翌朝、目を覚ますと私はさっそく大学図書館に出かけるために身支度を整えた
今日は図書委員会の会議がある。新しく購入する予定の本を決めるための会議だ
私は別に問題ないのだが、高級品の本が絡んでいるだけにアピール合戦になることはいつものことだ
紛糾して会議がまるで選挙でもやっているのかと同じような状況になるのだ
「本への執着心は熱いから図書委員をしているようなものだから当然だけど」
図書委員会は忙しい。毎日のように貸し出しと返却の記録をつけなければいけないのだから
「今日は忙しくなりそうね」
私は少し面倒なことにならなければいいけどと思いながら大学図書館に向かうことにした
第三新東京市立大学の大学図書館は休日も運営がされている
年末年始以外は基本的には図書委員会と大学職員と共同で管理運営が行われている
それだけに仕事の量もかなりの多さになってくる
それらを的確に素早くさばく事務能力がなければ委員会の活動はできない
つまり本当に本のことが好きな人間でなければ務まらない作業が多いのだ
私は本が大好きだから不満を口にすることはほとんどない。
ほとんどというのはルミナさんから高額な本の購入希望を出されることが不満ということだ
何とかして通してあげたいけど委員会は苦労する
1冊の本を購入するだけでもかなりの苦労をしてしまう。
委員会のメンバーと図書館の管理運営をしている職員を説得しなければならない。
だからこそかなり苦労するのだ
「会議が紛糾することになるのをわかっているのに参加するのは嫌な仕事」
紛糾することは図書委員会のメンバー全員がわかっている
誰もが利益を得ようと必死になる
「カオリ!待ってよ!」
私が大学寮を出ようとしたとき、ルミナさんが慌てて追いかけてきていた
「ルミナさん。急がなくて良いですよ」
まだ時間はありますからと言って待っていると少ししてから出てきた
「図書館に行くのよね?よかったら一緒に行っても良い?」
「それは別に気にしないので問題はないですけど、何かあるんですか?」
ルミナさんにしては珍しく何か隠し事をしているような感じだった
そしてある紙を私に見せてくれた。それはプリンターで印刷されたある本についての情報である
この紙を受け取ってすぐに理由を察した。本の購入希望リストに入れてほしいと
紙にはかなり値段が張る学術書であることが記載されていた
それも全部で5巻もある。これだけの本を個人で買うには少し値段が高すぎる
となると答えは1つである。図書委員会で審議してもらう方向を選んだのだ
「かなり高価な本ですね」
「カオリ!一生のお願い!何とかねじ込んでもらえない?」
ルミナさんにはいろいろとお世話になっているからどうにかしてあげたいけど
簡単に話が進むとは思えなかった
「できるだけ努力はしてみますが。難しいことは覚悟してくださいね」
「もちろんよ。無理な時はあきらめるから。でもいけそうならお願いね!」
この通りとルミナさんは頭を下げた。
私は頑張ってみますというと一緒に大学図書館に向かって歩き出した