愚直な軌跡   作:ネオニューンゴ

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第六話 たどり着いた答え

 実習二日目の朝、昨日の一件があったため朝食を食べる一同には重苦しい雰囲気が漂う……わけでもなく普通に食事を摂っていた。流石にリィンとラウラの会話は少ないが間にアリサとハイメが間を取り持つ事で会話は成立していた。

内心ハイメはリィンの事が心配であったがそこはアリサが上手くフォローしてくれたらしく、リィンはいつも通りに見える。心の中でアリサにお礼を言いながらも5人は朝食に舌包みを打つ。

 その後課題の書かれた封筒の中身を確認する。実習二日目に出された課題は比較的簡単な物ばかりだったので五人で分担し早々に終わらせる事にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

二日目昼

 

 ハイメ達は昼食を終えて空いた時間をどう使おうかと話し合っていると何やら広場の方が騒がしい事に気付く。現場へと行くと昨日の二人の商人がまた取っ組み合いをしている。

 ハイメとリィンはまた止めに入って話を聴くがそこでタイミングを見計らったかのように領邦軍が到着、双方が悪いと決め付け場を治める。ハイメはようやくこの事態が落ち着いたと胸を撫で下ろすが、他のメンバーは顔をしかめている。

 

「どうした?リィン?」

 

「ああ、領邦軍の動きが昨日と比べて良すぎると思ってな」

 

(言われてみればたしかに)

 

 その疑問はハイメ以外のメンバーが持ったらしく調査をしていく事になる。すると面白いくらいボロが出始め、今回の騒動に領邦軍が噛んでいた事が分かってきた。そして二人の商人の商品はどうやらルナリア自然公園に運び出されたという情報を得る事も出来、さっそく一同は街道を抜けルナリア自然公園へと向かうのだがその入り口で問題が発生する。

 

「やはり鍵はかけられているか……」

 

「かといって鍵を探す時間もないわよ」

 

「ならば私が……」

 

「待ってくれ、俺にやらせてくれラウラ」

 

 リィンの顔を見たラウラは任せる、と言いその場を譲る。リィンはハァと一息吐き、神経を集中させ剣技を繰り出す、すると鍵は見事に壊れ、扉が開く。

 

(自分やラウラならこう静かにはいかなかっただろうな)

 

横目でラウラを見ると隠してはいるが口角が僅かにつり上がっているのが分かる。リィンは大きく息を吸いこちらに向き直り口を開く。

 

「すまなかった」

 

「……」

 

「昨日の俺の言葉は剣の道を軽んじる言葉だったと思う」

 

「そうか、リィンそなたにとって剣とはなんだ?」

 

「切っても切れない俺の体の一部みたいな物だ」

 

 その言葉にラウラは満足げに頷く。どうやら二人はこれで和解したようだ。エリオットとアリサはほっとしたような表情をしている。ハイメも言葉には出さなかったがこの二人が和解してくれて助かったと内心思う。朝からどことなくギスギスとした雰囲気が流れていたため正直やりづらかったのだ。なにはともあれこれでこの班の懸念はなくなった。後は商人の商品を探しだすだけだ。

 

 ハイメ達はルナリア自然公園に足を踏み入れる。自然公園とはよく言ったもので、道は複雑で魔獣もそこらじゅうに徘徊している。また木々が覆い茂り日の光は届かず、昼なのに暗い。道幅はそれほど広くないので連係も難しい。

 

「くっみんな前から来たぞ!」

 

「クッ後ろからもきている!ラウラ!自分とリンクを!挟まれる訳にはいかない!」

 

 こうして前の敵をリィン、アリサ、エリオット、後ろがハイメ、ラウラとなる。

 

「先に仕掛ける!鉄砕刀!」

 

(こう足場が悪いと列空穿は使えんし、震脚を使えば皆も巻き込む、仕方ないか)

 

 それぞれのメンバーが足場の悪い中苦戦しながらも戦術リンクを巧みに活用し魔獣を迎撃しつつ自然公園を進んでいく。森は天然の迷路で途中道に迷いつつも一同はルナリア自然公園の奥まで来ると開けた場所に出る。

 

「大分奥まで来たな……あれは?」

 

 リィンの視線の先には四人の男が談笑している姿が見える。その目の前には商品が入っているであろう木の箱が積み上げられていた。余程良いことがあったのか周りに無警戒だったため五人は茂みに隠れつつ聞き耳をたてる。

 四人の男はうまい仕事だった、これでボーナスはガッポリだ等話しており、まず犯人なのは間違いないだろう。リィン達は男達を包囲するように取り囲み男達に木箱について質問を始める。四人はあっさりと商人の商品だと認め力なくその場にへたれこむ。目の前に現物があり、武器を持った複数に囲まれている時点でこの男達はすでに詰んでいた。

 

(これで一件落着か……む?)

 

 各々喜びを分かち合う中この場には似つかわしくない笛の音色が響く、不審に思い五人は武器を構え辺りを警戒する。一番最初にその気配に気付いたのは意外にもハイメだった。

 

「(複数の足音に、一つ大きい足音……この方向は!?)アリサ!その場から離れろ!」

 

「えっ!?」

 

 突然の声にアリサは何の事か分かららず、反応出来ず立ち止まっている。

 

(まずい、もう近くまで……クッ間に合えよ!)

 

 ハイメは脇目もふらずアリサの元へ走り手を取りその場から離れる。アリサがいた場所には獣の小型の魔獸が飛びかかっており、ハイメが気づかなければ今頃アリサは魔獸の攻撃の餌食になっていただろうと気付きアリサは顔を青ざめさせる。

 

「ありがとうハイメ、助かったわ……」

 

「間に合って良かったよ……む……この気配は?」

 

 さらに一際大きいヒヒ型の魔獸も現れリィン達に合流させないようハイメとアリサの目の前に立ち塞がる。

 

「アリサ!ハイメ!待ってろいまそっちに!」

 

「だ、駄目だよリィン、コイツら商品を狙って……うわっ!」

 

「くっ、そなたら早くこの場から離れろ!」

 

「そ、それが腰が抜けちまって……」

 

 状況は最悪と行っても言いだろう。複数の魔獸は商品と後ろで腰を抜かしている夜盗に狙いをつけたらしく、リィン達は魔獸に突破されないようにするため動けない。そしてハイメとアリサの目の前には大型の魔獸がいるのだ。よく言えば挟み撃ちだがリィン達は動けず、またハイメとアリサにも大型魔獸を突破する程の高い攻撃力を有していないのでこちらは完全に分断されてしまった。

 

「くっアリサ、自分とリンクを!」

 

「ええ、分かったわ」

 

 

 こうなればハイメとアリサの取れる選択肢はリィン達が小型の魔獸達を倒すまで時間を稼ぐ事だ。大型魔獸は既に攻撃のモーションに入っている。ハイメは大きく体を横に捻り攻撃を回避する。後ろでは既にアリサがアーツの詠唱に入っているためなるべくこちらに魔獸の注意を向けるよう攻撃を繰り返すハイメ。

 

「よしっこれで!シャイニング!」

 

 アリサの詠唱が終わると共にハイメの体が金色の光に包まれ、体の神経が研ぎ澄まされていく。魔獸の攻撃を避け、逆にカウンターを入れて相手の態勢を崩す。そこからはアリサの援護も光りハイメと大型魔獸の一進一退の攻防が繰り広げられる。

 

(よしっ!これならリィン達が合流するまでの時間くらい稼いで見せる)

 

 だが所詮は薄氷の上を歩いていたに過ぎない、魔獸は狙いをハイメから後ろで援護に徹していたアリサへと変える。

 

「グゥルァァァァ!」

 

「きゃっ!」

 

 遂に魔獸の攻撃はアリサを捉える、アリサは力なくその場に倒れこむが魔獸は追い討ちをかけようとする。アリサを守るためハイメも焦るがそれが命取りとなった。

 

「クソッこちらを向け!列空穿!」

 

 ハイメの渾身の戦技を魔獸は避け小さく素早いモーションで攻撃を放ってくる。魔獸の攻撃は無防備なハイメの体に当たりハイメは肺から酸素を絞り出され絶句する。今までのお返しと言わんばかりに魔獸はハイメに攻撃を入れていくがハイメは何とか防御態勢を取る事に成功するも着々とダメージが蓄積していく。

 

「ぐっ、うっ、このぉッ!」

 

 ハイメは半ばヤケクソ気味に蹴りを魔放つ、幸運な事にその攻撃は魔獣の顔に当たり魔獸は悶絶する。

 

(隙が出来た、リィン達は!?)

 

 視線をリィン達の方に向けると魔獸の殲滅までもう一息といった感じだ。だがこちらも満身創痍、アリサも戦闘不能になりアリサを守るためハイメの長所である機動力を封じられた形となる。

 

(状況を変えるには…………やれるか?あの技を?)

 

 この実習に来る前に練習していた必殺技とも呼べる戦技、成功どころかコツすら掴めていないが今のハイメにはそれにすがる他なかった。だが魔獸もいつまでもハイメに思考する時間をくれるほど馬鹿ではなくこちらに迫って来ている。一か八かどころかそれより分の悪い賭けだがハイメは覚悟を決める。

 

「ハアァァァァァッ!」

 

 ハイメが構えを取ると両足に蒼い光が生まれる。そのまま蒼い閃光となったハイメは魔獸の足元まで瞬時にたどり着き列空穿を魔獸の足元から上に向かって放つ、魔獸の体は宙に浮きここから連撃をいれていくのだが……

 

(ッ!)

 

 技の途中で膝に鋭い痛みが走り膝を着く。成功のしたことがない技を満身創痍の状態で行おうとした事自体が無理だったのだ、そう頭では分かっていても心は納得出来ない。

 

(何故だ!何故自分は肝心の時にいつも役に立たないんだ!はっ!)

 

 自身の未熟さを嘆くが今は戦闘中、今まさに目の前にはハイメの命を刈り取らんとする魔獸の姿、ハイメは内心で抜かったと後悔する。

 

(くっせめてアリサだけでも!)

 

 せめてアリサだけは逃がそうとハイメは咄嗟に震脚を放ち魔獸の体勢を崩す。その隙にアリサの元へと走り口にセラスの薬を入れる。程なくしてアリサは目を覚ますがダメージは抜けきっておらずフラフラとなんとかといった感じで力なく立ち上がる。

 

「アリサ聞いてくれ、自分が何とか大型魔獸の気を引く、その間にリィン達の元へ走れ」

 

「だ、駄目よ!それじゃあ貴方が!うっ」

 

「どのみちその体で戦闘は厳しいだろう、それに一人だからこそ取れる戦法もある、さあ早く奴が来る!」

 

 アリサは納得はしていないがこのままではハイメの足を引っ張ってしまうと悟り、リィン達の方へと最後の力を振り絞り駆け出す。それを見てハイメは一先ず安心しティアの薬を口の中へと放り込む。アリサには強がったが今のハイメには戦技を放つ力も殆ど残されておらずまともな戦闘も難しいだろう。魔獸は一際大きい咆哮を放ち体から力を引き出している。

 ハイメはリィン達が合流してくれるのを信じてひたすら防御と回避行動に徹する。防御と回避のみに徹するハイメに有効な一撃を与えられずよりダメージを与えようと躍起になる。しかしハイメの方が早く限界が来てしまい片膝を地に着く。

 

(ここまでか……思ったより時間は稼げなかった……いや!間に合ったか!)

 

「ハアァァァァァ!焔の太刀!」

 

「奥義洸刀乱舞!」

 

 跳躍したリィンとラウラが二人の最大火力の戦技を大型魔獸にぶつけ大型魔獸は大きくその場に倒れこむ。

 

「大丈夫か!?ハイメ!」

 

「待ってて今回復を!」

 

 リィンとエリオットが駆けつけてエリオットがハイメの治療に当たる。ラウラは大型魔獸の警戒に当たっている。なんとか構えを取る程度にハイメは回復するがそれは大型魔獸も同じ、既に臨戦体勢となっている。

 

「そんなあれほどの攻撃を受けたのに……」

 

「来るぞ!ラウラは俺とリンクして前衛に出る!エリオットはハイメとリンクして援護を頼む!」

 

「承知した、ハイメ無理は禁物だぞ!」

 

「ああ!第二ラウンドの開始だ!」

 

「アイツも体力は減ってるはずだ、もう一息だね!」

 

 まずはリィンが攻撃の起点となり鋭い一撃を入れていく。相手の警戒が薄くなればラウラの重い一撃が入る。魔獸が防御態勢を取ればすぐさまエリオットのアーツで防御をこじ開ける。ハイメも援護に徹して三人の動きを加速させたり時にはエリオットと共にアーツで攻撃に転じる。戦術リンクを駆使して四人は縦横無尽に駆け巡り、大型魔獸を翻弄していく。大型魔獸もせめて一矢報いようも大技の構えをするが足にエリオットとハイメの放ったアーツが当たり体勢を崩し大きな隙を晒す。この好機を逃すてはない、エリオットが叫ぶ。

 

「今だよ!リィン!ラウラ!」

 

「紅葉切り!」

 

「鉄砕刃!」

 

 最後に二人の鮮やかな戦技が決まり大型魔獸はその体をセピスへと変える。

 

「勝った……?」

 

「ああ!俺達の勝利だ!」

 

 その言葉を聞いた瞬間ハイメは緊張の糸が切れたのかその場に座り込む。それぞれ勝利を噛み締めるのもつかの間、突然警笛の音が聞こえたかと思うと領邦軍が駆けつけ、ハイメ達を取り囲む。あまりの唐突な出来事にハイメは驚くがそれはどうやら夜盗団も同じらしく目の前で何が起きているか分からないといった顔をしていた。領邦軍の指揮官とおぼしき人物が一歩前へと出て口を開く。

 

「ふん、学生風情がよくもまあでしゃばってくれたものだな」

 

「少し待って頂きたい!自分達は……!この人達が犯人で!」

 

「ほう?ここには私達しかいないのだ、貴様らが今回の事件の犯人、そういう事にしてもいいのだが?」

 

「そんな……」

 

「くっこれが領邦軍の実態というわけか…」

 

 ハイメ達は顔を曇らせる。露骨にここで手を引けと言う事だろう。だがこれではあんまりだ。傷付きここまでたどり着いた一つの答え、それをこのような形で幕引きとは、五人は悔しそうに唇を噛みしめる。

 

「その方達が犯人という事は状況的にありえません」

 

 透き通るような凛とした声が自然公園に響く。灰色の軍服を着て水色の髪をした20代前半くらいの女性を筆頭に領邦軍を含めハイメ達の周りを取り囲む。状況についていけず訳が分からないが領邦軍の指揮官が忌々しそうに水色の髪をした女性を見つめている。

 

「鉄道憲兵隊だと……貴様らが何故ここにいる!?」

 

 士官学院の授業でも出てきた鉄道憲兵隊、通称『TMP』帝国全土に張り巡らされた鉄道網を駆使して治安を維持する部隊だ。

 

「パルムの元締めからはおおよその状況は聞き、我々も聞き取り調査等をしてこの件について調べさせて頂きました、その上でまだ世迷い言を仰るならこの件は鉄道憲兵隊が引き受けますが?」

 

 領邦軍の指揮官はワナワナと震えながらもへたりこんでいる夜盗団の捕縛を命じる。去り際に忌々しそうに「魔女め……」と言い残しこの場を去っていった。ハイメ達は助かったと顔を見合わせる。何はともあれこれで事件は一件落着だろう。水色の髪をした女性はこちらへと振り返る。

 

「トールズ士官学院Ⅶ組の皆さんですね、事情は伺っています、私は鉄道憲兵隊所属クレア=リーヴェルト大尉です」

 

 事件が終了したのでハイメ達はクレア大尉に促されケルディックへの帰路へと就く。ケルディックに戻る頃には夕方になっており実習時間が終了に近いため急いで宿に戻り荷物を纏め駅へと急ぐ。駅前広場には元締めを始め商品を盗まれていた商人、クレア大尉も残っていた。クレア大尉は元締めに何かあったらご連絡下さいと伝えており元締めは安心したような表情を見せる。改めてリィンがルナリア自然公園で助けてくれた事に対してお礼を言うと彼女は首を振る。

 

「余計な事をしてしまったかもしれません、ああいったトラブルも想定しての実習だったかもしれませんから……」

 

 そのように言ってクレアは視線を駅の方へと向ける。現れたのはサラ教官だった。

 

「流石にそこまでは想定してないわ、でも貴女が出てくるなんてね」

 

 微笑みながらもどこか含むような言い方をするサラ、クレアもそれに対して微笑で返す。なんとも言えない空気がこの場に流れるがそれを破ったのは大きくため息を吐いたクレア大尉だった。

 

「それでは皆さん私はこれくらいで失礼します特科Ⅶ組、勝手ながら期待させて頂きます」

 

 そう言ってクレアはこの場を後にする。

 

「あの教官とクレア大尉は過去に何か……?」

 

 たまらずハイメは疑問を口にするがサラに茶化されてしまう。列車の時間も迫ってきたためハイメ達は改めて元締めや商人にお礼をしてトリスタ行きの列車へと乗るのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして帰りの列車の中、四人席にはリィン、エリオット、アリサ、ラウラが座り向かいの席にサラとハイメが座るのであった。

まぁ目の前のサラはスースーと寝息をたてているが、B班の面倒を見てからとんぼ返りどこちらに来たらしいので無理もない。四人は今回の実習に手応えを感じているのか話に花を咲かせている。その中で特別実習の狙いについての推測を立てる。

 

「単に命令に従うだけでなく、使命感を持って状況に柔軟に対応するじゃないか?」

 

「帝国の世情を把握するという事もありそうね」

 

「半分正解ね」

 

 リィンとアリサが推測を話していると寝ていた筈のサラ目を覚ましていた。さらに帝国軍士官に相応しい判断力と問題解決能力を養うといった目的もあるらしい。そんな狙いにハイメ達は感心する。

 

「それってなんだか遊撃士に似てますね」

 

 サラはギクッとした表情をしてバレたかと舌をだして再び狸寝入りに入る。露骨な誤魔化しかたにリィン達は苦笑を隠せない。

 そんな中ハイメは一人思案にふける。

 

 

 

(今回の実習……果たして自分は胸を張って成果を出せたと言えるのだろうか……?)

 

 A班の実習の評価自体は高かった。だが個人としては?と自問自答するとやはりマイナスな点が幾つかある。勿論大型魔獣に善戦出来た事は成長したと言えるかもしれない。だが状況を変えたのはリィンとラウラによる鮮やかな連携だった。それこそ二人が眩しく見えるくらいに。エリオットも前衛の二人の支援に尽力していた。アリサも後衛として敵の駆動を止めたり、アーツでの火力で見事に後衛としての役割を発揮していただろう。

 ならば自分はどうだ?街道では良かったがルナリア自然公園に入ってからは道が狭いことが災いして戦技を使えない場面が多々あった。そのため後衛の方に敵が周る事が何度かあった。そして対大型魔獣戦では時間は稼げたもののアリサを戦闘不能にさせてしまった。これは戦術リンクがあるにも関わらずアリサとの連携が不十分だった事に加えて自分の前衛としての能力が不足していた事が原因だろう。

 しまいには未完成の技に頼るしかなくあの失態だ。さらには今回の領邦軍の動きに疑問を持つ事すら出来なかった。そういった意味では自分はこの実習の狙いから最も離れていたのではないか?と、今回は周りに助けられたが次もそういくとは限らない。はぁと大きく息を吐き思考の海へと浸かっていくハイメ。

 その姿をハイメの向かい側に座っていたサラは微笑ましそうにその姿を見ている。

 

(フフフ悩んでるわねハイメ、大方今回の実習で役に立てなかったとかそのあたりかしら、でもねハイメそうやって自分の反省点を見つめ直す事が出来る、それも1つの才能なのよ、チャンスはまだあるから頑張んなさい)

 

 こうして夜の町を駆ける列車はトリスタへと向かっていく。余談だが思案にふけっていたハイメがリィンが実は貴族であった事を聞くのはトリスタに着いてからの事であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 作者はハイメを多分ゲームでいたら使わないよなぁってキャラにしようとしています。割と好き嫌い別れそうなオリ主だよなぁと……それでも凡人が才能ある人間に食らいついていく話に確かな魅力を感じますしなるべくその魅力を出せるよう頑張っていきたいですね。
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