それでは本編をどうぞ
俺はラノベやアニメの主人公に憧れる。特に異世界転生ものは大好きだ。
理由は一つ憧れだ。なんの取り柄もない自分にもしそんな力があったらって思ったりする。
そうだ、興味ないと思うけど自己紹介をしておこう。俺はごく普通の高校二年生。名前はや…うぐっ!
「おっはよ!やっちゃん!」
俺は突然背中をおもいっきり叩かれ顔面を電柱に強打した。
「痛ってーな!何しやがる!」
「うわ、やっちゃん。鼻からすごい血で出るよ」
「お前がやったんだ!お前が!」
「私、後ろからポンってしただけだよ」
いやいや、ポンってなんだよ、そんな可愛い音じゃなかったろ…
てなわけでちょっと睨んでみる。
「ご、ごめんって、これで許して」
そう言うと自分のポケットからティッシュを取り出して俺に手渡してきた。
「こんなんで許してもらえるんだから、恵まれてるよお前は」
「そうだね、最高の幼馴染みをもったよ私は」
笑って見せた彼女は俺の幼馴染みの暁月 紅葉。運動神経抜群でよく運動部の助っ人をしている。運動ばっかりしてるせいか男勝りな性格をしている。それでも紅葉はモテる。黙ってたら美女だもんな。
「あ、やっちゃん、信号変わっちゃう!急ごう!」
「おい待て!走ったら危な…!」
プゥゥゥゥッ!!!
それは一瞬の出来事だった。紅葉が渡っていた横断歩道にトラックが突っ込んできた。このままだと紅葉が!
『お前は立派なヒーローになれるぞ』
不意に父の言葉を思い出した。そうだよ、なんの取り柄のない俺でもヒーローになれる!絶対に紅葉は助ける!
俺は飛び出して紅葉を突き飛ばした。その瞬間重い衝撃が走った。
「やっちゃん!やっちゃん!!」
紅葉が俺のことを呼んでる…ごめん…な…おもいっきり…突き飛ばして…悪かったな…
「やだよ!やっちゃん!」
最後は立派なヒーローになれて…良かっ…た…
俺はそのまま息を引き取った。
そのはずだった、俺もう一度目を覚ましたのだ。
ここはどこだろう、病院じゃないよな?
俺はここがどこなのか手がかりを探すため辺りを見渡すが何もない。白い部屋にポツンと一人で座っているだけだった。
「あら、やっと目が覚めた?」
さっきは誰もいなかったのにいきなり目の前に少女が現れた。
白髪でとても透き通っている。顔立ちも幼い感じなのに整っている。大人の女性に見えてしまう。だがその中でも印象的なのは目だ。赤い目だ。まるで血の色のように。とても怖い、けどここのことを知っているのはあの少女しかいないだろう。だから聞かないと、ここのことを。
「あ、あの、ここは一体どこなんですか?」
少女は少し考える仕草をするがすぐに口を開く。
「そうね、簡単に言ったら天国、かしら?」
天国?やっぱりあの時、俺は死んだんだな。でもやはり違和感がある。
「でも天国にしては狭いし俺たち二人しかいませんね?」
「だから、言ったじゃない。ここは天国みたいなところって」
全然わからない、やっぱりちゃんと説明してもらわないと。
「あの、詳しく教えてもらってもいいですか?やっぱり気になってしま…」
「ああもう!私、説明するの苦手なの!だから単刀直入に言います。貴方は異世界転生をしたいですか、したくないですか?」
異世界転生!?なんだそれ、いきなりぶっ飛んだ質問をしてきたぞ!
「えっと…異世界転生ってなんですか?」
「逆に聞くけど、貴方、天国か地獄いきたい?」
「え?」
「天国っていいところって言うけど実際とても暇なのよ。何もないから、ただぼけっとしてるだけよ。地獄は言葉の通り地獄よ。」
そんなの聞かされて天国行きますなんて言えないし、ましてや地獄なんてもってのほかだ。でも異世界転生なんて話信じていいのか?
「じゃあ逆に貴方、地球で虫に転生したい?嫌でしょ?」
「俺、来世は虫なんですか!?」
「人間に生まれ変わるなんて砂漠から針を見つけるより低いからね」
「そんなに低いの!?」
「当たり前でしょ、地球上でどんだけ生命が溢れてると思ってるの?」
確かにたくさんの命はあるけど虫にはなりたくないな…
「答えは決まったも当然でしょ、早く選びなさい」
これ最初っから選択肢なかったんじゃないのか!?
「ほら言っちゃえよ」
ものすごく悪徳商法みたいだ。
「虫?地獄?それとも無?」
「…分かった。異世界転生することにするよ…でも一つ聞かせてくれないかな」
少女はちょっとムスッとした表情で「なによ」と答えた。
「そっちの世界で俺はヒーローになれるかな?」
「そんなの貴方次第でしょ」
確かにそうだよな。ヒーローなるなんて自分次第だよな。
「変なこと聞いて悪か…」
「それじゃいってらっしゃい」
「ま、待って!唐突すぎ!」
俺はそのまま真っ白い光に包まれた。
「大丈夫よ安心しないさ。貴方がヒーローになるまでちゃんと見てあげるから。なんてたって私が選んだ子だもん」
少女の声が聞こえることはなかった。
気づいたら俺は知らない街にいた。
一体ここはどこだ?せめて行先ぐらいは教えて欲しいものだ。
何もわからないから情報収集をするしかないな。でも、言葉は通じるのかな?文字だって読めるかもわからない。俺っていっつも不運ばっかりだからな。
ダメだダメだ!くよくよしても仕方ない。まずは言葉が通じることを祈って通行人に話しかけないと。
「す、すみません!」
「はい?どうしたんですか?」
よし!言葉が通じた!とりあえず冒険者ギルドがあるかを聞こう。もしあれば情報収集には適している。
「この街には冒険者ギルドはありますか?」
「ああ、あるよ。この道をまっすぐ行ったところに大きな建物がある。そこが冒険者ギルドだ」
「親切にありがとうございます。早速行ってみますね」
「おお、待ちな兄ちゃん」
「はい?」
「兄ちゃんもしかして旅の人なのか?」
「ええ、まあそんなもんです」
「だったら気をつけなよ。兄ちゃん珍しい格好してるから、タチの悪いゴロツキに捕まるなよ」
やっぱりこの世界にもいるんだな不良みたいなやつ。嫌だな〜絡まれたくないな〜
「忠告ありがとうございます。気をつけて行ってきます」
「おう、気をつけてな」
何はともあれ冒険者ギルドの情報を聞けたし早速行ってみるか。
道中ゴロツキが出ないかとビクビクしながら進んでいたが冒険者ギルドに着くまでゴロツキに会うことはなかった。
ここに来るまで心臓止まるかと思った!早く中に入ろう。
中に入ってみるとものすごい人の数がいた。流石は冒険者ギルド。表で見たときはかなり大きな建物だと思ったけど、中に入ったらますますその大きさが分かる。
いけない!早く受付を探さないと!
でも広すぎてどこに受付があるのか分からないな。どうしよう。
俺がその場で立ち往生していると後ろから「どうされました?」と声をかけられ、声のする方を振り向くとそこにはとても綺麗な女性がいた。歳は俺と同い年か一つか二つ上だと思う。背丈は俺と同じぐらい。そして綺麗な金髪をなびかせていた。
あれ?なんでなびいてんだろう?
そんなことより話しかけられたから何か答えないと!
「ああ、ええっと…」
なに緊張してんだよ俺は!普通に喋れよ!
「ごめんなさい…急に話しかけちゃって。困ってるように見えたから」
「謝らないでください!困ってたのは事実だし」
「そうでしたか。それでどうなされましたか?」
「えっと受付の場所が分からなくて」
「もしかして冒険者なんですか?」
「いえ、今からなろうかと思いまして」
「今から…ですか…」
なんだ?今一瞬彼女が笑ったような?
「頑張ってくださいね」
気のせいかな…
「私が案内しますよ。私について来てください」
「はい、ありがとうございます」
彼女について行くとすぐに受付に着いてしまった。
「まさかこんな近くにあったなんて。もう少しちゃんと探せばよかったです」
「無理もありませんよ、こんなに人がいるんですから」
「ここまで連れて来てくれてありがとうございました。いつか必ずこの恩を返させていただきます」
「すぐに返す時が来ますよ、それでは私はこれで」
すぐにってどういう意味だろう?
そう言えば名前聞かないと!
俺は慌てて彼女の名前を聞こうとする。
「あ!あの!お名前は!」
「名乗るほどじゃありませんよ」
そう言うと彼女は微笑んで行ってしまった。
やっぱ誰かに優しくされるっていいな。心がポカポカするぜ。
おっといけない、せっかくここまで連れて来てくれたんだから早く受付で冒険者登録しないと。
「あのすみません」
「どうされましたか?」
「冒険者登録をしたんですけど」
「冒険者登録ですね、かしこまりました。それではこちらの同意書に同意するとお書きください」
「はい、分かりま…ん?」
あれ?この文字は慣れ親しんだ文字では?
「あの、この文字って…」
「失礼しました!見た目が日本人だったので日本語を用意してしまいました!すぐに獣人族用の獣人語を用意いたします!」
え!今、日本人ってバレた!いやそんなことより獣人語とかいうわけのわからない奴に変えられてしまう!早く止めないと!
「い、いえ!大丈夫です!ちゃんと日本語読めますから!」
「本当ですか?本当に大丈夫ですか?」
「は、はい全然大丈夫です」
「よ、よかった〜。私これで失敗したらクビになるところでした〜。うぁぁん」
なんかこの人も大変そうだな。
「あ、あの大丈夫ですか?」
「は!私とした事がお客様の前で大泣きしてしまった!大変すみませんでした!」
受付の人は思いっきり立ち上がり思いっきり頭を下げ思いっきり机に頭をぶつけた。
「アイタッ!」
「とりあえず書きますね…」
同意書を書き終え紙を提出した。冒険者カードを作るのに少し時間がかかるらしいので俺は受付の人に少し話を聞くことにした。
「少し聞きたいんですけどこの世界にはどのぐらいの種族がいるんですか?」
「種族ですか?」
「ちょっと遠いところから来まして、どんな種族がいるか分からないんですよ。さっきの文字も自分の国にしかないと思っていましたので」
決して嘘は言っていない。
「そうだったんですか。それは大変ですね」
お互い大変ですね。
「そういうことなら私に任せてください!なんてたって頭いいけど抜けているで有名なマリンさんなんですから!」
マリンさん遠回しに馬鹿にされてることに気付いてないのかな。
「私、飛び級で卒業してますから。頭いいんです」
頭いいってところしか見てないなこれ。
「…そうですか。それじゃ新ためてお願いします」
「なぜ哀れんだ目でこちらを見てるのか分かりませんがご説明させていただきます」
それからマリンさんは淡々といろんなことについて説明してくれた。
「まずは種族ですね。この世には日本人、獣人族、エルフ族、ネクロマンサー、ドラゴン族…」
「ちょっと待ってください!ドラゴン!ドラゴンって言いました!?」
「はい、言いましたよ」
「ドラゴンって人種なんですか!?」
「はい、そうですよ。男性の方はドラゴンに近い見た目をしていますが女性の方は私達に近い見た目をしていますよ」
「…そうなんですか…あ、どうぞ続けてください」
「はい、では続けさせていただきます。他にはドワーフ、鬼族、ヴァンパイア、あ、ちなみに鬼とヴァンパイアは元は同じ鬼族だったらしいんですよ。えっとあとは魔族がいますね」
この世界には八種族いる。そして人間はここでは日本人と呼んでいる。
そういえばここまで来るとき人以外見てない気がするな。でもドラゴン族の女性は人に近い見た目をしているって言ってたからいたのかもしれないけど男がいないとおかしいし。
「あの、ここに人以外っているんですか?」
「いるとは思うんですけど、あまり見かけませんね」
「それはどうして?」
「なぜと言われましてもここは日本人が住む街、ウォールバザールですから」
人しか住んでないってことはまさか他の種族と戦争中なのでは!
「ちなみにこの町の名前の由来は、昔、八種族の戦争中一番弱かった日本人は街を壁で囲い凌いでいたから。バザールの方はその名の通り市場ですね。ここに来る途中とても賑やかだったでしょ?」
「あの、その戦争ってまだ続いてるんですか?」
「いえ、続いてませんよ」
良かった、今は平和な世界のようだ。
「ただ」
「ただ!?」
「えっと…ただ、魔族とは今も戦争中です」
「それじゃ他の種族は?」
「他の種族とは手を組み打倒魔族って願望を掲げているんですよ」
「なんでまだ魔族とは戦争中なんですかね?」
「一事は治ったんですけどね。王様が急に魔族から攻撃を受けたっておしゃって、そのまま戦争ですよ。でもどこに攻撃を受けたかは教えてくれませんでしたけど、プライバシーを守ったのかな?」
「一つ聞いていいですか?」
「?…はい」
「王って全ての種族にいるんですか?」
「はい、もちろん」
だとすると俺がここに来た理由はその戦争を止めるとか魔族の王、つまり魔王を倒すのが使命なのかな?ベタだけど。
自分の使命がベタだったことに少し苦笑いをしていると受付の後ろからチンっと音が鳴った。
「あ!冒険者カードできたみたいですよ!」
冒険者カード電子レンジで温めてませんでした?
「こちらできたての冒険者カードですよ」
随分ホカホカしてるなこのカード。
「早速、能力を確認していきましょう!」
「そうですね、実は結構楽しみだったんですよ」
「それじゃまずは筋力から、えっと、筋力は…」
「筋力はどうですか?」
「Eです」
「良い?そんなに良かったんですか?」
「いえ、一番下の評価ですね」
「一番下!」
いやでもこうときは魔法がすごいとかのパターンだよな。
「他のところを申しますと。知能はA」
ほら来た、魔法使いには必要な知能が高い!勉強していて良かった!
「魔力がE」
「えっ…?」
「防御力はE」
「……」
「はっきり申し上げますと…今からでも冒険者辞めても大丈夫ですよ?」
「……………」
「き、気をしっかり持ってくださいね」
「……ゃる……」
「え?」
「やってやるよ!!初心者でもハードモードをノーコンテニューでクリアしてやるよ!!かかってこいや人生!!!」
「あわわわっ!」
「ありがとうっ!マリンさん!おかげでスッキリした!俺の人生、不幸ばっかりだったんだから今更クヨクヨしてられねぇ!」
「そ、そうですか…ならここにお名前を登録するので、ここに触れて名前を思い浮かべてください」
名前…か…
ふと紅葉のことを思い出した。
あいつ今どうしているかな…またやっちゃんって呼ばれたいな…
「これで登録完了です」
「はい?」
俺いつ自分の名前思い浮かべた?
「ヤッチャンさんこれから頑張ってくださいね」
「やっちゃんって…いや、それ名前じゃなくて」
「ですがここに記載されてますし」
俺はここに来てもその名前で呼ばれるのか?嘘だろ…誰か俺の本名呼んでくれ…
「…それじゃ俺はこれで、色々ありがとうございます」
「ちょっと待ってください!」
この場を去ろうとしたらマリンから止められた。
「最近初心者狩りがいるから気をつけてくださいね」
「十分気をつけます、あ」
不意にマリンのことが気になるのから聞いてみようかな。
「一つ気になることがあるんですけど良いですか?」
「なんでも聞いてください」
「本当は聞いて良いか分からないんですけど…」
「なんでも答えますよ」
「マリンさんて歳いくつですか?」
ヤバイ直球に聞きすぎた!
「ほ、ほらマリンさんて背が低いから…」
フォローになってねぇぇぇ!
さっきからマリンさんだって黙ったままだし
「良いですよそれぐらい」
ほら、マリンさんも怒っ…え?
「いいの?」
「別に大丈夫ですよ、だって私まだ世で言う学生ですから」
「マリンさんてまだ学生なんですか?」
「まだ十四ですし、まださんでもないですね」
「そんなに若いの!?まだ後四年は勉強しないと!」
「言ったじゃないですか飛び級で卒業したって」
そうは言ってたけど飛び級しすぎでしょ。
「ちなみにこの受付の仕事してから何年になるの?」
「丁度一年ですね」
「十三で卒業!?」
「はい、十三の時に大学の方を」
なぜだろう頭はいいはずなのにいいようには見えない。
「マリンさんて凄いんですね」
「そうなんです私凄いんです。あ、あと私のことはマリン・シュフォードなのでシュフォードかマリンとお呼びくださいね」
「じゃマリンちゃんで」
「ちゃんは恥ずかしいですよ…」
「年齢に合った呼び方だろ。 じゃこれで」
「あ、あの!」
「ん?」
「これからも私と仲良くしてくださいね」
「こちらこそマリンちゃん」
そう言うとマリン満面の笑みを浮かべた。
冒険者登録を済まして冒険者ギルドの入り口まで来た時あることに気がついた。
「どこに行けばいいんだろう?」
失敗したな、マリンちゃんに聞いたけばよかった。年齢なんて聞かずに。
まあ、通行人に近い町を聞けばいいか。
なんとも計画性のないことを考えながら冒険者ギルドを後にする。
が、俺の目の前には見覚えのある姿があった。
「あれ貴女は」
「あら貴方は」
そこにいたのは冒険者ギルドで助けてくれた女性がいた 。
「無事に冒険者になれましたか?」
「おかげさまで無事冒険者になれました」
「それは良かったです。でも気をつけてくださいね」
「もしかして初心者狩り…ですか」
「そうです。でももう一つ気をつけてくださいね」
「まだ何か?」
これ以上は不安要素を増やしたくないな。
「初心者狩りは冒険者ギルドから出てすぐ襲われることが多いの」
それって今じゃないのか!
警戒を始めたが時すでに遅し。周りはすでに囲まれていた。
「へへっ、今日もいい獲物がいるな」
まずい!十人はいるぞ!
ここには彼女もいる。どうすれば。
「ここは私に任せて逃げてください!」
「何言ってるんですか!こいつらの狙いは俺ですよ!」
「そんなのカンケーねぇよっ!お前ら二人が獲物だ!」
初心者狩りはその瞬間、彼女に斬りかかった。
「きゃゃあ!」
「やめろ!!」
俺は彼女のもとに行こうとするが初心者狩りに蹴り倒された。
「ぐはぁっ!」
「なんだこいつ初心者にしては弱すぎるだろ」
「こいつもしかして今時珍しい低評価冒険者なんじゃないのか」
「能力値低かったら普通冒険者にならねぇって」
好き勝手言いやがって…ちくしょう…
「姉御そろそろいいんじゃないんですか?」
「姉御の正体明かしちゃいましょうよ」
あいつら何言ってんだ。まさかあいつら彼女のことを初心者狩りの仲間だと思わせて俺を動揺させせる気か!
「そうねもう頃合いかしら」
なにかを言った彼女はゆっくりと立ち上がった。
男として情けねぇ!女の子ばっかりに守られてんじゃねぇよ!
俺は立ち上がり彼女のもとに走った。
「騙していてごめんな…」
「ふざけるな!」
「「え?」」
「彼女がお前たちの仲間な訳がないだろっ!彼女の目を見てみろ!こんな綺麗な目をした人にお前らみたいな心が腐ってる奴が仲間なんて言うな!」
やべぇ!勢いで言っちゃったけど俺弱いんだよな…どうしよ!
「今綺麗って言ってくれました?」
え?なんで今そんなこと聞くんだろう?まあ言ったのは確かだから素直に答えるけど。
「言ったけど。嫌だった?」
「いえ、嫌と言うわけではありません。ただもう一度言って欲しくて…」
なんだ確認したかったのか。そんなことならいくらでも言えるし。本当のことだし。
「貴方の目は本当に綺麗ですよ」
「………」
黙っちゃったよ!?やっぱり嫌だった!?
「姉御、そろそろ狩っちゃいましょ…」
「黙れ…」
彼女がそう言った瞬間、彼女は一人の初心者狩りの背後にいた。
「姉…御…なん…で…」
いや、正確には切りつけて背後にいった。それも目に見えない速さで。
「私はお前たちの仲間じゃないし姉御と呼ばれる筋合いはない」
なんか性格が急に変わった。めっちゃ怖!?
「姉御!狙いはあのガ…!」
もう一人の初心者狩りが言い終わる前に彼女はまた目に見えない速さで切りつけた。
「あのお方を傷つけようとするなら私が殺す」
さっきまでのか弱いイメージどこいったんだろう?
「大丈夫ですよ、私が始末しますから…」
え…今始末って言った?始末って言ったよね!?
それから彼女の言葉通り俺たちの周りを囲っていた初心者狩りは始末された。
「お時間かかって申し訳ございませんッ!お怪我大丈夫ですか?」
「え、ええ!こんな怪我どうってことないですよ!」
「良かった…」
「俺なんかより貴女の方が心配です」
「私は大丈夫です。おそらくこのスキルのおかげだと思います」
スキル?やっぱりあのスピードはスキルのおかげだったんだ。
「どんなスキルなんですか?」
「私もさっき獲得してたことに気づいたんですが。まさか私がレジェンドスキルを獲得できるとは思いませんでした」
レジェンドスキル?名前からして凄いスキルなんだろうけど。
「そんなに凄いスキルなんですか?」
「凄いってもんじゃないですよ。レジェンドスキルその名の通り伝説のスキルです。本当は存在しないんじゃないかと言われてます」
「そんなに凄いスキルだったんですか。ちょっとそのスキル見せてもらってもいいですか?」
「ええ、いいですよ。そのかわり貴方の冒険者カードを見せてください」
そう言うと彼女は自分の冒険者カードを見せてきた。
「これが俺の冒険者カードです」
俺もカードを渡したあと彼女の冒険者カード見る。
ええっと、あ、これか。なになに『慈愛の王』?スキル詳細は、『自分と対象者の能力を10000%上げる』って一万!?単純なスキルだけどチートスキルだ。あ、これ名前。そういう名前だったんだ。
俺は冒険者カードを彼女に返した。
「ありがとうございます」
「いえ、これくらい大丈夫です」
「それと」
「ん?」
「エリム・ナーサリーって言うんですね」
「そういえばまだ名前教えてませんでしたね。改めて私の名前はエリム・ナーサリーと申します」
「俺の名前はや…」
「知ってますよ貴方の名前」
「でも改めて言ったほうが…」
「ヤッチャンさんですよね」
「いや、違っ…」
「でも冒険者カードにヤッチャンって書いてますけど」
「それは手違いで…」
「名前登録で手違いがあるとは聞いたことがないですけど」
ですよね〜、読み取り式ですもんね〜。手違いって自分で自分の名前を間違えてるって事だもんな。
「よく考えたら名前合ってました」
「よく考えたら?」
「そこら辺は気にしないでください…」
俺この物語で本名で呼ばれることあるのかな。心配になってきたな…
「あの少しお願いがあるんですけどいいですか?」
「お願いですか?」
「はい…おこがましいのですが…」
「おこがましいなんて事はないですよ。どうぞ言ってください」
「それじゃお言葉に甘えて」
一体どんなお願いをするんだ…躊躇するようなお願いか…
「言いますね…」
ゴクリ…
「わ、私を…」
わ、私を…!
「仲間にしてくださいッ!」
な、仲間!?
「仲間に…ですか?」
「ダメ…ですか?」
「い、いえ!むしろこっちからお願いしたいぐらいですよ!」
「ありがとうございます!これからよろしくお願いします!主人様!」
「主人様?」
「何か変なことを言いましたか?」
「主人ってむしろ俺じゃなくてエリムさんの方だと思うんですけど」
「そんな事はありませんよ。私にとって貴方は主人様当然です」
「そ、そうですか…よく分かりませんが分かりました。これからよろしくお願いします」
「はい!お願いします!」
エリムさんって不思議な人だな。
これからエリムさんと二人で旅に出るんだよな。なんかエリムさんがいれば俺いらなくね?俺弱いし。
自分の存在が危ういと思ったヤッチャンであった。
ナレーターお前も俺のことをヤッチャンと言うのか…
本編で詳細が無かった、マリン・シュフォードを紹介していくよ。
マリン・シュフォード 14歳 身長154センチ 髪は背中までも長さがあり綺麗な青藍色をしている。歳も若いのでまだ幼い顔をしている。
ここからが本当の後書き!
「「ちょこっと異世界チート!」」
「実は…マリンちゃんは友達がいたことがない!」
「私はあえて友達を作らなかったんです。勉強に支障が出ますから」
「本当は欲しかったんじゃないの?」
「学業が終わった今は欲しいですね。だからヤッチャンさんと友達になったわけですけど」
「そっか俺が初めての友達か…何かあったら俺を絶対に頼れよ?何があっても助けてやるからな?」
「なんですか?過保護ですか?怖いですよ」
「てなわけでもう一つ!マリンちゃんのスリーサイズはッ…グフゥ!」
「そういうのは…やめましょうね…」
「すみません…」
「てなわけで次回も見てください!」
「…さい…」