人が生み出した神様の私と世界   作:アイバユウ

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番人の仕事

 

私は大学寮に戻るために歩いていた

こちらもそろそろと態度をはっきりさせることが必要になることはわかっているのだが

簡単に物事が進むことができないということは理解している

だからといって、いつまでも『問題』を先送りたりしたり、

良いアイデアが浮かぶまで放置するのは弾薬庫でろうそくを明かりにして歩いているのと同じだ

大切な大学の親友のことを考えると『僕』の問題を『私』が放置できない

 

「いったいどこのどんな連中なのか調べないといけないわね」

 

状況はすでに危険なレベルを超えている

さらに悪化する前に食いつくしかない

 

『ピーピーピー』

 

再び私の携帯電話に着信が入ってきた

発信者は素性を知られたくないようで、またしても公衆電話からだ

私はまた同じようなことが繰り返されることを避けるために通話を始めた

 

「あなたは誰?」

 

『・・・・・・・・・・番人になるつもりはないかね?』

 

番人という言葉に私は思わずどう返答するべきか考えた

 

「面白い話ね。番人というのはこの世界の秩序を守る番人とでも言いたいのかしら?」

 

『君が望んでいるものを我々は提供できる』

 

電話の相手が私に何を差し出してくれるのかについては興味がある

しかし簡単に了承するわけにはいかないのだから

 

「どんなものというのは具体的に言ってもらえるかしら?」

 

『君が知りたいゼーレと同じ思想を持っている過激派の情報だよ。どうかな?』

 

私はその言葉を聞き、少し考えた。

そのあたりは私も知りたいところだ。ゼーレの幹部はほとんどは『対応』できている

だがその思想に偏っている過激派の情報をすべて把握するのはかなり難しい

いくら私が『世界の神様』であってもだ

 

「あなたがそれを素直に提供する見返りに何をさせるつもりか教えてもらえるかしら?」

 

『君が管理人であることを知っている。こちらも本気を出せば君が大切にしている友人を殺すことも考える』

 

どうやらこちらに選択権を与えるつもりはないことは間違いない

今後のことを考えると厳しい判断を行うしかない

『僕の友人』などがどうなっても良い。

でも『私の友人』が犠牲になることは許容できることではない

選択肢など初めから決められている。私はどこまで私の手を血生臭いことすればいいのか返答した

 

『番人としてネルフの監視網をごまかしてもらいたい』

 

私が世界の管理者権限でネルフの監視システムを麻痺させておいて、工作部隊を市内に投入するつもりのようだ

世界を壊す片棒を担がされるのはしたくない。でも『私の友人』を守るためには必要なことである

もう巻き込むことはしたくない。彼らが『僕』をどのように利用するつもりなのかは今はわからない

でも『私』の大切な友人に危害を加えられることが予見されるなら最後の手段を取るしかない

 

「あなた達から持たされる情報が正確なのかどうかについてどうやって証明してくれるの?」

 

『私』と『僕』にもしっかりとした利益がもたらされる『証拠』が必要になる

それが無いなら協力するわけにはいかない

 

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