転生したらガンダムビルドファイターズの世界だった件 作:裸の錬金術師
ーーある日の昼下がり、5限目の授業中シノノメ・コウはぼうっと窓の外を眺め、物思いに耽っていた。
ガンプラを作ったことがある人なら必ず一度は考えたことがあるだろう。
このガンプラを自分で動かせたらなぁと。
そう意味だとガンダムビルドファイターズなどの所謂ガンダムビルドシリーズはまさに夢のような世界だと言える。
プラスチックに反応する性質を持つプラフスキー粒子によって製作したガンプラそのものを操作して戦うというビルドファイターズシリーズ。
電脳仮想空間内「ガンプラバトルネクサスオンライン」を舞台にガンプラバトルを展開するビルドダイバーズシリーズ。
・・・・・・正直、どっちの世界も羨ましい。
まぁどちらかと言えば前者かな。やっぱり本物のガンプラを動かしたいし。
あ〜あ、ガンプラバトルがやってみたいな〜
きっと、退屈はしないんだろうな・・・。
* *
ーーそいつは全身が真っ黒に染めらたガンプラだった。
ただ、そのシルエットには見覚えがある。
一対のブレードアンテナに、他のガンダムではあまり見られない大きなクリスタルセンサー。その下にあるデュアルアイと合わせてさながら三つ目のよう。
そして、人体で言うところの両膝に二丁の銃。
その手には一際銃身の長い、アサルトライフルのようなものが握られている。
間違いない!あのガンプラの名は"ケルディムガンダムサーガ"だ。
ーーケルディムガンダムサーガ
基地施設内での戦闘用装備に換装したケルディムガンダムの改修機。
取り回しに優れた銃を計7つ装備しており、その開発コードは、ガンダムエクシアの"セブンソード"をなぞらえて"セブンガン"。
OOの外伝が出典の機体ということもあり、人によってはあまり馴染みのない機体かもしれない。
ちなみに自分は『ガンダムEXA』でエクストリームガンダムに・・・・・・いや、やっぱりやめておこう。
なんて考えてる内に、ヤツはその手に携えた銃からビームの一撃を放つ。
(やべっ・・・!!)
咄嗟にシールドを構え攻撃を防ぎつつ、ブースターを吹かし大きく後退する。
ひとまず撤退だ!
*
「くっそ、いきなりなんなんだアイツは!?」
突然の乱入者にコウは苛立ちよりもまず驚きが隠せないでいた。
「乱入とかマジかよ!?このゲームどうなってんだ!!」
・・・・・・冷静になってアニメの描写を思い出す。
そういえばビルドファイターズ3話にレイジがボールでボコボコにされてる時にリカルド・フェリーニのフェニーチェが乱入してたっけ・・・。
クソッ、なんてガバガバなシステムなんだ。
しかも練習モードにまで乱入がアリとかこれ作ったヤツの顔が見てみたいわ!と心の中で毒づく。
だが、それと同時に腹を括った。
ーーこうなったらアイツを倒してやるまでだ。
ケルディムガンダムは、射撃戦が得意な機体で格闘戦用の武装が廃されている。
まぁ、GNピストルみたいな近距離用の武装もあるにはあるのだが・・・。
そして、ヤツの"腹の中"いるのは
あの"ロックオン・ストラトス"ではない。
ならば、そこに勝機があるはず。
黄色い操縦桿を前に押し出し急速に方向転換、さっきまでバックしていた機体を強引に前へと・・・追ってきていたケルディムサーガへ突撃する。
咄嗟の出来事にケルディムの反応が一歩遅れる。
今だッ!!
カレトヴルッフを大きく振りかぶる。
しかし、ケルディムもそう易々とやられはしない。
瞬時に手に持っているGNビームカービンを放棄し、
腰のホルスター収納されたGNピストルを装備、振り下ろされている刃に向かってその引き金を引いた。
「ーー嘘だろ!?」
呟くより早く、反射的に飛び退いていた。
刹那、カレトヴルッフがGNピストルによる攻撃に耐えきれずに爆発する。
巻き上がる砂埃。
ーーまだだ、終わっていない!
まだ、ストライクには"これ"がある!
爆発の余韻が終わらぬうちから機体を前に出す。
同じく後ろに下がって爆発のダメージを回避していたケルディムが今度はこちらを狙ってGNピストルの引き金を引こうとするが・・・。
「こっちの方が速い・・・!」
スロットを4番目に合わせる。
すると両腰のアーマーが開き、勢いよくナイフが飛び出してきた。
ガンダム的に言えば、高周波振動ブレード採用の折り畳み式対装甲用ナイフ
その名もアーマーシュナイダー
そう、ガンダムSEEDの「何か武器は!?」で有名なアレだ。
コウの操るストライクはソレを掴むと、間髪入れずにケルディムサーガのコックピット部分に突き立てた。
「これで終わりだぁッ!!」
*
『BATTLE ENDED』
バトルの終わりを告げるシステム音声と共に、バトルフィールドを構成していた荒野が水色の粒子へと姿を変え、あっという間に霧散した。
それと同時にファイターの姿が露わになる。
コウはケルディムサーガで乱入してきた張本人の姿を拝んでやろうと、バトルシステムの向かい側に目を向ける。
そこには、金髪碧眼のハンサム野郎。
親友のアネガオオジ・タイガが立っていた。
「いや〜、流石はコウだね!まさかやられるとは思わなかったよ。ホントにガンプラバトルは初めてなの?」
タイガが、まるで何事もなかったかのように話しかけてくる。うーん、我が親友ながら何を考えてるのか全然わからん。
「・・・・・・ケルディムサーガを操ってたのはお前か?」
「うん」
・・・・・・ハァ〜、よくもまぁ悪びれもせずにうなずくこって。
「一体どうしてこんな真似をしたんだよ?なんか理由があるんだろ?」
「・・・それは、君とガンプラバトルがやりたかったからさ!」
そう言うそいつの顔にはなんとも爽やかな笑顔が浮かんでいた。
*
その日の夜、ベッドに横になり今日あったことを思い返す。
(俺、本当にガンプラバトルをやったんだな・・・)
もしかしたらこれは夢なのかもしれない。
このまま寝て明日起きたらこの夢からも目覚めてしまうかもしれない。そう考えるとなんだか怖くなって眠れなくなってしまう。
・・・・・・でも、綺麗だったな。
青く輝くプラフスキー粒子が目の前に広がりコックピットやバトルフィールドを形作る。
きっとあの瞬間を俺は一生忘れないだろう・・・。
そして、コウはゆっくりと眠りに落ちていった。
次回、「蛇の足」
バトル描写、難しすぎるッピ!!
駄文ですがよろしかったら次回も以降もよろしくお願いします