鳴瀬君のお部屋訪問、中編になります。
お気に入り70突破、評価をポチって下さった皆様ありがとうございます。私感涙とうれションが止まらぬため、トイレからコメントを打たせていただいております。嘘です。
もっとポチってくれてもよろしくてよ?
【協力依頼】
先に述べましたようにエンディングに関わるアンケート実施中です。
ノーマル、友情、恋愛、ネタ、自由(自由枠は活動報告や個別メッセージにコメント下さい)となってます。
一応、ノーマルルートはアンケートにかかわらず確実にやる予定です。爽やかさ重点。この基本エンディングだけでいいよという人はここをポチって下さい。私が楽できます。
友情ルートは《ハロハピ》のマネージャーポジションに収まった鳴瀬君のあわただしくも充実した日常を描く予定です。
恋愛ルートはマルチエンディング方式で全キャラ分の個別エンド書きます。大変ですね(他人事)。
まあ、全キャラ構想はあるので何とかします。多分。
ハーレムルートは現状予定してないんですが、欲しいという人は活動報告か個別メッセージにでもコメント下さいな。コメントが一定以上ならわたくし頑張りますことよ?
黒服ルートはネタです。いつの間にか黒服部隊のリーダーにさせられていた鳴瀬君がこころのドタバタに巻き込まれ続けるルートです。鳴瀬君かわいそう(他人事)。
自由枠は自由です。「こんなアフターストーリーがワイは見たいんや! ワイのワイルドワイバーンや!(謎)」という人は、活動報告か個別メッセージでコメント下さい。多分、書くとすれば恋愛の絡まないキャラごとの絡みになるかな?
アフターじゃなくても、途中でこんなエピソードが有ると嬉しいな、とかでもいいです。全てを理解していきます(人形の悪魔)。
現状は恋愛ルートが優勢。友情ルートもボチボチ入ってますね。ユウジョウは大切。古事記にもそう書いてある。ユウジョウ!
もう数話の期間はアンケート設けますのでどしどし応募してくれよな(キャラぶれ)!
長くなりましたが最後まで読んでくれてありがとうございます! あなたのような奇特な人のおかげでこの作品は書き続けられております! 好き!(156km/h ジャイロボール)
それでは長くなりましたが本編をどうぞ。
俺が三人を部屋に引き連れて入ったとき、真っ先に口を開いたのは案の定ペグ子だった。
「わぁ、すごいわ鳴瀬! まるでスタジオみたいじゃない!」
「親父さんのスタジオと比べれば全部低グレードかサイズ落ちなんだけどな。はい、そこ勝手にアンプヘッドを触ろうとしない」
キョロキョロと部屋を見回して、早速マーシャルのアンプキャビネットに駆け寄ろうとしたペグ子に釘を刺す。
「個人でここまでのアイテムを揃えているのか。ふふっ、Mr.鳴瀬はずいぶんと研究熱心なのだね」
「まーな、やっぱり曲作りなんかは一人でじっくり向き合いたいからな。だったら全部家にあった方がいいだろ?」
今度は顎に手を当ててしきりに感心している薫に答える。
「うわー、ベースだけじゃなくてギターもキーボードも、ちっちゃなドラムまであるじゃないですか」
「作曲のときは各楽器の特性が分かってた方がいいから、一応全部揃えたんだよ。ステージ用のベースと音響機材以外は全部中古の安もんだし、ドラムはスネアとタムとシンバル二つしかないけどな」
「それでも結構かかりますよね?」
「もちのロンよ。多分70万近くかかってる。高校時代のバイト代は全部こいつらに注いだからな。録音機器やスコアや教則なんかも入れたら100万いってると思うぞ」
「うへー、マジですか……」
部屋に入った瞬間からメーカー丸くしていた奥沢さんの言葉に答えると、彼女は信じられないといった様子で目を丸くした。
まあ、実際に音楽をやらない人間からすればアホみたいに金をかけてると思われるのだろうが、本物の連中からすれば俺なんてまだロックの101コースの履修を終えたばかりのひよっ子みたいなもんだ。
……ガチな人間は楽器一本でここの機材全部位の金をかけてるもんなー。
金を使うなら天井知らずなのが音楽の世界だ。更にガチな連中になれば、まず家を楽器専用に建てるところから始める人間すらいるのだ。まさに魔境である。
「っと、とりあえず先に渡すもんを渡しとくわ。三人とも適当にスローンや椅子に座っといてくれ」
「はーい」(×3)
三人が大人しく座ったのを確認しつつ、俺は棚や収納を漁って前から少しずつ準備していたアイテムをかき集める。
本当なら、もっと準備をちゃんとしてから渡す予定だったのだが、ペグ子のせいで今日になったのだから仕方ない。
「まー、あれこれ言ってもしゃーないしな。……よし、こころ。お前にはこれな」
そういって俺が手提げ鞄を放り投げるとペグ子はそれを空中でキャッチした。相変わらず目を見張る身体能力だ。
「わーい! えーと、これは本かしら?」
「そーだよ。さっきスタジオで言ってた演奏しやすい曲のスコアな。《ハロー、ハッピーワールド!》のオリジナル曲がたくさんできるまで、そん中から何曲か歌いやすいの見繕え」
「わかったわ!」
素直にうなずいたペグ子を見て俺も頷く。
「あと、ボイストレーニングや発声のコツなんかの本も入れてある」
「あら? わたし、今でも声にはとっても自信があるのよ」
そう言って「ラララ~」と歌い始めたペグ子を人差し指を立てて制する。
「まぁ、確かにそうなんだけどよく聞け。こころは今、本能的に歌ってるけど、やっぱりちゃんと体系的に技術を覚えた方がいい。覚えた技術を実際に使うかは別にしても、この辺りが今後の成長を分けることになると思う」
感覚的に分かるのと、知識として理解しているということには雲泥の差がある。
感覚的にしか分かっていなかった場合、もし何かしらの躓きを経験したとき、なぜ自分が躓いたのか、どうすればそこから先に進めるのかが見えてこない。体系的に知識を得ておくことで、一体どの部分で自分が躓き、改善のために採るべき方策はなんなのかが見えてくる。
躓きなどお気楽ペグ子には無縁のものかもしれないが、何事も転ばぬ先の杖だ。用心に越したことはない。
そんな俺の意図を理解したのか定かではないが、ペグ子は満面の笑みで俺に頷く。
「そうなのね、わかったわ! それにしても鳴瀬ったらこんなに本を用意してくれるなんて、ちゃんとわたしのことを考えてくれていたのね!」
「ハハハ……、面倒を見るからにはいい加減なことはしないさ」
いくら不本意なこととはいえ、引き受けると決めたからには最後までやり抜くのが俺の信条だ。それに、音楽ーーそれもことバンドに関してはーー何時だって真摯に向き合っていたいのだ。
……そして、渡すものを本ばっかりにしておくと、読むのに集中してペグ子が動き回らないからな!
そんな俺の思惑通り、ペグ子は椅子に座ると、早速俺の渡した本を黙々と読み始めた。しばらくはこれでもつだろう。
怪獣ペグ子が無秩序に暴れ始める前に他の二人にも渡すものをさっさと渡してしまおう。
「んじゃ、次は薫な。薫にはまずはギター関係の小物類だ。俺が演奏したときに使ってたカポタスト、まずこれをプレゼントするよ」
「おお! いただいてしまってもいいのかい、Mr.鳴瀬?」
「プレゼント」と言う言葉に喜色を滲ませた声色になった薫に俺は首肯する。
「おうおう、この辺りの小物は失くしたり、消耗したりしたときのために予備が何個かあるからな」
「感謝するよ、Mr.鳴瀬」
「ういうい、あとはこの袋に入ってるから。色んな厚さのピックと、ストリングカッター、コンパクトチューナー、それとアルトベンリーなんかだな」
「……アルトベンリー? 一体、それはなんだい?」
差し出した袋を受け取った薫が首を傾げる。
「アルトベンリーはアルトベンリーだろ? あ、もしかして、ナイトフーベンの方が分かりやすかったか?」
「??? ……まぁ、とにかく便利なものなんだね? ありがたく受け取らせてもらうよ」
「おう。……そしてだな、こっちはレンタルなんだが、薫に渡すものはこれが本命だ」
そう言って俺は一つの金属製のトランクを差し出した。
「これは……開けてみても?」
「どうぞどうぞ」
促されるままにケースを開けた薫はますます首を傾げる。
「……これは何かのスイッチかい? それもこんなに沢山」
「あー、これはエフェクターって言うやつで、それぞれがちゃんと役割があるんだよ。音を歪ませたり、響かせたり、尖らせたりなんかね」
「おお! こんなに小さなボディなのにそんなことができるなんて、なんて儚いんだ!」
自分が手に持っている道具の効果を知った薫は目を輝かせる。
「効果は色々あるから試してみな……つーか、ここでちょっと説明しとくか。おーい、こころ」
「なぁに、鳴瀬?」
呼び掛けると本をペラペラめくっていたペグ子が顔を上げる。
「喜べ、お前には俺のギターを弾かせてやろう」
そう言った瞬間、ペグ子の顔が眩しいほどに輝いた。
「本当に!? もしかして、あそこに立ててある可愛いカラーのギターかしら!」
「そうだよ、ちょっとこっちに持ってきてくれ」
「わーい!」
俺が薫ではなくペグ子に演奏を頼んだのには理由がある。
まず、薫には演奏ではなく音に集中してもらうために聴き手に回って欲しかったのが一点。
そして二つ目が、ペグ子が本に飽きて動き始めないように気分転換させるためだ。
行楽地に向かう車なんかで、最初は外の景色に夢中な子どもが時間と共に飽きてきてもぞもぞし始めるのはよくある話だ。それと同じレベルでガス抜きしないとペグ子がもぞもぞし始めるのは目に見えている。
ギターを取りに行ったペグ子の背中に視線を向ける途中、奥沢さんと目が合った。目が合った瞬間、彼女はこくりと頷いて親指をぐっと立てた。
流石奥沢さんだ。俺の意図を完璧に理解している。
俺は素晴らしき理解者がいることに感謝しつつサムズアップで彼女に応えた。
そうしている内に、ペグ子は飛ぶような早さでギターを手に取るとこちらに帰ってきた。その手にあるのはエピフォンレスポールカスタムのチェリーサンバーストカラーだ。
「持ってきたわ! 結構重たいのね!」
「ボディが空洞なホワイトファルコンと違って、フルソリッドで3.8kgあるからなー。レスポールは大体そんなもんなんだけどさ。ストラップ調整するから肩にストラップ掛けて両手万歳しな」
言われた通りに万歳するペグ子は、キョロキョロとギターに視線を落として興味津々といった様子だ。
「はーい、この子はレスポールって言うのね」
「おう、オリジナルのGibson社のじゃなくて、傘下のエピフォンってところのコピーモデルなんだけどな。しかも中古だし……よし、調整終わり」
「ありがとね! でも、コピーでも可愛いければいいじゃない!」
ペグ子はそう言うと、優しい手つきでレスポールの表面を撫でる。
「まぁ、実際にエピフォンのレスポールは他のメーカーのコピーと違ってはるかに使えるんだよなー。必要条件を満たしてるって言うのかな。こいつは発色もいいし、いい買い物だったよ。……よし、薫、アンプキャビネットの前辺りに椅子でもスツールでも置いて座ってくれ。あと、エフェクターを一旦俺に戻してくれ」
「了解だ、Mr.鳴瀬」
薫が差し出したエフェクターを受けとると俺は素早くシールドでアンプヘッドとレスポールに繋ぐ。
「オッケー。薫、見てもらったら分かるように、エフェクターってのはアンプとギターの間に噛ませて、ギターの電気信号にスパイスを効かせるようにするんだ」
「なるほど」
「スイッチは何個かあるんだが、つまみのスイッチはどれだけ効果を乗せるのかの調整、この押し込むタイプのフットスイッチは、そもそもエフェクターを作動させるのかを選ぶためのものだ。だから、曲によってはこれは使ってあれは使わないなんてのもできるわけだ」
「ふむ、それは曲のテーマなどで使い分けるといった感じかな?」
薫の言葉に頷く。
「そうそう、キュートでポップな曲なんかで音を歪ませたりしたら台無しだからな」
「確かにそれは儚いね」
「んじゃ、実際に鳴らして違いを確認するか。こころ、エフェクター無しで適当に弾いてみてくれ」
「わかったわ!」
返事をするや否や、ピックを握ったペグ子のてがギターに振り下ろされる。
ジャジャーン!
「んー! 良い音じゃな~い!」
「へぇ、ホワイトファルコンとはずいぶん違うんだね」
「ピックアップが違うし、ボディの形状なんかでも変わるからなー。ほい、それじゃあ次はエフェクターを入れるぞ。こころ、さっきと同じ感じでもう一度弾いてみてくれ」
「はーい!」
再び、ペグ子の手が振り下ろされる。
ジャジャァァァン!
「!? スゴいわ、さっきと全然違うじゃない!」
「おお、このうねるような音の響き、さながら嵐に揉まれる帆船といった風情だ!」
「へー、エフェクター使うだけでこんなに違うんですねぇ」
三人の口から三者三様の感想が飛び出す。
「かなり変わるだろ? 今入れたのがファズって言う通称《歪み系》のエフェクターな。一番変化が分かりやすそうだったからこれにしたけど、他も色々違うんだぜ」
そして、それからしばらく俺たちはエフェクターを点けたり消したりしながら音の変化を確認する。
たまに全然違う弾き方をして、全く参考にならない演奏を始めるペグ子を制しながらもなんとか一通りの確認はすんだ。
「……というわけだ。大体の雰囲気は掴めたか?」
「ああ、Mr.鳴瀬。しかし、これを使いこなすにはより一層の練習が必要だね。ふふっ、今から腕が鳴るよ」
再びシールドから外したエフェクターたちを薫に渡すと、彼女は使うのが待ち遠しいといった表情でそれを受けとる。
「最初は無理に使う必要もないし、曲の雰囲気に合わないやつは要らないからな。まぁ、色々試してみてくれよ」
「ありがとう、Mr.鳴瀬。必ずものにしてみせるさ」
そう言って薫は椅子に戻ると俺が渡したエフェクターの説明書をじっくりと読み始めた。これで薫もしばらくもつだろう。
「じゃあ、最後は奥沢さんね。奥沢さんには渡したいものが多いから覚悟しておいて」
「うへー、お手柔らかにお願いしますよ、鳴瀬さん」
先の二人とは違い、あからさまにげんなりした表情の奥沢さんに思わず苦笑する。
「はいはい。……まずは、奥沢さんは作曲担当だから、各楽器のコード・パターン進行表を渡しとくよ」
「あー、楽器ごとの定番のフレーズみたいなやつですよね?」
「そうそう、作曲ってさ、基本的にはよくあるパターンの組み合わせなんだよな。奇抜なことをやっても、全然曲になってないなんてざらにあるからな。基本に忠実に、しかし誰も見たことのないパターンの組み合わせを。これが作曲の基本だ」
「ふむふむ……」
「もちろん、全部同じにならないなら有名なところから進行の一部を引っ張って来てもいい。カノンコードなんて今時誰だって使ってるしな。それで、奥沢さんは間違いなくこういうの得意だろ?」
俺が感じている奥沢さんの印象は「とにかく自分の常識の枠がぶれない」ということ。つまり、「常識=基本」を押さえておけば、彼女はいくらでもそこに戻り、そこを起点に何度でも派生していくことが可能だということだ。
悪く言えば保守的で、良く言えば芯がある。《ハロハピ》では周りに革新的なメンバーが多い分、奥沢さんの持つ《芯》が今後大切になるだろう。
そういった点で、奥沢さんにはもっと音楽に携わる者としての
「んー、まぁ、得意と言うよりも他の人には無理って言うのが正しいと思うんですけどね。まぁ、頑張りますよ」
「ありがとう、奥沢さん」
「いやいや、褒められるようなことはなにもしてませんから……」
謙遜の言葉を口にしながら奥沢さんは後頭部をポリポリと掻く。照れているのか、その頬には少し赤みが指している。
うーん、普通に可愛い。松原さん以外の三人にもこれぐらいの慎みがあれば……無理か。
「あのー、鳴瀬さん? これで私には全部ですか?」
「あ、いやいや、まだあるんだ。ちょっと待っててくれ」
いかんいかん、余計なことを考えてボーッとしていた。
奥沢さんに見とれていた俺は、慌てて次のものに手を伸ばす。
「私はボーッとしててもいいんですけどね。急がないと、こころが好き勝手始めちゃいますよ?」
「まったくだよ……んじゃ、次はこれね」
「これは……」
「DTM関係の本とソフトなんかがはいったDVDだよ。曲を作るならやっぱりDTMは使えないと、いつまでも紙の譜面とにらめっこはできないからなー」
「うわー、ありがとうございます! これで作曲が凄く楽になる……(涙)」
「奥沢さん……(同情)」
DTMとは打ち込み式の作曲ツールで、現在作曲をする人たちには必須とも言えるアイテムだ。これがあれば楽器がなくたって曲が作れるし、出来た曲を流してそこから修正することも容易だ。
特に、ペグ子の気まぐれでコロコロ曲が変わる《ハロハピ》にとって、曲のデータを取っておけるDTMの存在は重要だ。ペグ子が「うーん、やっぱり前の方が良かったわね!」なんて言ったときに、その前というのがいつだったのか分からないと大変なことになる。
……というかすでになった。思い出すと吐きそう。ヴォエ!
そして、奥沢さんも俺と同じ思いのようで、俺が渡したDTMセットの袋を抱き締めて頬擦りしている。
……強く生きろよ、奥沢さん。
ペグ子たちもいるので口には出さないが、俺は心の中で彼女にエールを送った。
◇◇◇
「よーし、これで前半組は終了ー。後半組を呼んできてくれ」
「はーい」(×3)
なんとか無事に三人にアイテムを渡し終えていよいよ後半戦だ。
ここまでは大きなトラブルはなかったが、ここからはついにペグ子が俺の家でフリーになるという恐るべき現実が幕を開ける。とにかくなるはやで後の二人は捌かなくてはならない。
「じゃあ、三人はリビングで待っていてくれ。いいか、くれぐれも勝手な行動は慎むように!」
去り行くペグ子たちの背中に念を押すとペグ子は心外だといわんばかりにむくれる。
「もーう、そんなに言わなくてもわかっているわよ、鳴瀬!」
「ふっ、Mr.鳴瀬も存外心配性なのだね。こころ姫には私がついているのだから大丈夫さ!」
……いや、お前のその根拠のない自信はどこから降りてくるんだよ? 宇宙か? 宇宙なのか?
もう明らかに頼りにならない薫はスルーして、俺は唯一の頼みの綱である奥沢さんにアイコンタクトを取った。
タ・ノ・ム・ヨ?
ム・リ・デ・ス。
「……ガッデム」
「鳴瀬くん、お邪魔しまーす!」
「しっ、失礼します……」
命綱を無事に握りしめたと思ったら、実はその綱がどこにも結び付いていなかったかのような絶望感を味わいながら、俺は新しく入ってきた《ハロハピ》の二人を眺めたのだった。
なんか、前後編の予定だったのに普通に中編ができてたんですけど(震え声)
ということで残るメンバーは次回に持ち越し!
【用語集】
「アルトベンリー」と「ナイトフーベン」
まるでドイツ語のようなカッコいい響きの名前で呼ばれるこいつらの正式名称は「ペグワインダー」。要するに糸巻きの補助装置である。
クランク付きレバーのような形のこいつらをペグに取り付けることで弦の巻き取りが容易になり、弦の交換直後など大変重宝するグッズである。
ギター用は某ハードオフのジャンクコーナーで100円のシールが貼られる常連だが、ベース用はあまり見かけず値段もお高め。
名前は「あると便利」と「無いと不便」のもじり。人によってはギター用が「アルトベンリー」で、ベース用が「ナイトフーベン」だと言う人もいれば区別なく使う人もいる。
奥沢さんのサイドストーリー、読みたいのはどちら?
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結婚式場ルート。着ぐるみで疑似結婚式。
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田舎ルート。おばあちゃまの家でお泊まり。