燕シスターズ   作:しぃ君

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 ちょっぴりエッチ…かも。R17.9くらい。
 百合…に近い姉妹愛みたいな感じを意識しました、楽しんで下さい。



 あぁ、これはただの独り言ですが、買って2ヶ月ちょいのFF7リメイクをようやくクリアしました。
 長かった……どうぶつの森を買わなければもっと早かったけど……


Sisters trip(part2)

 辿り着いた脱衣所で、わたしは着ていた洋服を脱ぎ捨てるようにカゴに入れ、お姉ちゃんの制止も聞かずに温泉に向かって駆け出していく。

 立ち上る湯気で少し足下が見辛いが、刀剣類管理局本部にある大浴場とは違う、The温泉と言った雰囲気に心が踊る。

 

 

 人影が見えない所を見ると貸切状態らしい。

 やりー! 

 

 

「一番乗りー!!」

 

「こらっ!」

 

 

 バスタオル片手に温泉に飛び込もうとしたわたしを、お姉ちゃんは後ろから捕まえた。

 脇に腕を通されたガッチリとホールドされたわたしは、抜け出す事など出来ず、自動的にシャワーが取り付けられた場所に連行される。

 ……気にしてないのだろうが、今はお互いに裸。

 

 

 お姉ちゃんもバスタオルこそ持っているが体に巻いておらず、首からかけている。

 温泉にタオルを漬けるのがマナー違反だと知っているのだろう。

 ……その所為で、直に背中に当たっている。

 水枕のように柔らかい、お姉ちゃんのスイカ級に実った果実が。

 

 

 自分から意識して触りに行くのは良いのに、不意にやられるとドキドキしてしまう。

 意識しないようにすればするほど、ど壷にはまる。

 

 

「もぉ〜結芽ちゃん! はしゃぐのは良いけど、ちゃんと体は洗わなきゃダメだよ?」

 

「う、うん。分かった…」

 

「よろしい。先に洗ってあげるから、早く座ってね?」

 

「…はーい」

 

 

 言われるがまま風呂椅子に座ると、お姉ちゃんは手馴れた手つきでわたしの髪を洗っていく。

 背中の感触からは解放されたが、ドキドキはまだ残っている。

 何故かって? 

 そんなの、こうやって、お姉ちゃんに触られてる時が、自分がどれだけ大切にされてるか分かるからだ。

 

 

 髪を洗うお姉ちゃんは、手馴れた手つきだけど、まるで割れ物を扱うかのように、丁寧に丁寧に隅々まで洗っていく。

 心地が良い、きっとここまで大切にされているのは自分だけだと、優越感に浸れる。

 

 

「痒い所ない?」

 

「だいじょーぶ!」

 

 

 何時にもなく甘い声を出していた自覚はあった…。

 けど、漏れてしまったのだからしょうがないだろう。

 甘々な時間は何時の間にか過ぎ去り、体まで洗ってもらった所で、ようやく意識が覚醒する。

 

 

「先に温泉入ってても良いよー?」

 

「…ううん、わたしもお姉ちゃんの背中洗う!」

 

「そっか…ふふっ。ありがとね、結芽ちゃん。じゃあ、任せちゃおうかなぁ?」

 

 

 わたしの言葉に、お姉ちゃんは振り返って微笑んだ。

 良く、お姉ちゃんはわたしの事を天使の様だと言うが、それならお姉ちゃんは女神様だと思う。

 慈愛の女神様、そう言っても過言ではないほどに、優しい微笑みを私に向けてくれる。

 

 

 不思議だ。

 メイクも何もしてない筈なのに、今こうやって微笑んでいるお姉ちゃんは、世界一の美女だと断言出来る。

 見蕩れ過ぎないように少し顔を逸らし、背中を洗っていく。

 

 

 徹夜や夜遅くまで作業をしてる人とは思えない程に、綺麗な肌と無駄のない肉付き。

 何をどうしたらそうなるのか、皆目検討がつかない。

 姉としては尊敬してるし大大大好きだが、同じ女性としては正直羨ましい。

 

 

 …そうだ、さっきドキドキさせられた仕返し代わりに、ちょっとイタズラしちゃおうかな〜? 

 慌てふためくお姉ちゃんの顔を想像すると、悪い笑みが零れる。

 くつくつと声が出そうになるのを我慢し、わたしはそっと脇の下から手を伸ばし……先程押し付けられた果実を鷲掴みにした。

 

 

「ひゃっ!? ゆ、ゆゆ、結芽ちゃん!? い、いきなりなに?」

 

「あっ、ごめんなさーい。手が滑っちゃってー」

 

 

 棒読み。

 圧倒的な棒読みだが、触られた事に驚いているお姉ちゃんはそんなことに気付かず、擽ったそうな声を漏らしている。

 あぁ、柔らかい。

 これなら何時間でも触ってられるよ…。

 

 

 無意識の内に揉みしだいていると、わたしの甘い声とは比較にならない声が耳に響いた。

 

 

「ゆめちゃん…。もう…やめてぇ…?」

 

「………………」

 

 

 ここで理性を飛ばさなかったわたしを誰か褒めて欲しい。

 あんな、狂おしいくらいに蕩けた顔と嬌声がセットで来られたら、大抵の人は理性を吹き飛ばされる。

 ……その後は、しっかりと体を洗い、温泉に浸かった。

 

 

 今現在、イタズラの罰として、お姉ちゃんの足の間に挟まれて、抱き枕のように抱かれている。

 ごめん、お姉ちゃん、これは罰と言うよりはご褒美だよ。

 だって、筋肉が多くないお姉ちゃんの体って、どこをとっても柔らかいから、お布団に包まれてるみたいな感じで…幸せになれる。

 

 

 体を動かせない事を、罰にするつもりだったのだろう。

 結局、最後までお姉ちゃんはわたしの気持ちに気付かなかった。

 

 ◇

 

 温泉に浸かり、疲れを癒したあと、わたしたちは昼食を取るために外に出ていた。

 …と言っても、あまりお腹は減っていなかったので、軽めに済ませることになり、適当なカフェに足を運ぶ。

 

 

 旅館で借りた浴衣を着て、持ってきていたサンダルを履いているので随分身軽に……なる筈だったが、御刀とスマホや財布を入れた巾着袋の所為で思ったより重い。

 

 

「ふぅー。ここでお昼にしよっか。…にしても、何だか凄いお店に入っちゃったね」

 

「足湯カフェって…何だか聞いた事ないよね?」

 

 

 入ったお店は、足湯カフェを売りにしている所だった。

 足湯に浸かりながら、ゆったりのんびり出来るらしい。

 少し値は張るが、時間無制限の食べ放題飲み放題もあるらしく、本当にゆったりのんびりできる仕様になっている。

 

 

 店員さんに案内されたテーブルに着くと、お冷とお手拭きと一緒にタオルも渡してくれた。

 これで浸かった後の足を拭けと言う意味だろうか、しっかりしている。

 

 

 わたしも結芽ちゃんも、サンダルを脱いで足湯に浸かる。

 温い訳でもなければ熱過ぎる訳でもなくて、丁度良い温度は心地良い。

 座っているソファは、足を伸ばして座っても余裕そうだから、行儀はあまり良くないが、浸かり過ぎないよう適度に休憩できる設計。

 

 

 作り込まれたお店だと、一人感心していると、対面に座る結芽ちゃんが浴衣の袖を引っ張った。

 

 

「ねぇ〜? お姉ちゃんは何食べる?」

 

「あー。…ちょっと、メニュー貸して?」

 

「うん。わたしは決め終わったから、良いよ」

 

 

 ありがと、そうお礼を言って、メニューが書かれた紙を受け取る。

 飲み物は、紅茶にコーヒーや、ジュースに牛乳、何故かアルコールまである。

 品揃えが豊富だ。

 …足湯に浸かりながらアルコールを呑むのが、OKなのか分からないが。

 

 

 食べ物も、定番のサンドイッチやケーキ、スパッゲッティに加えてピザまである。

 ……ここまで来ると、厨房がどうなってるのか気になってくるところだ。

 

 

 頼むなら……紅茶とチーズケーキかな。

 

 

「決まったよ。店員さん呼んでくれる?」

 

「りょーかい!」

 

 

 可愛らしく敬礼をした結芽ちゃんは、呼び鈴を鳴らして店員さんを呼んだ。

 間もなく、さっきこのテーブルまで案内してくれた店員さんが、やって来た。

 

 

「ご注文はお決まりでしょうか?」

 

「はい。わたしは紅茶とチーズケーキを。あっ、砂糖とミルクもお願いします」

 

「えーっと、わたしはフルーツ牛乳とチョコケーキ!」

 

「かしこまりました。ご注文繰り返させていただきます。こちらのお客様が紅茶とチーズケーキ、別で砂糖とミルク。そして、こちらのお客様がフルーツ牛乳とチョコケーキでよろしいでしょうか?」

 

『はい』

 

「では、少々お待ち下さい」

 

 

 そう言って、店員さんは厨房──キッチンの方へと下がって行く。

 オーダーを届けに行ったのだろう。

 よし、今の内に、真希ちゃんたちにメールを送っておこうっと。

『姉妹で楽しんでます。みんなも早く来てね? 待ってるよー!』、こんな感じていいかな? 

 

 

 花の女子高生とは思えない程に簡素で味気ないメールだが、別に構いはしない。

 だって、こんなの他の誰かが見る訳じゃないしね。

 

 

 そして、メールを送った後は、結芽ちゃんと話しながら、料理が来るのを待った。

 ゆったりしていると、流れる時間が早く感じる。

 あっという間に、ケーキと飲み物が運ばれてきた。

 

 

「美味しそ〜! いっただっきまーす!」

 

「いただきます」

 

 

 紅茶にミルクと砂糖を適量放り込み、ティースプーンで回す。

 礼儀作法的には、音を立てない方が良いらしいが、そんなの今は関係ない。

 混ぜ終えると味を確かめるように、わたしは一口、紅茶を口にした。

 紅茶本来の香りはミルクを入れても健在、味も甘過ぎず苦過ぎずのいい塩梅だ。

 

 

 ケーキと合わせたらもっと良くなることだろう。

 心をウキウキとさせながら、わたしはフォークで、チーズケーキを一口分切り取り、口に運ぶ。

 

 

「…うん、美味しい」

 

「チョコケーキもすっごく美味しいよ!」

 

「そっか、良かったね。…お姉ちゃんも一口食べたいから、交換こしない?」

 

「うんっ!」

 

 

 うん、可愛い。

 わたしの天使()は今日も元気だ。

 出来るなら、今の笑顔を写真にして、額縁に入れて飾りたい。

 

 

 素直にそう思ったが、そんな事したら引かれること待ったナシなので、わたしは手早く一口分に切り取ったチーズケーキを、結芽ちゃんの口に運ぶ。

 カップルや家族間でよくある、食べさせあいっこだ。

 

 

「結芽ちゃん、あーん」

 

「あーん」

 

 

 …可愛い。

 あーんの顔が可愛い。

 食べてる時の美味しそうな顔も可愛い。

 あぁもう! 全部可愛いよ!! 

 

 

 抱き締めたい衝動に駆られながらも、今度は結芽ちゃんからのお返しを貰う為に、少しだけソファから乗り出す。

 髪がコップやケーキに掛からないように耳に掛け流しつつ、チョコケーキを頂いた。

 

 

 チョコの甘さが舌全体に広がるより早く、結芽ちゃんの「どう? 美味しいでしょ? 美味しいでしょ?」と、言わんばかりの表情が脳を溶かす。

 旅行パワー? 旅行パワーなのか? 

 いつも通りの結芽ちゃんな筈なのに、数倍──いや、数十倍可愛く感じる。

 

 

 鼻血を出さないようにするのが、わたしのその時の限界だった。

 会話はうる覚えである。

 

 ◇

 

 お昼ご飯──と言うよりおやつタイムを終えたわたしたちは、少しの間あのカフェでゆったりと時間を過ごし、その後は温泉ツアーに出かけた。

 今日だけで少なくとも三種類の温泉に入り、人生で初のマッサージを受け、感激。

 

 

 温泉で充分癒されたと思っていたが、マッサージでさらに癒され、至福の時を過ごせた。

 今は旅館の部屋。

 夕食も済ませてしまったので、テレビを見ながらまったりと過ごしている。

 

 

 ……手持ち無沙汰になってきたし、そろそろ聞こうかな。

 

 

「ねぇ、結芽ちゃん? お姉ちゃんに隠してること…なぁい?」

 

「へっ? そ、そんなの、ない…よ」

 

 

 あからさまに嘘をついている。

 こっちに顔は向けているけど、目は泳いでるし、少し肩が震えていた。

 …別にそこまで怒ったりしないのに。

 わたしは、優しく結芽ちゃんの頭を撫でながら、もう一度問掛ける。

 

 

「本当に、してない?」

 

「……実はね──」

 

 

 そう言って、結芽ちゃんは話し始めた。

 今回の旅行は全部、わたしと結芽ちゃんの為に計画されていたこと。

 本当は二人、姉妹水入らずになる予定だったが、結芽ちゃんが駄々を捏ねて全員で行く事になって、一日だけ二人の時間を作ったこと。

 …黙っていて、嘘をついていて、ずっと罪悪感に悩まされていたこと。

 

 

 包み隠さず、結芽ちゃんは話してくれた。

 でも、偶には、ちゃんと叱らなきゃね。

 

 

「では、これから結芽ちゃんにお仕置します。目を閉じて」

 

「……はい」

 

 

 ギュッと拳を握って、結芽ちゃんは顔を俯かせた。

 拳骨なんてしないよ、わたしの手の方が痛いもん。

 だから……わたしはこの子を抱き締めたい。

 頭を胸に埋めるようにして、強く…優しく抱き締める。

 

 

 どう? 息苦しいでしょ? 

 擽ったいけど、こっちの方が余っ程お仕置になる。

 ちゃんと反省、するんだよ? 

 

 ◇

 

 お仕置すると言われて目を閉じていたら、抱き締められて胸に埋められていた。

 苦しい、苦しいけど、凄く甘い匂いがする。

 同じボディソープで体を洗って、同じ温泉に入った筈なのに、お姉ちゃんからはわたしと違う匂いがした。

 

 

 多分、それはお姉ちゃんの匂い。

 何をどうやっても消せない、お姉ちゃんの匂い。

 甘くて、優しくて、温かい、そんな匂い。

 息がし辛いけど、罪悪感が襲っていた心に陽が射して、祓われていく。

 

 

 モゾモゾと頭を動かして、脱出し、お姉ちゃんに聞いた。

 何故、隠し事をしていることが分かったのかを。

 そしたら──

 

 

「当たり前だよ。わたし、結芽ちゃんのお姉ちゃんだもん。妹の小さな変化にも気付くのが、姉って言う生き物なの」

 

 

 カラカラと笑うお姉ちゃんを見て、一生勝てない事をわたしは悟る。

 姉より優れた妹は居ない…だったっけ。

 その通りだと思う。

 刀使としてだったら勝てるかもしれない…けど、わたしとお姉ちゃんでは、強さのベクトルの向きが真逆だ。

 

 

 もし、わたしが普通の女の子として産まれていたら、何一つお姉ちゃんには勝てなかっただろう。

 悔しい、そう思わないと言ったら嘘になるけど……それ以上に嬉しい。

 声を大きくして、わたしの自慢の姉だと言いたい。

 

 

「……ありがとう、お姉ちゃん」

 

「お礼なんて良いよ、わたしはお仕置しただけだから。…さっ、寝よ?」

 

 

 出された布団の上まで、私をお姫様抱っこで運ぶ。

 運び終わった後は、わたしの上に丁寧に布団を掛けて、お休みと呟いた。

 お姉ちゃん自身も、直ぐに部屋の電気を消して、布団に入って行く。

 

 

 …どれくらい経っただろうか。

 上手く眠れない。

 何故か目が冴えてしまう。

 体を横に向けて、起きているか眠っているか分からないお姉ちゃんに声をかけた。

 

 

「お姉ちゃん…起きてる?」

 

「起きてるよー」

 

「…眠れないから、一緒に寝ちゃ──だめ?」

 

「…良いよ、ほら、こっちおいで?」

 

 

 態々布団を上げて、わたしに手招きする。

 暗いのに、良く見えないのに、お姉ちゃんが笑っているのは分かった。

 入った布団は温かくて、直ぐに眠気が襲ってくる。

 

 

 ポンポン、と優しくわたしの背中を叩きながら、懐かしい唄を──子守唄を聞かせてくれる。

 ママが良く…唄ってくれて、お姉ちゃんも良く…唄ってくれた子守唄。

 

 

 その日は少しだけ、なんでもない、普通の姉妹に戻れた気がした。

 幸せに満ちていた、どこにでもいる、普通の姉妹に──

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 次回もお楽しみに!

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摘花ちゃん視点の過去話は見たい?それとも日常の話が見たい?……過去編は少し重いかも

  • 過去話やろ!
  • 日常一択!
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