転生したらガンダムビルドファイターズの世界だった件   作:裸の錬金術師

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第5話「翼を持つガンダム」

ニシカド・アスカには、憧れのガンプラファイターが居た。

 

3年前、コウの家のテレビ中継で見たガンプラバトル世界大会。

 

世界中から勝ち抜いてきた選手たちは、みな力強く感じられた。

 

その中で、一人のファイターが目に付いた。

 

 

"彼"はイタリア代表のファイターだった。

 

決勝トーナメント初戦、アメリカ代表選手の操るトーリスリッター・フェンリルとの激しい攻防戦は、今も目に焼き付いている。

 

"彼"が使ったガンプラは、TV版ウィングガンダムの改造機で、全身をイタリア国旗と同じトリコローレで纏めており、ツノや肩、背中の羽根など体の各所がアシンメトリーな、ある意味、歪なガンプラだった。

 

だけど、いやだからこそ、そのガンプラが、そのファイターが一際、眩しく見えたのかもしれない。

 

 

 

 

次の日、コウに教えてもらったホビーショップに"彼"と同じガンプラを買いに行ったものの、ガンダムを全く知らなかったせいでEW版を買ってしまったのはご愛嬌、ということで。

 

 

 

 

 

* * *

 

 

 

 

 

 

・・・・・・コウは凄い。 

ガンプラバトルを始めて僅か数回だというのに、もうガンプラを自在に操っている。

 

今だってほら、コウのハイネ専用デスティニーは、相手の上空からビームライフルを撃ち、その直後に高エネルギー長射程ビーム砲を放つ。一射目は躱せたジム・ナイトシーカーでも、二発目を避けることができず、いとも容易く撃破されてしまった。

 

「へへっ、どうだ!SEED ASTRAYのイライジャから着想を得た、二段偏差撃ちだぜ!」

スピーカー越しにコウの嬉しそうな声が聞こえてくる。

 

・・・・・・アタシも負けてはいられない!

 

今回のフィールドは、フィールド3 フォレスト。

流派東方不敗修行の地やGのレコンギスタ最終決戦の地で有名なギアナ高地。

あたり一面の緑と渓谷のように切り立った崖が特徴だ。

 

数あるフィールドの中でもかなり視認性が悪く、上空から索敵を続けていても、一向に相手の機体が発見できない。

 

 

さて、どうしたものかと考えていると・・・・・・

 

 

『CAUTION』

 

ディスプレイに警告が出たのと同時に前から砲弾が飛んでくる。

 

「くっ・・・・・・!」

 

咄嗟に、すんでのところで躱すと、砲撃が飛んできた方向を確認する。

 

「!」

 

いた!

 

この砲撃を放った者は、密林の中にその体を隠している、ドッペルホルン砲をストライカーパックとして背中に背負ったストライクガンダムだ!

 

 

ーードッペルホルン連装無反動砲。

早い話が大型の実弾砲塔を2門備えた対艦攻撃用のストライカーパック。

艦船によっては一撃で轟沈させ得る威力を発揮するものの、その代償として機動力は犠牲となってしまう。

 

つまり・・・・・・?

 

「アタシのバスターライフルのいい的ってこと!」

 

 

ウィングガンダムの持つバスターライフルは、最大出力で発射すると射軸を中心とした周辺の大気を一瞬にしてイオン化させ、半径150mに及ぶ激烈なプラズマ過流と数十Kmに及ぶ灼熱の奔流を巻き起こす程で、まさに戦略兵器級の威力を持つ。

それはガンプラになっても同じことで、凄まじい威力を誇ることには変わりない。

 

「逃がさない!」

 

ウィングガンダムがバスターライフルの引き金を引くと、銃口から光が溢れ出し瞬く間に周囲の大地ごとストライクをプラフスキー粒子の奔流が飲み込んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

* * *

 

 

 

 

 

 

 

 

『ただ今より、決勝戦を開始します』

 

「ついに決勝戦、気合い入れて行きや!」

 

今回の店舗大会の決勝戦の開始を告げるアナウンスと同時にオノさんからの檄が飛んでくる。

 

そう、アタシとコウのペアはなんだかんだで決勝戦まで勝ち上がってきていた。

コウが急速にバトルの腕を上げてきているおかげだ。

 

「この勢いで、決勝戦も制しちゃおう!」

「おう!」

打てば響くような返事が返ってくる。実に頼もしい。

 

『Field 2 Desert』

 

『Please set your Gunpla』

 

バトル筐体にGPベースとウィングガンダムをセットする。

 

相手のガンプラは・・・・・・ゲルググJ(イェーガー)とギャンK(クリーガー)。

どちらとも、一年戦争中に開発されたMSの中でも最高クラスの性能を有する機体とされる。

まさに、決勝戦の相手に相応しい!

 

『Battle Start』

 

「ニシカド・アスカ、ウィングガンダム、行きます!」

 

カタパルトからウィングガンダムが、極彩色の翼を煌かせて飛翔した。

 

 

 

 

 

 

 

* * *

 

 

 

 

 

 

 

コウは変わった。

 

かつて、アタシにガンダムやガンプラを教えてくれたのはコウだったけれど、アタシがどれだけ誘ってもガンプラバトルだけは決してやろうとはしなかった。

 

 

でも先日、まるで今までのことなんてなかったかのようにガンプラバトルをやりたいと言い出した。

 

 

最初はとても信じられなかったけど、やっぱり嬉しかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だってアタシはずーっと、コウと一緒にガンプラバトルがやりたかったんだから・・・・・・!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




次回 「最強の盾」

事情によりこれから、投稿頻度が下がるかもしれません。
どうか、気長にお待ちくださいませ…!
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