燕シスターズ   作:しぃ君

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 サボりにサボりを重ねた、わたしです、しぃです。
 皆様、お待たせしました。
 最近は学校の方が忙しくて、中々二次創作が出来てないんですよね。
 今日はなんとか捻り出しましたが……来週もかけるかは微妙です。
 
 できるなら、皆様良いお年を。


姉妹の絆

 大晦日。

 それは年終わりの日。

 だけどわたしは、仕事納め等どこへやら、と言った様子で、机に向かってひたすら書類作成に励んでいた。

 刀使は国家公務員であり、警察組織と大差ない部類の組織に属している。

 ブラックを通り越して深淵が見えそうなダーク企業だ。

 唯一の救いは、わたしの結芽ちゃんが笑って過ごしている事だろう。

 

 

 結芽ちゃんは実働部隊の隊員、わたしは後方支援の筆頭指揮官。

 この時期になれば、結芽ちゃんは荒魂が現れない限り仕事がない。

 実働部隊も、夜見ちゃん以上のレベルになると書類仕事を回されるし、暇なら後方の仕事を手伝ってもらう事もあるが、流石に結芽ちゃんには頼めない。

 強いて言うなら、結芽ちゃんはわたしを元気づける仕事を全うしている。

 

 

 さっきなんて、わたしを気遣ってコーヒーとクッキーを出してくれた。

 優しい、優しいなぁ! 

 配分を間違え過ぎて、コーヒーが真っ白で、クッキーは昨日わたしが作ったやつだけど、嬉しいよ結芽ちゃん!! 

 

 

「……そう言えば、結芽ちゃんはどこかお出かけしないの? 沙耶香ちゃんも、今日はお休みじゃなかったっけ?」

 

「あー、えーっと……お姉ちゃんが頑張ってるのに、わたしだけ遊びに行ったら寂しいかなぁ、って」

 

「結芽ちゃん……! うぅ……本当に、結芽ちゃんは良い子だね!! 任せて! こんな仕事さっさと終わらせて! 美味しい年越しそば作るからね!!」

 

「そ、そんなに頑張らなくていいよ!?」

 

 

 あぁ、結芽ちゃんは天使だ。

 本当に、優しい子に育ってくれて良かった。

 普通ならグレて、ひねくれた子になってもおかしくないのに、ちゃんと誰かの痛みが分かる子に育ってくれて良かったと、心の底から思っている。

 

 

 わたしにとって姉であるのは当たり前だった。

 だけど、わたしは母にもなろうとした。

 いなくなってしまった、あの人の代わりに。

 もう戻れないあの日を、結芽ちゃんに見せてあげたかったから。

 でも……今ならわかる。

 

 

 母である必要なんて、なかった。

 結芽ちゃんは姉としてのわたしを求めていた。

 姉でいてくれればよかったんだ。

 今更になってしまったが、気付けて良かった。

 

 

「お姉ちゃん? 何かいい事でもあったの?」

 

「……別に、何でもないよ」

 

「え〜! 本当に〜??」

 

「本当だよ。本当になんでもないの。わたしにとって、それは当たり前のことだから」

 

「……ならいいや」

 

 

 そう言って、結芽ちゃんはまたスマホをいじり始めた。

 偶にチラチラとこちらの様子を見ているが、それぐらいだ。

 結芽ちゃん、本当なんだよ? 

 わたしにとって、結芽ちゃんのことを考えるのは、わたしにとって当たり前の事なの。

 だって、わたしは──結芽ちゃんのお姉ちゃんだから。

 

 ◇

 

 お姉ちゃんは偶に、お姉ちゃんじゃない顔する。

 勿論、お姉ちゃんはお姉ちゃんだ。

 それ以上でも、それ以下でもない。

 わたしが大好きな、お姉ちゃん。

 この事実は変わらない……けど、お姉ちゃんは偶に、ママみたいな顔をしてわたしを見てる。

 

 

 その顔はお姉ちゃんよりも、もっと柔らかくて、優しくて、暖かくて。

 わたしが大好きだった顔。

 今でも変わらず、大好きな顔。

 何でお姉ちゃんがその顔をするのか、昔は全然分からなかったけど、大きくなった今なら分かる。

 

 

 お姉ちゃんは、パパとママが開けた穴を──わたしの心の穴を、塞いでくれようとしたんだ。

 代替品(ママ)になる事で、塞いでくれようとしたんだ。

 自分だって辛いのに。

 自分だって苦しかったのに。

 

 

 突然居なくなったパパとママの代わりとして、お姉ちゃんはわたしを守ろうとした──家族を守ろうとした。

 優しいお姉ちゃん。

 世界一優しいお姉ちゃん。

 

 

 わたしの心を救ってくれたお姉ちゃんを、今度はわたしが守るんだ。

 力はある、今度こそ、守る。

 心も、体も、絶対に守ってみせる。

 だから……今だけは、その日が来るまでは、隣で寄り添っていたい。

 寄りかかっていたい。

 

 

 わたしはお姉ちゃんの、妹だから。

 

 

「どうしたの、結芽ちゃん? もう眠くなちゃった?」

 

「……ううん、眠くないよ。ただ、お姉ちゃんの近くにいたいから」

 

「ん? そっか、なら遠慮なく寄りかかってね。わたしは大丈夫!」

 

「ありがと、わたしのお姉ちゃん」

 

 

 燕結芽として生まれて良かった。

 燕摘花の妹で良かった。

 

 

 パパとママ(あの二人)が居なくなってくれて良かった。

 お陰で、わたしたちは、本当に絶えない絆で結ばれる姉妹になれた。

 来年もよろしくね、お姉ちゃん? 

 わたしだけの、お姉ちゃん。




 シスターズプロフィール⑨「趣味はなんですか?」
 摘花「読書……ですかね。雑食なので決まったジャンルが好きとかはありませんが、最近は恋愛小説なんかを結構読みますよ」

 結芽「んん〜ゲーム、かな? あとは、立ち会いとか? 最近はお姉ちゃんが居ない時にこっそり怖いゲームやるのが楽しみなんだぁ〜!! 本当はやっちゃダメって言われてるんだけど、どうしてもやりたくてさーー(以下姉による口封じにより、記載は禁止されました)」

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 次回もお楽しみに!

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摘花ちゃん視点の過去話は見たい?それとも日常の話が見たい?……過去編は少し重いかも

  • 過去話やろ!
  • 日常一択!
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