に変化し飛んでいたサスケの目の前に真っ暗な異空間の扉が開きサスケはまんまとその扉に入ってしまった。

 

「甘いんだよ!」

 

 そう堅気な声で言い放つ。師匠がどこかにやられたのを見てボルトは黙っていられず突撃しようとしたが我愛羅が砂で突撃しているボルトを拘束し岩に押さえつけた。確かにボルトは今傀儡を相手に寄せ付けない戦いをした。だが大筒木はそれだけじゃ駄目だ。ボルトは案の定離せ!と言うが我愛羅は離さずにウラシキと交戦し始めた。その時何やらボルトには見覚えのある砂鉄がうようよいるのが見えた。そうしていたら離れた所にいた中忍試験決勝でボルト達が戦ったシンキが砂鉄の翼を広げてやってきた。それと同時に隠されていた一尾·····守鶴が出てきた。

 

「ほお〜、これが尾獣ですか」

 

 呑気な事を言っているウラシキに守鶴は尾獣玉を放つ。だがウラシキは簡単に躱す。我愛羅はそんなウラシキを拘束しようと砂をウラシキに向ける。だがウラシキは華麗に避けていき守鶴の攻撃も避けている。しかし我愛羅の方が1枚上手でウラシキを拘束する事に成功しウラシキの上から大量の砂がピラミッド型に覆いかぶさっていく

 

「砂瀑大送葬!!」

 

 ウラシキはまんまとやられた事を理解しながらも余裕の笑みは崩さずに

 

「今は捕まっていてあげましょう。」

 

 その言葉を最後にウラシキは封印されたのだった。しかし我愛羅も限界で倒れた。その後守鶴を護衛していた我愛羅の腹心のカンクロウやシンキと同じ仲間のヨド、アラヤが来て状況を整理。我愛羅達がここに居たのはサスケにウラシキが守鶴を狙ってるという情報を聞き守鶴を隠していたが予想よりも早く来て交戦していたのだ。

 そして我愛羅はシンキから何か茶釜に似た何かを受け取り守鶴に近寄り声をかける。曰く大筒木の封印はじきに破られる。そして守鶴のチャクラを感知出来るからそれを止める為にはこの茶釜に封印するしかない。守鶴は我愛羅が今の状態で封印術を使えば死ぬぞと言ったが我愛羅は安い犠牲だと言い放つ。守鶴は化けて出られたら嫌だから今回は自分から入ってやるというツンデレ発言をしながら茶釜に入った。

 

「カンクロウ、守鶴を木の葉にまで届けてくれ。」

 

 曰くナルトに保護してもらおうという事だ。その為にカンクロウは応援を呼ぶか?と言ったがそれでは時間がかかる。その時ボルトがいい事思いついたって感じで自分の指を噛んで血を出し印を組んだ。余程の緊急事態では無い限り呼ぶのは躊躇うが今は緊急事態だと言い訳する。

 

「口寄せの術!」

 

 そうして出てきたのは鵺だった。鵺はどうしたお前?的な表情で見てくるし我愛羅達も何故?となっているがボルトはペンと紙を出して簡潔に今の現状を書いた。そして我愛羅にサインして貰い鵺の闇色のチャクラに掴ませ言った

 

「鵺、砂隠れにいるスミレにこれを届けてくれ。出来るならテマリおばさんにも伝えて欲しいってばさ。」

 

「ぬえー!」

 

 そう吠えた後に一旦異界に帰った。何故ボルトが鵺をナチュラルに口寄せ出来るのかと言うと知らない間に口寄せ契約をしていたのだ。恐らく中忍試験の時にボルトが口寄せした時にだろう。ただスミレの様に牛頭天王がある訳ではないからボルトの能力によって大きくなるということは無い。未だにそこはスミレの力量次第だ。その後ボルト、シンキ、カンクロウは木の葉に目指す事にした。シンキは連携を考えるならばアラヤとヨドが良いと言うが我愛羅はやんわりと拒否し木の葉の地理を知っているボルトが必要と言う。そしてシンキにないものをボルトは持っているとも。シンキはそれで不勝負しよ頷き3人はさあ向かおう!という所で守鶴を封印した茶釜から小さくなった守鶴が出てボルトが唖然とした。

 

「肩苦しいのはやだやだ」

 

 そう言いながら守鶴はボルトの肩に乗った。その後3人は木の葉に向けて走り始めたのだった。

 

 ★★★★★

 

 一方、砂隠れの電車の駅にスミレやカタスケ達は向かっていた。スミレの格好は任務服のそれだ。違うのは額当てを外しているという事だけだ。技術提供自体は恐らく上手くいった。スミレも実演に協力した。だから任務服なのだ。あのワンピースでは動きにくい。今日で砂隠れから帰る。だから電車の駅に向かってるし目の前に見えてきた。しかしその駅の屋上に何やら見知った顔を見かけカタスケ達に一言言って跳躍した。

 

「シカダイ君、テマリさん!」

 

 そう言えば親子は振り返った。その顔は何故か険しかった。曰く風影の我愛羅と腹心のカンクロウ、それにシンキとヨドとアラヤ達とボルトの師匠のうちはサスケが何と大筒木に狙われている一尾の守鶴を守りに行っているというそうだ。だが待てど待てども一行が戻ってこない。そんな色々ぶっ飛んでると感じてるスミレの手にチャクラを感じた。見てみれば鵺との口寄せ契約の印が光っている。鵺からの呼び出しとは何だ?となりながらスミレは口寄せした。そうして出てきたのはミニ鵺である。その鵺の闇色のチャクラに何か挟まっている。何だろうとスミレは手に取り読んで·····唖然とした。

 

「どうしたんだい?」

 

 テマリが唖然としているスミレに聞いた。スミレは口で言うのも難しいからそのまま見せた。テマリはその手紙を読み険しく顔を顰めた。手紙はボルトからで大筒木との交戦とサスケが行方不明になったこと。大筒木を取り敢えず封印したがじきに解かれるという事。守鶴を茶釜に封印し木の葉へ向かう事など。きちんと我愛羅のサインまである。テマリはスミレからペンを借り自分のサインも入れてスミレに返しながら言った

 

「これを風影屋敷に持って来な。応援を呼ぶんだ。」

 

 スミレとしてはボルトが木の葉に向かってるのならそっちに行きたいが応援を呼ぶ必要があるのも事実。木の葉への連絡も含めてだ。スミレは少し悩み頷きその手紙を受け取った。テマリは今は木の葉に嫁いでいるがそれでも風影の姉という事は変わらない。その姉と風影本人のサインがあれば直ぐに動いてくれるだろうという判断だ。テマリとシカダイはスミレに渡した後直ぐにボルト達を追った。スミレは屋上から降りてカタスケ達に事情を説明し風影屋敷を目指した。そして着いたら門番の人に手紙を見せて事情を説明、自分の木の葉の忍という事も教え信ぴょう性を増した。連絡など諸々砂の忍に任せスミレはカタスケに寄った

 

「行くんですね?」

 

「はい!」

 

 スミレはそう言いながら自分の額当てをカチューシャの様に結んでつけた。スミレがそうしていたらカタスケはゴソゴソと何やら何個かの科学忍具を渡した。スミレの見覚えのある科学忍具だ。自然治癒力を高めた泡状のものを出せるスプレー。そして己のチャクラを刃とするチャクラ刀だ。だがスミレはそれに微妙な反応をした。確かに攻撃力は抜群なのだがそれ以上に決定的な弱点があるのだ

 

「分かっています。しかしどんなものも使い方次第。こんなものでも役に立つかもしれませんよ?」

 

 確かにそうだ。かもしれないで物事を決めるのは科学者失格だ。スミレはそう思いそのチャクラ刀を受け取った。スミレが微妙な反応をしたのはこのチャクラ刀は確かにチャクラを刃に出来るのだが刃にする為のチャクラを吸収しまくってしまうのだ。だからボルトの父親のナルトが当たりが持てばまだ良いがチャクラ量が少ない人が持つと相手を切る前にダウンしてしまう。現段階では所謂欠陥品だ。でも…どんなものも使い方次第だ。スミレは実演の為に持ってきてはいたが数は少ないクナイや手裏剣が入っているポーチにそれらを出しやすいようにして入れた。そして忘れ物がないのを確認し鵺を肩に乗せながら言った

 

「行ってきます!」

 

 鵺にボルトのチャクラを感知させスミレは最短距離でボルトの所に向かうのだった。

 

 ★★★★★

 

 ボルト達はその頃風の国の砂漠を走っていた。ボルトは慣れない砂漠を走って体力が奪われていくがシンキに負けたくなく走る。ボルトの鵺の伝言が無かったら砂隠れが試しに作って上手くいかなかった発電所に立ち寄り木の葉への連絡手段を試そうと思っていたがボルトが呼んだ鵺のおかげでその手間が省けた。シンキは鵺に任せてもいいのか?と半信半疑だったがそんな事を言っている状況では無いので鵺を信じ走り始めた。だがボルトがとうとう息を切らし始めたのを見てカンクロウが休憩しようと言う。

 

「俺は大丈夫だってばさ!」

 

「無理は良くないじゃん?」

 

 至極当然の事を返されぐうの音も出ない。ボルトは渋々水筒を取りだし飲む。そして今更の様にスミレの事を考えた。スミレ宛の手紙を鵺に任せたがあれを見てスミレが来る可能性はあるのだろうか?·····自分がスミレなら絶対に来る。忍の前に彼氏が危険な所にいるのならスミレは来るだろうと思った。素直に帰ってはくれないよなぁとなった。

 そして暫く休憩をしていたらシンキがいない事に気が付き聞いた。

 

「おっちゃん、シンキは?」

 

「シンキは水を汲みに行った」

 

「あいつも水を飲むんだな」

 

 結構失礼な態度だがカンクロウは気にせず答える

 

「当たり前だ。あいつも人間何だからな。」

 

 ボルトはシンキに色々思う事があるのをカンクロウは気づいている。シンキは共に走ってる途中ボルトに遅れるな!やら本当にあの獣に任せていいのか?等など、知らないからこその疑問を意識はしてないのかもしれないが人が聞けば割と馬鹿にしてる声色に聞こえる声で言ってくる。もう少し優しく言えないのかとボルトは思ったのだ。自分が足を引っ張っている事は分かっている。シンキ達は正真正銘風の国で生まれて生きてきたからこんな砂漠を走ってる位なら訳ないがボルトは違う。立地もしっかりしている場所で生活していたから慣れていない。だから砂漠に足を取られ余計な体力を使ってしまう。

 

「シンキも口下手だからな。だけど、優しく言われないと出来ないのか?」

 

 ·····ボルトはその言葉を返せなかった。そんな時シンキがやってきてカンクロウに言う。

 

「叔父上何かが接近してきます」

 

「追ってか」

 

 その言葉と同時にボルト達の前に現れたのはあのウラシキ達が連れて来ていた傀儡達だった。そしてカンクロウは前に出た。

 

「あいつらは傀儡、俺は傀儡のスペシャリスト。負ける道理はないじゃん!」

 

 だからお前達は早く木の葉に行けという事だ。ボルトは反対した。全員で片付ければいいと。だがカンクロウはいけ!と言いシンキも行くぞと言い放ちボルトは不承不承頷きシンキの後を追った。

 

「カンクロウさん大丈夫なのかよ!」

 

 砂鉄を身にまといながらシンキは振り向きもせずに答える

 

「問題ない。おじ上の傀儡術は多数の敵相手に真価を発揮する。むしろ俺たちがいた方が邪魔になる。先を急ぐぞ。俺たちが果たすべき役目は守鶴様を守り抜くこと。命に代えてもな」

 

『フン…』

 

 だがボルトはまだ納得の言っていない顔だった。そして2人は少し走り続けその時何やらガタッと音がしシンキは思わず砂鉄の手を向けた。だがそれはただのトカゲだった。

 

「冷静沈着なエリート様でも間違える事があるんだな。そんなに気張ってちゃ木の葉まで持たないぜ」

 

「後先を考えないお前と一緒にするな。チャクラの配分は計算済みだ」

 

 シンキは中忍試験の際ボルトに負けた。今でも何で負けたのか分からない。無謀で取るに足らない下級忍者だと思っていたボルトに負けた。そしてボルトはその後大筒木という強大な敵に立ち向かって行った。その後からボルトと自分の違いを考えたが…分からなかった。だがシンキにはシンキなりの信念がある。しかしシンキの言葉を聞いたボルトは言う

 

『計算ね…。人間は機械じゃないんだぜ?』

 

「だからこそ任務遂行のためには機械のように冷静でなければならない」

 

 人間は感情の動物だ。だからこそいざと言う時に冷静になれない時もある。ボルトはその典型例だ。そんな人間のやり取りを守鶴はやれやれという感じになりながらボルトの頭の上に乗った。そして早く行くんだろと急かし言う時間も勿体ないのかシンキは歩き始める。そんなシンキを見ながらボルトは聞く

 

『アイツいつもああなのか?』

 

「さあな。だが昔の我愛羅を思い出すな」

 

『えっ!?我愛羅さんあんなだったのか?』

 

 ボルトの中の我愛羅のイメージは小さい頃から木の葉に来たら自分の家にも来てくれた良いおじさんという印象だ。しかし今のシンキで昔の我愛羅を思い出すと言われても全くイメージ出来ない。

 

『誰だそれ』

 

「ナルトだよ」

 

 どんな人格者なのかと思えば自分の父の名前が出てびっくりした。我愛羅とナルトの仲はボルトも知っているが変えたのもナルトと知って真面目に驚いた。

 

『父ちゃんが!?』

 

「ナルトは我愛羅に憎しみ以外で生きるすべを教えた。孤独だった生き方を変えちまったのさ。人を引きつける力がナルトにはあるんだぜ」

 

『ふ~ん…父ちゃんがね』

 

 ·····ここにスミレがいれば「ボルト君にもあるよ」と言ってイチャイチャタイムが始まってしまうが生憎スミレはボルトを追いかけ砂漠を走ってる。因みにそのスピードはボルトよりも早い。ボルトが心配で急いでいるのもあるがそれだけでは無い。スミレは父親にこんな砂漠の上でも走る為の訓練をさせられていたからだ。変な所で役に立っているがこの際どうでもいい。

 

『シンキが我愛羅さんのようになるとは思えねぇけどなぁ』

 

「まぁアイツも頑固だからな。特に今は託された役目を果たそうと必死になってやがる」

 

『託された…それって我愛羅さんに?』

 

「我愛羅だけじゃねぇさ」

 

「おい なにをグズグズしている」

 

 遅いのを見てシンキが少し苛立ちの声を上げる。ボルトは走りながら呟く。

 

「託された役目、か。」

 

 その時カンクロウを置いて来た方向から大爆発が起きた。ボルトは向かおうとするがシンキは止める。任務が優先だと。だがボルトは拒否し守鶴を置いてカンクロウの元へ向かった。同じ頃スミレよりも先に走り始めたシカダイとテマリは里に戻っていたヨドとアラヤ、そして体力の消耗で倒れている我愛羅の元に追いついてボルトの手紙の事を聞いたと言いその時ボルトからも見える爆発が起きてボルトと同じ所にまで向かった。

 一方スミレもボルトの元まで最短距離を走っていたのだが件の爆発を見て進路を変えた。チャクラを辿るまでもなく分かる。ボルトならあそこに向かうと。そして1番最初に来たのはシカダイとテマリだった。カンクロウが傀儡と戦った跡を見て顔を厳しくするがその時ボルトもやってきた。

 

「あんたシンキはどうした?」

 

 テマリはシカダイにカンクロウを探しに行かせた後聞いた。ボルトは目を逸らしながら任務が優先だと言っていた。しかしテマリはそれでシンキが平気だと思うのかいと言ってボルトは目を見開いた。確かに自分はシンキの内なる気持ちは考えなかった。

 シンキは口には出さないがカンクロウの事も慕っている。おじで我愛羅の腹心だから。1種の目標だ。だからこそ非情に徹したのだと。我愛羅にもカンクロウにも託された役目を果たす為に。そんな時にボルトの彼女の声が聞こえた

 

「ボルト君!」

 

 そう言ってミニ鵺を肩に乗せながらスミレが降り立った。ボルトはやっぱりなと思っていた。ボルトは色んな意味で何を言えば良いのか分からず黙ってしまう。スミレはそんなボルトを見てここであったことを察した。

 

「ボルト君はどうしたいの?」

 

 何も言っていないのに大体察せてしまうスミレに驚愕しつつもボルトは考え答えを出した。

 

「それでも…俺は納得出来ねえ!」

 

 それがボルトの答えだ。確かに忍なら任務を優先すべきかもしれない。しかしボルトは納得出来ない。カカシの言ったように仲間を大切にしない奴はクズ。それはボルトの信念でもある。だからこその答えだ。その答えにそうだろうなとスミレは思った。その時シカダイが何やら見つけた。何かを庇った様なそんな感じに傀儡達が折り重なってその下に何やらでかい穴がある。それで一行は急いでシンキの元に向かう。地中に潜れる傀儡がいるのならもう先に行ってしまっていると思ったからだし事実そうだった。ボルト達がシンキに追いついた時には既にシンキは傀儡に襲われていてボルトが間一髪割って入り殴り飛ばした。

 

「お前…」

 

 そんなボルトに続いてテマリが自分の巨大扇子で更に傀儡を吹き飛ばした。そしてシカダイとスミレもシンキの前に降り立った。そのスミレの肩に鵺がいるのを見てシンキはきちんと鵺は届けたんだと知った。そしてボルトとシンキは戦線を離脱。ボルトはシンキに謝った。自分の感情ばかりでシンキの気持ちを考えていなかったと。

 

「確かに任務は忍にとっては最優先だ。だけどな、俺は任務と同じ位仲間を失いたくない。例え任務が成功しても仲間を失っていたら俺はきっと後悔する。」

 

「お前は甘い!もっと合理的に考えろ!」

 

「合理的なら何でも良いって訳じゃねえ。俺は今までも仲間を見捨てる選択肢をして後悔した事なんてない。そしてこれからもだ。だから俺は任務も仲間もどうにかする方法を考える。」

 

 そして守鶴は流石ナルトの息子だと言いならお前の思った通りにやってみろと言う。ボルトは当然だってばさと言ってスミレ達に加勢しに向かった。シンキは考え方が相容れない事に苛立つ。そして守鶴がボルトを追って観戦しに行っていたのに気が付かなかったのだった。

 そしてボルトはスミレ達の元に降り立った。

 

『加勢しにきたぜ!』

 

「ボルト君らしいね」

 

『まったく…やっぱり来たか』

 

「しようがないヤツだねアンタは」

 

 もう3人はボルトが戻ってくる事は予測済みなのであった。

 

『ごめん。でもやっぱり俺はこうしたいんだ。こんなヤツさっさとやっつけてシンキと一緒に木ノ葉に向かうためにな』

 

「じゃあ気張んなよ。アイツを倒すのはちょっと厄介そうだ」

 

 その後4人は傀儡に突撃する。傀儡は実に多彩な方法で攻撃をしてくる。伸びるハンドやら毒霧等。しかし毒霧等はテマリの風遁で吹き飛ばせる。伸びるハンドもリーチが長いがスピードは遅い。それをついて戦う。

 

「水遁・水練波!」

 

 スミレが何発か水練波を放つが傀儡はそれを躱す。しかしそれは躱すコースを限定させボルトの攻撃を当てやすくする為。ボルトは影分身を出してその躱してる傀儡の背後から殴ろうとするが傀儡はその俊敏な動きでいなす。ボルトは傀儡に投げ飛ばされスミレの隣に着地した。しかしその傀儡の動きが唐突に止まった。

 

「影縛りの術成功!母ちゃん!」

 

「任せな!風遁・大カマイタチの術!」

 

 その巨大扇子から放たれる大規模な風遁が傀儡を空に打ち上げ切り裂く。ボルト達は呆然とすげーとなっていたのだった。そしてその風遁が終わった時空にいた傀儡の目が光り何と2本の腕がどこから出てきたのか3本目と4本目の手が出てきた。そして一瞬で螺旋丸のような球体のものを作り上げボルトとスミレ、シカダイとテマリのところに放った。4人は後退して躱して集まった。だが傀儡が何処かに行ってしまった。

 

「あいつは何処だ!?」

 

「·····まさか地中に!?」

 

 スミレがそう言った瞬間に伸びるハンドを利用して地中から鋭利な爪がボルト達を突き刺そうとして出てくる。ボルト達は扇子やクナイでそれらを何とか捌いているが姿も見えない敵にどうすれば良いのか分からない。

 

「地中じゃ母ちゃんの風遁も届かねえ!」

 

 とシカダイは言った。

 

「誰が届かないって言ったんだい?潜ったのなら引きづり出せばいいだけだけさ。風遁・タツノオトシゴ!!」

 

 そう叫び扇子を振り下ろす。そうすれば巨大な竜巻が出てきた。その竜巻の中にいる傀儡がその竜巻に吸い寄せられ出てきた。そしてテマリは連続で大カマイタチを放ったがそれは上手く避けられまたエネルギー球みたいなものを投げてきた。そしてボルト達はそれによって出来た煙に目をくらまされる。そして傀儡のターゲットは

 

「シカダイ!」

 

 シカダイの背後から傀儡の鋭利な爪がシカダイに向けられていた。だがそこで間一髪テマリが割って入りシカダイを押して救出。しかしテマリはその爪に引っかかれてしまった。その爪には痺れ毒がありテマリは思うように体を動かせない。3人はテマリの周りに集まり警戒する。スミレはカタスケから貰ったスプレーを使いたいがあれは怪我を治す為のもので毒を抜く事は出来ないのだ。

 テマリは3人に先に向かえ、足止めなら出来ると言うが3人はそれを拒否。

 

「で、どうするよシカダイ。俺の風遁じゃあいつを引っ張り出せねえぜ?」

 

「お前何か策があるんじゃねえのかよ。」

 

「そこはシカダイを頼りにしてるってばさ。」

 

 ボルトとスミレも中忍だが中忍だからと言って皆シカダイ程頭が良くなるという訳では無い。達成率を上げるのならシカダイに頼るのも道理だ。

 

「ったく調子の良い奴だな。一か八かやってみるか!」

 

 その言葉にボルトとスミレは頷いてそれぞれ印を結ぶ。

 

「影分身の術」

 

「水分身の術」

 

 ボルトは実体、スミレはチャクラを水に変換した分身を作り出し全方位に配置する。そして傀儡は空からやって来た。伸びるハンドを駆使しボルトとスミレの分身を消して地中に潜ろうとする。しかし分身が消された事を分かったボルトが起爆札付きのクナイを投げ傀儡に刺す。そして地中に潜ったのと同時にその起爆札が爆発し傀儡の場所を知らせた。そしてシカダイはテマリの扇子を持って

 

「母ちゃんみたいな風遁は無理だけどよ!風遁・タツノオトシゴ!!」

 

 先程テマリがやった風遁を規模は小さくなったがシカダイもやって見せた。その風遁は起爆札が爆発した辺りで吹き荒れ地面に潜っていた傀儡が引っ張り出された。そしてボルトは螺旋丸を作り直接ぶつけようとするが傀儡は間一髪で躱す。しかしそれがボルト達の狙い。傀儡は避けたのと同時にピタッとその動きを止めた

 

「影縛りの術…成功」

 

「鵺!」

 

 鵺はスミレの肩から降りて猛烈な勢いで走り始めた。そして徐々に虎サイズのそれになり影縛りにかけられ動けない傀儡に突進した。

 

「ぬえーーッ!!」

 

 そして鵺はその傀儡をボルトの方に体当たりで吹き飛ばした。

 

「ナイスパスだぜ、鵺!」

 

 その吹き飛んできた傀儡にボルトは螺旋丸を思いっきりぶつけた。反発し合う事も合わさり螺旋丸の威力が伸び傀儡はとうとう大破したのだった。

 その後シカダイ歯身の丈にあってない術を使った事によりチャクラ我愛羅殆ど無くなりテマリもまだ動けない。だからボルトとスミレは先に行け。自分達はカンクロウを探しに行くと言われボルトとスミレは頷き鵺をミニサイズにして肩に乗せ2人はシンキに追いつく為に走り始めた。だが2人は無言だ。スミレはうずまき家のキャンプの事は当たり前だが知っている。それなのに今ここにボルトがいる。つまりどんな言い訳をしたのか知らないがキャンプには行ってないということ。それでヒマワリやヒアシが悲しむのを知っているのにだ。だからボルトは何を言えば良いのか分からないのだ。そんなボルトの心中を察したのかスミレはゴースト事件終盤ら辺の少し冷たい声を出しながら言った

 

「お義母さんとヒマワリちゃんに怒られる覚悟はしてね?」

 

「は、はい。」

 

 あのゴースト事件の時もこの冷たい声を聞いた時はスミレが犯人で信じられないみたいな感情が大半だったが改めて聞いてみると割とメンタルがやられる。·····でも何かこういう冷たい声も良いと少し思ってしまった。·····どうしようもないな。

 その後2人はシンキに追いついた。シンキはボルトを見た後スミレも見た。勿論シンキは覚えている。決勝の相手なのだから。だが私情は持ち込まずに3人は急いで向かった。そして道中で草が生えているのが見えた。それで火の国が近づいてる事にボルトは浮き立つがその時シンキが止まりスミレも止まった。ボルトも止まり上を見てみると

 

「ウラシキ·····」

 

「やっと会えましたねえ」

 

「守鶴様のチャクラは茶釜で感知できないはず。どうやって」

 

「人形達を通して見ていたのでねぇ。あとはこの眼で追いかけるだけです」

 

 そう言いながらボルトがよく知っている眼になった。白眼だ。ほぼ360度の視界と透視能力。体にある点穴と呼ばれるチャクラの流れを見ることも出来る。それらを的確についてチャクラの流れを止めて有利に戦う方法が日向一族が使う柔拳だ。

 

「守鶴共々あなたたちのチャクラもいただくとしましょうか。先ほどの忍の親子のチャクラもなかなか悪くありませんでした」

 

『テメエ…シカダイとテマリおばさんに何しやがった!?』

 

 今にも飛び出しそうなボルトをスミレは抑える。

 

(…チャクラを取る)

 

 スミレはミツキを思い出していた。確かミツキはこのウラシキにチャクラを取られた。なら普通に考えればその人由来の術も使えるかもしれない。モモシキも似たような能力を使っていた。シンキは自分に考えがあるという

 

「お前達時間稼ぎをしろ。俺に考えがある。」

 

「作戦会議は終了ですかァ?では遊ばせていただきますよ!」

 

 そう言った瞬間にウラシキは釣竿を振り下ろした。その釣竿から赤いエネルギー球が出てきた。シンキは砂鉄の壁を作りガードする。ボルトとスミレは左右からウラシキに迫る。ボルトが影分身を出して迫るがウラシキは竿を振りそれらを蹴散らす。反対側からスミレが向かうが直ぐに竿がやって来る。それをスレスレで躱しながらクナイをぶつけようとするが

 

「スミレ後ろ!」

 

「!?」

 

 避けたと思っていた竿が背中からスミレに迫っていた。スミレは避けようとするが間に合わない。その時鵺が肩から降りて巨大化しつつその竿に噛みつき逆にウラシキを振り回し始めた。

 

「何っ!?」

 

 ウラシキはその釣竿の手を離し脱出。しかし目を向ければ既にボルトが螺旋丸を作っていた。しかしウラシキはその螺旋丸を空中に飛んで躱しボルトの背後に降り立つの同時にボルトに裏拳をかました。

 

「ぐっ!」

 

 ボルトは近くの岩に叩きつけられた。そしてウラシキはボルトに迫ろうとするがその時ピタッと止まった。ウラシキの足元を見れば砂鉄が大量にありその砂鉄がウラシキを包もうとするのと同時に何やら傀儡が出てくる。

 

「黒秘技・黒鉄!」

 

 シンキの傀儡を使った封印術だ。その傀儡は不気味にウラシキに噛みつきウラシキの顔やらに何やら術式が出る。

 

「また封印術というやつですか。ホント一辺倒な戦い方をしますね」

 

 その一辺倒な戦いに何度もやられてるやつが言うなという感じだがそんな事をほざいてる時間はない。3人と1匹は先を急いだ。シンキは我愛羅も使う第三の目を砂鉄で作り何個も配備する。そして可能な限り距離を取る。そしてシンキは白眼の問題を考えて遠回りする道を選んだ。白眼が見渡せる距離には限りがあると思ったのだ。そして事実そうでウラシキは木の葉までの最短ルートを進んでいた。これで時間は稼げる。

 このまま木の葉に行きたいが慌てていけば見つかってしまう可能性がある。その時ボルトは思いついた。ゴジョウを頼ろうと。確かそこに通信機器があったから自分達の現状を直接言おうと。最短ルートを外れたからか木の葉の忍もボルト達を見つけられない。でもボルト達が連絡すれば合流が早く出来る。

 

「分かった。ならそこに…」

 

 シンキは言葉を途中で倒れてしまう。守鶴曰く傀儡操作だけでも消耗は激しい。それを遠隔操作し尚且つ第三の目を何個も作ったのだからばてるのは当然。それでもシンキは向かおうとする。守鶴は言う。シンキも機械じゃない。我愛羅とカンクロウに託された任務を達成し2人に応えるために必死なんだと。それを聞いたボルトはシンキに追いつき肩を貸す。

 

「なんの真似だ」

 

「うるせぇ。フラフラの癖によ」

 

 そしてボルトは謝った。機械と言って悪かったと。しかしシンキはボルトはもう少し機械を見習うべきと返す。そのやり取りが何か面白くスミレはくすくすと笑いながら一行はゴジョウの家に向かった。

 そう…向かったのだ。確かに家はあった。あったのだが…ボロボロで倒壊していた。畑も見る影もなく。ボルトは慌てて家に入りゴジョウとイサゴの名前を呼ぶ。そしてイサゴは無事だったがゴジョウが家の瓦礫に押しつぶされていた。

 

「ボルト、お父さんが…お父さんが」

 

「ゴジョウさん!」

 

 ボルトとスミレはイサゴに加勢しその瓦礫を持ち上げようとするがそれには2人は非力だった。少ししか持ち上げられない。ゴジョウが出る力があれば別だが恐らく気絶している。

 

『クソ!動かねぇ…』

 

「お前は何に襲われた?」

 

『おい!今はそれよりもゴジョウさんを助けるのが先だろ!』

 

「瓦礫の下敷きになっているんだ。もう手遅れかもしれないだろう。それより今は状況確認の方が先だ」

 

 それを聞いたボルトはシンキの胸ぐらを掴んだ。

 

『ふざけんじゃねぇよ!目の前で助かるかもしれねえのにそれを放っておくのかよ!前言撤回だ。テメエみてぇなヤツは機械野郎で十分だってばさ!』

 

 そう言ってボルトは再び瓦礫を持ち上げようとする。しかしやはり少ししか浮かない。鵺も手伝っているが鵺もチャクラが半分程度しかなくそんなにパワーが出せない。

 

『イサゴにとってゴジョウさんはたった1人の家族なんだぞ!父ちゃんを目の前で放っておけるわけ…ねぇだろ…!』

 

「ハァ…」

 

 その瞬間にふっと重さが無くなった。よく見てみればシンキの砂鉄の手が瓦礫を掴んでどかした。その後ゴジョウを残っていたベットに寝かした。ゴジョウは幾らか怪我を負ったが無事だった。スミレがスプレーの科学忍具を使い粗方の傷口は塞いだ。

 何があったのかと言うと曰く畑にいたら唐突に赤い光の球が投げられ家を壊されて行った。ウラシキも同じ攻撃をしていた。

 

「ボルト、お前達を探していたようだった。あいつは恐らく火の国の方に飛んで行った」

 

 その後ボルト達は通信機器が壊されていたのを見て残念に思いながらも次の手を考えることにした。スミレは肩にいる鵺に

 

「鵺、ありがとう。少し休んでて」

 

「ぬえー」

 

 そう言いながらスミレは鵺を異界に返した。ボルトは茶釜に向けて語る

 

「シンキの事よく分からねえんだけど。嫌な奴じゃないってのは分かんだけどよ」

 

 その語りをスミレは見て少し笑いながら言う

 

「ボルト君、後ろ」

 

「え?」

 

 後ろに向けば守鶴がいた。

 

「まさかお前俺と話してるつもりだったのか?」

 

「えっ!?あっ!すまねえ!そっくりでつい」

 

「ふざけるな!俺は一尾の守鶴様だぞ!そんな小汚い茶碗と一緒にするな!」

 

「ふふふ」

 

 スミレは笑いを堪えられない。ボルトはただの茶釜を守鶴だと思って語ったのだ。これが面白くない訳ない。ボルトは自分の馬鹿さっぷりを彼女に見せて恥ずかしいどころではないがスミレが笑うなら良いやとなった。

 

「やはり問題はこの川か」

 

 3人と守鶴はゴジョウ達の元へ行き作戦会議をする。シンキは火の国周辺のマップを出しながら言う。曰く木の葉の最短ルートには橋がありそこを渡る必要がある。

 

「橋があるなら簡単じゃないのか?」

 

「違うよボルト君。橋の周りに隠れる所はないし何よりこのマップで見た所この橋でしか火の国に行けないのが問題なの」

 

「…そうか。その橋で待ち伏せされてるって事か…」

 

 それで3人は唸る。これでは交戦は避けられない。勝てる見込みがあるのかは微妙だ。サスケが異空間移動出来るように座標を特定させるような事をしまくれば良いのだが思いつかない。そもそも時空感忍術の使い手などこの3人の中ではいない。·····鵺なら出来そうな気もしないこともないがそんなにポンポン呼ぶ訳には行かない。その時ゴジョウが助け舟を出した。

 

「遠回りになる。ここら辺の人間しか知らない道だ。」

 

「じゃあそっちに行けば」

 

「待て。あまり時間をかければ迂回ルートもバレる。」

 

 それもそうだ。ウラシキはボルトたちと違い空を飛べる。その時ボルトが思いついた顔をして先程守鶴と間違えた茶釜を取ってきた。曰く囮作戦だ。囮がこの橋に向かい本命がその迂回ルートに行く。スミレは眉を顰めたがそれしかないのも事実。

 

「囮は俺が」

 

「私も行く」

 

 ボルトが囮をすると言った瞬間に思いっきり被せた。囮役はただでは済まない。そんな役にボルトだけを行かせる選択肢なんてなかった。ボルトはスミレには木の葉に行って欲しかったが…スミレの眼が拒否している。そのまま2人は見つめ合いボルトが折れた。それで作戦は纏まった。ゴジョウとイサゴに別れを告げボルトは影分身を出してシンキに変化させスミレと一緒に橋に、シンキは守鶴を持って迂回ルートに向かった。そしたら橋が見えてきた。予想通りウラシキが待ち伏せをしていた。目の前で橋をぶっ壊し希望を絶ったように演出する。

 そして2人はウラシキとの命懸けの隠れ鬼ごっこをスタートさせた。

 一方シンキは川沿いに進んでいた。その時その川から橋の残骸が流れてきてボルト達の隠れ鬼ごっこが始まった事を知らせたのだった。

 

 ボルトとスミレ、ボルトの変化したシンキは出来るだけ遠くに行こうとするがウラシキの白眼で見つけられる。そしてウラシキは隠れ鬼ごっこに飽きた。釣竿から放たれる赤色の光弾を何発も放ちボルト達が宙に吹き飛ばされた。そしてボルトの影分身に釣竿が向かいボルトの影分身を貫いた。

 

「しまった!」

 

 その影分身は消えた。ウラシキはそれに眉を顰める。2人はそれでも逃げようとする。その時ウラシキは腰の赤い巾着から黒色のチャクラを取り出し地面に叩きつけた。それを見てスミレは予想が当たった事の確信と同時にボルトに叫んだ。

 

「ボルト君、影縛り!」

 

 スミレは予め自分の予想を話していた。スミレから聞いたボルトは影縛りを横に飛んで躱す。その間にスミレは手裏剣を何個も投げる。ウラシキは数が多いのを見て後退して避けた。それにより影縛りも解けた。そのまま3人は対峙する。

 

「貴方は他人から奪ったチャクラを使って奪った人の忍術が使える」

 

「ほお~。よく気づきましたね。しかしそれが分かった所で貴方方にはどうすることも出来ませんよ!」

 

 そう言い放ち赤い光弾を放つ。2人はそれを避けるがその内の一発がボルトの持っている茶釜にぶつかった。ぶつかった衝撃で茶釜は綺麗にぶっ壊れてしまった。

 

「やはり貴方方は囮ですか。本物はもう一人の子が運んでいるんですね。」

 

 思った様に事が運べなくて割とイラついている。ボルトはしてやったりの顔で

 

「今頃守鶴は父ちゃんの所だぜ」

 

「…こうなれば貴方には人質になってもらいましょう。そこの女性には死んでもらいます」

 

「·····そんなことさせるかよ」

 

 そう言って対峙する。スミレを死なせる訳には行かない。しかしそれはスミレも同じ事、ボルトを死なせやしない。その時ウラシキの足元から大量の砂鉄が吹き荒れた。と同時にボルトとスミレは砂鉄の手に連れられた。そこに居たのはシンキだった。シンキは手をグーにしてウラシキを包んだ砂鉄の山を一気に固め中にいるウラシキを推し潰そうとする。

 

「シンキお前どうして!?」

 

 ボルトは思わず叫ぶ。確かにもう木の葉には入れただろうとは思ったがここに来るとまでは思わなかったのだ。

 

「守鶴様の安全は確保し任務は達成した。その後俺がどう動こうが俺の勝手だ!」

 

 要約するとウラシキがムカついたから戻ってきた。以上。ボルトはそんなシンキに少し呆けた顔をしたが

 

「まっ、そういう事にしといてやるか。」

 

 しかしその時ウラシキを閉じ込めている砂鉄の山に罅が入った。因みにシンキはノープランだ。

 

「誰のせいだと思ってる!」

 

 スミレは何となくシンキの気持ちが分かった。きっとボルトに影響を受けたんだろうなぁと。·····今はそういう事を思ってる時では無い。スミレは作戦を考える。そして戦いの為にクナイを取ろうとポーチに手を入れそこで触れたもので作戦が瞬時に決まった。

 

「2人とも」

 

 スミレは簡潔に作戦を話した。シンキは木の葉の科学力に驚いたがそんな事を言っている場合では無いのでボルトもシンキも許諾した。それと同時にスミレはその科学忍具を取り出した。同時にウラシキもとうとう復活した。

 

「こいつを倒せるかは分からん。だが俺達でぶん殴ってやるぞ!」

 

「おう!」

 

「うん!」

 

 復活したウラシキは1度目を閉じる。そうすれば白眼の特徴の血管が浮き上がるのが収まり代わりに目を開いた時サスケのと同じ輪廻写輪眼になっていた。しかしやる事は変わらない。そして釣竿をボルト達に振る。ボルト達はそれを避ける。ボルトは避けながら手裏剣に雷遁を乗せウラシキに投げる。

 

「ふんっ!」

 

 釣竿を振ってウラシキはその手裏剣を弾く。だが雷遁を乗せていたおかげで一瞬動きが止まる。シンキはそれを見て砂鉄の翼を広げる

 

「黒鉄の翼!」

 

 中忍試験でボルトとスミレに放ったあれをウラシキに放つがウラシキはステップを踏み避ける。しかし数が多く飲み込まれそうなのを見るや否や黒い空間みたいなものを出してそこに入っていった

 

「何!?」

 

「どこだ?」

 

 ウラシキはその探しているシンキの後ろに唐突に現れシンキを蹴飛ばした。シンキの絶対防御はそもそも攻撃を認識しなければ防御のしようも無い。ボルトとスミレはシンキを庇うように立つ。ウラシキは再び空間移動を始めた。3人は全方位を注意するがその時ボルトの右眼が疼いた。

 

「うっ!」

 

「ボルト君?」

 

 ボルトは何かを感じ眼を抑えその眼を離した目を真正面に向ける。そこから空間移動を終えて出てきたウラシキがいた。ウラシキは咄嗟に釣竿で攻撃を仕掛けるが3人は後退する。スミレはボルトの眼を見る。あのゴースト事件の時になっていた眼だ。そしてウラシキがスミレにとって重要な情報を言った

 

「それは淨眼ですか。厄介な眼を持っている」

 

(淨眼…今そう言ったの)

 

 全く知らないが今はそれを問題にする時では無い。ウラシキはテマリのチャクラから発生する竜巻を投げて目眩しをした。しかしまたもやボルトがシンキの背後から出てこようとするウラシキを見てシンキを抱えて攻撃を躱す。そしてスミレは突撃した。

 

「貴方が相手ですか」

 

 そう言いながらウラシキは釣竿を振る。この釣竿は生半端なクナイや刀では簡単に折られてしまう。しかしスミレは賭けに出た。その持っている科学忍具のスイッチを入れた。その瞬間にその科学忍具から青白い刃が出て来た。それと同時にスミレは釣竿を弾いた。

 

「何?」

 

 ウラシキは少し驚いているすきにシンキは布石を打つ。ウラシキは釣竿が弾かれてしまったがまた直ぐに振る。釣竿で貫けないのならその刃を弾くまで。

 

「甘いんだよ!」

 

「キャッ!」

 

 釣竿はその科学忍具の取っ手のところを狙いぶつけた。スミレはガードしようとしたが科学忍具はその手から離れウラシキの目の前に落ちてしまった。スミレは咄嗟にその科学忍具を取ろうとするがその前にウラシキがその科学忍具を手に取った。スミレはあと一歩届かなかった。スミレはウラシキの目の前で倒れてしまった。チャクラをいっきに吸われすぎて貧血に似た状態になったのだ。

 

「ほぉ。人間は面白いものを作りますね~。ではこれで貴方は終わりです」

 

 そう言いながら逆手に科学忍具·····チャクラ刀を持ち目の前で倒れているスミレに振り下ろそうとしたその時、ウラシキの後ろから砂鉄が出てきてそのウラシキがチャクラ刀を掴んでいる手をチャクラ刀事思いっきり拘束した。ウラシキは鬱陶しく思いながらシンキを見る

 

「貴方も懲りないです·····」

 

 ウラシキはそこで思いっきり目を見開いた。何故なら徐々に力が抜けていくのだ。自分は何も消耗する様な事をしていないのにだ。それに驚愕し理由が分からず困惑する。だが·····それが千載一遇

 

「影分身の術!」

 

「風遁・烈風掌!!」

 

 ボルトは影分身を5人出した。1人をシンキの所に行かせる。そしてボルトは烈風掌で本体含め2人を打ち出した。しかしウラシキは力は抜けながらも何とか左手にある釣竿を振ってその2人のボルトを蹴散らそうとする。しかし打ち出された2人のうち一人の分身が更に風遁を出した

 

「ボルトストリーム·····」

 

「ダブルイグニッショッン!!」

 

 ボルトは烈風掌を2回やって2回のスピードアップを図った。修学旅行の時にシズマにやっていたあれだ。普段のウラシキならば難なく迎え撃てるのに今のウラシキはスミレの作戦に引っかかってチャクラ刀を持ちチャクラ刀が消費する莫大なチャクラを取られているから普段のように動けないのだ。そして釣竿は加速した本体には届かず本体ボルトはウラシキに

 

「螺旋丸!!!」

 

 思いっきり螺旋丸をぶつけた。ウラシキはその螺旋丸をもろにくらった。釣竿は分身ボルトを蹴散らす為に使っていたし戻す時間も一瞬過ぎて無かったのだ。ウラシキは近くの岩に思いっきり激突した。砂鉄の拘束は外れたがもろにくらったのはダメージがあったようでフラフラしている。しかしこれで終わりではない。今度はシンキの方にいる分身ボルトが烈風掌を出してシンキがジャンプしつつ巨大な砂鉄の拳を作り上げている。そしてボルトが叫ぶ

 

「名ずけて、即席合体奥義!シンキストリーム!!!」

 

 ネーミングセンスが祖父譲りなのは割愛。シンキはボルトの風遁によって超スピードで岩に張り付いているウラシキに叫んだ

 

「黒鉄の拳!!」

 

 そう言って巨大な砂鉄の拳を張り付いているウラシキに思いっきりぶつけた。為す術もなくウラシキは更にめり込み岩ごと倒壊した。スミレは何とか上半身だけ上げ結果を見る。ボルトとシンキも膝をついている。岩がめちゃくちゃ壊れていってるがこれで倒せたか…?

 そう思った時岩の瓦礫が崩れ落ち出てきたのは何やら痣が出来ているウラシキだった

 

「ここまでやるとは…痛いですね·····殺す!」

 

「はぁ…はぁ…スミレ、お前は逃げろ。時間は…稼ぐ」

 

 そう言いながらボルトは意地で立ってみせる。しかしスミレは首を振りながら立ち上がる

 

「そんなの…嫌に決まってる。」

 

 シンキはこの2人の力は何なんだと思っている。ボルトもスミレもチャクラはもう殆どない。それなのに立ってみせるその力は何なんだと。しかしフラフラの2人を見てウラシキは口角をつりあげる

 

「そんなに2人で死にてえんならそうさせてやるぜ!!」

 

 そう言って2人に赤い光の球を投げつけようとしたその時青白いスパークを乗せた刀がウラシキに飛んできた。ウラシキは上の岩場まで飛んで躱した。刀はそのまま地面に突き刺さったがその刀の前に現れたのは

 

「はぁ…はぁ…サスケさん」

 

「どうやってここに…」

 

「誰かが時空間を何度も開いたようでな。そのおかげでここを特定出来た」

 

 時空間等普通はあまり開かない。するとすれば目の前のウラシキだけ。ウラシキは自分で自分の居場所を知らせたのだ。サスケは刀を持ち岩場の上にいるウラシキに迫った

 

「千鳥!」

 

 刀を振るったがウラシキは今度は時空間を移動じゃなく普通に掻き消えてしまった。サスケは周りを見渡すが時空間を移動じゃないから見失ってしまった。

 

「サスケさん…良かった」

 

 そう言って気が抜けたのか安心感からかシンキは気絶しボルトとスミレは仰向けに倒れた。その後木の葉の応援が到着したが特に出番がなく3人は木の葉に連れられ病院に行ったのだった。

 カンクロウ、テマリ、シカダイは無事だった。我愛羅も復活し3日経った時ナルトの元へ来た。御礼だ。そして我愛羅はナルト達と話した後退院したシンキと合流。電車の駅に向かった。

 

「結局、ウラシキには逃げられちまったな」

 

 そんな事も知らずにボルトはシカダイ、スミレと病院の椅子に座っていた。

 

「守鶴様を届けて任務達成。命もあるだけ上出来だよ」

 

 とスミレは苦笑いしながら言った。そしてシカダイが

 

「お前おばさん達に怒られる覚悟はしとけよ。今回はヒマワリちゃんにも嘘ついてたんだろ?」

 

 そういうのと同時にスミレはボルトの少し強めに掴み目で「逃がさないよ?」と言ってきて少し怖い。でもボルトは出来るなら怒られたくないからかシンキのお見舞い行こうかなーと言ったがシカダイがシンキはもう退院してこれから帰るぞとサラッと言い放つ。

 

「シンキのお見送りは良いだろ?」

 

 とスミレに言った。スミレはまあそれくらいならとなり2人はシカダイと別れ電車の駅に向かった。そこに居たのは我愛羅とシンキだった。今にも電車に乗りそうな所だったが2人は間に合った

 

「お前な、帰るならそう言えよ」

 

「何故わざわざ」

 

「ダチに挨拶位してっけの!」

 

 その言葉にシンキは目を見開く。そんなシンキをほっときボルトは自分の拳を突き出した

 

「元気でな。今度木の葉に来たら案内してやるよ」

 

 その拳を見てシンキはぷいっとボルトに背を向けた。そして

 

「お前もせいぜい死なないように努力しろ」

 

「はあっ!?」

 

 スミレはくすくすと笑った。今のシンキの言葉はシンキなりの接し方なのだ。所謂照れ隠しだ。そんなスミレの反応が少しあれだがシンキと我愛羅は電車に乗り込み砂隠れまで出発した。ボルトは拳をその電車に向け言った

 

「また会おうぜ、シンキ!」

 

★★★★★

 

その日の夕方。ボルトはたっぷりとヒナタ達に怒られた。オマケにスミレも味方してくれなかったから余計に疲れた。しかし結局無事に帰ってきて良かったという事に落ち着きヒナタとヒマワリは晩御飯の買い物に向かった。スミレも行こうとしたのだが疲れてるでしょ?ってボルトとお留守番になった。2人は少し気まづかった。その雰囲気に耐えられずボルトは自分の部屋を掃除する事にした。スミレも手伝い始め粗方終わった時にスミレはボルトをベットに押し倒し跨った。

 

「ス、スミレ?」

 

スミレはボルトの顔に手を添え右眼をじーっと見るが今はあのウラシキが言った淨眼ではなく普通の蒼眼だ。しかしボルトはそれ所では無い。スミレの顔が真ん前にあるのが恥ずかしい。そしてスミレは少し顔を離してボルトを見る。2人はそのまま見つめあっていたがスミレが唐突に首元に吸い付いた

 

「なっ!?す、スミレ!?」

 

ボルトはいきなりされたからか思わず喘ぎそうになったが我慢した。そしてスミレはゆっくりと離れた。ボルトからは見えないがボルトの首元にはキスマークが出来ていた。

 

「私も…本当に不安だったんだから」

 

スミレは先程のボルト叱責の場にはいたが加勢も救済もしていない。つまり今から

 

「だから·····お仕置きだからね」

 

そんな付き合い始めてからよく見せるようになった甘えん坊な声と顔を見せてスミレはボルトの唇に自分の唇を吸いつかせた。磁石の様に吸い付き吸いつかれ2人の頭が惚けてくる。

 

「…んぅ·····はぁ···」

 

スミレはボルトの息が続かないくらい激しくキスしボルトの両手を抑え逃げられないようにしている。

 

「す、スミレ息がんっ」

 

出来ないと言おうとしたら再び塞がれる。2人きりの時スミレはアカデミー時代から想像もつかない程積極的になる。それから2人は最近イチャイチャ出来ないのもあったというのもあるだろう。その後2人は·····スミレのお仕置きはヒナタ達が帰ってくるまで続いたのだった

 

 

 

 

 




おつかれさまでした。スミレの作戦は漫画版のVS青戦でやってたあれですね。そしてシンキストリーム( *´艸`)グフフ因みに今回のスミレは指輪してません。しょうがないね。任務服に指輪似合わないし。
それからサスケ好きの皆さん。ごめんなさい。サスケはアニメと違ってチャクラは取られてないんですが直ぐには戻ってきませんでした。そうしないとボルト達の出番がなくなってしまうので。すいませんm(*_ _)m。
オリジナル設定。ボルト、鵺と口寄せ契約してる。そうしないとスミレに伝わらなかったし。でもボルトは普段は鵺を口寄せしません。それはスミレに言った通り鵺はスミレが呼ぶべきだと思っているから。だから緊急事態の時にしか口寄せしません。

それはそうとアンケート結果でスミレを連れてくのが大半だったので連れてきます。そうしてスミレのいるタイムスリップ編思い浮かべていたらまたアイデア出ましたけど流石にここまでするのは·····うーんって感じだったのでまたアンケートします。
ボルトとスミレと同い歳のビオラを登場させるかさせないか。登場させたらウラシキにオーバーキルな気もするけど·····作者ウラシキ嫌いなので良いでしょう(おい笑)
今週の土曜日の昼12時までにします。どんどん投票して行ってしまえ〜!
(*´∇`)ノ ではでは~

修業パート誰目線でやる?

  • ボルト&ナルト
  • スミレ&ビオラ
  • 自来也&サスケ
  • 最早全部やれ
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。