転生したらガンダムビルドファイターズの世界だった件   作:裸の錬金術師

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第6話 「最強の盾」

 

「俺が突っ込むから、アスカは援護を頼む!」

「オッケー!」

 アスカの返事を合図に、コウの操るデスティニーが肩部のビームブーメランを同時に投合、円の軌道を描き飛んでいく。そして両側から迫るビームブーメランを避けるのに必死なゲルググJを確認すると同時に、コックピットに浮かぶ球体を押し込み、機体を突っ込ませる。相手がブーメランの対処にまごついているスキを付き、対艦刀ですれ違いざまに一閃。

両断された相手のガンプラが爆散した。

 

『BATTLE ENDED』

 

 

 

 

 

 

瞼を閉じると、つい先程までの光景がありありと浮かんでくる。

結果だけを述べると、俺たちは優勝した。

いやもう、全くもって信じられないんだが、あの憧れのガンプラバトルで、いくら店舗大会とはいえ優勝したんだ。こんなの嬉しいに決まってる。

 

 

「いや〜まさか優勝するとは思わんかったわ」

オノさんが心底驚いたような顔をしている。そりゃそうだ。アスカはともかく、貸出ガンプラなんかを使うガンプラバトル初心者が優勝するなんてそうそうお目にかかることはないだろうし。

 

「どう?アタシの目に狂いはなかったでしょ」

アスカがふふん、とオノさんに向かって自慢気に胸を張っている。

「そうやな。兄ちゃん、中々に良いセンスしとるわ」

お礼を言うために口を開こうとしたその時、後ろから聞き覚えのない声がした。

 

「あら、今日はタイガくんは来ていないのかしら?」

刹那、さっきまで笑顔だったアスカの顔がみるみるこわばっていく。

なんだか嫌な予感がしつつも後ろを振り向くとそこには、黒く長い髪を靡かせた美少女が立っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

*       *       *

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それで?どうなのかしら、ニシカド・アスカさん?」

突如現れた謎の美少女の問いにアスカが苦虫を噛み潰したような顔で答える。

「今日は来てない、来てないわよ」

「ふーん、残念。今日こそは逢えると思っていたのに」

2人のやりとりを見るにどうやらこの美少女はアスカやタイガと顔見知りのようだ。

それになんだか複雑な事情がありそうなのだが、意を決してアスカに訊ねる。

「もしかして、知り合い?」

「・・・・・・うん。コイツはクロサキ・リン。そして──── 」

「私とアスカさんは、ガンプラバトルのライバル同士よ」

クロサキ・リンというらしいこの少女がアスカの言葉を遮って答える。

「ライバル!?」

「不本意だけどね・・・・・・。今は20戦10勝10敗といったところ」

アスカは依然として不機嫌な様子だ。もしかしたら、あの人のことを良くは思ってないのかもしれない。

「そんなことより貴方。もしかしてアスカさんのパートナー?」

彼女の視線がこちらを向いた。

「ああ、そうだけど」

「ふ〜ん、そうなの」

頭の先から爪先まで、まるで値踏みするかのような視線を感じる。

「貴方、私とガンプラバトルをしなさい」

 

・・・・・・え?

なんだって?

「ガンプラバトル?俺が?」

「ええ、そう。私とガンプラバトルするの」

「どうして?」

「決まってるでしょ、貴方の力を見極めるのよ」

「見極める?」

「アスカさんのパートナーとして相応しいかどうかをね。

ほら、早くガンプラをセットなさい、今日はタイガくんと逢えなかったから気が立っているの」

 

最後のが本心なんじゃないか・・・・・・?と訝しんだが、断ったら断ったでとても面倒なことになりそうな気がする。

しかし、俺の手持ちのガンプラは貸し出されたものだ。ちらりとオノさんの方を見ると、やれやれ、しゃあないなとでも言いたげな顔をしている。俺はコレをOKと判断した。仕方ない、やるかガンプラバトル!

「ついさっき優勝したばかりの俺の実力、見せてやるぜ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

* * *

 

 

 

 

 

 

 

 

プラフスキー粒子によって象られた漆黒の宇宙を、2つのガンプラが疾駆する。

その内の一体は、コウの操作するハイネ専用デスティニーガンダム。そしてもう片方は、全身を燻んだグレーに身を包みワンポイントに青色と黄土色がペイントされている。

 

───── その名もハイペリオンガンダム。しかもカラーリングから見て、その2号機もしくは3号機に違いない。

 

 

そのハイペリオンはデスティニーの猛攻を華麗にいなし、そのお返しとばかりにビームサブマシンガンとビームキャノンによるビームの雨をお見舞いしてくる。

しかし、デスティニーもその持ち前の機動力を活かし射撃の雨を縫うように回避する。

 

その力量は、言うなればまさに互角。

 

 

「なかなかやるわね、それじゃあこれなんてどうかしら!」

「なに!?」

「輝いて!私の・・・ハイペリオン!」

気合いの入った掛け声と共に、ハイペリオンはウイングバインダーを前面に展開、瞬く間に緑色の膜のようなものがハイペリオンの全身を覆う。

 

────俺は、コレが何かを知っている。

これこそは、ハイペリオンに搭載された特殊なシールド。軍事要塞アルテミスの光波防御帯をMSに搭載できるレベルまで小型化したもので、実弾・ビームを問わず防御できるほどのパワーを誇る。まさに最強のシールドと言っても差し支えのないシロモノだ。

また、シールドの位相がモノフェーズ化しており、展開中であっても展開した内側の自身の攻撃はすり抜けるいうチート機能までついている。

 

──── アルミューレ・リュミエール。

これが、その最強の盾に与えられし名だ。

 

「・・・・・・さぁ、いくわよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

* *     *

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

デスティニーがビームマシンガンを乱射しながら急速に突撃してくるハイペリオンに向かってビームライフルを放つ・・・・・・が、アルミューレ・リュミエールによって弾かれる。次に背面の高エネルギー長射程ビーム砲を放つ。再び弾かれる。ビームブーメランによる両側からの挟撃もやはり弾かれる。接近戦を仕掛けようにもザスタバ・スティグマトとフォルファントリーによるビームの弾幕に邪魔されてうかつに近づくこともできない。

 

(くっそ!やっぱり全然効いてねえ!)

 

頭が軽いパニック状態に陥ってる。

なんとかしてコイツを突破しないことには・・・・・・。

 

 

しかし、コウの操るデスティニーの動きが鈍ったのをクロサキ・リンは見逃さなかった。

一気に加速し、デスティニーとの距離を詰める。そして──── !

「くらいなさい!これがハイペリオン必殺の一撃!」

「しまっ────」

ハイペリオンが急加速をかけ突進してくる。前方へと向けられた背中のビームキャノンの砲塔はまさに「槍」と呼ぶに相応しい、アルミューレ・リュミエール・ランサーを形成している。

 

(ダメだ、間に合わない!?)

 

次の瞬間、怒号と共にその一撃がデスティニーの胴体に叩き込まれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

* * *

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「アスカ、お前よくあんなのを倒せたな?」

「まぁ、前に戦った時はツバークつけてたしね・・・・・・」

「そっか・・・・・・」

「元気出しなよ!アイツには負けちゃったけど優勝したんだよ、アタシたち!」

落ちていく夕日に照らされる2人の手には優勝の景品であるガンプラ無料券で手に入れたガンプラの箱が握られている。

 

確かに、最後に悔しい思いをしたものの、今回の初参加だった大会を経て、俺が作りたいガンプラのアイデアがたくさん浮かんできていたのもまた事実だ。

 

「次は、負けない・・・・・・!」

 

 

 

そう、シノノメ・コウのガンプラバトルはまだ始まったばかりである。

 

 




次回、「オールレンジはむずかしい」

皆様、大変長らくお待たせしました、第6話です。
出てきましたね〜新キャラ!近いうちにキャラ設定集的なのも書きたいなって考えております。
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