ポケどま!   作:よすぃ

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黒の夢の終わり

 真紅眼の黒龍(レッドアイズ)と名付けられたリザードンが、その背に黒服を着込んだダンデを乗せ、空を舞う。その服は、レインボーロケット団を捨てたときに、シュートシティのブティックで適当に見繕ったものだった。何の特徴もない服であるが、その胸に何の印字もされていない事こそが、何よりも輝かしい、ひとつのアイデンティティだ。

 

真紅眼の黒龍(レッドアイズ)よ、火を噴けッ! 相手のライフポイントを直接削るぜ!」

 

 黒き龍が顎を大きく開き、火炎放射を放つ。バドレックスはそれを避け、不敵に笑う。

 

「私の番のようだな……」

 

 そう言うと、馬上より、右手をかざし、火の玉を放つ。それは、出ると同時に一直線に伸び、熱線になってダンデの乗るリザードンに襲いかかる。

 

「火炎放射だと……しかも、俺の真紅眼の黒龍(レッドアイズ)よりも強力な……! だが、これしきのこと!」

 

「その程度、避けてもらわなければ困る。面白くないからな。そして……」

 バドレックスは不敵に微笑む。

「……今のは火炎放射(メラゾーマ)ではない…… 火の粉(メラ)だ」

 火炎放射の完全な下位互換であるはずの火の粉であった。

 もはやバドレックスは、ガラルの王と呼ぶより大魔王と呼ぶ方が相応しいかの如く、威圧感を放っていた。

 瀕死のマッシュ、破壊されたT-800、倒れたまま動かないシャケ。それらを癒し続ける手を止めるわけにはいかない。何よりも私たちは、人類の未来のためにも、上のフロアで作業を行うホップとソニアの持ち場を守らなければいけない。

 古い格言を思い出す――大魔王からは逃げられない。

 

「どうした、終わりか? ならば、遠慮なく後ろの雑魚どもを燃やし尽くしてしまおうか。それとも氷づけが良いかな? 私には技の制約はない。ありとあらゆるもの、ありとあらゆる時代、ありとあらゆる世界のパターンを兼ね備えている」

 

「くそっ……チートか。まあ、俺も他人のこと、とやかくは言えないがな……」

 圧倒的なレベルの差に愕然とするダンデ。

 

 今の発言が事実とすれば、勝ち目などありはしない。炎タイプの技ひとつでこの差なのだ。本来、ポケモンバトルにおける火の粉は威力40であり、火炎放射は威力90の技である。バドレックスのタイプが一致しているわけでもない。

 優に2倍の開きのある技が互角、いや下手をすれば、火の粉を使用したバドレックスの方が威力は上であった事実がそのレベルの差を物語っていた。いや、現実にはレベル差ではない。ダンデのリザードンは育ち切っており、レベルは100、努力値も510振られている。シュートシティ滞在中にスカウターで試しに確認してみたところそのような結果が出ていた。

 

「くっ、俺のターン!」

 ダンデが叫ぶ。

「俺はこのターン、“巨大化”のマジックカードを切るぜ。いくぜ、キョダイマックス!」

 

 早期に決着をつけようという焦りが見えた。ダンデらしくない判断だった。

 恐らく、バドレックスの攻撃の矛先がこちらに向かう可能性も視野に入れたのであろう。今の私たちはあまりにも非力だった。

 リザードンがみるみる大きくなっていく。ダイマックスではなく、キョダイマックスだった。専用技で決着をつけようという魂胆だ。

 

『ならば、私もだ』

 

 バドレックスも同様にダイマックスの構えを取る。乗っている馬ごとバドレックスはその容量を増していく。

 身体中を青い光が覆っていた。ダイマックスしたときには赤く光るのがこの世界の理である。しかし、バドレックスはそうでは無かった。以前、マスターがガラル王即位の演説をした際に見せた、キョダイマックスの姿と同じ、この世界の理から外れた青の輝きに満ちている。

 

『さあ、どこからでもかかってくるが良い』

 

 大魔王の如き威厳で、ダンデとリザードンの殺意を受け止める。

 

「いけ、リザードン!」

 

 そのまま、キョダイマックスしたリザードンは、キョダイゴクエンの構えをとる。黒いリザードンのボディを紅蓮の炎が取り巻いていく。

 真紅眼の黒龍(レッドアイズ)と名付けられたリザードンは、その顎を天高くあげ、高く高く咆哮をあげた。

 

「――キョダイゴクエン!」

 

 ダンデの指示に阿吽の呼吸で真紅眼の黒龍(レッドアイズ)は応じる。顎から放たれたのは巨大な炎だ。

 しかし、バドレックスもただ見ているわけではなかった。

 

『炎か。では、私も炎タイプのダイマックス技でいこうか』

 

 バドレックスはそう告げると、白い片手を軽くあげると、指先に燃え盛る火炎が集まっていく。放たれるのは、炎タイプのダイマックス技。おそらくダイバーン。

 迫り来るキョダイゴクエンにぶつかり、その炎を吸収し、そのままダンデの乗る真紅眼の黒龍に向かう。

 向かう炎は待機中の酸素を加熱し、大きく拡がる。それはまるで、不死鳥が両翼を広げたかのごとく宙を駆け抜ける。

 

『大魔王のダイバーン……さしずめ“大魔王バーン“とでも呼ぶか? 私は、カイザーフェニックスと呼びたいがね』

 

 そんな独白を聞いている暇はなく、不死鳥の炎が真紅眼の黒龍(レッドアイズ)を燃やし尽くす寸前、黒きリザードンは身をよじり、ダンデをふるい落とした。

 主であるダンデに対し、そのような行動を取った理由はただひとつ。私にも痛いほど理解できた。

 絶叫をあげ、リザードンは巨大な燃え盛る不死鳥に飲み込まれていった。そして、そのままその巨躯は小さくなっていき、元の大きさへと戻る。

 

 遅れて投げ飛ばされる形になったダンデは地面に叩きつけられ、骨の折れる鈍い音が響く。手から、王者の剣が放り出された。

 呻き声をあげるダンデが剣を無くしたその手を地に落ちたリザードンに差し伸べ、声なき声を捻り出す。

 一瞬で炭となった真紅眼の黒龍(レッドアイズ)は、まるでその名を体現するかのように真黒な色をしていた。

 

『その程度、また創れば良いだろう。貴様ならノウハウもあるだろうに』

 

 サカキだったバドレックスはダイマックスしたまま、かつての同僚を見下すようにそう声をかける。

 

「貴様……人の心を失った、か」

 内臓をやられてなお、ダンデは掠れる声で憎悪をぶつける。膝からは折れた骨が飛び出していた。

「その思考はサカキ、お前のものなのか、他のものに奪われたの、か……」

 言葉を発する度、血を吐く。

 剣を杖がわりに、ダンデは燃え尽きて炭となったリザードンの元へと歩みを進め、その屍の横で崩れ落ちた。そして、まだ炎の燻るその身体を抱きしめ、その熱さに熱傷を負いながらダンデは涙を零した。

「レッドアイズ……」

 その愛称を呼び、自身も満身創痍の身体でありながら、相棒の死を悼み続ける。

 

『死に損ないめ……最期に、冥土の土産として、地獄を見せてやろう』

 

 その一部始終をダイマックスしたままのバドレックスは一瞥し、乗っていた馬から降りる。

 そして何やらぶつぶつと詠唱のようなものを唱え始める。

 

『闇よりもなお暗き存在(もの)、夜よりもなお深き存在(もの)、混沌の海、たゆたいし……』

 

 冗談ではなく、何か大きく勝負を決めようという気迫がそこにあった。慈悲など欠片も感じられない。

 サカキは冷淡な男であるが、私の知る世界線のサカキは息子を思いやる愛があった。およそ人にあるべき感情は少なからず有していたはず。

 だとすれば、このサカキの中に宿る者は何者なのだろうか。ウルトラホールを渡る際に融合したミュウツーか、それともサカキ自身か。

 スタンドの居た異世界のミュウツーにはサカキの意識も宿っていたが、それも私の知るサカキとは言い難く、両者が混じり合ったようなものだった。

 この眼前のバドレックスは、そんな二者の混ざり合ったものが、更にガラル王という亡霊に取り憑かれた何か全く別の存在ではないだろうか。

 

『ダンデ……』

「マッシュを癒す手を止めるな!」

 血を吐き続けるダンデに私は癒しの波動を向けようとしたが、鋭く制止される。

 そして、消え入りそうな瞳でこちらを見る。

 

真紅眼の黒龍(レッドアイズ)は俺の命を長らえさせてくれた……だが、それだけだ。俺の死に場所はここだ、それは、変わらない」

 

 ダンデの言うとおりだった。あのままリザードンと共に炭化し即死するか、生きながらえて苦しむか。その二択しか無かった。絶望的な中にあって、しかし、ダンデは最期まで諦めない気だった。あるのだ、切り札が。禁じ手とも言える何かが。

 私のエスパーとしての予感が、ダンデの命と引き替えの攻撃を予知していた。

 

 バドレックスもそれを悟っているのだろう。だからこそ、乗っていた馬を天に捧げるかのごとく何やら一心に詠唱を続けていた。

 

『スカイネットにて、“Parallel Abound Revolution ―平行な幾つもの革命―”起動。システム・アルセウスの外部へアクセス。外部保管していたムゲンダイナを召喚……』

 

 迷宮の天井が一瞬にして消え、ナックルシティの地上と繋がった。天には暗闇が広がっており、そこから手が伸びてくる――否、ムゲンダイマックスの姿のムゲンダイナだった。

 それを睨みつけ、ダンデは地を這いながら言う。

 

「俺の持てる知識、技術を動員する。レインボーロケット団の、幹部に与えられた管理者権限を使って、アクセス……俺は、俺を生贄に、特殊召喚を行う……」

 

 何やら朦朧とした様子でぶつぶつと呟き続けるダンデにはもう、何も見えていないのかもしれなかった。

 しかし、周囲の空気が変わってくるのを感じる。そして、ダンデは目を見開き、かろうじて手に持っていた王者の剣を自身の胸に突き立てた。

 

「ムゲンダイナァァァァァア!! 俺はっ! このターン、ライフポイントを1だけ残し、自身を生贄にアネ゙デパミ゙を特殊召喚! 墓地に真紅眼の黒龍が置かれ、かつ、アネ゙デパミ゙の依代が破壊されている時、トレーナーのライフポイントを1だけ残すことでこの世界の理から外れた混沌の存在(もの)を呼び出すことが出来る……」

 

 バドレックスは眉根をひそめる。自身もこの世の理から外れた秘術を用いて、通常どのトレーナーも使役することの出来ない存在を呼び出したはずのバドレックスだ。それが何か大きな危険を警戒するような素振りを見せている。

 

「……こいつは古の昔より世界の狭間、混沌の海を揺蕩う存在(もの)。黒いリザードンのような形をしているが、その正体はリザードンに非ず。レインボーロケット団の秘術でもこんな古臭いバグ技は使わないだろ? 世界の爪弾きの俺だからこそ、同じように世界の仲間入り出来なかったコイツに気づけた……」

 

 シャケの近くに転がっていた、バズライトイヤーの残骸から、何やら黒い霧のようなものが生じる。それはただの黒い気体だったが、徐々に龍の形を取っていく。

 私はこれに見覚えがあった。以前、T-800が未来に帰る際、見せた真の姿だ。

 およそ知りうるポケモンのどれにも該当しない、図鑑番号すら持たない、ポケモン図鑑における“けつばん”。それこそが、T-800の真の姿。未来からやってきたターミネーターの姿すらチップを経由してこの世に留まるための仮初の姿に過ぎなかった。

 

 真紅眼の黒龍(レッドアイズ)とアネ゙デパミ゙は融合し、この世のものとは思えない、古のゲームボーイと呼ばれる小型遊具機の電子音のような鳴き声をあげ、この世に姿を具現化させる。

 

「頼んだ、ぜ……真紅眼の黒龍(レッドアイズ)……」

 

 それを見届けたと同時に、糸が切れたようにダンデは崩れ落ちた。血溜まりが地面に広がっていた。

 主の指示をしかと受け取った黒き異世界の竜は、同じく、黒き夢幻の竜と対峙する。

 

 ムゲンダイナは空高くから、みるで手のひらを広げたような姿で、そこから、ガラル粒子――ムゲンダイエナジーを凝縮した光線を放つ。

 アネ゙デパミ゙=レッドアイズはいくつもの黒い炎を吐き出し、その光線を打ち消し、続け様に黒い光の熱線を吐き散らかす。それは、空中に留まっていたムゲンダイナの巨大な指のようなパーツの一本にあたり、消し飛ばす。

 ムゲンダイナの絶叫が聞こえる。同時に、私は違和感を覚えた。バドレックスが焦点の合わぬ目で身体を震わせているのだ。

『ぅぅぅぅムゲン……ムゲンダイナ……』

 何やらバドレックスは呻いていた。

 

 瞬間、私の頭の中に流れ込む記憶。

 孤児院ホームで見た書籍、ポケモン図鑑などの中に、このポケモンの記載があった。そうだ、こいつは未知の神や王などではない。

 今までだってそうだった。伝説や幻、そして神。呼び名は異なれど、それらに共通するのはポケモンであり、ボールに収まる存在だということ。

 そう。

 バドレックスは太古の昔にムゲンダイナと闘った。敗れたかどうかは分からないが、文献のとおりとすれば手放しに勝利とは言えない状態だっただろう。その記憶が遺伝子レベルにまで残っているのか、サカキが姿を変えた形であるバドレックスは震えていた。恐怖か、武者震いかは分からない。

『来る、な……』

 バドレックス=サカキが呻くと、反応したのはムゲンダイナだった。

 こちらもまた、太古の昔の記憶を呼び覚ましているようだった。そして、今まで自分に好き勝手に指示を出していたのが、目前の緑の王冠をいただく豊穣の王であることに気づき、攻撃の矛先をバドレックスに向けたのだった。

 天から伸びる顎にエネルギーが集まっていく。しかし、バドレックスは避けようともしない。

 

 ――その攻撃、ムゲンダイビームの矛先がバドレックスに向く。

 

「やめるのにゃー!」

 

 その時、私の隣で倒れていたシャケが叫び、飛び起きるとバドレックスを庇うように飛び出していく。

 そして、バドレックスの前で両手を広げ叫ぶ。

 

「サカキ様は、ニャーの生命にかけても守るのニャ!」

 忠義を尽くす臣下の姿だった。元ロケット団のニャースと、元ロケット団の首領。正しい世界であって、見ることのできた光景だったのかもしれない。

 紆余曲折あり、それが今この場において行われている。歪んだ時間と空間の先にある世界にも関わらずに。

 

「こ、怖くないのニャ……ニャーのおでこの小判は、聖なるバリア・ミラーフォースなのニャ……だから死なないのニャ、怖くないのニャ……」

 

 強がるシャケの膝はガクガクと震えていた。無機質なムゲンダイナは何の感情も見せずに、エネルギーを放った。

 シャケが悲鳴をあげ、目を瞑る。

 攻撃のあたる寸前、シャケを遠くに蹴り飛ばし、バドレックス=サカキがその攻撃の全てを受け切る。恐らくは通常到達しえない領域の設定がなされているであろう、その一撃はサカキを貫く。

 悲鳴もあげぬまま、身体を焼き尽くされ、灰すら残さず、バドレックスだったサカキは消滅した。

 

「あ、あ、さ、サカキ様……?」

 

 シャケは急いでサカキの居たあたりに駆け寄る。薄らと地面には黒い人型の影のような焦げ跡が残っていた。高音の熱線に晒され消し飛んだ証拠がしっかりと残っている。あまりにも残酷な形で目に見えるそれに、シャケは涙と鼻水を溢れんばかりに垂れ流しながら慟哭した。

 

 だが、ムゲンダイナは止まらない。

 次の一撃をシャケに向けて放とうとした瞬間、今度はシャケを庇うようにアネ゙デパミ゙=レッドアイズが頭上の巨大なムゲンダイナへと突撃し、その指のようなフォルムを2本、両手で掴む。

 

 癒しを続けながら、少し余力の出てきた私はスカウターで相手のムゲンダイナの数値を計測する。個体値や努力値という概念など関係無かった。単純に全ステータスが9という数字だけで埋まっている。

 

『すべて、999……?』

 

 技だけはかろうじて4つであるが、その圧倒的ステータス値は、絶望を感じさせるのには十分だった。

 続いて、アネ゙デパミ゙のステータスもスカウターで計測する。おかしい。

 

『17000……19000……21000……』

 

 上昇し続ける数値。読み上げてみてよりその異常さが際立つ。レンズに映し出される画面に数字が収まりきらなくなっていく。何かのバグのような状態が続き、スカウターが熱量を帯びたので、咄嗟に私はそれを遠くに放り投げた。

 ボンッ、という音と共に爆発し地面に転がるスカウター。

 アネ゙デパミ゙のステータスはこの世の基準に収まっていない。

 

「くく、こいつは存在そのものがイレギュラーなんだ……無から整合性を取って創られたのではなく、無からデタラメに生まれてきた存在……」

 

 血の海に倒れるダンデが掠れ声で言う。死の淵の男の言葉であったが、そこには敗北という文字は無かった。

 

「さあ、俺の、ターン……本来は“魔法効果(インドラ)の矢”でもない限り、“融合”は困難だがこの近距離だ……効果は発動可能だぜ」

 

 倒れながらもダンデは指示をする。T-800であり、真紅眼の黒龍(レッドアイズ)であったそれに。

 

「俺はこのターン、“究極竜(ムゲンダイナ)”に、“古の夢の墓場(アネ゙デパミ゙ )”を融合させるぜ!」

 

 正しく、俺ルールであった。

 ダンデの指示のもと、アネ゙デパミ゙=レッドアイズは、ムゲンダイナに溶け込んでいく。ムゲンダイナが巨大な身体を捩り、悲鳴のような大声をあげ苦しみ始める。

 

「片や整合性を守って創り出された改造ポケモン、片や整合性など度外視し勝手に生まれ出たバグポケモン! 秩序と混沌、相容れぬ2つの属性ッ! 属性反発作用により、ムゲンダイナは腐食、消滅しする!」

 

 完全に一体化したムゲンダイナとアネ゙デパミ゙=レッドアイズは、その身体が何やら分解されるように崩れていく。その分解のされ方はどこか電子的で、例えるなら3Dで創られた映像のようだった。

 ムゲンダイナが崩れ落ちるにつれて、空の暗闇が消えていく。そして、青空が見えてくる。

 

「ターンエンド、俺の勝ちだぜ」

 言い放ち、ダンデは力を失い、倒れた。

 ムゲンダイナが完全に消失し、“ブラックナイト”と呼ばれる、闇の世界が消えた。

 

「う、サナ……?」

 私の手の中でマッシュが目を覚まし、空にその焦点が合う。

 そして微笑み、呟く。

「きれいな、虹だな」

 青空に虹の橋が掛かっていた。

 それはまるで、レインボーロケット団の紋様のように、鮮やかな明るさをしていた。

 

――――――――――

【補足】アネ゙デパミ゙とは?

 T-800の真の姿。ポケモン図鑑に掲載されない欠番の存在。

 古の時代、禁じ手である『バグ技』を用いてこの世界へと生まれてきた存在である。伝承にはその姿は正面、背後共に黒灰色のリザードンであり、鳴き声は電子音のコダックであるともマダツボミのようであるとも言われている。

 その生成過程は初代無印で、ゲームを最初 から始め、パソコンからきずぐすりを引き出す。その後は普通に進め、おとどけものを貰う。どうぐの2番目でセレクト、B、Bと押す。草むらで戦闘に入り、ポケモンを開き、一番上のポケモンでAを押すとそのアイコンがバグる。アイコンがバグったらBで戻り、野生のポケモンを倒すと、レベルが2に上がったと表示が出る。戦闘終了後手持ちを見ると、アネ゙デパミ゙が居るという。

 意図していない操作方法であり、セーブデータや他のポケモンデータなどに悪影響を及ぼす可能性は未知数である。試す場合には自己責任が伴う禁術の類である。

 本作は時代の流れと共に伝承の彼方に消えてしまったアネ゙デパミ゙を思い出した筆者が強引にストーリーに織り込んだだけである。リメンバー・アネ゙デパミ゙。

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