転生したらガンダムビルドファイターズの世界だった件   作:裸の錬金術師

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転生したらガンダムビルドファイターズの世界に来てしまった、ガノタの少年が主人公となっております。

駄文ですが、よろしければ読んでいって下さい。


第1話「俺もガンプラバトルを」

突然だが、貴方は「転生」という言葉を聞いてどんなことを想像するだろうか?

やはり最近流行りの異世界に転生して無双するような作品だろうか。転生方法も事故によって一度死に、神サマの手で全く違う世界の生まれたばかりの幼子へと転生するといったやり方が一種のお約束かもしれない。

だけど自分の場合はちょっと違った。いや、そもそもコレを転生と言っても良いのか自体、わからないのだが・・・・・・。

自分の場合は、世界の方が変わったのだ。とはいっても魔法が使えるような異世界なんて大層なものではなく、限りなく元いた世界の同じ世界。しかし、確実に何かが異なる世界だった・・・。

 

 

 

 

 

変わり映えしない毎日。

ニュースは毎日のように色々な事件を報道しているけど、直接生活に何か影響を及ぼすわけじゃない。あえて何か変わったことと言えば、何年前よりか、夏が蒸し暑くなったことぐらいだ。

どこかの街では、犯罪が多発しているらしい。

どこかの県では、災害の事後処理に追われているらしい。

どこかの国では、民族紛争が起きているらしい。

 

 

 

何年後かには、異常気象がもっと極端になるという。

何十年後かには、石油がなくなってパニックになるかもしれないという。

 

でも、それが何だっていうんだろう。

テレビの向こうでどんな大事件が起きていたって、自分の生活には関係ない。

 

いつも同じ時間に起きて

同じ朝食を食べて

同じ服を着て、学校に行くだけ

 

 

「コウ~、アスカちゃんが迎えに来てるわよ」

母さんが、いつものように玄関で呼んでる。

 

 

「・・・あーい」

 

俺はいつものようにTVを消して、当たり前のようにカバンを持った。

 

 

 

「コウ、おはよ!」

「おう、おはよう」

玄関の前には如何にも活発そうな一人の少女が立っていて、こちらを見るなり元気に挨拶してくる。

この少女の名前はニシカド・アスカ

いわゆる幼馴染

家がすぐ隣なこともあり幼少の頃からの付き合いだ。

 

 

「また夜までガンプラ作ってて、寝てないんでしょ~顔色悪いよ?」

「うるせー人の勝手だ!」

 

やれやれ、あんなおもちゃを作るだけのなにが面白いんだか・・・

なんて風に呆れて肩を竦めてやがる。

 

(やっぱりコイツとは趣味が合わない・・・!)

 

「そんなことより英語の宿題やった?今日発表でしょ?」

「あ、やっべ忘れてた・・・」

「あたしの見せてあげてもいいけどぉ~?」

「・・・パフェ1杯でどうですかお嬢さん?」

「うん、手を打とう!」

 

意外な出費に頭を抱えながらも笑顔で前を歩く幼馴染を眺める。

 

こんな風に俺の毎日は過ぎていく、いつものように。

 

 

    

 

 

    *

 

 

 

 

 

 

キーンコーンカーンコーン

4限目の授業の終わりをチャイムが告げる。

先生が来週までの課題を告げて早足で教室から出て行く。

それとほぼ同時に前の席に座っていた友人が話しかけてきた。

「終わった終わった~!今日は発表当たらなくてよかったね!」

そう言って話しかけてきたコイツは親友であり腐れ縁でもあるアネガオオジ・タイガ。

イギリス人と日本人のハーフで、金髪碧眼。眉目秀麗、頭脳明晰、まさに男版才色兼備みたいなヤツ。これだからまぁーモテる。ムカつくくらいにモテる。

しかも祖父は世界有数の資産家ときたもんだ。

父方の実家は大豪邸で使用人がいっぱいいるらしい。

はぁ~、ホントにこの世界の不公平さを呪いたくなる。

・・・しかし、この完璧男の唯一の汚点?ともいえるのが重度のオタクだということだ。

アニメ・漫画・ゲーム・特撮などその守備範囲には枚挙にいとまがない。

さらに何を隠そう俺にガンプラを教えてくれたのもコイツなのだ。

元々、ガンダム自体は親父の影響もあり結構色々な作品を幼少期より見ていたがガンプラは難しそうという先入観から手を出していなかった。

そこでガンダムが好きなら、とニッパーとHGのエールストライクガンダムをプレゼントされた。

初めてニッパーでパーツを切り離し、説明書を読みながらパーツを組み合わせ、丁寧にゲート処理をする。震える手でシールを貼り、失敗しないようにスミ入れをする。そして最後につや消しを行う。ここまでの工程をタイガに教えてもらいながら初めて完成させたエールストライクはかけがえのない思い出の一つとして今も部屋に飾っている。

 

「そういや、コウは新しく始まったガンダム見た?」

「ああ、見た。ガンダムと異世界モノを合わせるとは恐れいったよ」

「だよね!しかも主役ガンダムの手足がチェンジするのも凄かったねぇ」

「プラネなんとかシステムだっけ、めちゃくちゃかっこよかったし、これからに期待だな!」

 

 

 

 

   *

 

 

 

 

 

 

 

それは突然の出来事だった。

 

夕暮れ時で空が紫色に染まる頃、私立玄海学園中等部、校門を出てすぐの――帰路。

 

「あ~あ、ガンダムが好きな女の子とか現実にいたりしないかなぁ」

「またそれぇ?コウってホントにガンダム好きよね~」

「別にガンダムだけじゃなくて他のアニメとかでもいいけどよぉ~」

「ハイハイ、その情熱をもっと勉強とかに生かせればいいのにね~」

「うるせぇやい!」

「コウ、運動神経悪くないでしょ?何か部活やればいいのに・・・」

「やりたい部活がないんだから仕方ねーだろ」

 

こんな風に他愛もない会話をしながらコウとアスカは今朝の約束通り、近所の喫茶店に向かっていた。

 

 

・・・それはちょうど歩道橋の下り階段に足をかけたとき――

 

「あっ!?」

 

ドンッ!と背中に衝撃が奔り、気づいたらその身体は宙を舞っていた。

まるで思いっ切り何者かから押されたかのような・・・

でもそれはおかしい。この歩道橋は俺とアスカ以外いなかったはずだ。しかもアスカは隣にいる。俺を後ろから押せるはずがないのだ。

 

なんて考えている内に地面がみるみるうちに近づいてくる。

 

 

 

ガンッと鈍い音が響く。

意識が遠のく直前、後ろの方でアスカの悲鳴が聞こえたような気がした。

 

 

 

 

 

    *

 

 

 

 

 

 

 

 

 

気がつくと、俺は自分の部屋のベッドの上にいた。

見覚えのある天井。確かに自分の家だ。

手を伸ばして目覚まし時計をみる。

針が指しているのは朝の8:00

さっきまでのアレは何だったんだろう?――夢だったのだろうか・・・

コウはゆっくりと起き上がった。その身体に痛みはない。

おかしいなと頭を捻りながら階段を降りる。まあいい、学校に行かなきゃ・・・

 

 

 

 

 

朝食ができるまでの間、テーブルに腰掛けてテレビをボーっと眺めるのが日課だ。

この世界のどこかで起きた出来事を淡々と画面の中のアナウンサーが淡々と述べる。

 

「・・・それでは次のニュースです。第8回ガンプラバトル選手権 世界大会の開催地及びに開催日程が決定されたことをヤジマ商事が明らかにしました。開催場所は・・・」

 

――なんて?

思わず自分の目と耳を疑う。

今、このアナウンサーは何といった?

「ガン・・プラ・・バトル・・・!?」

 

は・・・・・?

口に出してみてもやっぱり意味がわからない。

コウの脳内が疑問符で埋め尽くされるなか、アナウンサーは言葉を紡ぐ。

「また、今回から世界大会は18歳以上が参加するオープントーナメント。

そして18歳以下の学生や子どもが参加するジュニアトーナメントの2つに分けて開催することが決定しました。

ということで、PPSE社に変わりヤジマ商事が主催する新生世界大会の解説に三代目メイジン・カワグチさんをお呼びしております」

 

驚愕で見開かれたコウの目にはアニメ・ビルドファイターズの登場人物、三代目メイジン・カワグチその人が映っていた。

 

 

 

 

 

    *

 

 

 

 

 

 

「どうしたの、コウ?顔色がよくないよ」

 

心配そうな顔をしてアスカが俺の顔を覗き込んでくる。

さぞかし俺は顔面蒼白なのだろう。しかも――

 

「え?昨日は普通に喫茶店によってパフェ食べて一緒に帰ったじゃない。もう忘れちゃったの?」

と何のためらいもなくいい放つ始末だ。

はあ~やっぱり俺の頭がおかしくなったんだろうか・・・

昨日?の事故も今朝の出来事も全部、夢だったってか?

 

・・・そうだ、今朝のアレを聞いてみよう。ガンダムのことまったく興味のないアスカでも、名前ぐらいなら聞いたことあるかもしれない。

「なあガンプラバトルって知ってるか?」

 

・・・こんな風に何気なく聞いた問い。まさかこちらの予想をはるかに凌駕する回答が返ってくるとは思いもしなかった。

だって少なくとも俺の知っているアスカはガンダムのことなんて微塵も興味はないしガンプラをオモチャだと一刀両断し馬鹿にしてくる、男の趣味の天敵のようなヤツだった。

 

 

でも・・・

 

 

 

よもや・・・

 

 

 

 

「え?そりゃ知ってるに決まってるじゃない。今度の全日本ガンプラバトル選手権の予選にも出るんだし」

 

こんな答えが返ってくるなんてホントに思いもしなかった・・・

 

 

 

 

    *

 

 

 

 

 

 

 

 

そこからはもうトントン拍子で状況は進み、気づいたら放課後になり今はガンプラ部の部室の中のイスの座らせられてガンプラバトルについての説明を受けている。

 

 

 

「いい?ガンプラバトルっていうのはプラフスキー粒子が・・・」

今の今までに話を聞いたところによるとこっちの世界?のアスカは相当なガノタのようだ。それこそビルドファイターズの登場人物たちと同じように。

そして彼女が所属しているのがガンプラ部。活動内容はガンプラの作成及びにガンプラバトル。

部員はニシカド・アスカと・・・目の前でニコニコと笑顔でいるこの男、アネガオオジ・タイガの2人。

 

「ねぇ、ちょっと!話聞いてる?」

「あ、すまん・・・」

「んもう!ちゃんと聞いといてよね!」

「まあまあ、百聞は一見にしかずという言葉もあるし、まずは実際にやらせてみるのはどうかな?」

(流石はタイガ、ナイスフォロー!)

「ん・・・それもそうね。コウはそれでいい?」

「おう、モチロン!!」

 

 

部室の奥には大きな台のようなものが見える。おそらくアレはバトルシステム。

そんなものを生で見せられたら弥が上にもテンションが上がるに決まってる。

 

「コウは今ガンプラ持ってないよね。じゃあそこの棚から好きなのを選んで」

 

そういって案内された棚には・・・

 

「へぇ~、コイツは凄いな」

 

そこには大量のガンプラが飾られていた。

その種類は多岐に及び、有名どころはファーストガンダムやザクⅡから、マイナーどころはガンダム・バーンレプオスまで、如何にもといった棚だ。

そんなガンプラたちを目で追っていると、一つのガンプラが目についた。

(これは・・・ストライクか)

白を基調とした、白・青・赤のトリコロールカラーの体軀に4本のツノのようなアンテナ。

間違いなくストライクガンダムだ。しかし、その背中に背負っているモノは馴染み深いエールストライカーではなく・・・

(カレトヴルッフ?)

 

――カレトヴルッフ

それは本来、ガンダムアストレイレッドドラゴンの背後についているハズの「工具」。

コレを背中に装着したこのガンダムは、さながら白き片翼の天使のようにも見える。

しかし、それがどうしてストライクなんかに・・・。

 

「なあタイガ、コイツは・・・」

「ん?ああ、これはドライグストライクだよ」

「ドライグストライク・・・」

「うん、これはアクタイオン社の技術主任、ヴァレリオ・ヴァレリが始めたオルタナティブ・プロジェクトの一環で・・・」

「あ、それは一旦置いといて。このガンプラは誰が作ったんだ?」

「ああ、ごめん。そのガンプラはアスカが製作したんだ。とても良い出来だよね」

 

(へぇ~、コイツをアスカが・・・)

 

向こうでシステムを起動しているアスカをちらりと見る。

まさかガンプラのことでアイツを感心する日が来るとは思わなかった。

「よし、じゃあコイツにするよ」

そうタイガに告げる。

「オッケー!じゃあハイ、これを」

そういって手渡されたものには見覚えがあった。

「これはGPベース。これとガンプラをバトルシステムにセットすることでプラフスキー粒子が散布されてガンプラに命を与えることができるんだ」

アニメと全く同じ説明だ。と驚くと同時によし、そういうことならやってやろうじゃないかと早速、手渡されたGPベースをセットする。

GPベースにYAJIMAの文字とファイターの情報が浮かび上がる。

途端、『Beginning Plavsky particle dispersal』 の音声と共に

青白い粒子によって自分の身体が包まれていく。

思わず息を呑むほどの美しい光景。

 

『Field 2 Desert』

 

『Please set your Gun-pla』

 

アニメで見たとおりにドライグストライクを設置する。

瞬く間に粒子が浸透しそのツインアイに火を灯す。

 

『BATTLE START』

 

興奮が最高潮に達する。嗚呼、例えこれが夢でも構わない!俺は今からあのガンプラバトルをするんだ!

黄色い球体の操縦桿が出現、それを力強く握りしめ、ガノタならば一度は言ってみたいであろうあのセリフを口に出す。

 

「シノノメ・コウ ドライグストライク、行きます!」

 

 

 

 

 

 

     *

 

 

 

「うぉりゃあああああ!!」

 

雄叫びを上げながらコウの操るストライクがカレトヴルッフで迫り来る数機のハイモックを一度に薙ぎ払う。

コウがガンプラバトルを始めて約1時間。

タイガとアスカからの指導により、最初こそ面食らっていたもののみるみるうちに操縦スキルを上達させていた。

遠距離から銃器で攻撃してくる敵にはビームライフルとカレトヴルッフG・MODEで応戦し、接近してくる機体にはS・MODEやビルドカッター、ビルドナイフの二刀流で瞬く間に切り刻む。

 

(最初は全然わかんなかったけど、こりゃ戦○の絆やエ○バなんかよりよっぽどおもしれぇぞ!)

 

そして、バトルシステム用のCPU機体を実に50機ほど撃墜した頃――

 

「よっしゃ、これで50機目!俺も中々が腕が上がったんじゃ・・・」

刹那、撃破されたハイモックが爆発四散したことで発生した土煙のエフェクトの向こうからストライクを狙った一条のビームが放たれる。

 

(うおっ!?)

 

咄嗟にシールドを構え間一髪でその攻撃を防ぐ。

流石はアンチビームコーティングされたシールド。きっちりと機体を守ってくれる。

 

「誰だ!!」

明らかにコチラを狙っていたであろうビームが放たれた方向の、収まりつつある土煙の方を睨む。

 

 

 

 

 

 

 

 

そこには、七つの銃を携えた黒い「ガンダム」が立っていた。

 

 




次回、「ザ・セブンガンズ」

が、頑張って執筆していきます…
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